ニキビの原因


ニキビはなぜできるの?


まずは肌の構造を知る

ニキビを根絶するためには、ニキビの成り立ちを知らなくてはなりません。
その前に、まずは肌についてお話ししましょう。

私たちの肌=皮膚は、外界からの刺激や内臓を守る大事な役割を持っています。
また、体内の老廃物を排除する手助けをするほか、感覚という重要な人間の知覚までも担(にな)っています。
具体的に挙(あ)げると、以下に大別できます。

・紫外線や雑菌から体を守る。
・外部からの衝撃を和らげる。
・皮脂や汗によって老廃物を排出する。
・体温を保ち調節する。
・体内の水分の蒸発を防ぐ。
・感触、触覚を司(つかさど)る。
・ビタミンDを合成する。

皮膚の3層構造

皮膚は大きく分けて、「表皮」「真皮」「皮下組織」という3つの層から構成されています。
皮膚の外側、私たちに最も身近な層、約0.2ミリメートルの表皮はさらに「角質層」「顆粒(かりゅう)層」「有棘(ゆうきょく)層」「基底(きてい)層」の4つの層に分けられます。

表皮の細胞はいちばん下層にある基底層で基底細胞として作られ、古い細胞を押し上げるようにして、有棘細胞、顆粒細胞と形を変えて、皮膚の表面、角質層へ移動します。
そして、角質層に達すると、死んだ細胞=「角質」としてアカやフケとなってはがれ落ちます。角質は私たちの体が外界と接する、唯一(ゆいいつ)の接点なのです。

お肌のターンオーバー

この肌の生まれ変わりを新陳代謝、またはターンオーバーと呼び、約28日でひとつのサイクルになっています。つまり健康な皮膚は28日で生まれ変わるのです。

このターンオーバーが28日周期でリズミカルに繰り返されていれば、いつもみずみずしくバリのある肌でいられるのですが、紫外線などの外的要因や栄養バランスといった内的要因に影響を受けると、ターンオーバーがスムーズにいかなくなり、角質が厚くなったり、アカが多くなる原因になります。

また、加齢とともに老化がはじまった場合も、ターンオーバーに乱れが生じます。特に老化の場合は紫外線の影響に弱く、角質層が厚くなり、皮膚のバリが失われてシワやタルミができたり、メラニン色素が溜まりシミになってしまいます。

年齢を重ねれば、どんな肌も老化します。これは誰もが避けられないことですが、誰でも一律に肌の老化が訪れるわけではありません。肌年齢は人によってかなり差が出るものです。

20代はそうでもないでしょう。30代、40代と年齢を経るに従い、その差は目に見えてきます。
同じ50歳でも30代にしか見えない若々しい肌の方もいれば、失礼ながら70代のおばあちゃんかと思えるような肌をされている方もいます。

この差は、生まれ持った肌質もあるでしょうが、やはり日々のお手入れに左右される部分が大きいのです。つまり、お手入れ次第で、肌の老化は確実に遅らせることができるのです。
さらに言えば、ニキビ肌だからこそ美肌にもなれるのです。

お肌のお手入れをはじめるのは早ければ早いほどよく、ニキビといった肌トラブルを抱えているのなら、なおさらです。ただ、間違ったスキンケアでは、肌の寿命を自ら縮めてしまう恐れがあります。

今世の中には、スキンケアについての情報が溢れ、錯綜(さくそう)しています。
美しい肌を手に入れるためには、正しい知識を得て、本当に正しいスキンケアを追求することが重要です。


ニキビの原因は過剰な皮脂分泌

ニキビとは、毛穴が皮脂で詰まってしまい、毛穴が炎症を起こしたり、雑菌が繁殖して毛穴が化膿(かのう)した状態です。
皮脂は皮脂腺で作られて、毛穴を通って体外に排出され肌に皮脂膜を作ります。
皮脂膜は皮膚を保護したり、お肌の潤いを保つために欠かせないものですが、皮脂膜は脂の膜ですから、汚れが付きやすいのです。
ですから、分泌量(ぶんぴつりょう)が多いと、毛穴を詰まらせてしまいます。

では、なぜ皮脂の分泌量が増え過ぎてしまうのでしょう?

ニキビの原因については、

・ホルモンバランスの崩れ
・食生活の乱れ
・ストレス
・便秘
・睡眠不足
・空気や肌の汚れ
・肌に合わない化粧品
・生理前

などなど、さまざまな要因があります。

今挙げた要因のうち、ひとつだけということではなく、いくつかの要因が重なり合ってニキビとなる場合が多く、原因をひとつに限定することはできません。

また、同じように睡眠不足でも、必ずしもニキビができるわけではなく、皮脂腺の働きが活発で皮脂分泌過剰な人がニキビになりやすいのです。

皮脂が毛穴に溜まると細菌が繁殖し、炎症を起こしますが、この細菌は「ニキビ菌」または「アクネ菌」と呼ばれています。本書では「ニキビ菌」とします。

実はニキビ菌は常在菌(じょうざいきん)であり、ニキビのない正常な肌でも、誰もが持っている菌です。
しかし、毛穴に皮脂が溜まると、これを栄養にしてどんどん増殖し、炎症を起こしてしまうのです。
炎症がさらに進むと、毛穴の周囲の表皮が破れてさらにひどくなり、白っぽいウミができたりすることもあります。

