男の二大臭い 口臭編
口が臭いその原因の9割は口内に原因があるという。
「残り1割は内臓疾患やがんなどが原因。そうしたケースは専門の医者にかかる必要がありますが、9割の人は自力で進行を食い止めることができます」と東京医科歯科大学大学院の植野正之准教授。その9割のうち、約7割が歯周病を患っている。
歯周病は口内の粘膜や血液に含まれるたんぱく質が歯周病の原因菌によって分解され、硫化水素、メチルメルカプタン、ジメチルサルファイドといった揮発性ガスを生む病気。
「硫化水素は腐った卵、メチルメルカプタンは腐ったタマネギ、ジメチルサルファイドは海藻のような磯臭い臭い。このいずれかを感じたら、口臭病を疑ったほうがいいでしょう」
さらに歯周病は「舌苔(ぜったい)」の増加にも結び付く。舌苔は細菌の増加により舌の表面が白くなる症状で、ここでも揮発ガスが発生。歯周病と合わさると、口臭はよりきつくなる。
「改善するためには、歯を磨くだけではなく、専用のブラシを使って舌苔を落とすこと。歯磨きは食後が基本ですが、舌苔のケアは食前が理想です」
最近はドライマウスも臭いの一因としてクローズアップされている。口内が乾くと細菌が繁殖しやすい環境になり、細菌の集団「バイオフィルム」となって歯や歯茎にこびりつく。このドライマウスは、唾液の分泌を促すことで予防できる。
「マッサージで唾液腺を鍛えるのが効果的。唾液腺の上を指先でこすり、刺激を与えます」。
こうしたセルフケアはもちろん大切だが、半年に一度程度は歯科医院へ行くことをお薦めしたい。セルフケアでは取りきれない歯の奥や舌の付け根の汚れを、かき出してくれる。
舌の汚れと歯周病が臭いのもと――臭うと感じたらプロのケアを
臭いのしくみは?
口臭をどんどん強くする
| 口臭を作る主な成分 | |
| 原因物質 | 臭いの特徴 |
| 硫化水素 | 卵が腐敗したような生臭さ |
| メチルメルカプタン | 血生臭さを含むタマネギに似た臭い |
| ジメチルサルファイド | くぐもった磯臭さ |
| アセトン | ほの甘さを含む臭い |
【身だしなみ術 1】朝の歯磨きは舌も磨く――歯周病はプロのケアを
自宅でできる口臭予防は、第一に歯磨き。特に歯垢が残りやすい歯と歯茎の間、歯と歯の間は念入りに磨きたい。糸状の歯間ブラシを活用するのもいいだろう。舌苔の汚れを落とすことも大切。専用のブラシを使って、白く変色した部分をこすり取る。口臭対策はもちろん、味覚を敏感にする効果も得られる。
【身だしなみ術 2】顔面マッサージで唾液の量を増やす
唾液の分泌量は加齢とともに徐々に減ってくる。だが唾液はドライマウスを防ぎ、口内の粘膜を保護してくれるため、口臭予防には欠かせない存在だ。唾液の分泌を増やすには、食事を抜かずに3食きっちりと食べること。さらに顔面マッサージで唾液腺に刺激を与える手段も有効だ。入浴時などに試してみたい。
【身だしなみ術 3】口臭を抑えるケア商品
口臭予防のセルフケアの基本は歯磨き。回数は「1日3回、食事の後に行うことが理想」と植野准教授。商品の価格はさまざまだが、値段が高いものほど効果的というわけではない。歯周病の進行度や、歯槽膿漏や歯肉炎を患っているかどうかなどを見極めて、自分に合った歯磨きを選びたい。歯ブラシが届きにくい部分を洗うには、液状タイプの商品も有効だ。
(取材・文/川岸 徹、写真/深田高一、イラスト/竹田嘉文、三弓素青)