第50回 実践!眼の健康を考える ~目ヂカラUPの生活習慣~

「目は口ほどにものをいう」「目ぢから」という言葉もある通り、眼は物を見るだけでなく、感情の表現や、周りへ与える印象なども大きく左右します。また、眼が受けた刺激はそのまま脳に伝わりますので、視力や視野を維持してきちんと眼から刺激を送る事は、脳の健康にも良い事がわかっています。

眼をいつまでも健康に保ちたい、今回はそのために役立つ生活習慣について特集しました。

眼を労わる習慣を心がける

1日のほとんどの時間、パソコンと向かい合っている…という方は現代では少なくありません。こまめに遠くを見たり、短時間の休憩をはさむのがおすすめです。

  • パソコンのディスプレイは、やや見下ろす位置に置く
    (見上げる位置にあると、まぶたを大きく開く必要があるため、眼が乾きやすくなる)
  • テレビやパソコン画面の明るさは、周りと比べて明るすぎたり暗すぎないよう調節する
  • 加湿器や濡れタオル等を利用して眼の乾燥を防ぐ
  • 観葉植物を置き、たまに見て眼を休ませる
  • パソコンや携帯電話を使う時は、約20分に1回、1分程度の休憩で眼を休ませる
  • 睡眠をきちんと取り、眼を休ませる

また、パソコンやスマートフォンのディスプレイに利用される「ブルーライト」にも注意です。ブルーライトとは波長380nm~495nmの青色光の事で、明るく鮮明ですが、強い光であるため眼の負担になりやすいと言われています。眼の疲れを軽くするため、専用の眼鏡やフィルムでブルーライトをカットするのも良いでしょう。

眼に優しい栄養成分を摂る

眼に多く含まれるカロテノイド
カロテノイドという天然色素の一種である、「ルテイン」と「ゼアキサンチン」は眼のあらゆる部分に存在しています。特に網膜の中心である黄斑に多く、抗酸化作用によって眼の機能を守る働きをしています。ルテインはケールやホウレンソウなどの緑色が濃い緑黄色野菜に、ゼアキサンチンはクコの実やトウモロコシ、卵黄などに多く含まれています。
また、ルテインは網膜にダメージを与えやすい青い光を吸収する性質を持っていますので、ブルーライト等の青色の光による影響を和らげるのではないかとも言われています。
脳より高濃度に含まれるDHA
眼の網膜や視神経には、脳よりも高濃度の「DHA」が含まれています。
その理由は明確になっていませんが、神経細胞の伝達物質の一つとして、眼からの脳への刺激の伝達を助けているのではないかと考えられています。
積極的に摂取する事で疲れ眼の予防や、網膜の機能改善などに効果が有るとする研究もありますので、DHAを多く含む青魚(さんまやイワシ、アジなど)を積極的に摂るようにすると良いでしょう。
目薬にも利用されるビタミン類
サンマやイワシ、アサリなどの海産物や、納豆、豚肉などに多く含まれるビタミンB群は、目薬にもよく含まれている成分です。特にビタミンB12は眼精疲労の解消に役立つとされています。ビタミンB1は視神経の信号伝達に、ビタミンB2とB12は粘膜の保護と細胞再生の促進に役立ちます。
また、眼球内に最も多く存在するビタミンは「ビタミンC」であり、不足すると白内障や老眼、飛蚊症になりやすくなると言われています。果物や色の薄い野菜から、こまめに摂取するのがおすすめです。

知っておきたい目の病気

加齢黄斑変性
あまり馴染みのない病名ですが、実はアメリカでは失明原因の1位となっている疾病です。目を通して光の情報を受ける「網膜」の中心部分「黄斑」が傷み、機能が段々低下していきます。網膜の中心が傷むので、視界が歪んで見える特徴的な見え方になります。
名称に「加齢」と付いてはいますが、年齢に関わらず発症する場合もあります。詳しい原因についてははっきりしていないところが多く、加齢の他にも強い光や紫外線、喫煙、寝不足なども誘発の一因になると言われています。
白内障
眼球内でレンズの役割をする「水晶体」が加齢に伴って白く濁り、視界全体がぼやける病気です。加齢現象の一つなので、程度の差はあれほとんどの方に症状が出てきますが、その分治療法も確立しています。そのため多くの場合は治療すれば視力を回復できます。
緑内障
眼で見たものを脳に伝える「視神経」に異常が起こる病気であり、視野の一部が抜け落ちたような見え方になります。神経の働きを元に戻すのは現在の技術では難しいため、一度発症してしまうと、見え方を元に戻すことは不可能とされています
加齢性ではなく30歳代や40歳代でも好発します。さらに、通常は片目だけ先に進行するため、発見が遅れるケースもあり注意が必要です。

眼の病気については、治療法についての研究は進んでいますが、はっきりとした原因については分からない部分が多くあります。眼が疲れないように気を付けて生活する事はできますが、確実な眼病の予防法はまだ分かっていません。早く発見するほど治療しやすくなりますので、何か異常や違和感を感じたら、専門医の診断を受けるようにしてくださいね。

参考:
「老ける老けないは目で決まる!」 服部匡志 すばる舎
ブルーライト研究会 (http://blue-light.biz/)