京都こだわり八百屋ツアー

雨は大地を潤し、作物はすくすく育つ。

久しぶりに大粒の雨が降りました。

そんな中、参加してきた八百屋さんツアーの様子を、いつもよりゆるく、写真多めにまとめます。

ながーくなりますが、お付き合いよろしくお願いします。

今回の野菜めぐりマップ

3月9日午後1時、京都市左京区出町柳。

案内人の多田さんは行きつけの八百屋さんが何軒もあるという造形大生で、3月から一緒に暮らしているお茶目でアネゴ肌のクミコさんに紹介され、Impact Hub Kyotoで出会いました。

野菜が大好きどころではなく。彼女は野菜に愛されています。そして野菜を愛する生産者さんとお店の人みんなを愛してる。とってもすてきな人。

そんな多田さんに導かれ、私たちの野菜めぐりは始まりました。

最初のお店はフランク菜ッパさん。

フランク菜ッパさん。なんだか親しみやすい名前

お店のおっちゃんがめっちゃ気さくでエエ感じで、多田さん曰く左京区八百屋群の父的存在らしい。

お店には野菜、食品、グローサリーが並んでいて、柱に生産者さんやお店の名刺がたくさん貼ってあるのが印象的。

そう、こんな感じでね。

カウンターの前には見たことないものがずらり。なにこれなにこれ、と一つ一つ手に取りたくなる。

野菜はこっち。私はヤーコンを購入。後ほど説明しますね。

おっちゃん(室井さん)は元は福井県小浜市の人で、ワカメの収穫とかできるからおいで、とのこと。名刺に福井と京都とLAとバリの住所が書いてあるのが気になる。聞けばよかった。

さらにおっちゃんの話によると、ここを通じて結婚したカップルが何組もいるらしい。最初はそんな逸話が!と驚いたが、すぐに納得。確かに食とか生き方とかめっちゃ大切やもんなぁ。有機野菜とかオーガニックにこだわってる同士、そりゃ気合うよなぁ、と。「付き合いました」「結婚しました」って報告をもらうんや、と話すおっちゃん。なんだか嬉しそう。

基本の開店日は火曜日から木曜日の午前10時から午後7時30分まで。

路地にあるから次に行くときは見逃さないようにしなきゃ。

おっちゃんに別れを告げて次のお店へ

次の八百屋さんに行く前に、同居人のクミコさんとそのお友だちアサノさんと合流。ちょっとディープなカフェでお話しして、再び出発。

続いてお邪魔したのは、ニョキニョキさん。

一見お店と気づかないほど控えめなニョキニョキさんは、お店の方もシャイなのか奥の方にいらっしゃいます。

実は多田さん、集合前にここを通りかかったそうで、そのときお店が閉まっていたから慌てて電話をかけてみたけど繋がらなかったらしい。

でも来たら開いてました。ホッ

雨だからお店を開けるのが遅くなったんだってさ。

あーそういうところもすき。

野菜、食品、グローサリーを取り扱っており、コーヒーやチャイなどもいただけるらしい。さらに定期的にモールを開催したり、イベントに出店したりしているそうで、お兄さんすてき!みたいな。

さてここで私が買ったのはこちら。麻炭グラノーラ。

帰り道にお腹が空いて食べながら帰ったのだけど、そのままで美味しい。味がしっかりしてて、何より身体に良さげ。腸の調子を整えてくれるらしい。ありがたや。

お店の目印
定休日は月曜日で、営業時間は12時から午後9時まで。

あ、お店の名前をクリックするとサイトに飛べます。

さてと、次のお店へ。まだまだ歩きます。

次はスコップ・アンド・ホーさん。

どんなお店なのかしら。

なんだか入る前からそんな予感はしていたのだけれど、お店の中は愛情がたっぷり。ほら見て。このディスプレイ、愛に溢れてる。

愛されて育った同士ね。私もわかるよ。

そしてよーく見てみると、こうやって手書きで書いてあるんです。

白かぶって赤いんだ…

そしてそして。これが私のイチオシ。山本さんのにんじん!

もうたまらん。ね?まず山本さんって誰やねん、と。そりゃこんなざっくり「山本さん」って書かれても、だれ!ってなるやないですか。で、きっとそこから話が始まる。「山本さんっていうのはね、どこどこでこんな風に育ててる農家さんでね、」みたいな感じで。はあ、もうたまりませんわ。八百屋さんツアーも中盤に入って、やっと楽しみ方が分かってきた気がする。だんだん一つの商品に注目できるようになってきた。

あちこちで見かけるカラー人参。絶妙な色。

もう私わかる。このお店では誰一人怒る気にならない。みんな優しくなれる。そんな空気が漂ってる。ね?そうでしょ?

