アトピーを自分でなおす
アトピーを自分でなおす
乾燥性皮膚炎の方へ
アトピー性皮膚炎の患者さんの多くは、肌質が「乾燥肌」という特徴があります。乾燥肌は皮膚の角質がササクレ立っており、そのササクレによってかゆみを感じる神経が成長し、敏感になっています。そのササクレに異物が入り込んだり、あるいは皮膚の体温が上がったりすると、かゆみの神経が敏感に反応してかゆみが起きます。
ちなみに冬にひどくなる方が多いのは、寒くなると発汗が減り、また空気も乾燥しているので肌の乾燥が進み、ササクレがさらにひどくなるからです。
また強いストレスを感じるとかゆみが起きるのは、皮膚の血流が増えてかゆみの神経を目覚めさせるからです。
つまり、かゆみのイチバンの原因は「乾燥肌によるササクレ」にあります。また、乾燥肌の原因は「皮脂」の分泌能力が低いからです。乾燥肌は体質ですから、簡単に治せるものではありませんが、ササクレは防ぐことができます。それは、皮脂の代わりに「油分」で乾燥肌をタップリと保湿し、シットリ肌にしてあげることです。
*ただし、湿潤性皮膚炎(乳児期に多い)には不向きですのでご注意ください。
入浴+保湿+睡眠で、皮膚が生まれ変わる
乾燥肌をシットリ肌に変えるためには、次の五つがキーポイントです。
①表面の古い角質(皮膚の表面細胞)を落とす。
②角質に水分を含ませる。
③水分を含んだ角質をオイルで保湿する。
④肌の水分の蒸発を防ぐために、衣類でカバーする。
⑤ぐっすりと眠り、新しい皮膚細胞の生まれ変わりを促す。
これを実行するためには「入浴」と「オイルの保湿」と「睡眠」の組み合わせが必要です。睡眠がキーポイントというと意外に思われるかも知れませんが、炎症の無いきれいな皮膚(細胞)の生まれ変わりは睡眠中にしか行われないからです。
◆保湿オイル
保湿オイルは次のどれかを試してみて、これが自分に合っていると思うものを使用してください。
①植物性グリセリン あるいは ワセリン
薬局で買えます。
劣化を防ぐために容量の少ないものにします。
②ベビーオイル
添加物の少ないものを選んでください。
試してみて、アレルギー反応が出ないものにしてください。
③馬油(純度100%のもの)
④自分が現在使用しているオイルで問題がないもの(非ステロイド系)
☆ほかにもいくつかの保湿剤を試してみて、皮膚炎の症状が悪化しないものを選んでください。
◆夜のお手入れ法
①ぬる目のお風呂にゆっくりと入ります。
②古い角質を柔らかいタオルと石鹸で軽く洗い流します。
*強いアカスリはカユミを招くので禁止です。
③体を洗った後も浴槽で角質を十分にゆるめるようにしましょう。
*熱いお風呂は入浴後にカユミが起きるので禁止です。
④湯上りは、肌に水分が残るように体をさっと拭くだけにします。
*目の洗いバスタオルは使わないでください。
⑤皮膚が湿っている間に、炎症部分に保湿オイルをたっぷり塗ります。必ず、湯上りの三分以内に塗ってください。その理由は、湯上りの肌は皮脂が無くなっているので、とても乾燥しやすいからです。
*保湿オイルはタップリ塗るのがポイントです。
⑥体の炎症には、オイルを塗った上に長袖の肌着を着て患部をカバーしてください。肌着は裏返し(縫い目を表側)に着ると肌を刺激しません。素材はシルクか木綿がおすすめです。
⑦首の炎症には、ベビー用のガーゼタオルなどの柔らかい布でネックカバーを工夫してください。
⑧手の炎症には、手袋でカバーしてください。
⑨顔には、化粧用のフェイスマスクを使用してください。
*ただし、化粧水などを含まないものを選んでください。
⑩布団に入ったら、イチバンらくな姿勢で「ストレスを消す呼吸法」を行ってください。ストレスが消えて自然に眠りにつくことができます。
<ストレスを消す呼吸法/後述のベンソン博士の呼吸法をご覧ください>
☆深い眠りは、皮膚の生まれ変わりや自己治癒力を高めてくれます。
