「ベビーオイル」ってどうなの?


こんにちは。橋本です。


「保湿剤として、ベビーオイルって正直、どうなんだろう?」


結論からいうと、使用感、保湿力、安全性、コスパなど、総合的にみると、ベビーオイルは保湿剤として、すぐれています。


とくに、ベビーオイルは、液状なので広い面積を塗りやすいですよね。


ただ、やはりどんな保湿剤にもいえることですが、使う人の状況、好み、肌のコンディションなどによって、「いい保湿剤」にもなったり「ダメな保湿剤」になったりもします。


では、ベビーオイルの場合は、どんな時に向いていて、どんな時に向いていないか?


ここで、少し詳しくみていきますね。



ベビーオイルとは


ベビーオイルは、正式には「流動パラフィン」とよばれています。


ミネラルオイル、ミネラルホワイトオイル、ヌジョール 、白色鉱油、水パラフィン。いろいろある名前も、すべて同じ「流動パラフィン」のことを指しています。


ベビーオイル流動パラフィンミネラルオイル


すべて同じものです。


流動パラフィンは、石油から精製して作られます。


石油から作られていると聞くと、「えっ、体に毒じゃないの?」って思う人もいます。


それも、素朴な感想だと思います。


でも、流動パラフィンは、化学的にとても安定していて、酸化しにくいため、皮膚にとって、じつは安全で刺激が少ないんですね。


現在、日本で製造されている流動パラフィンはとくに、不純物が少なく安全性が高いといわれています。


そのため、医薬品、化粧品の成分にも、よく使われています。


肌をフタする能力は優秀


ベビーオイルには、肌に水分を与える能力はありません。


「肌の表面に油の膜をはることで、肌内部の水分が外に逃げないようにする」


ベビーオイルは、そういったタイプの保湿剤です。


つまり、保湿するメカニズムは、「ワセリン」と同じ。


で、意外なのが、このワセリンと流動パラフィンの保湿能力を比較したデータをみると、ワセリンの9割以上に迫る保湿能力があるんですね。 *1, 2


ただし、このデータは、肌の同じ面積に、同じ量塗った状態で測定したデータ。


粘りのあるワセリンに対して、流動パラフィンは液状なので、ふつうに肌に塗ると、塗った量は、あきらかに流動パラフィンのほうが少なくなりますよね。


塗りのばしてしまうので、どう考えてもたっぷり塗ることはできません。


その点からみると、現実には、ワセリンと流動パラフィン(ベビーオイル)の保湿能力は、「同じくらい」とは、言いがたい、ということになります。


「肌内部の水分が外に逃げないようにする」能力を求めるなら、やはりワセリンのほうに、軍配があがるわけです。


しかし、液状の保湿剤と比較すると、ホホバオイルの3倍近く、オリーブオイルの4.8倍近く、肌から水分を逃さないというデータが出ています。 *1, 2


つまり、液状のもの、オイル状のものの中では、ベビーオイルが群を抜いて、肌に水分をとどめる力は強いわけです。


デメリット


「肌にフタをする能力が高い」


ベビーオイルの、そのメリットは、裏を返せば、「体の熱を閉じ込めやすい」ということにもつながります。


体の熱を閉じ込めてしまうと、子どもによっては、それが「かゆみ」につながってしまうことも考えられます。


「塗った保湿剤で体が温まって、患部をかいてしまう」


そういったケースでは、「ワセリン」「プラスチベース」「ベビーオイル」以外のものにしたほうがいいかもしれません。


あともう1つ、「ベビーオイル」が合わない場合があるとすれば、「刺激」です。


基本的に、ベビーオイルは、低刺激です。


酸化や変質をおこしにくいですし、不純物もほとんどないので。


しかし、肌に浸透しやすいので、人によっては、それが刺激につながることがあるかもしれません。


そういうケースでは、肌に浸透しないワセリン。


さらに低刺激を求めるなら、ワセリン系の中でも、より不純物の少ない「プロペト」「サンホワイトP-1」などのほうがいいですね。


そして、ベビーオイルは、どうしてもベタつきがあり、服も汚れてしまいます。


そのため、長く使い続けるには、少し向いていない面もあります。


肌の症状が、だいぶ落ち着いてきたら、より使用感のいい「クリーム」「ローション」などの保湿剤に切り替える。


そういう選択もありですね。


より低刺激なものにしたい・・・
→ 「プロペト」「サンホワイトP-1」(不純物の少ないワセリン)


体に熱がこもらないようにしたい・・・
→ 「ワセリン」「プラスチベース」「ベビーオイル」以外のもの


症状が落ち着いてきた・・・
→ より使用感のいい「クリーム」「ローション」タイプなどのもの


参考文献:

1) 西山 聖二, ほか: クリームによる皮膚水和の研究: O/Wクリーム成分の皮膚水和に与える影響, 日本化粧品技術者会誌 16: 136-143, 1983.

参考データ:

2) 水分閉塞能(occlusivity): ワセリン 93.8, 流動パラフィン 86.0, ホホバ油 29.0, オリーブ油 18.0: 単位[(H2Og/cm2/hr)-1・g-1].

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