3月に入ったにも関わらず、ヒョウが降ったり雪が降ったり、気を緩められない今日この頃。先週末は弾丸でニューヨーク往復、その前の週はサンフランシスコと最近移動が多い。
来週ファイナルを終えて、驚くことに来週の金曜日はウガンダに発つ日だ。時の経つのが早すぎる。

ここで忘れないように、サンフランシスコに行った際訪れたワイナリーのことを記しておこうと思う。

ある土曜日、ナパのワイナリーを訪れたのだが、数件試飲で立ち寄り、一件だけワイナリー見学を行った。Kenzo Estate という、日本人のオーナーが経営するワイナリー。ケンゾーエステートのセールスマネージャーの後藤さんがワイナリーの中を案内してくれた。
このKenzo Estate、全体の敷地面積は4000エーカー(セントラルパークの5個分、東京ドームの336個分)、ワイン畑は100エーカーというとてつもない広い敷地を持つ。更に他のワイナリーと比べると高度が高いこともあり、敷地に入ると違う国に来たような錯覚に陥る。このナパバレー南東部に位置する現在のケンゾーエステートの土地は、以前ロサンゼルス五輪の公式馬術練習場として、クロスカントリーのコースやポロフィールドを有しており、ワイルドホースヴァレーと呼ばれていたという。

このケンゾーエステートのワイン、一流レストランでしか飲めないと言われる非常に希少かつプレミアムなワインである。私はワインが語れる人ではないのだが、ここのワインの質、その高級度合いは、以下のような形で認められている。
”全米の富裕層を対象とした月刊誌『Robb Report』(ロブ・レポート)。2010年には同誌にて、ケンゾー エステイト『あさつゆ asatsuyu』が全米で最高のソーヴィニヨン・ブランと評価されたことは記憶に新しいことと思いますが、この度は冬のワインセレクション100選に『藍 ai』と『あさつゆ asatsuyu』の2本が選出されました。” http://www.kenzoestate.jp/media/

このケンゾーエステート、辻本憲三さんという日本人の起業家が、20年程前に始めた事業である。個人的に、ワインテースティングをしながら、辻本さんのアントレプレナーシップストーリーに驚いていた。ワインをこよなく愛する辻本氏、カプコンというブランドを立ち上げ成功したその後に、「世界で最高のワインを造る」という思いでワイナリー事業を始める。1990年のことだそうだ。後藤さんから聞いた話だと、辻本氏はワインを極めるために2年程世界中のワイン名産地をプロに同行し回って勉強したのだとか。
勿論カプコンの成功資金があってのことだが、彼の事業家としての成功のポイントは、最高のものを作るために必要なリソースをかき集める努力にあった。
土地もそうだが、人材もそう。辻本氏は、栽培家のデイビッド アブリューと醸造家のハイディ バレットという世界でもトップレベルのワイン作りの人材をケンゾーエステートワインの親として獲得、”美味しいワインが出来ない訳が無い条件”を揃えたという。やっぱり、成功する起業家の基本は好きなものをとことん追求することがポイントなんだなあ、と改めて思う。

ケンゾーエステートは完全予約制で、スタッフが十二分にゲスト対応が出来る体勢を整えていると言える。テイスティングルームに入ると、高級ラウンジのような優雅な雰囲気が出迎えてくれる。ここでじっくり全種類のワインをテイスティングした。他のワイナリーのテイスティングよりも、訪問客に対するホスピタリティ度合いが違う。

ワインが熟成されるケイブにも入ってみた。自然のエアコンで、常に摂氏12〜13度が保たれているのだという。使っている樽や、その配置の仕方にすらこだわりがあることを説明され、高級ワインとはこういうところでコストをかけることも意味するのだと知った。

現在ケンゾーエステートのワインは、白ワイン1種類、ロゼワイン1種類、赤ワイン3種類。

私が今回気になって購入したのは、「明日香」。赤ワインなのだが、2009年葡萄が豊富に取れた年に、醸造家のハイディが、折角だからこの2009年のいい葡萄のスペシャルボトルを作ろう、ということで出来たのが明日香。ケンゾーエステートの初のCabarnet Francとなる。2009年産葡萄での限定生産なので、上記の3種類の赤ワインの中には入っていない。

ワインの味については、詳しくない私が蘊蓄を語るのは控えておく。。。「美味しかった」ことは間違いなことだけ言わせてもらう。

日本人として、ナパに行ったら一度は訪れたいワイナリー。ワイン王国のナパバレーでも、ここまで高級なワイナリーが日本人の経営であることを、中に入ると日本人なら誰でも誇りに思うことは間違いない。

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