肌荒れ、ニキビ、軽い切り傷。ちょっとしたお肌のトラブルの際、どんなお薬を使われますか?
肌荒れには保湿クリーム、ニキビにはニキビ薬、切り傷には消毒してバンドエイド・・・とそれぞれのお薬を揃えたいところですが、「いざ!」というときにすぐに買いにいけないこともありますよね。
そんな時頼りになるのがオロナイン軟膏。
昔から日本の家庭で親しまれているので、上述のような症状のとき、わざわざそれぞれの薬を買わずに全部オロナインで済ませている、という人の話もよく聞きます。
でも結局のところ、オロナインって何に効果があるのか、はっきりとご存知ですか?
何となく「なんにでも効くよね」と思って使用していたら逆効果かもしれません!
それに、もしかしてあなたの知らない秘密の効果もあるかも・・・?
オロナインの歴史
大塚製薬によって開発・販売されているオロナイン軟膏の発祥は1953年にさかのぼります。
発売当初の名前は「オロナイン軟膏」。
名前の由来は原材料メーカーであるアメリカのオロナイトケミカル社だそうです。
今現在販売されている「オロナインH軟膏」の“H”は、主剤であるクロルヘキシジングルコン酸塩液の「ヘキシジン」に由来しています。
長い年月親しまれてきたオロナインですが、時代の変化やニーズに合わせて進化してきたのですね。
オロナインH軟膏の成分
◇有効成分(1g中)
クロルヘキシジングルコン酸塩液(20%):10mg
◇添加物
ラウロマクロゴール /ポリソルベート80 /硫酸Al/K / マクロゴール / グリセリン / オリブ油 / ステアリルアルコール / サラシミツロウ / ワセリン / 自己乳化型ステアリン酸グリセリル / 香料 / 精製水
主成分であるクロルヘキシジングルコン酸塩液の効果は殺菌・抗菌作用です。
薬品や薬の成分に詳しい方なら『ん!?』と思うかもしれないのですが、ラウロマクロゴールやポリソルベート80は合成界面活性剤という成分に当たります。
合成界面活性剤はよく洗剤やシャンプーなどに使われるもので、あまりお肌に良い成分とは思えませんね。
これらの成分がオロナインの何の効果を得るために配合されているのか明記はされていませんが、肌に塗布する際の肌馴染みを良くするため、乳化効果などがあるのではないかと思われます。
オロナインH軟膏の効能
大塚製薬のオロナイン公式HPでは、オロナインH軟膏によって改善・回復効果があるとして、下記症状が紹介されています。
○ひび・あかぎれ・しもやけに
○きりきず・すりきずに
○にきびに
○かるいやけどに
○水虫に
一般的なお肌のトラブルなら何でも効きそうに見えますね!まさに家庭に1つあると安心の、万能薬のように思えます。
ですが、中には症状の程度や種類によってはオロナインを使用しない方が良い場合も・・・?
それぞれの症状において、オロナインH軟膏の正しい使い方、使用を避けた良い場合があるのかについてまとめてみました。
“ひび・あかぎれ・しもやけ”、“すりきず・きりきず”の場合
冬場の寒い時期になると、どうしてもお肌は乾燥しがちになります。
特に洗濯や料理などで水をよく使用される方は、皮膚のうるおいを保つために欠かせない皮脂がどんどん奪われ、表面がひび割れてきます。
傷があさいものをひび、深くなったものをあかぎれと呼ぶようです。
しもやけも、寒い時期に耳や手足を露出していると静脈の循環が滞り、うっ血や炎症といった症状が起こるお肌トラブルですね。
オロナインには保湿成分がありますので、水仕事やお風呂上りの後に水分を拭き取ったあと、乾燥していたり傷ができてしまった部分によくすりこむと効果があります。
あかぎれのように傷が深くなってしまった場合も、オロナインに含まれる殺菌成分で傷の悪化を防ぐことができます。
同様に、切り傷や擦り傷にもオロナインを塗布しても構いません。
傷口からばい菌が入って悪化することを防ぐことができます。
オロナインの公式HPによると、オロナインH軟膏は毎日使用しても問題ないそうです。
ただ、5~6日間使用しても傷や症状の改善が見られなかったり、万一悪化するようであれば医療機関を受診するように勧めています。
殺菌・消毒成分は含まれるものの、抗生物質は含まれていませんので、傷が悪化し、膿んでしまったりしては大変です。
オロナインだけに頼らず、傷の経過をきちんとチェックし必要があれば専門医に診てもらいましょう。
“にきび”の場合
『ニキビと言えばオロナイン!』と、市販のニキビ薬に頼らずオロナインでニキビを治している知人がいます。
実際、そういった方は多いようですし、オロナインの公式HPにもニキビへの効用について述べられています。
オロナインH軟膏でのニキビ対策方法は、よく洗って清潔にし、水気をふきとったニキビにちょこんとオロナインを乗せるだけ。
べたつくようであればガーゼやタオルでふき取ること、とも書いてあります。
ニキビの原因は毛穴に皮脂がつまり、ニキビ菌が繁殖してしまうから。
そこから炎症が起こり赤くはれると赤ニキビ、皮脂がつまってまだ炎症がない状態であれば白ニキビと言ったりしますよね。
オロナインH軟膏は消毒作用と保湿に効く成分を併せもっていますので、初期の赤ニキビやまだ炎症が起きていない白ニキビの状態であれば、クリームが蓋の役割をしてそれ以上細菌が増殖することを抑えてくれます。
