『小児向け食養生』のテーマを書き始めた理由を、
で、書いたのですが、そもそも食養生の基本を、書いていなかったですね。
ということで、今回は薬膳講座や中医学講座などなど…今までいろいろ習ったり、勉強したり、経験したことをふまえて、
東洋人のための食養生の基本(小児向けバージョン)をまとめたいと思います。
食養生の基本は、
腹八分に医者いらず、腹六分に疲れを知らず、腹四分に老いを知らずです。
そして、大昔から言い伝えられている育児法は
およそ小児を安らかしむるには、三分の飢えと寒とを帯ぶべしです。
どちらも「食べ過ぎるな」と言っています。
内臓も働きっぱなしでは疲れて、やがて働きがダウンしてしまいます。
それでも食べ物が入ってくると、湿気の多い温かいところに入れられた食べ物は腐ります。
腐った食べ物は熱をもち、活性酸素を発生させ、傷ついた腸管からは、きちんとグルコース、アミノ酸、脂肪酸に分解されていない栄養が入ってきます。
それらが侵入すると、身体は異物が入ってきたと思って、抗体を出し、感染症に近い状態となります。
詳しく知りたい方は“リーキーガット症候群”で検索すると良いですよ。
子どもの場合は、様子をよく見て与える量を決めましょう。
赤ちゃんや、小さい子は満腹の感覚を感じにくく、際限なく食べてしまう子もいます。
おなかがパンパンに張っている、体重の増加が激しすぎる場合は、適量でご飯をやめて、遊びなどに誘い、食べ物から気を反らせることをしましょう。
親が目の前で、ず~~~っと食べていたり、間食が多いと、子どももそれを見て学習をして育ちます。
親も一緒に、腹八分目!
お子さんが、いっぱい食べてる姿って可愛いんですけどね・・・…ほどほどに!
母乳も食事と考えてください。
離乳食を始めているのに、お母さんがドンドンやつれていたら、それは飲ませ過ぎの可能性もあります。
水分補給は湯冷ましにしましょう。
現代人のお母さんも栄養過多な中で育ってきたため、母乳も栄養が濃くなっています。
母乳は水分補給ではなく、ガッツリお食事です!
母乳をいつまでも飲ませていると、お母さんの体力などを消耗する上に、プロラクチンがいつまでも分泌され続けるので、次のお子さんを望まれる方は妊娠しにくくなります。
卒乳してしまうと寂しいのですが、その分、他のスキンシップをはかりましょうね。
こちらも参考にどうぞ⇒Q:疳の虫(かんのむし)って何?
子午流注に対応した、おススメ食事時間
朝食:胃の時間は7時~9時。
1日の始まり、疲れない程度に消化吸収の良いものを軽く食べるとよいでしょう。
昼食:11時~13時は心の時間。
心のポンプ作用を休める時間であって、食事に適した時間というわけではありませんが、3食食べる方は、この時間に身体を休めつつ、軽めの食事をとりましょう。
夜食:腎の時間は17時~19時。
食べたものが腎に蓄えられやすいため、身体の骨や血となる材料を仕入れるのに1番いい時間です。身体の蓄えとなります。
これから腎をしっかりさせて行かなければならないお子さまは、この時間帯にきちんとした食事をさせることが重要。
お菓子でごまかして、夜遅くに晩御飯ではしっかりした体は作られません。
何カロリー食べて、
炭水化物・たんぱく質・脂質を何グラム摂って…、
ビタミンやミネラルをどれくらい摂って…
なんて数字はいりません!
細かく数字で食べても、実際にそれだけ消化されているとは限りません。
必要な量も、吸収される栄養も、その子その子の体格、体力、消化吸収能力によって違います。
消化できないのに、無理に食べると、胃腸の中で食べ物が腐るだけです。
だいたい全体の目安は…
穀類4~5割、野菜4割、肉・魚・卵などのたんぱく質1~2割
↑こんな感じにすると、だいたいバランスが良くなります。
・野菜…葉もの野菜(キャベツ、白菜、小松菜、ほうれん草、水菜、チンゲン菜・・・)、海藻(ワカメ、海苔…)、きのこ類
・穀類・・・米、いも、とうもろこし、かぼちゃ、根菜、糖分の多い果物、かんだら甘いものは穀類チーム
・たんぱく質…肉、魚、卵、動物性のもの。豆腐、納豆などの豆製品。湿疹やアトピー、胃腸が弱くて体力のない、ちょっとしぶとい症状をお持ちのお子様は、ここをお豆腐にするのがおすすめです。
と、考えてくださいね。
たんぱく質は悪玉菌のエサになります。
葉もの野菜で腸内細菌を増やしましょう。
硬いレンコンやゴボウなどは、押し出す力が未熟な子には負担が大きすぎます。
玄米は50回ほどかめるのならよいのですが、よく噛まずに食べると、これも胃腸の負担となります。
このバランスで腹八分目でよくかんで(1口30回~50回)食べる。
毎回は無理!な方は、1日のトータルで、このようなバランスになるといいですね。
・忙しい朝は、納豆ご飯に、晩まとめて作った具だくさん味噌汁、とすると、楽ちん!
・食欲をコントロールできず、どうしても甘いものを欲しがる、ジュースを飲みたがる時は野菜ジュースを利用するのも手です。
アレルギーになるくだものが入っていないことを確認して利用しましょう。
・どうしてもおやつを欲しがるときは、シンプルなちいさいおにぎり、季節の果物、ゆでたジャガイモやサツマイモがおススメです。でも、お腹いっぱいにならない程度に!
