この連載では、夫婦の間に起こるさまざまなトラブルや問題を、ビジネススキルやフレームワークでスマートに解決してみようという試みを続けています。
今回は、多くの現代人にとって関心が高いテーマ、「ダイエット」。年末年始でカロリーを摂りすぎたり運動不足が続いたりしたせいで、年始からダイエットを志したかたも多いのではないでしょうか。でも通常の仕事が始まって1週間もすると、その決意もすっかり忘れてしまう。三日坊主の繰り返しに、ついなってしまいがちですよね。
そこで今回は妻や自分のダイエットを成功させるための、プロジェクトの「振り返り」と「継続」に効果のある「KPT(ケプト)というフレームワークをご紹介したいと思います。
KPTは「振り返り」に適したフレームワーク
ジョギングやウォーキングなど有酸素運動の継続が効果的だとわかっていても、長続きしない。ついつい甘いものに手を出してしまう。飲んだ後のシメのラーメンがやめられない・・・多くの人がダイエットに対し色々な「続かない」「やめられない」という課題を抱えています。KPTはこうした悪習慣を断ち切り、良い行動を継続させるのに非常に有効な手法です。
まずは用紙やホワイトボードを図のように3分割して、それぞれにKeep、Problem、Tryとエリアに名前を付けます。KPTという名前は、この3つのエリアの頭文字をとったものです。
それぞれのエリアには下記のようなことを書き出します。
- Keep:計画を通じてとても良かったこと。今後も継続したいこと。
- Problem:問題があったので解決したいこと。今後気をつけたいこと。
- Try:今回はできなかった、新たに挑戦したいこと。 Keepしていることでさらに良くしたいこと。Problemの反省を経てカイゼンしていきたいこと。
K→P→Tの順に意見を出し合い書き留めていく
では、実際に進めていきましょう。前提としてKPTはプロジェクトのメンバー全員で行います。家庭でしたらご夫婦で行ってください。今回は例として「奥さんのダイエット」を取り上げ、振り返りを進めていきます。
1. Keepに今後も継続したい行動を書き出す
これまでの行動を振り返り今後も継続していきたいことをKeepの欄に記入します。
2. Problemに現状で問題となっている要素を書き出す
これまでの行動の中で問題となっていること、うまくいっていないことを書き出します。
3. Tryに今後の挑戦する内容を書き出す
まずKeepの要素をさらに良くできるアイデアを話し合い、書き出します。次にProblemとなっている要素を検討し、問題点を解決できるアイデアを記入。またこれまで試したことのない新たなアイデアが思いつけば、それも記しておきます。
どうでしょう。プロジェクトの現状が整理され、カイゼンのための今後の指針が見えてきたのではないでしょうか?
KPTによる振り返りはプロジェクトによっても異なりますが、週1回程度、定期的に行うと効果が見えやすく有効だと思います。家庭内であれば夫婦で話す機会が増え、暮らしにリズムが生まれてくるというメリットも。
定期的にプロジェクトを見直す
Tryの実践を続ける中で気づいたことは次のKPT会議で追加していきます。実際には「やろう」と決めたことなのに、なかなか実行に移せなかったということもあるでしょう。
例えばダイエットがテーマなら、「甘いものを食べすぎて体重が増えた」「ジョギングが三日坊主になった」といったProblemが考えられます。そのようなときは当事者を責めるのではなく、「どうしてそうなるのか」といった視点で原因を一緒に探っていくようにしましょう。
その結果、継続が難しいようならもう少しハードルを下げるなど対策を考えたり、「そもそもダイエットは必要なのか」といった原点に戻ったりすることも大切です。
KPTはとてもシンプルなフレームワークですが、使ってみると現状を効果的に振り返ることができ、プロジェクトをよい方向に導きやすくなります。ビジネスの現場はもちろん、ご家庭での課題解決や個人の目標達成などにもぜひお使いいただきたいフレームワークです。
KPTのメリット
- 定期的にKPTを行うことでプロジェクトのビジョンが共有できる
- 短時間でできる
- 共通の目的意識が高まりチーム(家族)が活性化する
- やるべきこととカイゼンすべきことがチームメンバーに見えやすくなる
- うまく行ったことを互いに褒めることでやる気が持続しやすい
- チーム内にカイゼンのサイクルが生まれる
- チーム会議の質が向上する
ポイントは定例会議で進捗を管理しやすいこと、短時間でも「うまくいったこと」「うまくいかなかったこと」「改善点」について意見を出し合えることです。
夫婦に置き換えると、定期的な対話の機会が増えることがまずメリットのひとつ。さらにうまくいったことは褒めて継続し、うまくいかなかったことに対しても「次からはこうしたらどう?」といったように、絶えず「前向きなコミュニケーション」が可能になります。
ダイエットに限らず、家庭内のさまざまな問題や今年の目標達成のためのツールとして、KPTを活用されてはいかがでしょうか。