ギターシールドやエフェクターがひき起こす音痩せの原因と対策
長いシールドケーブルを使っていたりエフェクターを多く接続した場合に問題になるのが「音痩せ」です。
俗に「ハイ落ち」などとも呼ばれ、高音がそぎ落とされるためにこもったような音になってしまいます。
今回は音痩せが起こる根本的な原因、その対策方法を紹介していきます。
ピックアップが音痩せの根本的な原因
音痩せが起きる原因の根本的な部分を解説します。
電気の専門的な話が大部分なので、苦手な方は「インピーダンスについてのまとめ」まで飛ばしてもらっても大丈夫です。
信号の劣化を引き起こすハイインピーダンス
エレキギターはピックアップが弦の振動を電気信号として伝えることでスピーカーから音を出しています。
パッシブピックアップを搭載するギターの場合、ピックアップに何千ターンと巻かれたコイルが電気的に大きな抵抗となり、大きな電流を流すことができません。
これは中学生で習うオームの法則(電流=電圧÷抵抗)で説明でき、抵抗の値が大きくなればなるほど電流の値は小さくなることがわかります。
電流が小さいことで何が問題になるかというと、外部からの影響を受けやすくなってノイズが乗ったり音が痩せるということがおきてしまいます。
これが「ハイインピーダンス」といわれる状態です。
インピーダンスは交流信号に対する電気的な抵抗のことをいいます。
外部からの影響を受けにくいローインピーダンス
パッシブピックアップに対し、アクティブピックアップではプリアンプを内蔵して出力を稼ぐので、コイル巻数が少なく電気的な抵抗が小さい「ローインピーダンス」といわれる状態になります。
電気的な抵抗が小さいほど大きな電流を流すことができるので、外部からの影響を受けにくくなります。
インピーダンスについてのまとめ
ここまでピックアップで作られる2種類の電気信号の状態とインピーダンスとは交流信号に対する電気的な抵抗であることを解説してきました。
ハイインピーダンスとローインピーダンスについてまとめると次のようになります。
■ハイインピーダンス
・パッシブピックアップからの信号
・電気的な抵抗が大きく電流が流れにくい
⇒外部からの影響に弱くノイズ、音質の劣化が大きい
■ローインピーダンス
・アクティブピックアップからの信号
・電気的な抵抗が小さく電流が流れやすい
⇒外部からの影響に強くノイズ、音質の劣化が少ない
トゥルーバイパスのエフェクターについて
今はバイパス時に音色を変化させないトゥルーバイパス仕様のエフェクターが多く出回るようになりましたが、信号がエフェクター内部の配線を通ることには変わりないためシールドの長さが増えるのと同じことだといえます。
トゥルーバイパスではエフェクター内部での意図的な音色の変化はありませんが、ハイインピーダンス状態では音の劣化は起きてしまうわけです。
音痩せを改善する対策方法は?
音痩せの原因はハイインピーダンスの信号で、これがローインピーダンスになることで音痩せしにくくなるということを解説してきました。
ローインピーダンスの信号を作るアクティブピックアップに変更したり、ハイインピーダンスでも繋ぐエフェクターを減らす、短いシールドを使ったりすることで音痩せは改善しますが、ピックアップ載換えの手間や利便性の面で考えるとあまり現実的ではないようにも思います。
そこで手っ取り早く音痩せ対策をするのに便利なのが「バッファー」です。
簡単に音痩せを改善してくれるバッファー
バッファーはハイインピーダンスを単純にローインピーダンスに変換してくれるものです。
トゥルーバイパスに対してバッファードバイパスのエフェクターがありますが、これはスイッチOFF時でも信号がローインピーダンスの状態になります。
また、バッファー機能だけをもつペダルタイプのものもあります。
ペダルといってもギターから繋いでおくだけで常時バッファーを通るようになっているので、フットスイッチなどは付いておらず、構成がシンプルなためサイズがとてもコンパクトです。
接続方法としてはエフェクターペダル群の先頭につないで、後続のエフェクターをローインピーダンスで通すのが一般的です。
当然のことながらバッファーまでの経路ではハイインピーダンスですので、シールドでの音質劣化を考慮して出来るだけギターから近いところでバッファーをつないだほうが効果的です。
バッファーペダル(Visualsound PURE TONE)動画
動画の解説
1.(0:17~) アンプ直で30cmのシールドを使用
2.(0:28~) 1にバッファーを追加
3.(0:41~) アンプ直で12mのシールドを使用
4.(0:52~) 3にバッファーを追加
5.(1:06~) 非トゥルーバイパスのペダル(OFF状態)と1.8mのシールドを使用
6.(1:16~) 5のペダルの前にバッファーを追加
7.(1:29~) トゥルーバイパスと非トゥルーバイパスが混在するペダル(OFF状態)と1.8mのシールドを使用
8.(1:41~) 7のペダル群の前にバッファーを追加