骨肉腫患者の標準看護計画
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原発性骨悪性腫瘍中で最も多く見られるが、全国でも年間200例前後しか新たな症例の発生はないため、専門的施設での治療を要するまれな腫瘍である。好発年齢は、10歳代が最も多く、とくに15~19歳に好発する。成長期に発生するため発育は急速で、早期発見、早期治療が必須である。(男女比は3:2)好発部位は、大腿骨末梢および脛骨中枢、上腕骨中枢の骨幹端部で、X線像では、骨融解像と骨硬化像を示すものがあるが、前者が多い。骨膜反応は全例に出現する。
骨肉腫の治療成績は向上してきており転移のない症例の5年生存率は当科では80%である。
骨肉腫は発症がわかると、今まで過ごしてきた生活環境から一変し、入院・治療が必要となる。入院から治療開始まで、短いものであれば、4~7日で種々の検査の後に、骨生検を行い、その日のうちに化学療法が開始される。病気が悪性であったことの悲嘆、治療がどのようなものか、などの不安を抱きながら治療を受けなければならない。そこで、治療を継続していくために家族の協力が必要となる。しかし、家族もパニック状態に陥ることもあり、患者ともどもサポートが必要となることがある。また発症年齢が、学童期から思春期・青年期にかけての患者が多いため、精神発達における影響や勉学に対する配慮も必要である。
骨肉腫の症状は、患部の腫脹と熱感や疼痛であることが多い。まれに病的骨折によって発見されることもある。
- レントゲン撮影
- CTスキャン
- MRI
- 骨スキャン
- タリウムスキャン
- 骨生検
- 血管造影
- 生化学検査及び血液一般検査
術前化学療法(動脈注入・全身投与)を2週間間隔で3~5クール(化学療法中に効果判定を行い、薬剤の変更や治療回数の変更もある)後に、腫瘍切除術に加え再建術として骨移植術・骨延長術・人工関節置換術を行う。場合によっては患肢の切断術を行なうこともある。その後、術後化学療法を3週間間隔で3~6クール(全身投与)行う。
以前の治療は患肢切断術に加え、補助化学療法を行ってきた。現在は、主として術前に多剤併用による化学療法が行われ、その後に患肢の機能を温存させる患肢温存手術を行い、術後にも化学療法を行う。術前の化学療法は肺微小転移巣の撲滅、原発腫瘍の鎮静・縮小を図るために、術後には遠隔転移の防止、特に肺転移の防止のために化学療法が施行される。しかし化学療法には、重篤な副作用があるため、より安全に行うには医師と密な連携を図りながら、適切な処置と注意深い観察を行い、副作用による全身状態への侵襲を最小限に抑える必要がある。
術後の安静やリハビリテーションは術式によって異なり、患肢の機能が術前の段階まで回復できるように援助が必要である。
これらの治療を行うには、6カ月以上の期間となり、治療が円滑に行われるための援助が必要となる。
1.精神的サポート
骨肉腫の治療を受ける患者は、病気や治療に対して多くの不安をもっている。不安の内容や程度、表出の仕方など個人によって異なることに加えて、入院から治療開始まで早いものであれば、1週間以内で開始されることもあり思いを表出できない患者もいる。精神的・身体的・社会的側面から統合した情報で、患者各人を判断し援助して行くことが大切である。
術前化学療法・根治的手術・術後化学療法と治療が長期にわたるため、治療を行っている各段階においてしっかりとしたサポートができるようなシステムを作っておく必要がある。
2.疼痛の管理
骨肉腫による疼痛に対して、疼痛のコントロールが必要となる。疼痛が強い場合には鎮痛剤を使用して疼痛のコントロールを図る。化学療法時、非ピリン系消炎鎮痛剤の使用は、腎の血流量を減少させるのでメソトレキセート使用時は禁忌であり、その他の方法で疼痛に対応できるよう対処しておかねばならない。
