2016/12/08


現代人に不足しがちな不飽和脂肪酸と過剰摂取に気をつけたい飽和脂肪酸

 「あぶら」とは「油」と「脂」、2つの漢字で表わすことができますが、この違いは何でしょうか。常温で液体状のあぶらを「油」、固体のものを「脂」と表し、これらを総称して「油脂」と呼びます。油脂は「脂肪酸」と「グリセリン」という分子から成り立っており、油脂や脂肪酸、グリセリンなどを合わせて“脂質”と呼んでいます。

 脂質の一つである「脂肪酸」には“飽和脂肪酸”と“不飽和脂肪酸”の2種類が存在しています。このうち“飽和脂肪酸”というのは動物性の脂質を指します。バターやラード、動物の脂分など主に身体のエネルギー源となるものではありますが、現代の食生活の中でこの飽和脂肪酸の過剰摂取が問題視されています。一方の“不飽和脂肪酸”ですが、これは植物や魚に多く含まれている脂質を指します。更に不飽和脂肪酸は“一価不飽和脂肪酸”と“多価不飽和脂肪酸”に分類され、この“多価不飽和脂肪酸”はn?3系、n?6系と細かく分類されます。

スポンサーリンク

 一価不飽和脂肪酸で有名なものに「オレイン酸」があります。オリーブ油などに多く含まれており、これには血液中のLDLコレステロールを低下させる効果があります。多価不飽和脂肪酸であるn?3系にはいわゆる“DHA”と呼ばれる「ドコサヘキサエン酸」や「α?リノレン酸」、「EPA(エイコサペンタエン酸)」があり、n?6系には「リノール酸」などがあります。「リノール酸」は体内で「アラキドン酸」を生成するほか、“イコサノイド”と呼ばれる生理活性物質に変化する性質を持っています。

 これらの物質は私達の健康に大きく貢献してくれるものばかり。動脈硬化や血栓の予防、血圧の低下などに役立つなど様々な力を持っているのです。「必須脂肪酸」と呼ばれるこれらの物質は体内で作り出すことができません。ですので、食事を始めとした外からの摂取が必要となるのです。ただし、空気を始め、熱や光などの影響で酸化し易いのも特徴で、酸化すると過酸化脂質となるので注意しなければなりません。過酸化脂質は身体にとって有害となるもので、ガンや老化の促進、動脈硬化といった症状の要因になります。

 不飽和脂肪酸の中でもn?3系の脂肪酸を意識的に摂取することで血液の働きを正常にして中性脂肪を下げたり、筋肉の炎症などを抑える効果あると言われています。この脂肪酸が不足すると、皮膚炎などを引き起こすとも言われています。サケやイワシ、サバなどの魚に多く含まれますが、酸化を防ぐため生で食べるのがお勧めです。最近ではn?3系の脂肪酸を主成分としたサプリメントなども販売されているので、チェックしてみてはいかがでしょうか。

 もう一つの脂肪酸であるn?6系ですが、ほとんどが“リノール酸”と言われています。必須脂肪酸であり、体内に必要である栄養素であるものの、過剰な摂取はアレルギーなどの原因になるとも言われています。大豆油、コーン油などに多く含まれていますので、使用する際には適量を守るよう心がけましょう。

 不飽和脂肪酸に比べ、動物性の脂質である飽和脂肪酸は意識しなくても日常的に摂取しているものです。特に欧米化が進んだ現代食には溢れているものであり、この為摂取量が適量を超えているという人も多くなっています。人間が活動するためのエネルギー源としては大切な栄養素ですが、やはり偏った摂取は禁物です。肥満や糖尿病など、生活習慣病を引き起こす大きな要因となる飽和脂肪酸。肉類や乳製品、ココナッツ油やヤシ油に多く含まれています。勿論、不足していても体調不良を招きますので不飽和脂肪酸とのバランスを考え適切な摂取量を意識して下さい。

 身体の健康維持の為には、どちらも“適量”を守ることが重要になってきます。偏った食生活を改善するため、脂質全体の摂取量を見直すことから始めてみましょう。魚は最低1日に1回摂取する、揚げ物などには植物油を使用するなど動物性の脂質を減らす工夫をしてみるのも良いでしょう。酸化を防ぐために、抗酸化成分を持つ栄養素を一緒に取り入れるのもお勧めです。ビタミンCなどを含んだ生野菜なども積極的に取り入れ、バランスの良い食事を続ける努力をしてみて下さい。

執筆者:rihira

一般社団法人 日本スキンケア協会
認定:スキンケアアドバイザー

注:2016年3月以前の記事はスキンケアアドバイザー資格取得前に書かれたものです。

この記事のタイトルとURLをコピーする

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  あわせて読みたい