患者さんとご家族の心と体に起こること

更新日:2012年12月12日 [ 更新履歴 ]
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2012年12月12日掲載しました。

1.がんと言われた患者さんの心の変化

がんという言葉は、心に大きなストレスをもたらします。場合によっては、今まで経験したことのないようなつらい状態におちいってしまう人もいます。
特に、がんと診断されたとき、がんが再発したとわかったとき、病状が進行したときなどは大きなショックを受け、しばらくの間は不安や落ち込みの強い状態が続きます。こういった気持ちの変化は、大きな衝撃から心を守ろうとする時に、よく起こる反応です。
そして、多くの場合は、時間の経過とともに今後の見通しを立てることができるようになり、前向きな気持ちになっていきます。

2.がんを治療することによって起こる体の変化

がんを治療するためには、手術が行われたり、抗がん剤や放射線が使われます。いずれもがんに対する治療効果が確認されている方法ですが、少なからず体には負担がかかります。
副作用や後遺症ができるだけ少なくなるように治療の方針が検討されますが、治療をしている間だけでなく治療が終わってからも継続することがあり、副作用や後遺症と折り合いをつけながら生活することが必要になることもあります。
こうした変化は身近にいるあなたにとって戸惑うことかもしれませんが、患者さんやご家族にとっても受け入れるのは簡単なことではありません。そのことを話題にしてほしい人もいれば、そうでない人もいます。大変かもしれませんが、患者さんやご家族とコミュニケーションをよくとり、温かく見守りましょう。

(1)手術

手術によりがんのある部分を切除することによって、体の機能が損なわれることがあります。どのような合併症や後遺症が生じるかは、その術式(体のどの部分をどの程度どのように切除するかを決める方法)によって異なりますが、事前にある程度予想が可能です。
例えば、胃や腸などを切除した場合は、食事の量や回数に制限が必要になったり、腕や足を手術した場合は、運動が制限されることがあります。皮膚を切開した部分には、創あとが残ります。
リハビリテーションを行うことで、失われた機能を手術前と同じ程度に回復できることもありますが、完全にもとに戻らないこともあります。家庭や職場、学校での活動において、変化を余儀なくされる場合もあります。

(2)薬物療法(抗がん剤治療)

抗がん剤治療では、使用する薬剤の種類によって、どのような副作用がいつごろ生じるかを予測することができます。副作用を抑えるための薬を使いますが、抗がん剤治療によって起こる副作用の程度は個人差が大きいので、全ての人の症状に対応するのは難しいこともあります。
脱毛・皮膚の色が変化する・爪が黒くなる・手足の皮膚が乾燥する・むくみ・異常な食欲増進による肥満などは、外見からもわかりやすい副作用です。こうした副作用に対応する方法としては、帽子をかぶる、ウィッグ(かつら)を着ける、サングラスやマスクをかける、夏でも長袖を着る、手袋をするなどがあります。
また、免疫力が低下し感染症にかかりやすくなる、体がだるくなる、強い眠気や吐き気を感じる、においに敏感になる、味覚が変わるなど周囲からはわかりにくい副作用も起こります。感染症にかかりやすい時期には、健康な人より風邪などの予防に気を付ける必要があります。感染のもとになる可能性がある花や植物、生の食べ物を避けなければならないこともあります。

(3)放射線治療

放射線を正確に照射するため、治療の期間中は放射線を照射する部位やその近くの皮膚に、専用のペンで文字や印が描かれます。この印は、治療が終了すると数日で消えていきます。
放射線の治療中や治療直後は、疲れやすくなったり、気分が悪くなったり、吐き気を感じたり、皮膚に炎症が起こることがあります。放射線を照射した部位によっては、見る、聞く、味を感じるといった感覚に影響を与えることもあります。
ほとんどの副作用は治療が終了すると数週間で回復しますが、中には数年間続くこともあります。

3.患者さんと同じような配慮をご家族にも

がんは患者さんご本人だけでなく、ご家族にとっても大きな衝撃です。家族にも、患者さんと同じかそれ以上の精神的な負担がかかることが、多くの調査で明らかになっています。
また、患者さんの身の回りの世話を誰がするのか、患者さんの家族内での役割を誰が代わって担うのか、治療費など経済的な負担をどうするのかなど、心理面、経済面、その他日常生活に大きな影響が生じます。
心身ともにつらい状態にある患者さんを間近でみているご家族は、自分のつらさを誰かに相談することをためらいがちです。また、患者さんを支えることに一生懸命になり、自分自身をいたわることを忘れてしまうことがあります。このため、ご家族に対しても、患者さんと同じような心のケアが必要になる場合もあります。
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