主人の仕事の関係でアメリカに2年ほど滞在した時の、臭いの体験についてお話してみたいと思います。
アメリカは臭いに対して人一倍気を使う人たちが多いようです。その理由としては、アメリカ人というのはその人種を問わずほとんどの人は生まれながらにして”わきが”体質なのだという事です。

アメリカ人の認識としては、脇は臭いのが当たり前だそうで、なのでその臭いニオイをデオドラントできちんと抑えるのがエチケットらしいです。そのエチケット教育は小さいときから徹底していて、驚くべき事に小学生になると脇のデオドラント習慣についての指導が始まります。我が家の娘は日本人ですし幸い脇のニオイが気になる事はなかったのですが、その娘が小学三年生の授業でシャワー後にはきちんとデオドラントスプレーやスティックを塗ることを忘れないようにと言うエチケット指導を受けたそうです。
そしてあるメーカーのデオドラント剤の試供品まで配られていました。

わずか小学三年生でワキガのニオイがするアメリカ人小学生というのも本当に大変ですね。そういえば
こちらは街を歩いていても地下鉄に乗っていてもつねに、わきが臭というものが漂っている気がします。
先月もダウンタウンに行くときに地下鉄に乗ったら小学生の男の子たちの集団が乗り込んできたのですがその時は、もう息も出来ないぐらいの、わきが臭が車内に充満してきたので我慢しきれずに途中下車した事がありました。実際に、小学生と言えども体の発育が早いアメリカの子どもたちは低学年ですでに大人顔負けの脇のニオイを発してしまうのだなと妙に納得した出来事でした。

でもこれだけデオドラント使用が小さいときから広がっているにもかかわらず、密閉した空間ではワキガの臭いが気になってしまうと言うのは、アメリカで開発された強力なデオドラント剤をもってしても対処できないほどのキツイワキガが存在していると言う証拠でもあると思いました。彼らは、もうワキだけではなく体全身から、そういった臭いを発しているのかもしれません。それでも、医学的には病気ではないのですから、そのまま放っておくしかないのでしょう。
一方、このような状態は日本では放置していたら、間違いなく社会生活を送る上で支障をきたすと思われます。日本では、ごくごく軽症のワキガでさえも、そういった体質の方は本当に深刻に捉えていて深く悩んでいるようですから、一刻も早い医学的治療が必要になるのでしょう。

日本人というのはもともと遺伝学的にも無臭の民族らしく、日常生活を送っていてお互いの体臭を感じることはほとんどありませんよね。たまに中年男性の口臭には悩まされる事はありますがそれ以外の体臭に関しては、部屋中に不快な臭いが充満するという強力なものではないので、逆に、たまたまワキガだったりするとそれは立派な病気扱いになってしまうほどです。アメリカではワキガは病気ではなく人間として自然のものだと言う認識ですから、その点では非常に違いが大きいです。

けれど、一つ面白いなと思ったのは、アメリカ人はワキのニオイには非常に寛容なのに、口臭には異常に嫌悪感を示すことが多いですね。それは歯はアメリカ人にとっては命だという認識が強いからだと思われます。美しく整って手入れがきちんとされた歯でないと社会的に認められないという風潮があるぐらいですから、きちんとメンテナンスを行っている歯はきれいな息の証というふうにとらえているからでしょう
そんな口臭エチケットから習慣となっているのが、アメリカ人のガムを噛む習慣でしょう。
日本では学校の授業中や仕事中にガムを噛んだりする事は絶対にあり得ない事でしょう。でもアメリカではデパートで接客をしている店員さんも、看護師さんもガムを噛んでいる人が本当に多い事に気付き最初はびっくりしました。でも、接客サービス業という仕事だからこそ、口臭で相手に不快な思いをさせてはいけないというエチケットの精神からガムを噛んでいるのだということが良くわかりました。

ガムを噛みながらという習慣は日本では相手に対して失礼だと言う認識がほとんどですが、私は、最近では口臭で人に迷惑をかけるほうが失礼だという風に感じています。なぜなら、日本ではデパートや大型電化ショップ、ドラッグストアなどなどの接客で、相手の口臭に気付くことがとても多いのです。
アメリカでは決して経験する事が無かった口臭が、日本ではとにかく凄く蔓延しています。ですから日本も、もっとガムの習慣が定着していけばいいのではないかと思っています。それと、アメリカ並みに、もうちょっと歯の健康に気をつける意識を高める事も必要だと思います。

このようにアメリカでわずか2年間という短い生活の間にも、臭いに関しての興味深い体験は色々とさせてもらい勉強になった事は多かったです。人間が発する臭いは、自分ではどうする事も出来ませんが、それを軽減させるというエチケットの徹底に関しては、社会生活を送る上では非常に大切な事だと思うようになりました。