スコップ・アンド・ホーさんは、野菜、食品、グローサリーを主に扱っていて、同時にカフェも楽しめる。

このマーマレード有名なのかな?ほとんどのお店で見かけた。

こちらではお野菜トークが弾んでおります。右のアサノさんは高知のお野菜を外へと発信している方。

野菜がつなぐ縁。心にもカラダにもよさそう。

ここでは関西以外の野菜、果物にも出会えます。

こちらのお芋さんは屋久島から。
あらあら遠くからご苦労様です

そして食べ物以外に気になるものもチラホラ。

百姓かるた。中が気になる!!
かわいい。なんかかわいい。

オーガニック八百屋カフェという場所らしい。イベントもちょこちょこ開催されているようなので、今度参加してみようかな。

さて、続いてはmusubi-yaさん。

雨粒がレンズについた

まずこれ見てください。何かに気づきませんか?

これ、このまま陳列されてるのだけど、郵便の宛名と送り主が貼られたまま。でもこれがいいよね。つまり生産者さんが送り主で、入り口でいきなり産地、生産者さんの紹介から始まる。しかも住所、郵便番号まで公開。なんて大胆なの!

こちらがオーナーのタブチさん。

電話しながら包めちゃう
なんか懐かしいのは私だけ?

むすびやさんは、野菜、食品、グローサリーを主に扱い、イベント出店もされています。さらに多田さんによると、こちらのタブチさんも人・モノ・コトの縁を結ぶ店主らしい。すてきだ。

ここでも気になるものが。ひとつひとつ手にとって見たくなります。

ここでもマーマレード。「とまとだけよ!」
岡山県産のものが続く

他の八百屋さんが、むすびやさんはお菓子が美味しそうよねって言うくらい、ここはお菓子が色々あって目移りしちゃう。

「はるやのサプリメント」気になりすぎる

ここは写真が撮りたくなる。可愛い。ひたすら可愛い。こうやって野菜やこだわりの食品は、お洒落さや可愛さでアピールしていくのがいいんだね。東京ミッドタウンのデザインハブで見た「地域 ×デザイン」と近い、きっと。

冷蔵庫が二色!しかもこの赤!最高!絶妙!
営業は火曜日から土曜日の、午後1時から午後7時まで。

本当に住宅街の中に突然現れるから面白い。むすびやっていう名前いいね。

雨にも負けず女たちは歩き続けました。

ちなみにこちらのアヤカさん、家にコンポストをお持ちの元ビーガンです。実はアヤカさんが今回のツアーの提案者で、多田さんがアヤカさんにオススメの八百屋さんを紹介することから始まりました。彼女は野菜を選ぶのがとっても早い。

あっという間に八百屋さんも残りひとつ。しかもここは多田さんもまだ行ったことがなくて、気になってると教えてくれたお店で、解散後に私一人で伺いました。家の近所。

坂ノ途中 soilさん。

もしかしたらご存知の方もいるかも知れません。東京にもあるらしい。

もう入る前から可愛い。シルバニアファミリーの家みたいな色づかい。

べか菜ってどんなだろな

中に入ると、お店のおかあさんが今日のオススメ、と奥の倉庫から出してくれた。これは白菜の菜の花。初めて見た!

小さくて可愛い

そしてこちらはアレッタ。2011年に三重県で新しく作られた品種で、ブロッコリーとケールの間のような感じ。湯がくととってもいい色になる。

なんだか小洒落た名前

そしてこちらが坂ノ途中のおかあさん。おかあさんっていうよりお姉さんかな。優しくて高い声で、ひとつひとつ説明してくださりました。私がそれまで八百屋さんツアーに参加していたことも話しました。水色のアーガイル着るところとか、優しいに違いない。

こちらもラインナップは野菜、果物、食品、グローサリーという感じ。

こだわりしか感じない

とっても素敵なお店。

壁にかかってる布も、黒いボードに書かれた関西の農家さんの紹介もオシャレ。シャッターを切りたくなる色。

これとか!可愛すぎる

さあ野菜はというと、よく見ると農家さんの名前が手書きで書き加えてある。

音吹畑ってスコップ・アンド・ホーさんでも見た

そしてこれ!この「やまのあいだファーム」がすごい!

「やまのあいだファーム」のシールが貼られた野菜は、土はほったらかし、水もやらない、まさに放任主義の育て方(これは育てると言うのか?)で育った野菜で、自力で大きくなったので味が濃くて長持ちするらしい。ついつい人間のオルタナティブ教育に重ねて考えてしまう。

その他にも生命力の強い野菜は多くあり、なんと多田さんのカブはラップを突き抜けて葉が伸びるほどだそう。恐るべし野菜。甘えてばかりいる私は野菜に頭が上がらない。

これはレジの多分お金を入れるトレー。ここまで野菜だとは!
なぬ!勉強だなんて!
定休日は第2月曜日で、営業時間は午前10時30分から午後7時まで。

坂ノ途中さんは株式会社化していて、卸販売も行っています。農業がこんなに可愛らしく、洗練されたデザインで事業化されていたら、一時農業を志していた私、心ときめいてしまう。

さあ一日お疲れ様でした。歩き疲れた。帰宅。

ではでは、買った物のご紹介。

左からアレッタ、梨みたいな味だよと教えてもらったヤーコン(フランク菜ッパさんで購入)、そして生命力がハンパじゃない人参。

よしゃ、晩ご飯だー!