化学療法により疼痛鎮静・腫瘍縮小が図られているか観察が必要である。
3.病的骨折の予防
腫瘍の増大により病的骨折の恐れのある症例もある。荷重や外的圧力で骨折することを予防するため、安静の必要がある場合は、下肢では痛くなくても免荷歩行を行なわせる。上肢では三角巾などで固定して安静を保つようにさせる必要がある。また体動だけで骨折する症例もあるので注意が必要である。
病的骨折により、腫瘍が転移する可能性が高くなるので病的骨折を起こさない指導が必要である。
4.術前化学療法時の管理
当科での化学療法は、腫瘍の感受性を高めるために、カフェイン併用の治療が行われている。それに加えて術前の化学療法は、動脈ラインを留置(3~4日間)して行われる事が多い。そのことにより、一般的化学療法の副作用の悪心・嘔吐・骨髄抑制・脱毛・(イホマイド使用時には出血性膀胱炎や排尿障害)に加えて、動悸・胸苦・イライラ・不眠・不穏・安静臥床によるストレスなどが増加することもあり対応して行かなければならない。また動脈ライン留置中トラブルが起きないように援助していかなければならない。
その他の副作用としてブリブラチン使用の化学療法を施行中に、末梢神経障害による手足のしびれや聴神経障害による耳鳴りや聴力低下が起こることもあり、症状が起きていないか観察が必要である。
5.栄養管理
化学療法後の食欲不振から早くに解放されれば体力の回復も早くなり、治療が予定どおり継続される。食事は、精神的なもので左右されることもあり、焦らずに食事が開始されるようタイミング好みを取り入れながら援助して行く必要がある。食欲不振が長く続けば、IVHで管理することもある。
6.術後疼痛管理
手術後の疼痛は、手術形式、麻酔法によって異なり、また個人差が大きい。患者に我慢させず、十分に疼痛をやわらげる必要がある。
神経麻痺症状による疼痛、血腫の圧迫による疼痛もあり、運動状態・知覚状態・創部の状態・ドレーン量などにも十分に注意していかなければならない。
切断術後は、幻肢痛が出現することがある。切断を受容することができるようになることで、痛みが軽減することもあり精神的援助が必要である。
7.術後出血の管理
手術後の出血は、創やドレーンより排出されるものであり、包帯上の汚染がないか、ドレーンからの排液量の変化に注意する。血液データーにも注意し異常の早期発見に努めていかなければならない。
8.術後感染予防
手術後、熱型・患部の状態・血液データー(CRP・WBC・血沈など)など感染徴候に注意を払う必要がある。感染により、疼痛の増強・創治癒の遅れ・全身状態の悪化などが予測され、術後の後療法にも影響が出てくる。
9.術後神経麻痺対策
腫瘍の切除では、骨病巣ばかりではなく、その周辺の健常軟部組織も合併切除されるので、神経の損傷がおきやすく運動障害や知覚障害が生じることがある。そのため、手術前後の経時的な神経麻痺の有無の観察が必要である。
また腫瘍に神経が巻き込まれており、やむなく神経切断される場合もある。下肢では手術後より、運動・知覚障害を引き起こすため、術後、良肢位の保持や知覚障害から起こる可能性のある熱傷・褥創に注意し術後、自分自身で管理して行けるように指導が必要である。
10.術後化学療法時の管理
術後化学療法は、術前化学療法による腎機能や肝機能、骨髄機能の低下などに加えて手術の侵襲により身体のダメージも強く重篤な副作用が起こる可能性が高くなるため、術前化学療法以上に注意が必要である。
Ⅰ.アセスメントの視点
骨肉腫は原発性悪性骨腫瘍のうち、最も多くみられる。10歳代の小児に発生し、大腿骨下端・脛骨上端に好発する。症状は通常、疼痛から始まる。肺転移をおこすと、早期に死の転帰をとる。