皮膚炎の改善や肌質の生まれ変わりは睡眠中に行われます。睡眠前の入浴と保湿は、できるだけ続けるようにしましょう。この方法によって、目に見えて皮膚の状態が改善されていきます。ただし、皮膚の状態が良くなっても、皮膚が完全に生まれ変わるまでオイル保湿は必ず続けるようにしてください。
◆日中のお手入れ法
①グリセリンを蒸留水などで薄めたものか、ベビーオイルを肌に塗ってください。
*ベビーオイルはそのまま薄めずに塗ります。
②薄め方は、塗った後で肌のベタツキが気にならない程度に工夫してください。
③ペーパーミントのエッセンス(精油)を少し混ぜると、かゆみの防止とストレス解消の効果があります。
④肌に触れる衣類の素材は、シルクやコットンなどの天然繊維のものにしましょう。
⑤外出時にも保湿オイルを携帯し、こまめに患部に塗るようにしてください。
<日中用の手づくりオイルのつくりかた>
◆用意するもの
・植物性のグリセリン(薬局で買えます。容量の少ないものにします)
・蒸留水(薬局で購入)
・ペパーミントの精油(ハーブの専門店で購入)
・清潔な容器
・熱湯消毒した小さめのスプーン
・スプレー容器
①きれいな容器に蒸留水とグリセリンを入れ、良くかき混ぜてから、最後にペパーミントオイルを加えます。
・蒸留水かミネラルウォーター:7~8割
・グリセリン:2~3割
・ペパーミントオイル:1~2滴
②出来上がったものをスプレー容器に入れます。
ミントオイルの量は、アレルギー反応、炎症への刺激などを見ながら、ご自分に合った量を判断してください。
一回につくる量は、スプレー剤の劣化を防ぐために3日分ぐらいを目安にしてください。つくったものは冷蔵庫に保管し、使用期限は1週間程度にしてください。
塩水のお風呂に入る
乾燥性皮膚炎の方におすすめの方法です。
塩水のお風呂に入るのは、乾燥肌の角質に水分を吸収させることが目的です。塩水は皮膚の角質に浸透するので、アトピー性皮膚炎の原因の一つである乾燥肌に潤いを与えてくれます。湯上りには塩分を「上がり湯」で軽く洗い流してください。水圧の強いシャワーは皮膚を刺激するので避けてください。
入浴後のシットリとした肌にすばやく保湿オイルを塗ると、シットリ肌を保つことができます。
*ただし、炎症がひどくて塩水がしみる方は禁止です。
<塩水入浴>
①お湯を入れたバスタブに荒塩を入れます。
なめてみて塩分を感じる程度の濃さにします。
ただし、炎症にしみない程度にします。
②温度は38~39℃。(発汗しない程度)
冬の間は体が冷えないように温かめ(軽く汗ばむ温度)にします。
③30~40分程度、ゆっくりとお湯につかります。
④アカスリはしないようにしてください。柔らかいタオルと石鹸で軽く汚れを落とします。
⑤湯上りは、塩分を「上がり湯」で軽く洗い流してください。水圧の強いシャワーは皮膚を刺激するので避けてください。
⑥体を拭いたら、すぐに患部に保湿オイルをたっぷり塗ります。
☆この入浴法の目的は、湯上りの「保湿」にあります。
☆入浴によって皮脂が無くなり、肌は乾燥しやすくなっています。保湿を忘れると逆効果になるので要注意です。
☆塩水以外のおすすめは、ラベンダーの入浴剤です。ラベンダーは皮膚炎の改善に効果があります。
ミストサウナで発汗能力を高める
乾燥肌の人の皮膚には汗や皮脂を出す「汗腺」や「皮脂腺」が少なく、自分の能力で肌を潤すことができません。
そこで有効なのはサウナです。できればミスト(蒸気)サウナで、じっくりと汗を出す訓練を繰り返すと「汗腺」が発達して、乾燥肌が改善されていきます。
☆ドライサウナの場合は「低温サウナ」をご利用ください。
☆入浴後の「オイル保湿」を忘れないようにしてください。
皮膚を日光にあてる
日光に含まれる紫外線には、皮膚を肥厚させて、皮膚の機能を改善する作用がありま
す。また、皮膚炎に寄生した細菌を殺菌する作用があります。
*ただし、日光過敏症の方、乳幼児は禁止です。
①温かい季節に、患部を日光(紫外線)に当てます。
