京の伝統工芸
- 京小町ぬか~新洞食糧老舗(しんどうしょくりょうしにせ)~
こんなことわざをご存知ですか。
「京女の長風呂」。
京都の女性が肌を丹念に磨いて美しさを求めるため、長風呂になってしまうことからこのことわざはつくられました。
美しくなりたい・・・。それは今も昔も、すべての女性が願うこと。しかし昔は現代のような、様々な種類の美容法や化粧品はありませんでした。そこで京女が生活の中から美しさを磨くために見いだしたのが「米ぬか」。
今回訪れた新洞食糧老舗(しんどうしょくりょうしにせ)は、慶応2(1866)年から約140年以上も続く老舗のお米屋さん。米ぬかを売り出したのは、約50年前からだとか。女性に人気の「京小町ぬか」について、店主の鷲尾寿美子様にお話を伺いました。
| 新洞食糧老舗 鷲尾 寿美子様 ■米ぬかはどのようにして採れるのですか? 米ぬかは、玄米を精米するときに採れる粉です。1回目の精米では茶色い米ぬかが採れますが、この米ぬかはお肌には使わず、漬物のぬか漬けや床を磨くときに使います。お肌に使える白ぬかは4回目の精米で、ようやく採れます。その量は60kgのお米から、約2.5kg、つまり全体の5%ほどの量しか採ることができない、とても貴重なものなんです。 ■京女が米ぬかを美容に使っていたということですが、なぜ米ぬかが使われていたのでしょうか? 京女たちが生活の中から見つけ出したのが米ぬかによる美容法でした。石けんがなかった時代、彼女たちはお米の研ぎ汁で顔を洗っていたそうです。そうすると、お肌の潤いが増し、つやつやになったことから、研ぎ汁を使っての美容法がたちまち流行しました。いつしか彼女たちは布袋に米ぬかを入れ、丹念に全身の肌を磨くようになっていったんですよ。「京女の長風呂」ということわざがつくられるほど、米ぬかを愛用していたようです。 ■白い米ぬかは、なぜお肌に良いのでしょうか? 米ぬかには、肌のシミを薄くする効果があるといわれているビタミンB1・ビタミンB2、肌の老化防止に良いとされるビタミンE、脂肪やたんぱく質、そして食物繊維が豊富に含まれています。それら天然由来の栄養成分が肌に潤いをもたらしてくれるんです。 ■「京小町ぬか」をつくる上でのこだわりとその良さを教えてください。 米ぬかの美容に長年の研究を費やしてできたものが、「京小町ぬか」です。4回の精米をして採れた白ぬかは、すぐには使えません。さらに白ぬかをふるいにかけて不純物を取り除きます。最近では玄米から白米へと精米する作業を1度に行う店が多くなり、白ぬかを採るお店も量も減ってきました。また白ぬかを機械で採るお店も増えてきました。美容に使ってもらうものですので、うちは昔と変わらぬ手作業で白ぬかを採っています。白ぬかには胚芽が含まれているのですが、胚芽には毛穴の汚れをとってくれるスクラブ効果や、お肌に潤いを与える役目があるんです。機械で白ぬかを採ると、胚芽を取り除いてしまうことがあります。胚芽をほど良く残すためにも、ふるいにかけてきちんと確かめるようにしています。防腐剤や添加物も一切使用しておりませんので、自然の白ぬかをご使用いただけます。 ■「京小町ぬか」の使い方を教えてください。 「京小町ぬか」に含まれている胚芽は、強くこすってしまうと肌が荒れる原因にもなりますので、やさしくなでるようにしてお使いください。普段使われている洗顔料に混ぜて洗顔するも良し、化粧を落とされたあとにぬるま湯で溶かして顔全体に塗ってパックにするも良し、あるいはお風呂に入れて入浴剤として使うのも良いでしょう。またお米から採れた天然のものですから、料理にも使えます。様々な使い方がありますので、ご自分にあった使い方を試してみてください。 取材を行っている最中も、たくさんの方がお店に「京小町ぬか」を求めてやってこられます。接客の楽しみをお伺いすると、 「ご近所の方をはじめ、全国や海外からもたくさんのお客様が足を運んでくださるので、そんなお客様方との会話が何よりの楽しみです。お客様から米ぬかの使用方法を教えていただくこともあるんですよ。お店に来ていただいた方に米ぬかの良さを知ってもらって、皆さんに喜んで京小町ぬかを使っていただきたいですね。」 素敵な笑顔で取材に応じてくださった鷲尾様は、来年還暦を迎えられるとは思えないほどの美肌の持ち主。鷲尾様自身も毎日使っている「京小町ぬか」のおかげで、なんと化粧水や乳液を一切使っていないのだとか。美肌は、継続から生まれるんだなと実感しました。 取材を終えて、すぐ「京小町ぬか」を購入し、早速お風呂に入れてみました。すると体がポカポカして大量の汗が出てきました。汗をかきにくい冬場でも「京小町ぬか」を入れて入浴すると新陳代謝が良くなるようです。特に乾燥する冬の美肌づくりに、おすすめですよ。 |
<アクセス>
市バス「東山仁王門」下車 徒歩約5分
京都市営地下鉄東西線「三条京阪」下車 徒歩約6分
営業時間 10:00〜17:00
定休日 不定休
住所 京都市左京区新間之町仁王門上ル
お問い合せ 075-771-2919