当科では、シスプラチン、アドリアシン、メソトレキセート、イホマイド、ラステットなどの抗癌剤の併用とカフェインの動脈内持続投与による治療法が行われている。
看護にあたっては、悪性腫瘍・骨肉腫という病名からくる患者や家族の心理を十分に考慮し、治療および看護をとおして、身体的・精神的苦痛を緩和させるよう万全を尽くす必要がある。また、化学療法は、副作用の現れ方が強い。そのため、副作用による患者の苦痛を和らげるために、患者の症状のコントロールが必要である。副作用の中には、生命を左右するものがあることを十分に理解し、患者の疾患・性格、家族状況、副作用の有無を常に観察し、情報収集をしながら看護していくことが、つらい化学療法を受ける患者の負担の軽減になる。
Ⅱ.問題リスト(化学療法時)
入院時
〔要因〕・疾患そのものへのおそれ
・疾患に対する知識不足
・将来についての不安
〔要因〕・家族と離れた入院という慣れない環境
・学校生活が遅れることについての不安
〔要因〕・疾患そのものへのおそれ
・患者の予後や経済面への不安
・患者と家族間の人間関係(コミュニケーション)
治療前
〔要因〕・化学療法に対する不安
・化学療法の副作用に対する不安
治療中~治療後にかけて
〔要因〕・抗癌剤の副作用による口内炎、白血球の減少による口腔内の感染
・抗癌剤の副作用による悪心、嘔吐
・悪心、嘔吐、倦怠感などに伴う食欲の低下
・抗癌剤の副作用による下痢
〔要因〕・抗癌剤の副作用による腎機能の低下、出血性膀胱炎
〔要因〕・動脈からの出血
・血栓
〔要因〕・抗癌剤による骨髄の造血機能の低下
〔要因〕・化学療法の副作用による苦痛
〔要因〕・持続点滴中である
・抗癌剤の漏れによる組織壊死
〔要因〕・動脈内の持続注入中であり安静度に制限がある
・化学療法による苦痛があり体動が少ない
〔要因〕・化学療法の副作用による脱毛
Ⅲ.看護目標(化学療法時)
- 疾患に対する不安が軽減される
- 化学療法の必要性を理解して、納得して治療を受けることができる
- 化学療法による副作用の軽減
- 動脈内持続注入療法による合併症の防止、異常の早期発見
Ⅳ.看護問題(化学療法時)
&疾患に対する不安を言葉で表現できる
検査の必要性が理解できる
治療に対する思いや不安を言葉で表現できる
$治療開始までに
O-1.疾患、検査、治療に関する患者の情報量とその理解度
症状、予後、診断名、検査、治療内容
2.1に伴う不安内容
表情、言語、態度の表出状況
3.食欲、食事摂取状況
4.身体症状の有無と程度
5.サポートシステムの状況
6.性格
7.対処行動と対処能力、サポートシステムの状況
T-1.疾患、検査、治療、に対する理解度の確認
2.医療者の言動の統一
3.検査の必要性、方法をわかりやすく説明して協力を得る
検査結果について、医師から十分説明を受けることができるように配慮する
4.家族との協力体制をつくり、必要時参加を求める
5.不安を表出できるようにするため以下のケアをする
1)患者や家族の訴えをよく聴き支援的態度で接する
2)不安やストレスを表出できるような雰囲気をつくる
3)患者や家族との信頼関係をつくる
4)疾患、治療に対する不安について、医師から十分説明が受けられるように配慮する
E-1.患者が治療中の状態を具体的にイメージできるように説明する
とくに、持続動脈内投与の場合、安静度に制約があること
2.不安な時は思いを表出するように促す
&安心感をもって入院生活をおくることができる
$入院時~1週間後
O-1.入院への適応状況
2.生活態度を知る(食事、遊び、睡眠、学習)
3.入院時オリエンテーションの実施後、理解度の把握
T-1.入院生活上、可能な範囲での環境調整
E-1.社会資源の活用方法を説明する(院内学習など)
&化学療法の必要性を理解し、家族が納得して治療に協力できる