皮脂腺は体に均等に分布しているわけではありません。顔、胸、背中に多く分布しています。いわゆるニキビのできやすい部位です。


憎いニキビは4種類

ニキビの状態は、症状の段階によって変化しますが、大きく分けて白ニキビ、黒ニキビ、赤ニキビ、黄ニキビの4種類です。

★ニキビ予備軍

角栓(かくせん)、またはコメドと呼ばれるニキビの芯(しん)が、分泌過剰になった皮脂と古い角質が混ざり合って作られます。この角栓が毛穴を詰まらせる主な原因です。

★白ニキビと黒ニキビ

毛穴が詰まって出られなくなった皮脂は、表皮の下で溜まっていき、2種類のニキビになります。
毛穴は閉じたまま溜まった皮脂が盛り上がって、表皮から皮脂が白くポツンと見える状態が白ニキビです。
詰まった皮脂が毛穴を押し広げ、皮脂が空気に触れて酸化し黒く見える状態が黒ニキビです。

★赤ニキビ

毛穴がふさがると、皮脂を栄養にニキビ菌が異常増殖します。
ニキビ菌が皮脂を分解して生産する刺激性物質が刺激となり、炎症を起こし赤くはれ上がった状態が赤ニキビです。

★黄ニキビ

赤ニキビの炎症が進み、毛穴の周囲の組織が破壊され、ダメージが真皮まで及び、くぼんでしまったり、化膿してしまうほど進行したニキビが黄ニキビです。


遺伝、体質は仕方がない?

同じ生活環境でもニキビになる人、ならない人がいることは、「ニキビの原因は過剰な皮脂分泌」でもお伝えしました。
では、遺伝もあるのでしょうか?

答えはイエス。

ニキビができる、できないよりも、ニキビのできやすい肌質が遺伝してしまうことが多いようです。
しかし、持って生まれた肌質だからといって、あきらめる必要はありません。
もちろん、ニキビができにくい肌質の人よりも努力が必要かもしれませんが、その努力は必ず報(むく)われます。

ここで、肌質についてご説明します。
肌質は主に4つに分けられます。

ノーマル肌

皮脂も水分もバランスよく含まれている肌。ニキビはできにくい。

敏感肌

外的な刺激に敏感な肌。炎症を起こしやすいため、ニキビはできやすい。

乾燥肌

皮脂の分泌の少ない肌。ニキビはできにくい。

オイリー肌

皮脂の分泌の多い肌。過剰な皮脂分泌により、最もニキビができやすい。

ニキビができやすいのは『敏感肌』と『オイリー肌』

いかがですか?「ニキビが多いから、私はオイリー肌」とは一概(いちがい)には言えません。実は敏感肌の方もニキビになりやすいのです。

敏感肌ニキビの人は、皮膚が薄くてデリケートな場合が多いので、特に気をつけてお手入れする必要があります。

また、ここで注意してほしいのは、ノーマル肌の方が一生ノーマル肌でいられるか、という点です。

何度もお伝えしていますが、皮脂は肌を守ってくれる油膜(ゆまく)のようなものです。
肌が乾燥すれば表皮を守ろうと一生懸命皮脂を作り出します。

私にも経験があるのですが、ニキビ肌は清潔にしなくてはならない、と頻繁に洗顔していると、皮脂が足りないと皮膚細胞が勘違いをして、皮脂をどんどん作り出し、皮脂の過剰分泌を引き起こしてしまうのです。

ノーマル肌の人が1、2個ほんのちょっとできたニキビが気になって、1日に何度もゴシゴシ洗顔した結果、敏感肌、オイリー肌になってしまうこともありえます。

オイリー肌は老けにくい?

皮脂は悪者ではありません。
皮脂が豊富な人の肌は、ニキビはできやすいかもしれませんが、実は非常に潤(うるお)いのある肌を保ちやすい、というメリットがあるのです。

潤いが豊富、すなわち、シワができにくいのです。
ひと言で言うと“老けにくい”肌なのです。

乾燥肌の人は、ニキビで悩まない分、他の肌質の方よりシワ、タルミができやすいのです。

皮脂は、あなたの肌を守ってくれる大事な役割を担っています。この皮脂がほどよい量で排出されるように、肌を健康にするのがニキビ肌解決への近道なのです。


生活面で注意したい3原則

食生活の改善

「油っぽいものは食べてはだめ」
ニキビで悩んでいる人は、耳にタコができるほど、何度も聞かされている言葉でしょう。

確かに油っぽい食事はニキビを悪化させるといわれています。また糖分の多いものも、取りすぎると体内で脂肪に変化するので注意が必要です。

以下にニキビに良くないとされる食品、ニキビに良いとされる食品をご紹介します。
しかし、これを守ったからといって、必ずしもニキビが治るわけではありません。
でも、例えば、毎日チョコレートを口にしている人なら、3日に1回にしたほうがニキビにはいいはず。
そんな風に大らかに考えつつも、ニキビにさよならするために、多少は自分に厳しくすることも大切です。

