体と心が満足する「大人食堂」でほっこり幸せに
家族で囲む和やかな食卓が当たり前だった時代は遠い過去となり、現代では孤食が進んでいるのは、子どもだけでなく大人も同じだ。そんな中「一緒にごはんを食べよう」というコンセプトで活動する「大人食堂」という2人組のユニットと出会った。現在はオーガニックコットンブランドnanadecor表参道店のティールームにて、毎週金曜土曜にランチブッフェを提供している。
誰かと一緒に食べたら、気持ちもほっこりする。だから「一緒にごはんをたべよう」
大人食堂とはレストラン名ではなく、naka mIe(中美恵)さんとHANAE(坂井はな瑛)さん二人のユニット名。ひとりでご飯を食べるより、誰かと一緒に食べるだけで心がほっこりする…。「だから一緒に食べよう」というコンセプトを元に、さまざまな場所に出張し、季節にあった野菜料理を提供している。その大人食堂の活動の一つが、毎週金曜土曜12:00~表参道の隠れ家的一軒家nanadecorのティールームで提供するランチブッフェ。建物の脇の小道をぬけて中庭出て、そこから靴を脱いで入店するスタイル。だから、表参道という土地柄にも関わらず、まるで小学校のお友達の家に遊びにきたような懐かしい気持ちになる。靴を脱ぐ空間は畳文化と同様、心をときほぐす作用があるかもしれない。
中庭から靴を脱いでここから入ります。
店内にはnanadecorのオーガニックコットンのナイトウエアなど心地の良い素材の商品が並んでいるので、食事の前後に買い物も可能。
食事は1800円のブッフェスタイルなのは、その日の体調に合わせ、個々が自分の身体の声をきき、食べられるようにという配慮から。料理がなくなればまた新しく追加してくれるのでご安心を。この日は12時のオープンと同時にお客様が入り、すぐに料理が取り分けられおのおのダイングテーブルで食事が始まっていた。毎回スープ、玄米、季節のおかずが約10種類ほど料理が並ぶ。
自然の恵みに合わせて作る彼女たちの野菜料理では、青山ファーマーズマーケットの残った野菜Week vege(ウィークベジ)も活用
お二人が作るのはマクロビィオティック料理。岡山の野菜や、有機野菜の宅配Bio Marcheから提供していただいてる野菜たちが、彼女たちの手を通して美味しい料理に生まれ変わっていく。使用するお野菜は畑のご機嫌次第。その時期に畑で一番旬のもの、ベスト収穫時の野菜を届けてもらい、当日の朝、季節・天気・月のリズム・陰陽五行をベースに、メニュープランニングを行い、その日に食べるとよい調理方法や味付けで作る「畑おまかせレシピ」スタイル。極力手を加えずに、素材そのものを生かして調理された料理はほっと心を穏やかにしてくれる。また、青山ファーマーズマーケットで売れ残ってしまったWeekVege(ウィークベジ)を使用し、野菜を無駄にすることなく活用し、料理して提供するという仕組みも取り入れている。都会に集められた野菜たちを大切に活かす。
当日の朝のメニュープランニングで内容が決定するので、内容は来てからのお楽しみ
nanadecorのティールームにある大きなテーブルを囲んで食事するので、時には隣同士になった方とご縁がつながることもある。ただのレストランとは違い、家族で食事をするような親近感が生まれる。まさに大人食堂のコンセプトである「みんなで一緒に食べよう」だ。
企業へのランチケータリングでは、社内ではコミュニケーションが潤滑に
大人食堂の活動は金曜土曜のランチ提供だけでなく、企業へのランチケータリングやパーティケータリングなども行なっている。ちょうど取材時に、月に2度大人食堂へランチケータリングをお願いしているIT企業の方がランチを食べにいらしていて、お話を伺った。社員が一緒にランチを食べることでコミュニケーションが潤滑になり、自然とランチの準備を手伝ってくれるようになったり、仕事の上でも協力体制が深まったとのこと。また、今まで無頓着だった食に対しても意識が芽生え始め、野菜の調理方法や健康のことなどにも質問が及ぶようになった。まさに「同じ釜の飯を食う」という言葉通り、大人食堂の活動は心を豊かにし、自然と人間関係を円滑にし、さらには健康へと導くきっかけとなる活動となりそうだ。食事との向き合い方が、仕事への向き合い方も変えている。そんな大人食堂の活動は、じわじわと変化を起こしていく未知数の可能性を秘めている。
Text: Mayuki Kotsubo
Picture: Mayumi Kotsubo