マンゴーはウルシ科の植物です。パイナップルは酵素があります。この2つは気を付けましょう。
・皮膚症状のあるお子さんは、「発物」を避けましょう。
上に挙げた摂り過ぎ危険食材にプラスしてください。
魚介類、魚卵、卵、牛肉、乳製品、牛乳、羊肉、鴨肉、においの強いもの、しいたけ、たけのこ・・・。
皮膚症状もないのに、除去して全く食べさせないのはかえって健康によくありません。
魚介類は大人には必要な栄養。羊肉は寒い北海道で暮らしていくにはとてもありがたい食材です。
あくまでも、症状があれば避ける。何もない人は食べ過ぎない程度に食べる。
皮膚の状態が治って、胃腸もしっかりしてくると食べても大丈夫になります。症状のあるうちは避けましょう。
・親がよくかんで食べている姿をお子さまに見せる。
テレビを見ながら、新聞をみながら、スマホを見ながら食べない。
食べることに集中する。
便秘、湿疹、アトピー、過食、落ち着きがない、夜寝ない、疳の虫がある、集中できない・・・などの様子が見られる子は、味の濃いお菓子をやめて、以上のことを参考に食生活を改善してみましょう。
なぜか?
腎虚…心火の暴走を止められない。
肝虚…血の流れが悪くなり、熱をもつ。貯めておくだけの血が不足しているために、必要に応じて分配できない。
脾虚…胃腸の消化吸収パワーがダウンして、飲食物が腐り、熱が発生 これらの熱が、上焦にある肺や心に影響を及ぼす。
西洋医学では、ものとしての“胃”“腸”としてみますが、東洋医学は体全体に与える働きとして見ます。
なので、原因不明の様々な症状は西洋医学的に見れば「関係ない」とされても、東洋医学的に見れは「関係があり」原因があり、対処法があるのです。
テレビゲームにはまって、切れやすくなる子がいる原因も。
数年前、新聞に「因果関係はない」と書いてありましたが、東洋医学的に見れば関係は大アリです。
人間は気血津液のバランスがとれて、身体を巡っていれば健康でいられます。
その気血津液を作り、分配・貯蔵しているのが臓腑。
その臓腑のバランスを陰陽五行に当てはめて、何千年もの間病気の治療に、養生に使われてきました。
効果があるからこそ、残っているのです。
お子さまは、自分の不調をうまく言葉で伝えることはできません。
普段の様子から、察してあげることも必要です。
その不調は、西洋医学的な診察や検査では、数字や画像として現れません。
現れた時は既に病気の状態です。
その病気は、大人になってから現われることもあります。
不登校、自律神経失調症、不眠症、うつ病、引きこもり、不妊症、生活習慣病…などなど。
大人になって、健康で楽しく幸せな毎日を過ごせるように、子どものうちから食べ物で体調を整える習慣を身に付けておくことをお勧めします。
人は食べたものから作られます。
あなたのお子さまはどんな食べ物から作られたいですか?
◆◇余談◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
火葬場の職員の方のお話。
「大往生された方は、小柄な方であってもお骨の量が多い。
でも、ある一定年齢層より若くなると、途端に骨の量がガクッと少なくなる。」
若くして亡くなっているから・・・、というのもあるかもしれませんが、けして栄養状態が良かったとは言えない昔の人の骨量が多いのはなぜなのでしょうか?
戦前生まれ、戦後生まれ、で骨量が違うようです。
米や野菜をメインに食べ、空腹を感じながら幼少期を過ごした方と、食が豊かになり、欧米化した時代に幼少期を過ごされた方の違いなのかもしれません。
長生きな方は、胃腸が丈夫です。
でも、日本人は胃腸の弱い人が多いです。
今は大人になってから、「断食」とか「ファスティング」というものをされる方もいるようですが、子どもの頃から病気にならない食事の仕方、というものを身に付けておくと、大人になってから困らずに済むのではないのかな?と思っています。
でも、これだけ食べ物のあふれた時代に、「食べ過ぎない」というのはなかなか大変なことです。
どこへ行っても「ご褒美」と称して、うま●棒とかアメとかチョコがもらえるし。
おじいちゃんおばあちゃんたちは、かわいい孫には好きなものを食べさせてあげたいし。
最近でこそ、「アレルギーはありませんか?あげても大丈夫ですか?」って聞いてくれるところも増えましたけどね。
それだけ、食物アレルギーを持った子が増えたということでもあります。
症状がない子がたまに食べる分にはいいのです。
1度味を覚えると欲しがりますが…。
毎日続けて食べないようにする。
普段の食事は気を付ける。
ある程度大きくなれば、話て聞かせるとわかるようになります。
大人も一緒に食べ物に気を使うことで、お子さまも納得し家族みんなで健康になります。
上に挙げた摂り過ぎ危険な食べ物を「ダメ!」と否定するのではなく、「痒いのが治ったらね」、「鼻水が止まったらね」と説明し、調子のいい時にちょこっと楽しむ。
すると、おいしいものを全く食べられない状態になることを回避できます。
大人も同じです。
健康でなければおいしいものを食べてお酒を楽しむこともできなくなります。
そのための普段の養生、と考えてみてはいかがでしょうか?