$入院時~1週間後
O-1.家族の疾患、及び治療に対する考え、受け止め方
2.医師から家族への説明内容について
3.家族及びサポートシステムの状況
T-1.家族の質問に対しては、誠実に応答し、また医師からの説明が受けられるように配慮する
2.医療者間での言動の統一をし、家族に余計な不安を与えない
E-1.必要時、家族に協力を求め、援助方法について指導
&治療の必要性を理解し、納得して治療が受けられる
$治療開始前までに
O-1.化学療法に対する言動、不安内容、表情
2.化学療法についての理解度
3.全身状態について把握
T-1.ムンテラ内容、患者の理解度の把握
2.不安内容に対する説明
3.不安を訴えることのできるような雰囲気をつくる
E-1.患者が治療中の状態を具体的にイメージできるように説明する
1)点滴が持続して必要であること、動脈内持続投与の場合、安静度に制約があること
2)副作用(嘔気、嘔吐、倦怠感、脱毛、白血球低下、脱毛)
当科で骨肉腫患者に使用される抗癌剤とその副作用
シスプラチン
悪心、嘔吐、口内炎、下痢、骨髄抑制、脱毛、手足のしびれ、
味覚異常、肝・腎機能障害等
アドリアシン
口内粘膜障害、脱毛、悪心、嘔吐、発熱、骨髄抑制、下痢、心筋障害
メソトレキセート
骨髄抑制、肝・腎機能障害、胃腸障害、過敏症状、脱毛等
イホマイド
骨髄抑制、出血性膀胱炎、肝・腎機能障害、脱毛等
ラステット
白血球減少症、肝・腎機能障害、悪心、嘔吐、発疹、脱毛等
&悪心、嘔吐の軽減、食事の摂取ができる
口内炎、下痢による苦痛の軽減
$治療開始~数日
O-1.治療前後の食事摂取状況
2.悪心・嘔吐の有無
嘔吐の発現状況
回数、吐物の色、性状、量、食事との関係
3.嘔吐の随伴症状の有無とその程度
顔面蒼白、呼吸、脈白、唾液の分泌の増加
4.抗癌剤以外に悪心・嘔吐を増強させる因子の有無
5.口腔内、口角、口唇の観察(色調、口臭、粘膜、発赤、出血、舌苔)
6.味覚の異常
7.治療前中後の排便状況(回数、便の性状、量)
8.脱水、電解質異常の有無とその程度
脱水症状:皮膚の乾燥、血圧、頻脈
血液データー:ヘマトクリット値、電解質
9.下痢時、肛門部周囲の皮膚の観察
T-1.嘔吐時の介助
吐物は速やかに後始末する、体位の工夫、含嗽、口腔清拭、
2.食事の援助(内容、時間)
3.悪心、嘔吐が強い時は医師の指示の制吐剤を使用、また、その効果
4.口腔内に痛みがある時、イソジンガーグルを使用した含嗽の励行
5.排泄方法について配慮(オムツ、便器、ポータブルトイレ)
6.下腹部の温罨法
7.消化の良い食品の摂取を促す
8.医師の指示のもと、止痢剤の投与
E-1.水分の摂取を促す
2.食事は食べやすい物から摂取するように説明
3.含嗽の必要性を説明
4.下痢時にはウォシュレットを使用するなど、肛門周囲の皮膚を清潔にするよう説明
&腎機能障害の予防、早期発見
$治療開始~数日
O-1.尿量(治療開始後、72時間以内は2時間、夜間は4時間チェック)
尿の性状(色調、pHの変化、血尿・たんぱく尿の有無)
2.BUN、クレアチニンデーターのチェック
3.浮腫の有無
4.水分出納のバランスチェック
5.バイタルサインの変化
6.嘔気、嘔吐、下痢の有無について観察
7.メソトレキセートによる化学療法時はメソトレキセートの血中濃度のチェック
T-1.尿量が100ml/2時間以下の場合、医師の指示の利尿剤を使用
2.患者の希望に応じて、尿器の設置、カテーテルの留置、ポータブルトイレの設置をする
3.医師の指示の輸液の投与
4.メソトレキセートによる化学療法時
1)ロイコボリンの投与を確実にする
2)一般の鎮痛剤は腎血流量の低下を招くため、疼痛時は医師の指示のもと麻薬系、ステロイド系を使用する
3)尿のpH 7.0以下の場合、メイロン1A静注