日光に当たる時は、事前に必ず保湿剤や化粧品などを落としてください。
②春・秋は20~30分。(赤くヤケド日焼けしない程度)
夏は15~20分。(赤くヤケド日焼けしない程度)
③日差しの強いときは、日陰で日光浴します。
④日光浴で発汗した場合は、必ずぬるめのシャワーを浴びて汗を流してください。
*シャワーの後の保湿オイルを忘れないでください。
☆日光浴の間は、サングラスなどで目を保護してください。
☆日光浴の間隔は2日間あけてください。
☆塩水の入浴に続けて日光を浴び、その後、上がり湯を浴びて保湿するのが、最も効果的です。水圧の強いシャワーは皮膚を刺激するので避けてください。
☆夏に海水浴に行くとアトピー性皮膚炎が軽減するのは、これと同じ効果です。
☆寒い季節は、人工日焼けのライトを照射するのも、日光浴と同じ効果を得ることができます。
かゆみを鎮める方法を覚える
かゆみが出たら、あわてずに患部を冷やします。濡らしたハンカチやおしぼりにペパーミントオイルを含ませておくと効果的です。ミント入りの保湿スプレーを患部に散布するのも効果的です。かゆみが鎮まったら、皮膚の乾燥を防ぐために、日中用の保湿オイルを塗ってください。
患部から離れた別の部分を冷やすのも効果的です。かゆみを感じている意識が冷やし
た部分に移動するので、かゆみを忘れることができます。
ヘッドホンステレオなどで、気持ちが鎮まる音楽を聴くのも効果的です。音量は低く
して聴くことに意識を集中させます。(かゆみを忘れることが目的)
静かな呼吸の繰り返しにも、興奮を鎮める効果があります。
ストレスをかわす、ためない
免疫を混乱させ、かゆみを発症させる原因はストレスです。
①家族間のストレスを無くすように、十分に話し合いましょう。
②仕事上や対人関係のストレスをかわすためには、「ストレスを消す呼吸法」が効果的です。
③くよくよしない、趣味を持つ、などの気持ちの切り替え法を身につけておきます。
④何かにつけて頼りにするお守りを持ち歩く、などの自己暗示法も効果的です。
◆ストレスを消す呼吸法
(ベンソン博士のリラクセーション法)
1970年代初めに、ハーバード大学医学校の心臓学者・ハーバード・ベンソン博士によって考案されたもので、リラクセーション法の中ではもっとも簡単で実践しやすいものです。
静かで心地よい環境の中で、一つの音(例えば「One:ワン」や「Om:オーム」)などの言葉を、呼吸に合わせながら繰り返し唱えることで、超越瞑想(TM)の効果を得ることができます。
日本人の場合は数字の1を数えるとよいでしょう。
・らくな姿勢でゆっくりと座ります。あるいは仰向けに寝ます。
・全身の力を抜き、目をつむり、呼吸に意識を集中させます。
・数の1(イチ)をくり返し数えながら、深く、静かに呼吸を続けます。
・「イー」で深く吐き、「チ」で吸います。
・こころの中で、静かに、必ず同じ数を数え続けるのがポイントです。
食生活を改善する
アトピー体質の原因の一つは悪い食生活にあります。極端な偏食や、緑黄色野菜の不足、カルシウムの不足。それに加えて、インスタント食品やスナック菓子、清涼飲料水の摂り過ぎなどが肌質を悪くし、また農薬や加工食品に使用されて化学物質が免疫を混乱させる原因になっています。
食べ物は自分自身のからだ(体質)をつくる材料です。できるだけ質の良いものを選ぶようにしてください。
①ビタミン・ミネラルを十分に摂る
季節の新鮮な野菜を多く食べるようにしてください。
各種ビタミン・ミネラルは皮膚の健康維持に重要な役割を果たしています。特に現代の日本人は、皮膚の健康に重要な役割を果たしているビタミンB2が不足しているといわれます。その原因は、精白米を食べるようになったからです。
玄米や雑穀などの未精白の穀類を主食にして、緑黄色野菜(人参や小松菜など)や海草を豊富に摂れば、ビタミン・ミネラルの不足がなくなり、肌質の改善に役立ちます。
②食物繊維を多く摂って便通を良くする
