LNG(レボノルゲストレル)
ピルの説明で使われる用語「LNG」について解説します。
LNGってなに?
LNGとは、Levonorgestrel (レボノルゲストレル)の略語で、低用量ピルや緊急避妊薬に含有される合成プロゲステロン(プロゲストーゲン)のことです。
レボノルゲストレルの特徴
1970年代から使用されはじめたプロゲストーゲンで、開発された順番で「第2世代」と呼ばれています。
それまでの主流だったプロゲストーゲン(ノルエチステロン)に比べて黄体ホルモン活性が強く、卵胞ホルモン活性がないことが特徴です。
一方で男性ホルモン活性(アンドロゲン作用)は、ノルエチステロンの8.3倍と強くなっています。男性ホルモン活性は、ニキビやムダ毛の出やすさに影響すると言われてます。
レボノルゲストレルの働き
レボノルゲストレル(プロゲストーゲン)は、ピルによる避妊のメカニズムのうち、排卵を起こさない、排卵を遅れさせる作用を担当しています。
簡単に言ってしまえば、レボノルゲストレルは排卵スタートの命令を途中で足止めする役目を果たすのです。
排卵スタートの伝令をストップ!
排卵は、脳の下垂体が卵胞の成熟度を察知し、黄体化ホルモン(LH・黄体刺激ホルモン)を分泌することがキッカケではじまります。
脳の下垂体から指令を受けた黄体化ホルモンは、「排卵スタート」を伝えるため、大挙して卵巣に向かいます。
大量の黄体化ホルモンの接近に卵巣が反応することで、排卵が起こるのです。
黄体化ホルモン(LH)が卵巣に向かって大移動することを「LHサージ」と呼び、LHサージを食い止めるのがレボノルゲストレル(プロゲストーゲン)です。
精子が子宮に入りづらくなる働き
レボノルゲストレルはこの他にも、子宮頸管(子宮の入口)で、子宮頸管から出る粘液の粘性を高める働きをします。粘性が高まることで、子宮内に精子が入りにくくなるのです。
レボノルゲストレル(プロゲストーゲン)はかなりの働き屋さんなのです。
レボノルゲストレル配合のピルは?
- トリキュラー21
- トリキュラー28
- ラベルフィーユ21
- ラベルフィーユ28
- アンジュ21
- アンジュ28
- ノルレボ(緊急避妊薬)
処方されている値段はいくら?
ピルを病院で処方してもらうと、トリキュラーやラベルフィーユ、アンジュなどの低用量ピルであれば、1シートおよそ2,000~3,000円ほどです。ノルレボは緊急避妊薬なので、一回で10,000~16,000円ほどの金額となります。
病院で処方してもらう場合は、薬代以外にも初診料や診察料がかかります。病院によっても金額は変わってきますから、こちらの金額は目安と考えてください。
また、近頃はネットで海外からピルを個人輸入でもっと安価に購入できます。しかしあくまで個人輸入なので、服用に当たるリスクも全て自己責任です。副作用が出る可能性もありますし、避妊効果なども信頼できるかどうか、判断が難しいところです。
万が一のことを考えると、医師から処方してもらう方が安全でしょう。
LNG(レボノルゲストレル)の副作用
レボノルゲストレル(プロゲストーゲン)だけでは、血栓症のリスクはほとんどありません。
ピルに含まれるホルモンは、プロゲストーゲンとエストロゲン(卵胞ホルモン)の2種類です。2種類のうち、血栓症に大きく関係があるホルモンは「エストロゲン」です。エストロゲンには血液が固まりやすくなるという副作用があり、これが血栓症の原因となります。
レボノルゲストレル(プロゲストーゲン)を含むものに限らず、低用量ピルを服用している女性は、服用していない女性に比べると、血栓症のリスクはおよそ3~5倍であるとされています。
血栓症のリスクは極めて低い
とはいえ、低用量ピルによる血栓症のリスクは、妊娠中の女性と比べたら半数にすぎません。
低用量ピルの服用者でも、血栓症が起きる確率は年間で1万人に3~9人です。死亡確率はさらに低く、10万人に1人以下と言われるほど、極めて低い確率です。
低用量ピルを飲みながら、血栓症を事前に回避するためには、日々の生活で不摂生をしないことが肝心です。発症する可能性が低い血栓症も、飲酒や喫煙の習慣によって、リスクは何倍にも跳ね上がります。また、年齢などによってリスクの大きさも変わります。
血栓症の危険信号は、ふくらはぎのむくみや急な痛み、手足のしびれ、激しい胸の痛み、息苦しさ、激しい頭痛、目が見えにくいと感じるなどの症状です。このような症状が出た場合、ただちにピルの服用を止め、病院に行きましょう。
同じレボノルゲストレルを含む「ノルレボ」に関しては、緊急避妊薬という特性上、使用は一回きりです。たった一度の使用で血栓症が起きる可能性は、皆無と言っていいでしょう。
注意したいレボノルゲストレルとの飲み合わせは?
レボノルゲストレルとの飲み合わせや食べ合わせで気をつけたい点は、避妊効果を下げてしまう、マイナスの作用を避けることです。
レボノルゲストレルとの飲み合わせで注意すべきものは、うつ症状に効果的なハーブであるセイヨウオトギリソウ(セントジョーンズワート)が含まれるサプリメントや漢方、抗けいれん剤やHIV感染症治療薬などです。レボノルゲストレルの効果を弱めてしまうため、併用しないようにしましょう。