じゃーん。できあがり。

左が湯がいたヤーコン。甘い。甘い!驚くほど甘い。そしてレンコンに近くて嬉しい。右は残り物のカレーに、お酒と一緒に湯がいた人参を加えて、アレッタは少し湯がいただけでこんな鮮やかな緑になったのでナイスなコントラストに。

ごちそうさま。よい一日でした。なんか元気でた。

ほな、ここから番外編。

フランク菜ッパさんで見つけた「憲法九条ネギ」

何とも言えないスマイルマークにも注目

そして多分どの八百屋さんに行っても掲げてあったピースフラッグ。

スコップ・アンド・ホーさんにて

これはpeace flag プロジェクトと言って、世界中から戦争がなくなって、平穏な暮らしの中で子供たちが未来に夢を持てるように、普通の暮らしがなにより大切だから、と掲げているそう。

ステキな店内だった。今度行こ。

そしてこちらはとんでもなくディープな空気が漂う、色のはこびやハチドリさん。コーヒーが美味しいらしい。出町柳付近。

いや〜、ここを選ぶクミコさん。さすが。

こっちは多田さんオススメ、ケールのスムージーが飲めるお店、GREEN FARM。テイクアウトができなくて、新鮮な状態のものをその場で飲むらしい。魅力的。

ここはアヤカさんオススメ、ベジタリアンのお店スジャータさん。

押し付けがましくなくて、単純に「私オーガニック好きなの」というスタンスでやってるお店のおばちゃんがステキだとのこと。アヤカさん曰く、眼が透き通っているらしい。気になる。

途中に立ち寄って休憩した、天然酵母のパン屋、AOWさん。

この日は水曜日だったので、スコーンの日でした。火金土がパンの日。

水曜日はお店の夫婦のお嫁さんの妹さんが店番をされています。普段はオーロラスイートという名前でスコーンを作って売っているそう。

ここのご夫婦はタイに7年間住んでいたそうです。アジアンな雰囲気がオーガニック食品と相性抜群。

注目!ナンプラー麹ってなんだ!

オリジナル商品もある

こちらが水曜日だけ食べられるスコーン。多田さん、アヤカさん大絶賛だったので、私も次食べてみようと思う。

スコーンの他にも、ビスコッティやクッキーのようなものも。また来よう。

東京で一年間を過ごして、今月京都に戻ってきた。東京での心境の変化と、関東の生産者さんを応援する人の活動を少し見せてもらっていたことから、今回のツアーは私にとって答え合わせのようだった。

アヤカさんが言っていた「恵みを受け取った瞬間に愛情が溢れる」あの感じ、多田さんが言っていた「ギフトと感謝」の微妙な違い、「恩着せがましいことはやだよね」とか「元々何がしたかったのかを見失うと自分のしたいことだけになって、なんかドロっとしたものが生まれる。気持ち悪い」とか。彼女たちは独特の言葉選びと思考をする。この人たちの言葉も有機野菜でできてるのかな。

カフェで休憩しているとき、彼女たちが交わしていた会話が気になった。場の流れをよくしたり、学び方を学んだりする中で、その手段に魅了されて飲み込まれ、結局本質を見失うのでは意味がない、という話だった。方法やツール、表層的な面白さにとらわれるのではなく、本質そのものを見つめること。彼女たちはただ身体にいいから、野菜が好きだから、有機野菜やオーガニックフードを選んでいるわけではない。「生きること」について真剣に考えているから、「今」を生きようとしているから、生きることの本質を見ようとしているから、食にこだわる。きっとそうなのだろう。私の周りの食や農業、畜産や漁業に興味がある人は、みんなどこかそんなところがあるように思う。

今回見た野菜はどれも結構いい値段。だから食卓全てをこの「恵み」たちで揃えることは、少なくとも今はできない。だけど口に入れるものに気をつけて、自分の心と身体を労わって初めて人に優しくできる気がする。

生産者さんにフォーカスするならば、同時にその人たちを応援するお店の人に目を向けてもいいよね。

すごく楽しい一日だった。

私も野菜に愛されたい。恵みを受け取りたい。

最後に、最近見つけた素敵な文章をおすそ分け。

世の中には、誰かがつくった素晴らしいものが沢山ある。映画であったり、洋服であったり、音楽であったり。かけがえのないモノは多々ある。
だけど、たとえば感性豊かなモノが増えることより、感性の豊かな人間が増えることの方が、よほど素晴らしくて価値のあることだ。美しいモノが増えることより、日常の中に美しさを見いだせる人、美しさに心をひらく人が多い方が、素敵ではないかなあ。
人間の大仕事のひとつは、世界を感じること。そして、その中で生きている自分に気づくことにある。「生きていること」を感じるために生きている、といったら言い過ぎだろうか。
生き生きとした…という言葉には、「生」が二度登場する。御飯をたべて、動いて、呼吸していれば生きているというわけじゃあない。
ただ生きているような日常の中で、さらにもう一度生きる、あるいは生まれ直す。そういう瞬間を、「生き生き」という言葉で私たちは捉える。

これからも生産者さんと彼らを支える人たちを応援しています。