乳ガン治療薬の「ノルバデックス(タモキシフェン)」って排卵誘発効果があるの?体重増加する?

   

ノルバデックスタモキシフェン)」という薬を聞いたことはあるでしょうか?ノルバデックスは元々、乳がんの患者さんに対する治療薬として使用されているお薬です。

しかしその作用として排卵誘発の効果があり、時には不妊治療において排卵誘発剤として使用されることもあります。

今回はこのノルバデックスというお薬について、どのような効果や働きをするのか、どういった副作用があるのか、妊娠への影響などについて紹介してきたいと思います。

ノルバデックス(タモキシフェン)の効果とは?どんな働きをするの?

ノルバデックスは乳がんに対して使用される治療薬です。まず乳がんとは乳房にできる悪性腫瘍で、特に40~50代の女性に多い疾患ですが、時に20~30歳代の若い世代でも発症する可能性のある病気です。

治療法として、外科的手術放射線療法薬物療法(ホルモン療法、化学療法など)があげられます。ノルバデックスという薬は、この中でもホルモン療法に用いられる治療薬です。

乳がんのうち7割はホルモン依存性の乳がんと言われており、「エストロゲン(卵胞ホルモン)」というホルモンの働きによって増殖します。そのため、このエストロゲンの働きを抑制することで、乳がんの治療につながります

本来エストロゲンは、エストロゲン受容体に結合することで、細胞に働きかけ作用を発揮します。ノルバデックスは、自身がエストロゲン受容体に結合することで、エストロゲンが受容体に結合するのを阻害し、エストロゲンの働きを阻害します。それにより乳がんの増殖を抑えることができます。

体重増加する?ノルバデックス(タモキシフェン)の正しい飲み方、副作用とは?

ノルバデックスは基本的に、毎日経口内服する薬になります。そのため外来通院で治療が可能な薬です。

服用回数は投与量によって、1日1~2回になることが多く、投与期間としては乳がんの場合は5年以上を目安としますが、病気の状態や治療方針によって異なります。

薬の治療となると、気になるのが薬の副作用ですよね。ノルバデックスは乳がんに対して高い効果がありますが、一方で副作用は少ない薬になっています。

主にみられる副作用として、嘔気嘔吐食欲不振といった消化器症状を認めることがあります。エストロゲンは女性ホルモンであり、月経にも関わるホルモンのため生理不順になることもあります。またこの薬の副作用として、目の疲れ視力低下かすみ目といった目の症状が出る特徴があります。物が見えづらくなったなどの症状を認める場合は、この薬の副作用の可能性があります。

血液が固まりやすくなるため、まれに血栓症が見られる場合もあります。手足やふくらはぎなどに出来た場合、その場所のしびれや痛みを伴うことが多いです。

もし胸痛や息切れ、激しい頭痛やめまいなどの症状が出た場合、肺や脳で血の固まりが詰まっている可能性があるため、すぐに受診が必要です。

その他、体内のエストロゲンが減少することで、体温調節が上手くできなくなり、ほてりのぼせ発汗といった症状が出たり、動悸イライラ抑うつ睡眠障害といった更年期障害のような症状が出ることもあります。人によっては、食欲が増進し、体重増加がおこる場合もあります。

何故排卵誘発効果があるの?妊娠中は服用しても大丈夫?

上でも述べたように、ノルバデックスは乳がん細胞のエストロゲン受容体と結合し、エストロゲンの働きを阻害します。すると脳はエストロゲンが上手く分泌されていないと勘違いし、さらにエストロゲンを分泌するよう指令を出します。それにより、体内で分泌されるエストロゲンの量が増えます

元々エストロゲンは卵胞ホルモンとも言われ、卵胞の成熟を促したり、子宮内膜を厚くし、受精卵を着床しやすくなる作用などがあります。そのためエストロゲンの量が増えることで排卵がおきやすく、妊娠しやすい状態になります。

排卵誘発の作用があり、妊娠の可能性を高めるノルバデックスですが、もしノルバデックス服用中に妊娠した場合は注意が必要です。それはノルバデックスを服用することで、自然流産先天性異常胎児死亡といった悪影響があることが報告されているためです。そのため、ノルバデックスは妊娠中の服薬は禁忌とされています。

ノルバデックスを服用する前には、必ず妊娠していないか確認することが大切です。

医師と相談してから服用しましょう!

乳がん治療に用いられるノルバデックスの作用や、排卵誘発剤としても使用されている理由について分かっていただけたでしょうか。

乳がん治療薬としても、排卵誘発剤としても効果をあらわすノルバデックスですが、使用することで様々な副作用が出てくる可能性があることも忘れてはいけません。

使用する前には必ず担当医師と相談し、内服を開始する際は医師の指示に従って、正しい用量、服用方法を守って使用するようにしてくださいね。

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