TPMでは、故障は起こるものではなく、人間が起こすものと考えます。ロスの考え方を初めとして、指標のつくり方、組織としての活動の進め方等について解説しています。
第1章:TPMの概要 目次
- TPMの定義
- TPM活動の3つのパート
- TPMの基本理念
- 生産活動における16大ロス
- TPMの8本柱
- TPMとTPS
- 第1章まとめ
動画講義
はじめに
故障とは?
「人間が故意に障害を起こすこと。」 実は、これが故障の語源なのです。
TPMでは、故障は起こるものではなく、人間が起こすものと考えます。それには、「故意」だけでなく、「過失」も含まれます。
人間がやるべきことをやっていれば、故障はゼロにできる。これがTPMの考え方の基本です。
そして、やるべきことを確実にやる為には、継続的に改善を進められる活動組織が必要です。
ロスが定量的に見える指標が必要です。
そして、異常を発見できる人材の育成が必要になります。
本講座では、ロスの考え方を初めとして、指標のつくり方、組織としての活動の進め方等について学習を進めていきます。
TPM活動を進めていくための基礎知識の習得に向けて、確実に学習をしていきましょう。
目次
第1章では、次の7項について学習を行ないます。
1.TPMの定義
2.TPM活動の3つのパート
3.TPMの基本理念
4.生産活動における16大ロス
5.TPMの8本柱
6.TPMとTPS
7.第1章まとめ
1.TPMの定義
TPMとは何か
TPMとは、
「Total Productive Maintenance」
「Total Productive Management」
の頭文字を取ったものです。メンテナンスだけでなく、マネジメントのMも含まれます。
設備稼働の効率化はもちろん、生産システムにおける
「あらゆるロスをゼロにすること。」
「あらゆる部門が全員参加で取り組むこと。」
これがTPMの活動のポイントです。
TPMの正式な定義
生産システム効率化の極限追求(総合的効率化)をする企業体質づくりを目標にして、
生産システムのライフサイクル全体を対象とした、「災害ゼロ・不良ゼロ・故障ゼロ」等、あらゆるロスを未然防止する仕組みを、現場現物で構築し、
生産部門をはじめ、開発・営業・管理などのあらゆる部門にわたって、
トップから第一線従業員にいたるまで、全員が参加し、
重複小集団活動により、ロス・ゼロを達成すること。
いまの段階では、この定義を全て覚える必要はありません。
「あらゆるロスを未然防止」、「トップから第一線従業員にいたるまで全員」、という部分をポイントとして押さえておきましょう。
2.TPM活動の3つのパート
現場から会社全体へ
お客様からの受注から、営業、研究開発、生産技術、生産管理、製造、保全、品質保証、原価管理、調達購買、人事、物流サービス、出荷までの一連のプロセスにおいて、
パート1は、製造、保全の製造現場が中心の活動です。
そして、パート1が一定のレベルまで進むと、次は、パート2の生産プロセスへ拡大した活動を行ないます。
更に、パート2が一定のレベルまで進むと、パート3のビジネスプロセス全体へ拡大した活動を行ないます。
このように、現場から会社全体へ対象を拡大していくのがTPM活動なのです。
製造現場における保全活動だけでなく、会社全体のプロセスまで含めて、ロスゼロ化を推進し、企業収益向上を目指していく活動であると、しっかりと認識しておきましょう。
3.TPMの基本理念
5つの基本理念
1つ目は、儲ける企業体質づくりです。
活動することが目的ではなく、最終的には収益を向上させることを目指します。
2つ目は、予防哲学(未然防止)です。
ロスは予防する、未然防止するもの、という考え方が基本となります。
3つ目は、全員参加(参画経営・人間尊重)です。
リーダーだけが行なう活動ではなく、全社員が参加して、自分の職場を改善することが求められます。
4つ目は、現場現物主義です。
机上の空論ではなく、現場で現物を見ながら議論することは絶対条件です。
5つ目は、常識の新陳代謝です。
過去に囚われずに、常識を打ち破っていくことが求められます。
以上の5つの基本理念を忘れずに、TPM活動を推進していきましょう。