E-1.輸液の必要性について説明
2.尿量のチェックの必要性について説明し、協力してもらう
&動注カテーテルによる合併症の予防、異常の早期発見
$治療中
O-1.カテーテル刺入部からの出血の観察
2.カテーテル刺入部の疼痛
3.カテーテル留置部より末梢の動脈の触知確認
4.浮腫
5.抗癌剤のもれによる皮膚障害の観察
6.そ径部から留置されている場合は仰臥位安静とし、安静を守れているか観察
T-1.医師の指示量の点滴を投与
2.抗癌剤の投与は医師に依頼
3.接続部はしっかり固定する
4.抗癌剤の投与には輸液ポンプを使用
E-1.点滴刺入部に疼痛がある時には知らせるように説明
2.安静に制限があることを説明し、苦痛がある時は知らせるように説明
&感染や出血が起こらない
$治療開始後1週間~2週間
O-1.バイタルサイン、熱型の観察
2.治療前の感染症の悪化の有無(う歯、水虫など)
3.血液データーのチェック(WBC、RBC、PLT、CRP)
4.呼吸器感染の有無(風邪の症状)
5.口内炎、咽頭炎
6.排便状況
7.めまい、ふらつきの有無
8.出血部位の有無
9.皮膚の観察、圧迫や外傷、外的刺激をさける
T-1.白血球数1000/mm3以下の場合
手洗い・含嗽の励行、マスクの貼用、室内での安静を促す、入浴を禁止
白血球数500/mm3以下の場合
上記に加え、生食の禁止、個室へ隔離、面会の制限、空気清浄器の設置
2.輸血時にはアレルギー反応に注意
3.データーの悪化時、ADLの介助
E-1.感染予防のパンフレットをわたし、感染予防の必要性について説明し、自己管理するようにうながす(手洗い、含嗽、皮膚の清潔、保温、環境の整備、マスクの貼用、エンベラケアの使用、隔離、加熱食とし生食の禁止、風邪をひいている人の側にはいかないことなど)
2.貧血食の必要性について説明
3.貧血時は急に、ベッドから起きあがらないようにするように促す
&熟眠感が得られる
$治療中
O-1.睡眠時間、睡眠状況、日中の傾眠状態
2.睡眠に影響を及ぼす因子の有無
T-1.環境整備(騒音、室内の温度、臭気)
2.身体的苦痛の除去
3.不眠時は医師の指示のもと、ホリゾンなど精神安定剤の投与
E-1.不眠により苦痛がある時は、知らせるように説明
&点滴治療による皮膚損傷が起こらない
$点滴留置中
O-1.点滴刺入部の観察、発赤、腫脹、疼痛
2.点滴の滴下状態の観察
T-1.留置針の固定をしっかりする
2.点滴は指示の量を時間どうりに投与
3.持続点滴の場合、3日に1回程度は点滴セットの交換
4.点滴漏れが生じた場合は医師に再留置を依頼
5.抗癌剤の漏れのおそれがある場合は、速やかに医師に連絡
E-1.点滴刺入部の疼痛時、腫脹時は知らせるように説明
2.滴下状態が悪いときは知らせるように説明
&褥創、腓骨神経麻痺の予防
$化学療法中~化学療法後
O-1.仙骨部、踵部の疼痛の有無
2.仙骨部、踵部の皮膚の観察(発赤、皮むけ)
3.しびれ、知覚の有無、足趾、足関節の運動状態の観察
T-1.医師の許可があれば、斜位にし仙骨部の除圧をはかる
2.発赤、皮むけがある場合、コムフィールやデュオアクティブドレッシングを貼用
3.タオルなどの挿入により腓骨骨頭の除圧をはかる
E-1.腓骨骨頭除圧の必要性について説明し神経症状の出現時には知らせるように伝える
2.仙骨部、踵部の疼痛時は知らせるように説明
&ボディイメージの変化を受容できる
$治療開始数日~数週間
O-1.脱毛の状況
2.脱毛による精神状態の把握
T-1.枕やシーツについた抜け毛の除去
ガムテープ、シーツの交換、ベッドブラシの使用
2.患者の同意が得られた場合は短くカットする
E-1.治療前に副作用の一つに脱毛があり、治療を中止または終了すれば必ず髪が生えてくることを十分説明しておく