便秘が長く続くと、有害物が体内に吸収され、皮膚に悪影響を与えます。玄米や緑黄色野菜、海草などの食物繊維の多い食品は便通を良くしてくれます。また、植物油は腸管のすべりを良くして排便を促してくれます。
◆おすすめの食品
玄米、雑穀、ニンジン、小松菜、キャベツ、ピーマン、みつば、かぼちゃ、さやえんどう、玉ねぎ、大根、ごぼう、かぶ、れんこん、すりごま、小魚、わかめ、ひじき、昆布、エキストラバージン・オリーブオイル
☆エキストラバージンのオリーブオイルは、良質の油分に各種のビタミンなどを豊富に含んでいるので、肌質の改善に役立ちます。サラダドレッシングや焼き野菜にふりかけるなどして、加熱しないで食べてください。煎りゴマを良くすりおろしてペーストをつくり、お料理に使うのもおすすめです。
③アレルギーを起こす食品を避ける
④無農薬(低農薬)の食品を選び、インスタント食品などを避ける
⑤白砂糖、お菓子類、清涼飲料水を摂りすぎない
⑥脂肪の多い肉類、揚げ物などを減らす
⑦香辛料やお酒は避ける
⑧塩分の強い食べ物は避ける
⑨冷え性を改善する
アトピー体質の改善には、食生活の改善と運動の組み合わせがおすすめです。
スポーツで自分に自信をつける
アトピーの改善のためには、ストレスに弱い性格を変える必要があります。スポーツには精神力を強化する効果があります。
精神力の強化法
イチバン簡単な運動はウォーキングです。
精神力の強化には、空手や合気道などの武道や、スロージョギング、トレッキング(山歩き)などが有効です。
ただし、スポーツは他人と競争するのではなく、マイペースで行ってください。一つのことをやり遂げることが、自信につながり、精神力を鍛えます。
競争はストレスやコンプレックスを強めることになります。
☆スポーツの汗は洗い流してください。その後の保湿を忘れないでください。
水圧の強いシャワーは皮膚を刺激するので避けてください。シャワーしかない場合には、お湯でしぼった濡れタオルで拭いてください。
乾燥性皮膚炎の方へ
アトピー性皮膚炎の患者さんの多くは、肌質が「乾燥肌」という特徴があります。乾燥肌は皮膚の角質がササクレ立っており、そのササクレによってかゆみを感じる神経が成長し、敏感になっています。そのササクレに異物が入り込んだり、あるいは皮膚の体温が上がったりすると、かゆみの神経が敏感に反応してかゆみが起きます。
ちなみに冬にひどくなる方が多いのは、寒くなると発汗が減り、また空気も乾燥しているので肌の乾燥が進み、ササクレがさらにひどくなるからです。
また強いストレスを感じるとかゆみが起きるのは、皮膚の血流が増えてかゆみの神経を目覚めさせるからです。
つまり、かゆみのイチバンの原因は「乾燥肌によるササクレ」にあります。また、乾燥肌の原因は「皮脂」の分泌能力が低いからです。乾燥肌は体質ですから、簡単に治せるものではありませんが、ササクレは防ぐことができます。それは、皮脂の代わりに「油分」で乾燥肌をタップリと保湿し、シットリ肌にしてあげることです。
*ただし、湿潤性皮膚炎(乳児期に多い)には不向きですのでご注意ください。
入浴+保湿+睡眠で、皮膚が生まれ変わる
乾燥肌をシットリ肌に変えるためには、次の五つがキーポイントです。
①表面の古い角質(皮膚の表面細胞)を落とす。
②角質に水分を含ませる。
③水分を含んだ角質をオイルで保湿する。
④肌の水分の蒸発を防ぐために、衣類でカバーする。
⑤ぐっすりと眠り、新しい皮膚細胞の生まれ変わりを促す。
これを実行するためには「入浴」と「オイルの保湿」と「睡眠」の組み合わせが必要です。睡眠がキーポイントというと意外に思われるかも知れませんが、炎症の無いきれいな皮膚(細胞)の生まれ変わりは睡眠中にしか行われないからです。
◆保湿オイル
保湿オイルは次のどれかを試してみて、これが自分に合っていると思うものを使用してください。
①植物性グリセリン あるいは ワセリン
薬局で買えます。
劣化を防ぐために容量の少ないものにします。
②ベビーオイル