しかし炎症が進み、じゅくじゅくしているような赤ニキビや紫ニキビには効果はあまりありません。
むしろ逆効果!これはオロナインのHPでも“使用上の注意”に確かに書いてあります。
(以下オロナインHPより抜粋)
使用上の注意
【してはいけないこと】
(守らないと現在の症状が悪化したり、副作用が起こりやすくなる)
次の部位には使用しないでください。
1.湿疹(ただれ、かぶれ)
2.化粧下
3.虫さされ【相談すること】
(1)次の人は使用前に医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください。
1.医師の治療を受けている人
2.薬などによりアレルギー症状(例えば発疹・発赤、かゆみ、かぶれ等)を起こしたことがある人
3.患部が広範囲の人
4.湿潤やただれのひどい人
5.深い傷やひどいやけどの人
ひどい赤ニキビは【してはいけないこと】の、1.湿疹(ただれ、かぶれ)に当たりますよね。
オロナインにはオリーブ油のように保湿成分として油分も含まれていますので、ただれがひどい患部に塗布し続けると逆に細菌増殖の温床になったりと悪化してしまうこともあるんです。
“ニキビなら何でも効く”わけではないのです。くれぐれもご注意を!
“かるいやけど”の場合
“かるいやけど”に効く、とありますが、“かるい”ってどの程度の症状のことを言うか、ご存知のうえで使用されていますか?
オロナインの公式HPによると、“かるいやけど”とは『家庭で治せる程度』だそうです。
例えば熱いヤカンに一瞬触ってしまった、とか、熱湯が狭い範囲にかかった、とか、その程度です。
やけどはその深さによって1度から3度の3段階に分けることができますが、2度以上は専門医の診察が必要です。
最近では「低温やけど」によって重度のやけどを負われる方が増えていますよね。
一見するとヤカンやアイロンのように高熱ではない、湯たんぽやコタツ、使い捨てカイロなどが原因で発生します。
それほど熱くないので長時間使用してしまう人が多いのですが、同じ場所にずーっと熱が当たることによって、表面ではなく皮膚の下でやけどが進んでしまうのです。
低温やけどは段階で言うと3度にあたり、一番ひどい症状になります。
治療も難しく、場合によっては身体の違う場所から皮膚移植をしないといけないこともある、怖いケガです。
オロナインが効くのはあくまでも皮膚の表面上の軽いやけどです。
主成分であるクロルヘキシジングルコン酸塩液の殺菌作用によって患部の化膿を防ぐことができます。
オロナインを塗ったうえからガーゼを当てるか、範囲が狭ければバンドエイドを貼りましょう。
この時、患部にぎゅっと押し付けるのではなく、軽くあてるようにしましょう。
そしてお風呂の後など、こまめに替えてオロナインを塗り直すようにしましょう。
低温やけどは一見症状が軽いように見えて、内部で細胞の破壊が進んでいます。
『オロナインを塗っているから大丈夫』と思っていると取り返しのつかないことにもなりかねません。
自己判断で完結せずに、きちんと医療機関を受診しましょう。
また、オロナインH軟膏の特長として“全年齢対象”、つまり何歳からでも使うことができますが、乳児の火傷に対しては使わないようにHPで注意喚起されています。
乳児の場合は成人に比べ皮膚が薄いので、オロナインH軟膏で済まさずに必ず専門医に診てもらってくださいね。
水虫の場合
水虫と言えば「一日中同じ靴を履いてお仕事に励むお父さんの病気」、というのはちょっと古いイメージです。
今は女性も同じようにフルタイムで働いていますし、女性の冬場のブーツはかなりの湿度・温度になることもありますので、水虫の原因である細菌やカビが発生しやすいため、女性でも水虫予備軍の方が増えています。
さらに水虫と言えば「足にできるもの」、というイメージが強いですが、水虫の犯人である白癬菌(カビの一種)が繁殖すれば頭・顔・胸、お腹や手足とどんなところでも発症します。
水虫の場合も、幹部をよく洗って清潔にし、水気をふき取ったうえでオロナインH軟膏を塗りましょう。
オロナインのHPでは“毎日忘れないよう根気よくお続けください”とあります。
水虫はなかなか治りにくいのでも有名な病気。根気よく毎日続けることが必要ですね。
また、症状が進むとじゅくじゅくと患部がただれてくるような場合がありますが、こうなったらオロナイン軟膏の使用は避けましょう。
水虫に効く内服薬もありますので、患部のただれがマシになってから使用するようにしてください。
意外と知られていないオロナイン軟膏の使い道
さて、ここまではオロナインのHPに明記してある使い道です。
「もう知ってる!」と思われた方も多いでしょう。
ここからは使用方法の番外編です。
インターネット上で様々な使い方が紹介されていたうち、オロナインH軟膏の成分から鑑みて確かにその効果があるかも、と思えるものについてご紹介します。
① ワキガ対策
ワキガは汗の臭いがきつい人のこと、と思っている方も多いかもしれませんが、実は汗そのものの臭いではなく皮膚に住んでいる菌と汗が反応し、雑菌が繁殖してしまっているのが原因だと言われています。
さて、オロナインH軟膏の主成分であるクロルヘキシジングルコン酸塩液の主な効用は何だったでしょうか?