2.脱毛が目立ち始めたら、ネットや帽子、バンダナの着用をすすめる
Ⅰ.アセスメントの視点(術前)
全身麻酔で手術が行われるため、また、化学療法後であり、全身状態の評価が必要である。症状は、骨破壊に伴って生じる局所の疼痛及び腫脹であり、疼痛の緩和、病的骨 折の予防も必要である。
患肢温存の場合
イリザロフ・・・イリザロフ創外固定患者の看護基準(術前)に準ずる。
人工股関節・・・人工股関節患者の看護基準(術前)に準ずる。
人工膝関節・・・人工膝関節患者の看護基準(術前)に準ずる。
患肢切断の場合
四肢の切断を強いられる患者及びその家族は、精神的打撃が大きく、その人の人生に及ぼす影響は大きい。そのため、心理的ショックを軽減し、早期に断端部を安定した成熟断端として、患肢の拘縮予防と義肢装着訓練を行い、社会復帰できるよう援助することが大切である。
Ⅱ.問題リスト(術前)
[要因]・疾患そのものに対する不安
・手術そのものに対する不安
・検査や治療に対する情報不足
・入院という慣れない環境
・社会的役割が果たせないという焦り
・手術後や退院後の予期的不安
Ⅲ.看護目標(術前)
- 疾患及び手術に対する不安が軽減され、手術に向けて精神的準備ができる
切断
疾患の理解が十分であることが必要
なぜ切断しなければならないのか理解できる
切断の必要性が理解できる
精神的不安、心理的打撃が最小となる
- 全身状態の評価により術後合併症を予測することができ、手術に対する身体的準備が整う
- 化学療法による副作用に素早く対処することにより、精神的・身体的苦痛の軽減が可能となる
Ⅳ.看護問題(術前)
&診断のための検査と必要性がわかり納得できたことを言葉で表現する
患者の思いや不安を言葉で表現できる
疾患に対する不安を言葉で表現できる
術前・術後の自分の状態がイメ-ジでき、対処方法を言葉で表現する
$手術前日
O-1.入院への適応状況
2.疾病、術前検査、手術に関する患者の情報量とその理解度
3.表情、言語、態度の表出状況と不安の程度の関係
4.食欲、食事摂取状況
5.身体症状の有無
6.睡眠状況
7.サポ-トシステムの状況
8.性格
9.対処行動と対処能力
T-1.検査の必要性、方法を解りやすく説明して協力を得る
2.検査の結果について、医師から十分説明をうけることができるように配慮する
3.術前オリエンテ-ションを不安なくうけられるように援助する
4.家族の支援が得られるように必要時参加を求める
5.不安を表出できるようにするため以下のケアをする
・患者や家族の訴えを良く聞き、受容的態度で接する
・不安が表出できるよう患者や家族との信頼関係をつくる
・疾患に対する不安は、医師から十分説明が受けられるようにする
・静かで休息のとれる環境をつくる
E-1.患者が術後の状態を具体的にイメ-ジできるように説明する。特に、ドレ-ンやチュ-ブ類が挿入されるため、
その重要性を認識できるように働きかける
2.医師の説明で理解不足の内容があれば追加説明し、納得して手術がうけられるようにする
3.不安な状態を表出してもいいことを伝え、不明なところは質問できるよう促す
&1)疼痛が軽減する
疼痛が軽減したことを言葉で発するようになる
表情や行動に落ち着きを示す
2)患部以外の不必要な安静をとらない
3)動作時の危険を避ける
$1)入院後1日目まで
O-1.痛みに関する訴え
2.疼痛の状態(増強または変化したかどうか)
3.患部の状態
4.疲労度
5.機能障害
6.使用した鎮痛剤の効果
T-1.患部の安静を保つ(シーネ固定、松葉杖や車椅子を使用して免荷を行う、など)
2.安楽な体位を工夫する
3.指示により鎮痛剤を投与する
4.必要時、ADLの援助をする
E-1.疼痛がある時は我慢をしないで訴えるように話す
$2)入院後1日目まで
O-1.セルフケアの状態