添加物の少ないものを選んでください。
試してみて、アレルギー反応が出ないものにしてください。
③馬油(純度100%のもの)
④自分が現在使用しているオイルで問題がないもの(非ステロイド系)
☆ほかにもいくつかの保湿剤を試してみて、皮膚炎の症状が悪化しないものを選んでください。
◆夜のお手入れ法
①ぬる目のお風呂にゆっくりと入ります。
②古い角質を柔らかいタオルと石鹸で軽く洗い流します。
*強いアカスリはカユミを招くので禁止です。
③体を洗った後も浴槽で角質を十分にゆるめるようにしましょう。
*熱いお風呂は入浴後にカユミが起きるので禁止です。
④湯上りは、肌に水分が残るように体をさっと拭くだけにします。
*目の洗いバスタオルは使わないでください。
⑤皮膚が湿っている間に、炎症部分に保湿オイルをたっぷり塗ります。必ず、湯上りの三分以内に塗ってください。その理由は、湯上りの肌は皮脂が無くなっているので、とても乾燥しやすいからです。
*保湿オイルはタップリ塗るのがポイントです。
⑥体の炎症には、オイルを塗った上に長袖の肌着を着て患部をカバーしてください。肌着は裏返し(縫い目を表側)に着ると肌を刺激しません。素材はシルクか木綿がおすすめです。
⑦首の炎症には、ベビー用のガーゼタオルなどの柔らかい布でネックカバーを工夫してください。
⑧手の炎症には、手袋でカバーしてください。
⑨顔には、化粧用のフェイスマスクを使用してください。
*ただし、化粧水などを含まないものを選んでください。
⑩布団に入ったら、イチバンらくな姿勢で「ストレスを消す呼吸法」を行ってください。ストレスが消えて自然に眠りにつくことができます。
<ストレスを消す呼吸法/後述のベンソン博士の呼吸法をご覧ください>
☆深い眠りは、皮膚の生まれ変わりや自己治癒力を高めてくれます。
皮膚炎の改善や肌質の生まれ変わりは睡眠中に行われます。睡眠前の入浴と保湿は、できるだけ続けるようにしましょう。この方法によって、目に見えて皮膚の状態が改善されていきます。ただし、皮膚の状態が良くなっても、皮膚が完全に生まれ変わるまでオイル保湿は必ず続けるようにしてください。
◆日中のお手入れ法
①グリセリンを蒸留水などで薄めたものか、ベビーオイルを肌に塗ってください。
*ベビーオイルはそのまま薄めずに塗ります。
②薄め方は、塗った後で肌のベタツキが気にならない程度に工夫してください。
③ペーパーミントのエッセンス(精油)を少し混ぜると、かゆみの防止とストレス解消の効果があります。
④肌に触れる衣類の素材は、シルクやコットンなどの天然繊維のものにしましょう。
⑤外出時にも保湿オイルを携帯し、こまめに患部に塗るようにしてください。
<日中用の手づくりオイルのつくりかた>
◆用意するもの
・植物性のグリセリン(薬局で買えます。容量の少ないものにします)
・蒸留水(薬局で購入)
・ペパーミントの精油(ハーブの専門店で購入)
・清潔な容器
・熱湯消毒した小さめのスプーン
・スプレー容器
①きれいな容器に蒸留水とグリセリンを入れ、良くかき混ぜてから、最後にペパーミントオイルを加えます。
・蒸留水かミネラルウォーター:7~8割
・グリセリン:2~3割
・ペパーミントオイル:1~2滴
②出来上がったものをスプレー容器に入れます。
ミントオイルの量は、アレルギー反応、炎症への刺激などを見ながら、ご自分に合った量を判断してください。
一回につくる量は、スプレー剤の劣化を防ぐために3日分ぐらいを目安にしてください。つくったものは冷蔵庫に保管し、使用期限は1週間程度にしてください。
塩水のお風呂に入る
乾燥性皮膚炎の方におすすめの方法です。
塩水のお風呂に入るのは、乾燥肌の角質に水分を吸収させることが目的です。塩水は皮膚の角質に浸透するので、アトピー性皮膚炎の原因の一つである乾燥肌に潤いを与えてくれます。湯上りには塩分を「上がり湯」で軽く洗い流してください。水圧の強いシャワーは皮膚を刺激するので避けてください。
