保湿の救世主は「セラミド」

保湿とは宇のごとく「湿気を保つ」ことである。つまり肌が乾かないよう、適度に湿り気を保つことを保証という。当たり前でしょうといわれそうだが、実は保湿の意味を正しく理解している人は非常に少ない(美容のプロの方でも)。

健康な肌の角質層は、約30%程度の水分を含んでいる。それが30%以下になった状態を乾燥肌という。実際につっぱり感などの自覚症状が現れてきたときには、10%以下になっていることが多い。肌の水分がなくならないように保つことが、保湿の役割である。

肌の水分というとすぐに化粧水を思い浮かべる人が多いが、水分そのものを与えてもどんどん蒸発してしまうので保湿にはならない。その水分を肌の中で保つようにサポートすることが保湿である。

人間の肌には自ら水分を維持する仕組みが備わっている。その機能が年齢とともに低下するので、適度に補ってやらなければならない。それが女性に必要な保湿なのである。
女性の肌にとって水分は命である。その水分を維持しているのがセラミドという物質であることが、ここ20~30年でわかつてきた。

セラミドは、肌表面の角質細胞の問にある脂質の一種で、水分と結合する力を持つ。セラミドと結合した水分子は、湿度が0%まで下がっても蒸発しない。

また、氷点下20度まで気温が下がっても凍らない。まさに神秘の水である。この水があるから、人間は砂漠から南極まで生きていける。ところが残念ながら、セラミドは、年齢とともに減ってしまう。

肌の新陳代謝とともに作られるので、赤ちゃんの時がもっとも多く、それ以後は一直線に低下する。セラミドを補うことが、最も理論的で有効な保湿であり、赤ちゃんのみずみずしい肌に近づけるということである。

極論をいえば、洗顔後にセラミド含有の美容液だけ塗っておけば、保湿はそれで充分ということになる。実際やってみて、それでなんら弊害はない。私白身、短期の旅行のときはセラミド美容液しか持っていかないことがあるが、それで困ることはない。

ただ、ずっとそれだけで通すことは、みなさんにはおすすめしない。理由はふたつ。

①保湿という意味ではセラミドだけでよいが、肌にとってはアンチエイジングや美白などの他のケアも必要である。保湿だけがスキンケアではない。

②美容成ひとつでケアが終わってしまうと、なんとも寂しい。スキンケアは肌とのコミュニケーションであり、メンタルな意味での効果もあるので、シンプルすぎるのもいけない。食事だって、完全栄養食品だけとっていれば健康は維持できるかもしれないが、それではあまりに味気ない。スキンケアも食事も、ある程度のドラマ性が必要である。よって、洗顔後のケアとしてはやはり、化粧水と保湿美容液と、プラス美白もしくはアンチエイジングのものをひとつ、という三点セットくらいは揃えてあげたい。

※セラミドー画質は通常、水とは結合しない。油と水はご存じの通り相性が悪いのが普通である。ところがセラミドは、水とも結合できる、ちょっと変わった画質である。わずかラップー枚ほどの厚さの角質層が外界から体を守っているのはとても神秘的なことであるが、その神秘の鍵を握るのが、この不思議な脂質セラミドなのである。
最近、植物から取ったセラミドとか、いろいろなセラミドが出回っているらしいが、何から取ったかはセラミドの質にあまり関係ない。植物由来というと優しいイメージがあるが、植物よりも人間の肌に近いものであることが重要である。

人間の皮膚には、約6種類のセラミドがあることが現在わかってきている。そのうちセラミド1~3が特に保湿力があるので、購入するときの目安にするとよいだろう。天然かどうかより、セラミド1、2、3のどれかが確実に人っていることが大事である。

セラミドは、化粧品原料としては比較的高価であるため、まがい物のようなものがたくさん出回っている。「セラミド」という表示がされていても、人っていないことがある。セラミド○○のように、うしろに記号のようなものが(数字でなく)ついている場合、セラミド類似物質であって、本当のセラミドでないことが多い。

表示を見てもよくわからない場合は、きちんとメーカーに確認してから購人した方が安全である。また、セラミドが人っていてもごくごく微量ということもあるので、極端に安いものにも手を出さない方が無難である。
最も優秀な保湿成分はセラミドだが、他にもさまざまな保湿成分は開発されてきている。セラミドのように人間の肌にあるもの以外にも肌の保湿に応用できるものはたくさんある。

水分と結合して蒸発しにくくするような成分であれば、保湿成分として役立つ。例えばヒアルロン酸やコラーゲンは人間の真皮にあるもので、真皮の水分維持に貢献していることがわかっている。

これを表面に塗った場合ももちろん保湿になる。その他方兄レシチン、ユーカリエキス、プラセンタエキス等、無数の保湿成分が開発され化粧品に使われている。