柴犬は皮膚病にかかりやすい?アトピー性皮膚炎にご用心!

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柴犬は病気をしにくく丈夫な犬種ですが、アトピー性皮膚炎などの皮膚病を発症することがよくあります。特にアトピー性皮膚炎になってしまった場合、完治が難しく、治療期間は長期となってしまうことがほとんどだそうです。ここでは、そんな柴犬の皮膚病について詳しく紹介します。

柴犬がかかりやすい皮膚病の種類

アトピー性皮膚炎

柴犬の病気と言えば「アトピー性皮膚炎」と言われるほど、アトピー性皮膚炎は、柴犬に多く見られる皮膚病です。厳密には人間のアトピー性皮膚炎と異なることから「犬アトピー性皮膚炎」とも呼ばれ、目や口の周り・手足の指・脇の下などが乾燥して赤くなり、痒みを伴います。完治が困難であり、痒くてひっかいたり舐めたりすると悪化しやすく、皮膚が黒ずんだり毛が抜け落ちたりするため、愛犬にストレスを与える病気です。

また、一口にアトピー性皮膚炎と言っても症状も原因も多様です。他の皮膚病を併発していたり、皮膚以外の病気の症状の一部だったりすることもあるため獣医師でも診断が難しく、またアトピー性による皮膚炎か、食物アレルギーかの区別もつきにくくいことから治療には根気が必要です。

動物アレルギー疾患国際委員会(ICADA)が2015年に公表したガイドラインでは、獣医師が犬のアトピー性皮膚炎を診断する基準として「Favrot(ファブロ)の基準」を設けています。この基準では、アトピー性皮膚炎に特徴的な症状があっても、1つの症状だけならアトピー性皮膚炎でない可能性があり、5つ以上の症状が当てはまれば8割の確率でアトピー性皮膚炎と診断できるようです。また、皮膚病を併発する別の病気を発症していた場合は、まずそちらの治療が優先されます。基準は参考程度と考えながら、気になる場合はあなたの愛犬もチェックしてみるとよいでしょう。

アトピー性皮膚炎チェック項目(Favrotの基準)

  • 最初の発症が3歳未満だった
  • 室内で飼っている
  • 目に見える症状がないのにかゆそうにしている
  • 前足に症状がある
  • 耳介(じかい=外耳)に症状がある
  • 耳介の周辺部に症状がない
  • 腰の周囲に症状がない

5個以上当てはまれば、赤み・ブツブツ・フケ・黒ずみ・異臭などの症状があれば、アトピー性皮膚炎の可能性が高いと判断できます。しかし、1個や2個該当したからといってアトピー性皮膚炎という訳ではありません。症状が見られたら、まず動物病院に行くことをおすすめします。

膿皮症(のうひしょう)

柴犬の皮膚病の大半はアトピー性皮膚炎が占めますが、その他の皮膚病としては「膿皮症(のうひしょう)」や「マラセチア皮膚炎」などがあります。これらの皮膚病を、2~3個合併して患ってしまうケースも珍しくなく、飼い主さんとしては、皮膚病の症状を1つ見つけたら、他にも皮膚病を併発していないか見逃さないようにしたいところです。

膿皮症とは、黄色ブドウ球菌などの細菌が皮膚上で異常繁殖し、皮膚が化膿してしまう皮膚病です。発症する部位や症状により様々な病名がついていますが、柴犬に多いのは毛穴の奥に膿(うみ)がたまる「毛包炎(もうほうえん)」です。見た目は白ニキビに似ていますが、痒みがあります。犬は毛包の防御力が弱く、ちょっとした皮膚の細菌バランスが崩れてしまうだけで膿皮症を発症させてしまいます。放っておくとどんどん増え、まだら状に脱毛したり、皮膚の奥へと進行して痛みを伴うこともあります。

