MCは八嶋智人さん、大和田美帆さん、
チョイスコンシェルジュは中條誠子さん、
解説してくれるのは、
神奈川リハビリテーション病院 
病院長 杉山 肇先生です。


【股関節のトラブル】

【伊藤さん女性61歳のケース】

去年の8月、
右足に力が入らなくなる違和感を覚えました。
その後1カ月でキリキリするような痛み覚えるようになり、
夜も痛みが続いてなかなか眠れず、
自力で立つことも困難になってきました。
そこで、整形外科を受診したところ、
手術をすすめられました。
それは、軟骨の減りが激しく、
レントゲンで確認した以上に痛みが激しかったからでした。

股関節には関節軟骨があって、
骨盤と大たい骨の骨同士がぶつからないようにしてます。
ところが、この軟骨がすり減ったことで痛みを覚える病気が、
『変形性股関節症』
です。


■変形性股関節症

股関節のトラブルを抱えている患者は、
400~500万人いて大半が変形性股関節症です。
多くが50代以上の女性です。

ところが、
変形性股関節症では、痛みを感じにくいケースがあります。
痛みは太ももの付け根ではなく、
腰や臀部、膝などに出ることがあります。
股関節にはいろいろなところの神経が通っていることから、
脳が錯覚してしまうためです。
このように、脳が痛みを錯覚して、
原因の部位とは異なる場所に起きる痛みのことを
『放散痛』
と呼びます。


■変形性股関節症のサイン

股関節の痛みがなくても、
以下の症状がある場合は要注意です。

①足の爪がうまく切れない
②あぐらをしにくい
③靴下が履けない
④左右に揺れて歩く


変形性股関節症になる人の8割の人に、
臼蓋(きゅうがい)形成不全という症状がみられます。
臼蓋とは、骨盤側のくぼみのことで、
このくぼみのへこみが不十分な状態のことをいいます。


■検査

変形性股関節症の診断は、X腺検査ですぐにわかります。
股関節の痛みが長引くようなら、
すみやかに整形外科を受診してください。





【治療】

■伊藤さんの治療

伊藤さんは人工関節置換術をチョイスしました。
これは、
骨盤の一部と大たい骨の一部を削って、
そこに人工関節を埋め込む手術です。

最新手術は3D画像を用いる、
ナビゲーションシステムで行われます。

これは、
股関節の機能を担う人工関節が正確に取り付けられるように、
コンピューターが画像で示して誘導しくれるシステムです。
手術の所要時間は1~1時間半くらいです。

手術によって痛みがとれるとともに、
動きもスムースになり、
術後2日で歩けるようになります。


■人口関節置換術の特徴

①主な対象は60歳以上
人工関節がすり減ってしまうので、
若くして手術をすると、
再手術が必要になることがあるためです。


②入院は1カ月程度
歩行のリハビリ等を行い、
綺麗に歩けるようになるまで約1カ月ほどかかります。
また、退院した後もリハビリは必要です。


③術後のケア
術後は脱臼に注意が必要です。
『体くずわり』
『和式トイレの座り方』
『内また』

などが脱臼しやすい動作ですので、
ひかえるような注意が必要です。


■骨切り術の特徴

骨切り術は、骨盤側を削ることで、
股関節への負荷を減らす手術法です。

①対象は主に50歳未満
②入院は2カ月程度
③術後は、再手術(人工関節置換術)の可能性があります






【東さん女性59歳のケース】

10年前に変形性股関節症と診断されました。
両足とも変形性股関節症でした。
ただし、当時49歳でしたので、
手術をしても再手術を行う可能性がありました。

東さんはストレッチの治療を受けることにして、
この運動療法のおかげで痛みが和らいできました。


■運動療法

関節を正しく動かしてあげることが目的です。
運動のポイントとしては、
インナーマッスルをいかに動かすかが重要です。
力を抜いた状態で股関節を動かすこのストレッチによって、
痛みを緩和して手術を先延ばしにすることができました。



■ストレッチ

◆膝横揺らし運動

①足を肩幅に開いて、椅子に浅目に腰かけます
②太ももの上に手をおきます
③膝を内側~外側にと、横に動かします

テレビを見ながら等、いつ行ってもかまいませんので、
できるときにできるだけやってみてください。


◆骨盤起こし運動

①椅子に浅目に腰かけます
 たたんだバスタオルをイスの上において、
 その上にすわるとやりやすくなります
②腰に手を当てます
③おへそを突き出すようにして、
 骨盤を前に動かし、元に戻します

顎をあげたり、上を向いたりしないでください。
これを1セット10回、1日2セット行ってください。


◆うつぶせお尻振り運動

①力を抜いてうつぶせに寝ます
②背中に力が入らないようにして、
 お尻をゆらゆらと左右にゆすります

いつ行ってもかまいませんので、
できるときにできるだけやってみてください。


◆ひざ開き運動

①仰向けに寝て、手はお腹の上におきます
②両膝を立てます
③閉じた膝をゆっくりと開いていきます
④開いた膝をゆっくりと閉じていきます

膝は最初は無理に大きく開かないで、
なれてきたら徐々に大きく開くようにしてください。
また、腰が浮かないように、
腰を床につけてやるようにしてください。
これを1セット10回、1日2セット行ってください。