何事も神経質になり過ぎず、ニキビによい悪いは下記のリストを大まかな目安にして、バランスのよい食事を心がけてください。

ニキビのできやすい食材・食品

揚げ物

油で揚げたものは、たとえサラダオイルで揚げたものでも、油分が多く含まれるのは当然のこと。皮脂の元になります。

ケーキ・チョコレート

糖分の多い食べ物は、消化されると油分に変化し、皮脂の元になります。

クッキー

炭水化物でもあり、糖分の高い加工品です。消化されると油分に変化し、皮脂の元になります。

辛(から)い食べ物

刺激物は胃を荒らしたり、内蔵に負担をかけます。また血行を促進するため、ニキビの炎症を悪化させる恐れがあります。辛いものが大好きな方は、回数を減らしてください。

ナッツ類・スナック菓子

どちらも油分や添加物(てんかぶつ)を多く含んでいます。食べたくなったら、少量と決めて食べましょう。

お酒類

糖分を多く含んでいるだけでなく、皮脂の代謝を促(うなが)すビタミンB群を大量に消費してしまいます。内臓への負担も大きいので、ほどほどにしてください。

ニキビによい食材・食品

免疫力を高めるビタミンAを豊富に含んだもの

レバー、ニンジン、カボチャ、ウナギ

脂質の代謝を促すビタミンB群を豊富に含んだもの

レバー、納豆、アーモンド、カマンベールチーズ、卵、マイタケ(ビタミンB2)マグロの赤身、レバー、カツオ、鶏ひき肉、ササミ、サバ、サンマ、バナナ(ビタミンB6)、など

ニキビの原因になる活性酸素(かっせいさんそ)を除去するビタミンCを豊富に含んだもの

赤・黄ピーマン、ブロッコリー、菜の花、ホウレン草、カンキツ類、キウイ、イチゴ、柿、など

強い抗酸化作用があり、ニキビの原因になる活性酸素を除去するビタミンEを豊富に含んだもの

スジコ、タラコ、モロヘイヤ、カボチャ、シーチキン、など

皮膚の再生を促す亜鉛を豊富に含んだもの

牡蠣(かき)、小麦胚芽、パルメザンチーズ、煮干、豚レバー、タラバガニ、など

これらの栄養素を1日に最低1品ずつ、バランスよく摂(と)るように心がけましょう。

便秘を解消する

便秘は、体の老廃物が排出されず、体内に溜まってしまう症状です。新陳代謝が悪くなり、ニキビの原因となります。女性に多い悩みですが、なるべく便秘にならないよう、注意してください。でも薬に頼ってはダメです。便秘がちの方はゴボウやキャベツ等の繊維質を多く含むものを積極的に摂るようにしましょう。

ストレスを溜めない

ストレスもニキビを悪化させる原因とされています。

実際に新学期や受験期、人事異動の時期など、ストレスを受けやすい時期にニキビがひどくなりがちです。

ストレスがホルモンのバランスを崩したり、生活のリズムを乱し睡眠不足になるなど、ニキビに影響するケースが見られます。
なるべくストレスを溜めない生活を心がけてください。


ニキビ痕ができてしまったら……

ニキビ痕には、ニキビのできたところに色素が沈着してシミになって残るものと、皮膚が月面のクレーターのようにデコボコになってしまったものなどがあります。

色素沈着の状態は治る可能性がありますが、皮膚の真皮(しんぴ)まで傷つけてしまったデコボコ痕は、一生治らないと言われています。

一般的にはこれを治すには、美容外科的手術や、コラーゲンや繊維質を注射する、あるいはケミカルピーリングなどの治療が必要とされています。

ただし、ニキビ痕を改善するための外科的な治療で、皮膚が薄くなってしまい、カブレや湿疹(しっしん)が出やすくなるなど、お肌に他のダメージを与える可能性も高いことを頭の隅に必ず置いておくようにしてください。

年間1500人ものニキビで悩む方にアドバイスをさせていただいている経験上、色素沈着によるシミ状の痕はもちろん、デコボコのニキビ痕でも、正しいお手入れさえすれば、かなりきれいな肌を取り戻せるという実体験、症例がいくつもあります。

プラスロンが提唱するお手入れ方法は、

「お肌が自力で立ち直ることを目指す」

というものなので、外科的な治療より時間がかかる代わりに、一旦お肌が健康を取り戻すと、その後再びトラブルに陥(おちい)ることがとても少ないのです。

お肌には個人差がありますので、ニキビ痕で悩むみなさんの深いデコボコのニキビ痕がすべて完治すると約束をすることはできませんが、これまでの経験上、かなり目立たなくなる可能性が高いということは、ぜひお伝えしたいと思います。

外科的手術は高額な上、ある程度のリスクを伴います。

まずは正しい肌のお手入れを試してみてください。正しいお手入れは、ニキビ痕だけでなく、老化を防ぎ、肌そのものを美しく輝かせてくれます。