入浴後のシットリとした肌にすばやく保湿オイルを塗ると、シットリ肌を保つことができます。
*ただし、炎症がひどくて塩水がしみる方は禁止です。
<塩水入浴>
①お湯を入れたバスタブに荒塩を入れます。
なめてみて塩分を感じる程度の濃さにします。
ただし、炎症にしみない程度にします。
②温度は38~39℃。(発汗しない程度)
冬の間は体が冷えないように温かめ(軽く汗ばむ温度)にします。
③30~40分程度、ゆっくりとお湯につかります。
④アカスリはしないようにしてください。柔らかいタオルと石鹸で軽く汚れを落とします。
⑤湯上りは、塩分を「上がり湯」で軽く洗い流してください。水圧の強いシャワーは皮膚を刺激するので避けてください。
⑥体を拭いたら、すぐに患部に保湿オイルをたっぷり塗ります。
☆この入浴法の目的は、湯上りの「保湿」にあります。
☆入浴によって皮脂が無くなり、肌は乾燥しやすくなっています。保湿を忘れると逆効果になるので要注意です。
☆塩水以外のおすすめは、ラベンダーの入浴剤です。ラベンダーは皮膚炎の改善に効果があります。
ミストサウナで発汗能力を高める
乾燥肌の人の皮膚には汗や皮脂を出す「汗腺」や「皮脂腺」が少なく、自分の能力で肌を潤すことができません。
そこで有効なのはサウナです。できればミスト(蒸気)サウナで、じっくりと汗を出す訓練を繰り返すと「汗腺」が発達して、乾燥肌が改善されていきます。
☆ドライサウナの場合は「低温サウナ」をご利用ください。
☆入浴後の「オイル保湿」を忘れないようにしてください。
皮膚を日光にあてる
日光に含まれる紫外線には、皮膚を肥厚させて、皮膚の機能を改善する作用がありま
す。また、皮膚炎に寄生した細菌を殺菌する作用があります。
*ただし、日光過敏症の方、乳幼児は禁止です。
①温かい季節に、患部を日光(紫外線)に当てます。
日光に当たる時は、事前に必ず保湿剤や化粧品などを落としてください。
②春・秋は20~30分。(赤くヤケド日焼けしない程度)
夏は15~20分。(赤くヤケド日焼けしない程度)
③日差しの強いときは、日陰で日光浴します。
④日光浴で発汗した場合は、必ずぬるめのシャワーを浴びて汗を流してください。
*シャワーの後の保湿オイルを忘れないでください。
☆日光浴の間は、サングラスなどで目を保護してください。
☆日光浴の間隔は2日間あけてください。
☆塩水の入浴に続けて日光を浴び、その後、上がり湯を浴びて保湿するのが、最も効果的です。水圧の強いシャワーは皮膚を刺激するので避けてください。
☆夏に海水浴に行くとアトピー性皮膚炎が軽減するのは、これと同じ効果です。
☆寒い季節は、人工日焼けのライトを照射するのも、日光浴と同じ効果を得ることができます。
かゆみを鎮める方法を覚える
かゆみが出たら、あわてずに患部を冷やします。濡らしたハンカチやおしぼりにペパーミントオイルを含ませておくと効果的です。ミント入りの保湿スプレーを患部に散布するのも効果的です。かゆみが鎮まったら、皮膚の乾燥を防ぐために、日中用の保湿オイルを塗ってください。
患部から離れた別の部分を冷やすのも効果的です。かゆみを感じている意識が冷やし
た部分に移動するので、かゆみを忘れることができます。
ヘッドホンステレオなどで、気持ちが鎮まる音楽を聴くのも効果的です。音量は低く
して聴くことに意識を集中させます。(かゆみを忘れることが目的)
静かな呼吸の繰り返しにも、興奮を鎮める効果があります。
ストレスをかわす、ためない
免疫を混乱させ、かゆみを発症させる原因はストレスです。
①家族間のストレスを無くすように、十分に話し合いましょう。
②仕事上や対人関係のストレスをかわすためには、「ストレスを消す呼吸法」が効果的です。
③くよくよしない、趣味を持つ、などの気持ちの切り替え法を身につけておきます。
④何かにつけて頼りにするお守りを持ち歩く、などの自己暗示法も効果的です。
◆ストレスを消す呼吸法
(ベンソン博士のリラクセーション法)