マラセチア皮膚炎

マラセチア感染症も膿皮症と同様に細菌の異常繁殖によって発症し、「マラセチア」というカビの一種が増殖すると、湿疹ができ、被毛がべたつき、フケが増える皮膚病です。皮脂が漏れ出したような症状が見られことから「脂漏(しろう)症」・「脂漏性皮膚炎」とも呼ばれています。

マラセチアは皮脂や湿気を好むので、指の間・耳の中・ワキの下などで増殖します。そのため、前足に発症すると犬が舐めやすいので、舐め続けることで炎症を悪化させる「舐性(しせい)皮膚炎」を併発しやすくなっています。進行するとカビのようなニオイを発し、かさぶたと一緒に毛が抜け落ちることもあります。

柴犬が皮膚病になってしまう原因

遺伝

柴犬は遺伝的にアトピー性皮膚炎になりやすい犬種とされています。そのため、親犬がアトピー体質である場合は、アトピー性皮膚炎の原因となる遺伝子を持っていると考えられます。アトピー体質な犬は皮膚がデリケートなため、細菌、真菌、アレルゲンに負けて皮膚病を発症しやすいと言われています。

環境

花粉・ハウスダストなどのアレルゲンを吸い込むことで、皮膚に炎症などのアレルギー反応が出てしまうことがあります。花が咲く時期だけに症状が出る場合は、花粉アレルギーの可能性が高いです。年間通して症状がある場合は、ハウスダストが原因かもしれません。また、梅雨から夏の高温多湿な気候も皮膚病を助長します。

ノミ・ダニ

ノミに刺されると「ノミ皮膚炎」に、ダニの一種であるヒゼンダニに住みつかれると強い痒みを伴う「疥癬(かいせん)」になってしまうこともあります。柴犬の豊富な被毛は、ノミやダニにとって最高の隠れ家であり住処です。ノミやダニが活発に活動する5月~11月は、注意が必要です。さらにノミやダニの死骸やフンは、アトピー性皮膚炎の原因になります。愛犬が過ごす場所はこまめに掃除することが大切です。

接触アレルギー

シャンプー・草花・首輪などに触れた部分が、赤くかぶれてしまうことがあります。例えば、シャンプー剤を変えたとき、たまたま犬に合わないと、アレルギー性皮膚炎になる場合があります。症状が出るのが遅く、最初は軽症で気づきにくいためやっかいです。悪化して気づいたときにはシャンプーを交換してから時間が経っていることもあり、原因を特定することが難しくなります。また、体質に合わないシャンプー剤を使い続けても悪化してしまいます。

食物

特定の食品を食べた後にアレルギーを起こし、皮膚炎を発症することがあります。アレルギーを引き起こしやすい食品は主に、牛肉・鶏肉・乳製品・小麦などと言われており、アレルゲンとなる食品さえ特定することができれば食事管理によって発症を抑えることが可能になります。

舐める

犬自身が自分の足などを舐め続けると、被毛に付いた唾液や舐める動作の刺激により、皮膚の炎症や脱毛が起きることがあります。犬の肉球は唯一汗をかく発汗部分でもあり、指の間は湿気がたまりやすく、細菌が増殖しやすい環境です。「なめる→細菌が増殖→炎症が悪化→気にしてなめる」というループで悪化してしまいます。

刺激

熱い・冷たいといった温度の刺激や、足で掻くような刺激など、様々な刺激が皮膚病の原因になります。例えばシャンプーをするときに力を入れ過ぎたり、シャワーの温度が高過ぎたりすると、アトピー性皮膚炎を悪化させます。また犬が足で皮膚を掻くことで、すり傷やひっかき傷ができ、そこから細菌が侵入して感染症になる場合もあります。

ストレス

ストレスは体の免疫機能を弱らせ皮膚病のきっかけになることがあります。しかし原因にはさまざまあり、例えば柴犬は運動が大好きなので、雨が続いて散歩が短くなると、運動量が不足してストレスが溜まってしまうことも。免疫機能が弱ると皮膚のバリア機能も低下するため、あらゆる皮膚病を発症しやすくなります。またストレスから足を舐め続けて、「舐性皮膚炎(しせいひふえん)」やマラセチア皮膚炎になることもあります。

