かゆみをともなう湿疹とは
更新日:2017/04/30 公開日:2017/04/30
湿疹・皮膚炎
「湿疹」は皮膚の表面にあらわれるトラブルのひとつで、皮膚炎と同じといわれています。かゆみをともなう湿疹はなにが原因で起こり、どのような対処をするべきなのかなどについて、ドクター監修の記事で解説していきます。
湿疹は、あらゆる部位にあらわれるといわれており、ブツブツや赤みと一緒にかゆみをともないます。なぜかゆみをともなうのかということだけでなく、症状があらわれたときに知っておきたい対処法や治療薬について、詳しく説明します。
かゆみが出る原因
湿疹は、皮膚の赤みや腫れ、紅斑(赤みを帯びたブツブツ)などの視覚的な症状だけでなく、かゆみをともなうものを指すとされています。皮膚の炎症やかゆみという点では、蕁麻疹(じんましん)と似ていますが、湿疹は蕁麻疹のように症状があらわれたり、消えたりを短時間の間でくり返すことはないといわれています。湿疹の症状が一度生じると、症状は数日続くことが多いといわれていますので、症状のあらわれ方で見分けましょう。
湿疹で起こるかゆみは、皮膚の炎症によって誘発されると考えられています。ハウスダストや花粉、摩擦などの外的要因や乾燥、皮脂の分泌異常などの内的要因などにより、皮膚が炎症すると体内では免疫反応が起こります。このとき、ヒスタミンをはじめとする化学伝達物質が生じ、知覚神経を刺激するため皮膚の炎症とともにかゆみの症状があらわれると考えられています。
かゆみは我慢するのがよいといわれていますが、無意識のうちにかいてしまうという方も多いです。しかし、かゆみを我慢できずにかき続けると炎症が悪化し、さらにかゆみが増すことになります。そうなると、「かく、かゆみが増す」というのをくり返し、かゆみの症状を増々悪化させてしまう悪循環に陥ってしまいます。
かゆみから見る湿疹の症状
かゆみと一緒にあらわれる皮膚の症状は、症状があらわれはじめたころと長期化したときで異なります。
初期にあらわれる湿疹の症状
かゆみを感じ始めたときにあらわれやすい皮膚症状は次のとおりです。
- 赤い面(局面)
- 赤いブツブツ(丘疹)
- 小さな水ぶくれ(小水疱)
慢性化したときにみられる湿疹の症状
かゆみをともなう湿疹が慢性化すると、次のような症状を引き起こすといわれています。
- 皮膚が硬くなりごわつく(苔癬化)
- かいた刺激などによる黒ずみ(色素沈着)
かゆいときの対処法
日常生活を見直すことで、かゆみを抑えたり、起こさないようにしたりすることができるといわれています。皮膚のバリア機能が衰えることでウイルスなどの侵入を許してしまい、皮膚の炎症を発生することがあります。これは、ケガだけでなく、日常生活の摩擦や紫外線などで皮膚が傷ついたり、水仕事によって保湿成分が奪われたりすることが原因と考えられています。つまり、肌に負担をかけるようなことを続けているとかゆみの症状を改善することができません。
必要以上に皮脂を洗い流さない
肌は洗い過ぎることで皮脂を必要以上に洗い流してしまい、皮膚を保護しているバリア機能を衰えさせてしまいます。肌を洗う時は、せっけんを泡立ててやさしく洗いましょう。ゴシゴシ洗いやナイロンタオルなどで皮膚をこすらないことがポイントです。ちなみに、水に触れることが多い「手」の皮膚のバリア機能を保護するためには、せっけんを使って洗う回数を1日2~3回に留めるのがよいとされています。
肌に必要な栄養をとり、きれいな肌を保つ
きれいな皮膚を保つこともひとつの対処法です。肌に必要な亜鉛をはじめとするミネラルが不足していると湿疹が起こりやすいといわれています。ダイエットなどで偏った食事をしてると炎症が長期化してしまう要因にもなり得ますので、栄養バランスのよい食生活もかゆみを対処するうえでは重要と言えるでしょう。
薬の成分と効果
かゆみの症状を早く抑えるためには、「かく、炎症が悪化する」という悪循環を改善することが近道と言えます。かゆみによる悪循環を改善するためには、ステロイドを含んだ外用薬が有効とされています。ステロイドには抗炎症作用があるといわれているため、皮膚の炎症を抑え、それによるかゆみを軽減する効果が期待できます。
医療機関によっては、効果があらわれやすい強めのステロイド外用薬から使用し、短期間で治療するステップダウン療法という方法で治療されることもあります。これは、かくという行為を抑え、傷跡を残しにくくするというメリットがあるといわれています。場合によっては、保湿剤を併用することもあります。
ただ、湿疹にもさまざまなタイプがあります。貨幣状湿疹(かへいじょうしっしん)や異汗性湿疹(いかんせいしっしん)などの要素がある場合、ステロイド外用薬によって一時的な症状の改善がみられますが、それのみを使った治療を続けていると、かえって症状が拡大してしまうケースもあるとされています。また、進行性指掌角皮症(しんこうせいししょうかくひしょう)が重なる場合も、ステロイド外用薬による治療だけでなく、総合的な治療が必要といわれています。