2.活動性の状態
3.活動の範囲
T-1.松葉杖や車椅子を使用し、行動範囲の拡大と転倒防止を図る
2.移動時、必要に合わせて付き添う
3.患部以外は許可の範囲内で積極的に運動をさせる
E-1.松葉杖と車椅子の正しい使用法を説明する
2.離床を勧め、坐位や立位をとるように話す
3.健側肢に荷重するように話す
$入院当日まで
O-1.環境の安全性
2.歩行の状態(姿勢、安定性、跛行)
3.移動時の疲労度
T-1.ベッドの高さを調節する
2.廊下や病室の整理整頓(物を置かない、床は濡らさない)
3.トイレ、入浴は手摺を利用させる
E-1.スリッパはやめ、上履き用の靴にするよう話す
2.激しい運動は避けるように話す
3.無理はしないように話す
&1)入院環境に慣れたことを言葉で発するようになる
2)入院治療に伴う不安感や恐怖感を表出できる
3)表情や行動に落ち着きが見られるようになる
4)前向きに手術に臨むことを表出できる
$入院後3日目まで
O-1.同室者との関係
2.不安の具体的な要因
3.疾患や治療に関する患者の理解度
$手術の数日前まで
O-4.患者の言動や態度による表現
5.切断の必要性に対する納得度
$手術前日まで
T-1.なるべく同年代の患者と同室になるようにし、自然と仲間が多いことを知らせる
2.他の患者と仲良くなれるように仲介する
3.いつでも相談相手になり、不安の感情表出を援助する
4.納得のいくまで説明を繰り返してもらうよう医師との調整をする
5.医師の説明で理解できないところは、図、絵を使い、わかりやすく補足説明する
$手術前日まで
T-6.一貫した態度・言動で接する
7.医療者及び家族が穏やかな態度で接するようにする
8.気分転換、家族との話し合い、家族のいたわりをうけて手術に臨むために外泊を試みさせる
E-1.患者に疑問点や不明な点については何でも聞くように話す
2.切断後の状態、義肢に関する情報を提供する
&1)患者の家族が精神的不安定を緩和したことを言動・態度で示すようになる
2)希望と意欲を持って患者を励ますことができる
3)良好な家族関係を維持できる
4)経済的な不安を解消できる
$手術前日まで
O-1.家族の患者に対する養育的態度
2.母親の精神的動揺
3.家族内関係
T-1.家族の精神的動揺を受け止める
2.必要時、医師の説明が受けられるように調整
3.同様の悩みを抱える家族などを相談相手として確保
E-1.家族が患者に対する理解を深め、協力的になるよう働きかける
2.不必要に過保護にならないように説明する
3.患者に対して過剰に意欲的にならず、冷静に対応できるように励ます
4.安心して医療を受けられるように医療費免除の申請方法を説明する
&1)化学療法の効果と副作用について述べることができる
2)副作用の早期発見と適切な対処がされる
$化学療法開始前日まで
O-1.医師の化学療法の方針
2.定期的に一般状態の観察を行う
3.患者の訴え
$化学療法開始後
O-4.検査データ
T-1.嘔吐時は、速やかに汚物の処理と換気をし、含嗽や胃部冷却をする
2.医師の指示により輸液、制吐剤、鎮痛剤を使用する
3.入浴ができない時は清拭を行い、特に腋窩、会陰部の清潔を保持する
4.食後、眠前には軟らかい歯ブラシを用いて口腔ケアを行うとともに、イソジンガーグルを用いた含嗽により口腔の清潔を
保持する
5.看護者のマスク着用と手洗いを励行する
6.安静が指示された時は、ADL援助や気分転換を行い、安静が少しでも楽になるようにする
7.食事内容を工夫し、十分な栄養をとらせる
E-1.投与前に投与の必要性、方法、副作用について説明し不安感を与えないようにする
2.脱毛に対しては、かつら、帽子、バンダナなどの使用を勧めたり、投与中止後は1~2日月で再生することを説明し、励ます