外陰部のトラブルで考えられる病気
腟炎
腟炎は、腟内に細菌やかびなどの病原微生物に感染し、炎症を起こした状態です。
大腸菌による「細菌性腟炎」、トリコモナス原虫による「トリコモナス腟炎」、カンジダアルビカンスという真菌による「カンジダ腟炎」、その他ホルモン不足による「萎縮性腟炎」などがあります。外陰部を不潔にしていても腟炎は起こりますが、性成熟期の女性の場合、多くはセックスで病原微生物に感染することが原因です。
■ 症状
おりものの増加、ヒリヒリ感、かゆみ、おりものの悪臭などで、おりものは黄色いものが主ですが、炎症が強いと褐色や赤い色がつくこともあります。
■ 治療
原因に合った座薬(腟錠)や内服薬を用います。萎縮性腟炎の場合は、ホルモン補充療法やエストロゲン腟座薬が効果的です。
バルトリン腺のう腫・バルトリン腺炎
バルトリン腺とは性的に興奮した時に透明な粘液を分泌する、腟口部にある分泌腺です。粘液の出口が詰まって粘液がたまったものがバルトリン腺のう腫です。ここに細菌が入り炎症を起こした状態がバルトリン腺炎です。
■ 症状
バルトリン腺のう腫では、腟口のまわりのしこりに触れます。バルトリン腺炎では赤くはれて熱を持ち、うずくような痛みがあります。
■ 治療
症状の無いバルトリン腺のう腫は放置しておいてかまいません。
気になるとき、炎症を繰り返す時は、摘出したり開窓術をしたりします。バルトリン腺炎は、膿がたまることが多く、抗生物質の使用と共に、切開排膿します。
外陰がん
外陰部にできるがんが外陰がんです。外陰がんは、がん細胞の性質によっていくつかの種類があります。
■ 症状
よくみられるのは外陰部のしこりで、ビー玉や大豆のような感触です。大きさはさまざまで、不正出血を伴う場合や、黒っぽく見えることもあります。またかゆみを伴う赤い発疹タイプもあり、産婦人科や皮膚科でも慢性湿疹に間違われやすく、ステロイド軟こうで一時的に好転するため、数カ月から数年、診断や治療が遅れることがあります。
■ 治療
切除手術が基本です。放射線治療を行うこともあります。
ヘルペス
外陰部に水泡や潰瘍ができる病気です。ヘルペスウィルスが原因で、セックスによる感染が多く、性感染症の一つに数えられます。
■ 症状
感染後3~7日で外陰部に水泡ができ、つぶれて潰瘍になると強い痛みを感じます。
■ 治療
抗ウィルス剤で対処します。疲労や免疫力が低下した時などに再発することがあります。
悪性黒色腫
皮膚に発生する皮膚がんにはいろいろな種類がありますが、悪性黒色腫はその中のひとつで、悪性度が高いために恐れられています。
悪性黒色腫の治療は早期に発見し、早期に手術によって大きく完全に切除することが第一です。
皮膚は身体の表面にありますので、注意すれば自分もしくは家族により悪性黒色腫を早期に発見することが可能です。
しかしながら、普通のほくろと悪性黒色腫を区別することは難しいので、少しでもおかしいと思われるほくろがあった場合は自己判断せずに、まず皮膚科専門医を受診することが、早期発見、早期治療につながります。
尖圭コンジローマ
HPV(ヒトパピローマウイルス)というウイルスの感染が原因で子宮頚部・大・小陰唇や腟前庭、会陰、尿道口、肛門のまわりや肛門内、腟などにイボが発生する病です。イボの大きさは径1~3ミリ前後から数センチ大までさまざまです。イボは乳頭状のほか、ニワトリのトサカやカリフラワーのような状態になることもあります。
HPVにはさまざまな型がありますが、6型、11型HPVが尖圭コンジローマを引き起こすタイプです。セックスやそれに類似する行為により感染します。
■ 症状
自覚症状はイボの自覚ですが、かゆみや痛みを感じることもあります。
■ 治療
尖圭コンジローマ治療薬として世界の75以上の国と地域で使われている塗り薬が、
2007年12月、日本でも健康保険が適用される薬として発売されました。病院で処方してもらい、自分でいぼに直接塗って治療することができます。
その他外来で行われるイボをレーザーや電気メスなどで取り除く治療も行われています。
尖圭コンジローマは再発を繰り返し、治療が長引く場合があります。もし再発しても根気よく病院に通い、治療を続けることが大切です。