研究レビュー論文1 標題: 更年期女性の骨密度に対する大豆イソフラボンの効果に関する研究レビュー 目的: 更年期の女性に大豆イソフラボン抽出物を含むサプリメント(大豆タンパクを含まない)を摂取した場合と、イソフラボンを含まない偽薬を摂取した場合の腰部脊椎、大腿骨頸部、臀部総体、大腿骨上部突起部の骨密度(BMD)に対する効果を研究した過去の論文を評価し、イソフラボンの骨に対する効果の検証を目的とした。 背景: 閉経後の女性の骨密度の低下は女性ホルモン(エストロゲン)の減少が影響していることが明らかである。また、大豆をあまり食べない西洋型の食事よりも大豆 を多く食す女性の方が、骨粗鬆症になりにくいという報告がある。大豆イソフラボンはエストロゲンと構造が似ており、大豆イソフラボンを含む食品を摂ることで骨密度に良い影響があると考えられているが、大豆に含まれるタンパク質の影響を受けないイソフラボンの骨密度に対する効果が不明確であった。 レビュー対象とした研究の特性: 検索日2008年9月、検索対象期間:1966年~2008年、対象集団の特性:更年期の女性、最終的に評価した論文数:11、研究デザイン:システマティックレビュー及びメタアナリシス、利益相反情報:公益財団法人 不二たん白質研究振興財団の補助金による研究。 主な結果: 更年期の女性がイソフラボンアグリコン当量で、47~150mg/日のイソフラボンを6~12カ月摂取することで、腰椎骨密度が22.25mg/cm2又は2.38%増加するという結果であった。大腿骨頸部、腰骨、大腿上部突起の骨密度には有意な効果はみられなかった。 科学的根拠の質: 抽出された論文の品質評価、及びメタアナリシスに国際的な基準とシステム用いて検証されており、研究の質は確保されていると評価しました。研究の限界として、今回の各臨床試験で用いられているイソフラボンの種類や濃度が異なることから、腰椎骨密度に対するイソフラボンの種類や濃度の影響までは明確にならなかったと報告されていた。 研究レビュー論文2 標題: 大豆イソフラボンの更年期女性の骨吸収の低減化、及び骨形成の活性化についての研究レビュー 目的: 更年期の女性に大豆又はイソフラボンを含む食品を摂取した場合と、イソフラボンを摂取しなかった場合のイソフラボンの摂取量の骨吸収と骨形成に対する効果を検証した臨床試験を統合的に解析し、効果の検証を目的とした。 背景: 骨粗鬆症に対する予防処置としてホルモン補充療法の選択があるが、副作用の報告もあり、骨の健康に対して新たな手法の検討が期待されている。西洋の女性よりも大豆食品を10~20倍食するアジアの南部及び東部地方の女性の方が骨粗鬆症の発生率が低いことが知られている。しかし、報告されている人臨床試験において矛盾した結果も見られるため、イソフラボンの効果が不明確であった。 レビュー対象とした研究の特性: 検索日2006年1月、検索対象期間:1985年~2006年、対象集団の特性:女性、大豆食品又はイソフラボン製品を4週間以上食した試験、最終的に評価した論文数:9、研究デザイン:システマティックレビュー及びメタアナリシス、利益相反情報:中国国家自然科学基金の補助金による研究。 主な結果: 大豆イソフラボンを1日当たり37.3~118mgを4~48週の間摂取したグループ は、骨吸収マーカーである尿中デオキシピリジノリン(Dpyr)の2.08 nmol/mmolの減少、また骨形成マーカーである血清中のアルカリフォスファターゼ(BAP)においては1.48mg/lの増加することが分かった。また、イソフラボン摂取量が90mg/日以下、 摂取12週以下の場合でも、同じくDpyr減少、BAP増加の効果がみられた。 科学的根拠の質: 出版バイアスに対する考慮、抽出された論文の品質評価、及びメタアナリシスに国際的な基準とシステム用いて検証されており、研究の質は確保されていると評価した。研究の限界は特に報告されていなかった。 |