1970年代初めに、ハーバード大学医学校の心臓学者・ハーバード・ベンソン博士によって考案されたもので、リラクセーション法の中ではもっとも簡単で実践しやすいものです。
静かで心地よい環境の中で、一つの音(例えば「One:ワン」や「Om:オーム」)などの言葉を、呼吸に合わせながら繰り返し唱えることで、超越瞑想(TM)の効果を得ることができます。
日本人の場合は数字の1を数えるとよいでしょう。
・らくな姿勢でゆっくりと座ります。あるいは仰向けに寝ます。
・全身の力を抜き、目をつむり、呼吸に意識を集中させます。
・数の1(イチ)をくり返し数えながら、深く、静かに呼吸を続けます。
・「イー」で深く吐き、「チ」で吸います。
・こころの中で、静かに、必ず同じ数を数え続けるのがポイントです。
食生活を改善する
アトピー体質の原因の一つは悪い食生活にあります。極端な偏食や、緑黄色野菜の不足、カルシウムの不足。それに加えて、インスタント食品やスナック菓子、清涼飲料水の摂り過ぎなどが肌質を悪くし、また農薬や加工食品に使用されて化学物質が免疫を混乱させる原因になっています。
食べ物は自分自身のからだ(体質)をつくる材料です。できるだけ質の良いものを選ぶようにしてください。
①ビタミン・ミネラルを十分に摂る
季節の新鮮な野菜を多く食べるようにしてください。
各種ビタミン・ミネラルは皮膚の健康維持に重要な役割を果たしています。特に現代の日本人は、皮膚の健康に重要な役割を果たしているビタミンB2が不足しているといわれます。その原因は、精白米を食べるようになったからです。
玄米や雑穀などの未精白の穀類を主食にして、緑黄色野菜(人参や小松菜など)や海草を豊富に摂れば、ビタミン・ミネラルの不足がなくなり、肌質の改善に役立ちます。
②食物繊維を多く摂って便通を良くする
便秘が長く続くと、有害物が体内に吸収され、皮膚に悪影響を与えます。玄米や緑黄色野菜、海草などの食物繊維の多い食品は便通を良くしてくれます。また、植物油は腸管のすべりを良くして排便を促してくれます。
◆おすすめの食品
玄米、雑穀、ニンジン、小松菜、キャベツ、ピーマン、みつば、かぼちゃ、さやえんどう、玉ねぎ、大根、ごぼう、かぶ、れんこん、すりごま、小魚、わかめ、ひじき、昆布、エキストラバージン・オリーブオイル
☆エキストラバージンのオリーブオイルは、良質の油分に各種のビタミンなどを豊富に含んでいるので、肌質の改善に役立ちます。サラダドレッシングや焼き野菜にふりかけるなどして、加熱しないで食べてください。煎りゴマを良くすりおろしてペーストをつくり、お料理に使うのもおすすめです。
③アレルギーを起こす食品を避ける
④無農薬(低農薬)の食品を選び、インスタント食品などを避ける
⑤白砂糖、お菓子類、清涼飲料水を摂りすぎない
⑥脂肪の多い肉類、揚げ物などを減らす
⑦香辛料やお酒は避ける
⑧塩分の強い食べ物は避ける
⑨冷え性を改善する
アトピー体質の改善には、食生活の改善と運動の組み合わせがおすすめです。
スポーツで自分に自信をつける
アトピーの改善のためには、ストレスに弱い性格を変える必要があります。スポーツには精神力を強化する効果があります。
精神力の強化法
イチバン簡単な運動はウォーキングです。
精神力の強化には、空手や合気道などの武道や、スロージョギング、トレッキング(山歩き)などが有効です。
ただし、スポーツは他人と競争するのではなく、マイペースで行ってください。一つのことをやり遂げることが、自信につながり、精神力を鍛えます。
競争はストレスやコンプレックスを強めることになります。
☆スポーツの汗は洗い流してください。その後の保湿を忘れないでください。
水圧の強いシャワーは皮膚を刺激するので避けてください。シャワーしかない場合には、お湯でしぼった濡れタオルで拭いてください。
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