家計簿とダイエットは「最悪の私」を知ることから 家計簿をマネーハック(2)
今月のマネーハック、お題は「家計簿」です。家計簿というと、古い印象を持つかもしれませんが、実は今こそ家計簿を便利に使いこなせる時代はありません。
先週、家計簿のネガティブイメージを打破しました。今週も家計簿の固定観念をもうひとつ壊してみましょう。それは「家計簿をつけ始める最初の1カ月は節約はしない」というマネーハックです。
節約を考えて家計簿をつけ始めるはずなのに、どうしてでしょうか?
■最初の体重を知らずにダイエットする人はいない
ダイエットを志す人はたくさんいます。ダイエットに必要なことは、体重の記録をつけること(さらに摂取カロリーや運動の記録もつけること)です。
記録をつけるという意味ではダイエットと家計簿は似た要素があります(摂取カロリーと運動も、お金の収支と近い関係がありますね)。しかし、家計簿をつけ始めるのとダイエットをスタートさせるのとでは、大きな違いがあります。
それは「スタート時点での現状」を把握しているかどうかという違いです。
ダイエットであれば、初日に体重計に乗るだけで「きょうの私、最悪の○○キロ! この体重を忘れない!」と決心することができます。私たちはそこから何キロ減ったかを一喜一憂していくことになります。
しかし、家計簿については「最悪の私の家計」は1日では理解できません。最悪の家計というのは1日分のデータだけではわからないからです。日用品などは週に1度か月に1度くらいしか買わないでしょうから、たまたまその日だけ無駄づかいしたのか、支出が少ない日であったか、1日だけでは判然としません。
「現状の家計」というのは少なくとも1カ月分の家計データがなければ、はっきりしません。給与の振り込みも月1回ですから、収支の観点からもやはり1カ月分のデータが欲しくなります。
家計簿をつけ始めるときは、最初の1カ月は節約なんかせずに今まで通り生活し、現状把握のための基本データを取得するのがいいのです。
■大事なのは記帳の習慣をつけること
ダイエットと家計簿が似ているといっても、家計簿のほうが大変なところは日々がんばらなくてはいけないということです。
ダイエットの場合、毎日体重計に乗らなくても、週1回くらい乗れば現状把握は追いつきます。しかし、家計簿の場合、何日か記帳をサボると、サボった分だけ記帳が大変になります。3日もサボれば買い物のレシートがかさんで処理に困ってしまうでしょう。
家計簿を続けられず断念する人がたくさんいますが、記帳の習慣化に失敗するのが大きな理由だと思います。記帳が習慣化する前に、節約を同時に進め、日々の負担が重くなったのであればこれほどもったいないことはありません。
最初の1カ月は節約をしない代わりに、家計簿の習慣を身につけるのを第一の目的にしてみてください。もし、最初の1カ月で数千円の節約ができなかったとしても、家計簿の習慣が身につけば、これは一生の財産となります。おそらく何十倍もの節約をこれから生み出すことができるはずです。
■中途半端な節約にチャレンジしてはいけない
おそらくほとんどの人は家計簿をつけ始めると、家計が知らず知らずに引き締まっていくはずです。ただ体重計に乗って記録をするだけで、知らず知らずダイエットにつながるのと似ています。
しかし、それでは「最悪の私」を知らずに節約することになります。記帳は続けられたとしてもそこに残るのは、中途半端に節約にチャレンジした家計です。そこからさらに節約に励むことは、とても苦しい取り組みになってしまいます。
節約の効果を最大限にするためにもぜひそのままの生活をして、「最悪の私」を家計簿につけてみてください。
努力が要る家計簿ですが、そうはいっても現代はスマートフォン(スマホ)という便利なツールがあります。最初は、スマホを起動してゲームやSNS(交流サイト)をやる前にぱぱっと家計簿を記帳する「習慣」を身につけることに集中してください。スマホを使い、できるだけ楽をして確実に家計簿をつける方法は来週、マネーハックします。