シリカ

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シリカ: silica)は、二酸化ケイ素(SiO2)、もしくは二酸化ケイ素によって構成される物質の総称。シリカという呼び名のほかに無水ケイ酸、、酸化シリコンと呼ばれることもある。

結晶性シリカと非結晶性シリカ

自然界におけるシリカ

自然界ではケイ素は多くの場合、シリカの形をとっている。最も一般的な形状は石英である。また、の主成分であり、ガラスの原料となる珪砂もシリカからなる。地殻内にはシリカが大量に含まれており、地球の表層の約6割がシリカを含む鉱物によって構成されている。

生物学上のシリカ

人体中のシリカ

水溶性のシリカは人体にも微量ながら含まれており、毛髪血管関節などに含まれ、特に骨形成の細胞層に集中している。生体中には約29ppmが存在し、免疫力に影響を与えたり、肌の保湿、骨や髪、爪、コラーゲンの再生・構築・補強・維持を手助けしている。成人1日あたり10~40mgのシリカが消耗される。現在、1日あたりの摂取量は定められていない。通常はケイ素を多く含む食品(玄米あわほうれん草バナナレーズンなど)を十分摂取することで補えるが、ミネラルウォーターや健康食品としても市販されている。

人体中におけるシリカの生理的な役割

現在、人体におけるシリカの生理学的な役割に関しては、十分に研究が行われていない。

しかし、米国の「フラミンガム子孫研究」では、ケイ素の摂取量と骨密度 (BMD) に密接な関係があるとされ、30代から80代までの研究参加者の男女2846人の食生活における、ケイ素摂取量を4グループに分けて比較したところ、男性や閉経前の女性ではケイ素摂取量が多いほど、大腿骨頚部のBMDが高いという結果が報告され、これによりシリカの骨粗鬆症予防に対する効果が期待されている。

このほか、軟骨やコラーゲンなどの生成に密接な関係があるといわれ、シリカの欠乏によって骨の修復機能に障害が起こると言われる。

産業分野での利用

工業分野での利用

化粧品・医薬品への添加

微粒二酸化ケイ素としてのシリカは一般的な粉体と比べた場合、吸水性が低い。これを利用して、アイシャドーファウンデーションといった化粧品において湿気による固形化を防ぐ役割として使用されるほか、安定化などの目的でクリーム乳液に使用される。また硬度が高いことを利用し、歯磨き粉に研磨成分として用いられることもある。さらに医薬品においては、打錠用粉末の流動性を高めたり、錠剤の強度を高めるためのコーティング剤、軟膏・乳液の安定化のために使用されることもある。また、近年親水性の高いシリカの開発により、疎水性の高いシリカと吸水性の高いシリカを組み合わせた化粧品等も開発されている。

食品添加物としての利用

シリカは、二酸化ケイ素ならびに微粒二酸化ケイ素の状態で、現在日本における食品添加物として厚生労働省よりの使用が認められている。

シリカはその吸着性を利用してビール清酒みりんといった醸造物食用油醤油ソースなどのろ過工程に使われるほか、砂糖缶詰などの製造工程にも用いられている。微粒二酸化ケイ素は吸湿・乾燥材としても使用される。とくにふりかけなどの粉形食品には湿気って“ダマ”になるのを防ぐ目的で添加されることがあるが、厚生労働省の告示の中で「母乳代替食品及び離乳食に使用してはならない」と使用基準が示されている。

食品添加物として利用される非結晶性のシリカは、「無水ケイ酸」とも呼ばれ不溶性で、体内で消化吸収されず排出されるため身体に害はない。

シリカの持つ多孔質や吸着能力などを利用して、ろ過用の食品添加物として使用されている。ビールをはじめとした酒類の混濁防止や調味液などのオリ下げ、ビールの泡持ち改善として使用される。こうしたろ過助剤としてのシリカは不溶性であるためろ過過程で除去される。

必須ミネラルとしてのシリカ

生体中の皮膚、髪、骨などに含まれる必須ミネラルとしてのシリカ(ケイ酸化合物)は、水溶性のものであり、鉱物由来の不溶性シリカとは異なる。人体には約1.8gの微量のケイ素が存在し、こうしたシリカはケイ酸などの水溶性シリカの形で食物から吸収される。

中国山東省、河北省、安徽省など。

  • Kaufmann, Klaus, D.Sc. "Silica: The Amazing Gel: An Essential Mineral for Radiant Health Recovery and Rejuvenation." New York, NY: Alive Books, 1998.
  • 木村修一・小林修平 翻訳監修 「最新栄養学〔第9版〕―専門領域の最新情報―」 (2007年 建帛社)