栄養状態を評価するときに、TPとAlbをチェックする。しかし、本当は栄養の評価はもっと難しい。同じとこで足踏みしてないで、学習を深めましょう。
 
【1】栄養アセスメントの種類
・栄養評価を行なう場合、①静的栄養評価と②動的栄養評価という考え方がある。
①→スクリーニングや一定集団の栄養状態の評価など、比較的長期間安定した指標を用いて行う栄養評価を、静的栄養評価という。
②→動的栄養評価とは、入院患者などの栄養管理実施期間中の栄養状態の変化を動的に観察することであり、モニタリングに用いられる。短期間における栄養状態の変化を捉えることができるものが望ましい。
・上記の表は静的・動的栄養アセスメントの表です。
 
【2】各論
[TP]
・総タンパク質の大部分を占めるのはアルブミンとγグロブリンです。
・TPの増加はγグロブリンの増加を反映しており、アルブミンが増加することは脱水以外にはないといわれている。
・TPの減少はγグロブリンの減少も関与するが、多くの場合はアルブミンの低下を反映している。
・アルブミンの低下は栄養不良や肝合成能の低下、体外への喪失、体腔内液体貯留などにより起こる。
[A/G比]
・A/G比→基準値:1.0~2.0
・TPが基準値内でも、アルブミンが減少し、グロブリンが増加していて、何らかの異常が隠れている場合があります。
※グロブリンの大半を占めるのは免疫グロブリン(γグロブリン)です。
・アルブミンはTPの2/3を占めています。
[Alb]
・半減期は2~3週間程度。→どういうことかというと!Albは過去2~3週間の栄養状態を表しているということになる。
・炎症状態があると血清濃度が低下するので、CRP値が上昇しているときは栄養状態より炎症状態を反映しているので注意する。
・Albが低栄養のスクリーニングに使用される場合があるが、エネルギー・タンパク質ともに欠乏しているマラスムス(marasmus)型の栄養失調においてはAlbが正常であることも多い。
[RTP]
・rapid turnover proteinsの略であり、ラピッドターンオーバープロテインと呼ぶ。血清中のトランスフェリン・レチノール結合タンパク・プレアルブミンを総称してRTPという。
・ RTPは生物的半減期が短い。トランスフェリンは8~10日、レチノール結合タンパクは12~16時間、プレアルブミンは2~4日である。
[T-cho]
・HLによる高コレステロール血症はよく知られているが、低ければいいというものではなく、低栄養状態でも低下することを知っておく必要がある。
→これはコレステロールがVLDLとして肝臓から放出されるためで、高度の低栄養である場合はタンパク合成が間に合わず低値を示す。
[免疫能の指標]
・栄養状態が低下すると液性および細胞性免疫機能が低下する。これにより感染に対し防御機能が低くなるので、栄養評価において免疫能の評価も重要な指標である。→①末梢血総リンパ球。②遅延型皮膚過敏反応。
①末梢血総リンパ球:放射線やステロイド治療などでも低下するので栄養状態のみを反映しているわけではないので注意する。
②遅延型皮膚過敏反応:日本人ではほとんどが結核菌に感作していることからPPD皮内反応が用いられる。
[フィッシャー比]
・フィッシャー比はBCAAとAAAのモル比のことです。
・BCAAとは分岐鎖アミノ酸のことで、イソロイシン、ロイシン、バリンのことです。AAAは芳香族アミノ酸のことで、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファンのことです。
・BCAAは主に心臓、脳、肝臓などの組織で利用され、AAAは主に肝臓で代謝されます。
・肝機能が低下すると肝臓のアミノ酸代謝異常が起こりチロシンやフェニルアラニンの血中への供給量が増え、筋肉や心臓において分岐鎖アミノ酸が分解されることから、フィッシャー比が低下する。
・臨床ではBTR(総分岐鎖アミノ酸/チロシンモル比)が測定されることが多く、ほぼ意義は同じと考えられている。
・健常者のフィッシャー比は3~4でほぼ一定です。
[尿中3-メチルヒスチジン]
・筋タンパクに存在する特定のヒスチジンはメチル化され3-メチルヒスチジンとなる。筋タンパク分解によって遊離したこのアミノ酸は体タンパクに再利用されることがない。したがって、尿中3-メチルヒスチジンは筋タンパク異化の程度を反映する。
・標準値は平均±標準偏差で、㊚5.2±1.2µmol/kg/day、女4.0±1.3µmol/kg/dayとされている。
[クレアチニン身長係数]
・骨格筋量は身長によって規定されることから、その人の身長から標準的なクレアチニン排泄量を表より求める。あるいは標準体重あたりの平均的なクレアチニン排泄量を㊚23mg/kg、㊛18mg/kgとしてその人の標準的な24時間クレアチニン排泄量を推定する。
・患者の24時間尿中クレアチニン排泄量が標準値の何%になるかを計算する。60~80%で中等度、60%未満で高度の栄養障害とする。
※Crはクレアチンの最終代謝産物であり、クレアチンは筋肉細胞からの代謝産物である。
[窒素バランス]
・尿中に排泄される窒素量を測定し、そこからタンパク質異化の程度を評価する。
 
[3]おわりに
最初に書いたように栄養評価は難しい。そして、奥が深い。今回学習して、もっともっと、記しておきたいことがたくさんでてきた。しかし、ブログの見栄え上、文字だらけになってしまったので、ここで一旦終了とする。
また、ページを改めて栄養評価②としてブログに残そうと思います。
 

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