ニキビ治療について

同じような場所に
何度も…
繰り返す
ニキビを防ぐ、
できる前からの治療

  • 前額型(17歳,男性)
    痤瘡の初発部位であり、面ぽうが主体で低年齢層に多い

  • 下顎型(22歳,女性)
    赤色丘疹、膿疱の炎症性病変が多発し、20代以降の高年齢層に多くみられます

正常な皮膚にも
ニキビ菌は潜んでいます

 以前は、一目でニキビだとわかる、炎症が起こってからのニキビ治療が主流でしたが、今は炎症が起こる前の「面ぽう」の段階から治療する、この重要性が注目されています。

 一般的に言われるニキビとは、毛孔にははっきりしない少し白くふくれただけの「白ニキビ」や毛孔が開いて黒く見える黒い「黒ニキビ」、それらが悪化して、毛孔のまわりが炎症で赤く盛り上がる「赤いニキビ」のことを指します。つまり、こうなる前の状態から、今のニキビ治療は始められるということです。そもそもニキビとは、毛孔に脂が詰まることが要因です。脂が大好物のニキビ菌は、皮脂腺と呼ばれる脂を出す部分に潜んでいます。ニキビ菌は、正常な皮膚にも住んでいますが、この状況ではまだニキビではありません。さらに、毛孔が詰まったり、角化によって狭くなったりするとニキビになる可能性が高くなりますが、この段階でもまだニキビとはいいません。しかし、皮脂や汚れによって毛孔が押し広げられたり、毛孔が狭くなったりふさがれることで、皮脂が外に出られなくなったりする段階から、白ニキビや黒ニキビの症状が現れます。

ニキビ菌を
活躍させないために

 こうなる前のタイミング、つまり、毛孔が狭くなって詰まった状態を「面ぽう」と呼びます。これは毛孔を詰まらせているかたまりのことで、実はここからの治療が有効なのです。それはなぜかというと、ニキビにはなっていなくても、皮膚の下ではいつでもニキビになる準備ができているということ、つまり、こういった環境が整っているうちは、何度も繰り返しニキビになってしまい、時にニキビを悪化させ、跡が残ってしまうことにもなりかねません。一度ニキビができた場所は、繰り返しニキビができやすい場所でもあるのです。ですから、ブツブツと出てくる前から治療をすれば、それが化膿予防にも、ニキビ予防にもなります。

 現在、ニキビ治療薬も大変進歩し、この段階から効果が期待できる新薬が複数あります。患部を清潔にし、きちんと薬を塗るだけでしっかりと効果が目に見えるので、多くの患者さんが使っています。

高齢者にも
要注意のニキビ

 ニキビは脂を好むとお話ししたように、顔やあご、背中、頭皮など、身体の中でも皮脂分の多い所にできやすいものです。そして、多くの方が、ニキビとは青春のシンボルであり、年齢が上がっていくとともに、ニキビとは無縁になるものだと勘違いしています。ニキビとは全世代に起こりうるもので、特に高齢者の場合、首から上は要注意です。年齢とともに肌がカサカサするため、脂分がなくなったと勘違いしている高齢者の方がたくさんいらっしゃいますが、50代後半、60歳を過ぎたあたりから、首から上の部分、特に頭皮にはむしろ皮脂分が多くなっています。しかも、髪の毛と頭皮は別物という認識も必要です。リンスやコンディショナー、あるいは栄養剤は髪の毛には必要ですが、頭皮にとっては皮脂や汚れなどと一緒で、毛孔を詰まらせる原因にもなるのです。さらに、洗い過ぎは乾燥するからといってシャンプーの回数を減らすと、ニキビ菌の思うツボ。汚れや皮脂、あげくのはてに栄養剤まで頭皮に残り、結果、頭にたくさん吹き出物を作って来院される高齢者も少なくありません。また皮脂が多い部位にできる脂漏性皮膚炎も頭部に多い皮膚疾患です。ニキビと入り混じって発症することも多いので、きちんと皮膚科で診てもらうことをおすすめします。

乾燥肌、肝心なのは
薬の塗り分け

 また、秋から冬、春にかけ、患者さんのほとんどを占めるのが乾燥肌の症状です。暖房器具の使用によって悪化しやすいのですが、近年意外と多いのが、保温下着によるもの。材質の特性上、水蒸気が熱を放出する原理を利用したものなので、保温下着を肌に直接触れさせると肌の水分を奪い、乾燥させてしまうことで乾燥肌につながります。また、熱いお風呂に入ったり、石けんでゴシゴシ洗ったりする入浴方法や生活習慣を見直さなければなりません。そしてもちろん保湿も必要です。

 市販の薬もたくさん出ていますが、塗り分けも必要です。一口に乾燥肌といっても、季節や年齢などに合わせて細かく塗り分けることで、薬の効果も違ってきます。かゆくて、ついついかきむしってしまい、大きなかき傷を作って来院される方もいますが、やはり症状の軽いうちからきちんとした薬の処方を受けることが早く治る近道ですし、乾燥肌での悩みやストレスを長く感じなくてすむ方法でもあります。