老化

健康な柴犬も、年をとれば体が弱り、免疫力が低下します。アトピー性皮膚炎は若い犬によく見られますが、老犬になってから発症する犬もいます。また、幼犬の頃に発症して治まっていた症状が、老化と共に再発することもあるそうです。

柴犬の皮膚病の予防策

週1回のブラッシング

ブラッシングは、皮膚の血行を良くして抜け毛を取り去る役割があり、皮膚病予防に欠かせません。ダブルコートの柴犬は、毎年春と秋に毛換期を迎え、ごっそり毛が入れ替わります。特にふわふわのアンダーコートが抜ける春先は、大量にけ毛があり、放置するとオーバーコートにからまります。毛換期は2日に1回、それ以外の時期も1週間に1回ほどを目安にブラッシングを行いましょう。

月1回のシャンプー

皮膚を清潔に保つため、柴犬にもシャンプーが必要です。ただしシャンプーは、皮膚表面の皮脂や角質といったバリアを奪う行為でもあります。柴犬は毛の量が多いため、まずブラッシングしてから薄めたシャンプーで洗い、シャンプー剤が皮膚に残らないように十分にすすぎ洗い流します。また、濡れたままでいるとカビなどが発生しやすいため、しっかりとタオルドライしてドライヤーで乾燥させてあげましょう。頻度は毎月1回程度を目安にすると良いでしょう。

また、薬用シャンプーはペットショップなどで販売されていますが、既に皮膚病の疑いがある場合は使用前に動物病院へ行き、犬の皮膚の状態を診察してもらったうえで、どの薬用シャンプーが良いのか、獣医師に相談することをおすすめします。

小まめな掃除

花粉・ハウスダスト・ノミ・ダニといったアレルゲンは、掃除で取り除けます。特に犬の過ごすハウスやマットでは、ノミやダニが増殖しやすく、カビも生えやすいため、清潔に保つ必要があります。室内で飼育している場合は、ノミ・ダニ・カビが1年中活動できる可能性があります。柴犬は抜け毛が多く、自分自身の毛がアレルゲンになることもあるため念入りに掃除をしましょう。

十分な運動

体を動かすのが大好きな柴犬は、運動不足になるとストレスが溜まります。日頃から長めのお散歩を心がけ、ボール遊びなど、思いっきり走り回れる遊びを取り入れましょう。しっかり運動して楽しむことは、老化をも遅らせます。ただし、散歩中にダニやノミがついたり、足に病原菌がついたりすることがあるため、要注意です。また犬の肉球は弱いので、特に雨上がりの散歩の後は、しっかり足を洗い、乾かしてあげましょう。

アレルギーに配慮した食事

食品アレルギーがある場合や原因不明の皮膚炎が続く場合は、アレルゲンとなりやすい牛肉・鶏肉・乳製品・小麦を食べさせないと皮膚病が改善することがあります。また脂肪分の多い食事はマラセチア皮膚炎を悪化させる可能性があり、食品選びに気をつけたいです。また、アレルギーに配慮したプレミアムフードなどを利用するのもおすすめです。

 

柴犬は病気になりにくい犬種ですが、皮膚病にかかりやすく、遺伝的にアトピー性皮膚炎を発症しやすいと言われています。アトピー性皮膚炎は治療が長引き、完治が難しいので愛犬と飼い主さん共に根気が必要です。しかし、アメリカのペンシルバニア大学の研究チームが2016年に発表した論文によると、アトピー性皮膚炎の犬には黄色ブドウ球菌が非常に多く、ブドウ球菌に効く抗生物質を投与すればアトピー性皮膚炎の改善が見込めるとのことです。研究が進めば、柴犬のアトピー性皮膚炎の治療が楽になるかもしれませんね。


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