そう、殺菌作用ですよね。
お風呂上りの清潔な肌にオロナインを塗布し続ければ雑菌の繁殖を抑え、ワキガの臭いを抑えることができるそうです。
たしかにニキビや切り傷、水虫など、雑菌の繁殖を抑えるために効果的なオロナインですから、ワキガの原因菌にも効果がありそうですね!
② ひびわれカカトのケア
冬になるとかかとがひび割れてがっさがさ・・・という経験ありませんか?筆者はそうです。
実はこのかかとケアにオロナインH軟膏を使用する方法は、筆者が体験済みです。そしてその効果も実感しました!
もともとはニキビケアにオロナインを使っている知人から聞いてやってみたのですが、本当にツルツルになりました。
かかとケア用に新しく化粧品や薬を買う必要がなくなって、うれしい限りです。
やり方はとっても簡単!お風呂上りの清潔なかかとにオロナインを塗りこみ、靴下を履くだけ。
筆者はこれを1週間続けるだけで、かなりかかとがツルツルになりましたが、さらに上級テクニックとして、オロナインを塗ったかかとにラップを巻いてから靴下を履いて10分待つ、というものがありました。
確かに効果がありそうですね!
③ 危険性あり?オロナインで鼻の毛穴パック
これは口コミでジワジワと広がっているオロナインの活用方法です。やり方はとても簡単。
1、まず鼻にオロナインを厚く塗り、10分放置。
2、そのあとぬるま湯で洗い流す。
3、シートタイプの毛穴パックを所定の時間貼る。
4、はがしてみたら、あら不思議!ごっそり角質が取れている!あとは冷水や化粧水で毛穴を引き締めてケア終了♪
というものです。
鼻の毛穴につまった角栓(黒ずみ)をオロナインで溶かし、市販の毛穴パックと併用することでつるっつるに!
という究極のオロナイン活用法で、これはすごい!と思ったのですが・・・
実はこのオロナインパック方法、危険性を懸念する声が上がっています。
というのも、毛穴につまった角栓だけでなく、肌の乾燥を防ぐのに必要な皮脂や水分を蓄える薄い皮膚まではぎ取ってしまうから。
オロナインには保湿作用もありますが、それはあくまでも“殺菌”という主目的の軟膏の効果を高めるためのもの。
オロナインを塗ってしっとりとしたお肌に毛穴パックを貼ったりなんかしたら、薄い皮膚までぱりぱり剥がしてしまうと言われれば、確かに納得できますね。
そして角栓がごっそりとれた毛穴も、きちんと水分を与えて保湿しないと開きっぱなしのまま。
また皮脂や汚れがたまり雑菌が繁殖する温床になりかねません。
黒ずみ対策どころか、ニキビが大量発生する恐れだってあるんです。
ということで、筆者はこの活用方法はおススメしません。あくまでも自己判断で行ってくださいね。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
オロナインH軟膏の本来の効能も、最近巷で人気の活用法も、『意外!』『知らなかった!』というものがあったのではないでしょうか。
オロナインH軟膏は確かにいろいろなお肌トラブルに効きますし、医師にかかるほどではない日常のちょっと困った、というときに頼りになる存在です。
でもその効能を過信しすぎてはいけませんね。
今一度使用上の注意を良く読み、自分が正しく使用できているかどうか確認してみましょう。
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