| 芈月传-芈月傳 Legend of Miyue 太史令の唐昧が慌てた様子で謁見に現れて、覇星を発見したと言った。「これは天下の大きな変化を表し、その方角が示す後宮から天下を治める者が誕生する」 驚いた楚威王はすぐに永巷令を呼び付け、後宮に懐妊している妃嬪がいるかと聞いた。莒姫殿の向氏なら身ごもって六ヶ月だと答えた。威王は覇者が産まれ「商鞅の死と共に"商鞅の法"も廃れ、これで秦も衰退するだろう」天下統一を果たす日も遠くないと喜んだ。 後宮では威后が莒姫を叱っていたが、そこに玳瑁が「向氏の身篭った子供が覇者になるという予言があり、大王も信じ切っている」と言う。威后は我が子の地位が脅かされると懸念し、翌日、女医摯を呼び出した。威后は挚の7歳の子を盾に、向氏を流産させるよう命じた。摯は向氏に薬湯を届けたが、莒姫が来て止めた。 莒姫は「向氏の薬は全て永巷令が管理する」と告げ、摯は薬を片付けようとしたが、うっかり椀を落としてまった。莒姫は向氏に自分の寝所を明け渡し、出産を見守ることにした。侍女が割れた椀の破片を持って来たが、莒姫は流産を誘発する“淡竹”が入っていたことを見抜いた。莒姫も、かつてある椀を飲んた事を教えた。この后宮で誰が誕生しても良いか悪いを判断しているのは威后であった。威后は摯から計画が失敗したと報告を受けて、怒り心頭でいた。三ヵ月後、威后は大王に向氏を預かりたいと申し入れ、巫女に祈願をさせると告げる。威王が許可するとすでに陣痛が始まっているにもかかわらず向氏は移された。 莒姫は付き添いたいと懇願するが追い返され大王に直談判した。莒姫から覇星を守るためだと説得されて、威王は直ちに王后宮へ向った。威后は慌てて寝所から出て来て「向氏の出血が酷く身の危険だ」と報告する。威王は激怒し、莒姫は寝所の中に入りたいと願っていたが、その時、赤子の泣き声が聞こえた。しかし、娘が生まれた。威王は唐昧を呼びつけて叱咤した。威后はここぞと、不吉な公主をすぐに始末するよう進言した。怒りの収まらない威王は唐昧の目をくり抜いて辺境に捨てるよう衛兵に命じた その夜、莒姫宮に玳瑁が現れ、威后の命だと向氏の赤子を奪って籠に入れて宮外へ流れる川に投棄した。向氏は必死に我が子を捜したが、宮庭園の少司命天神像の池でひっくり返った籠を発見する。向氏は赤子がすでに死んだと思い、絶望から泣き叫んでいた。威王と威后が通りかかると何処からか赤子の泣き声が聞こえた。 籠から落ちた赤子は少司命像側の蓮葉に守られていた。威王も幸運な赤子かと感嘆した。威王は今宵の輝く月光にちなんで、"月"と名づけた。 -4年後- 威王は莒姫殿から遠のいているが、寂しそうに大殿を眺める母を見た芈月は、その大きな建物に父王がいると知り訪ねた。芈月の顔を知らない護衛は止めたが、隙を衝いて正殿に入ったが、殿内の護衛や宦官たちに捕まった。大殿に芈月の叫び声が響き渡ると威王もその騒ぎに気づいた。威王は大殿に侵入する大胆不敵な娘を執務室に呼ぶよう命じた。威王は恐れを知らない芈月を気に入り、自由に出入りできるよう、裏口を教えた。 その夜、芈月から母の話を聞いた威王が莒姫殿にやって来た。莒姫は大王が向氏を訪ねて来たと知り驚た。 2話 楚威王が向氏を訪ねたことが威后に届いていた。ある日、朝廷で斉王と魏王が徐州で楚国を討伐する密談をしていると上奏された。更に斉王は越王にも使臣を派遣したと報告があり、越王も斉国と共に楚を攻めるとの報があった。威王は越国を先攻するよう指示した。そこに永巷令が向氏懐妊の報を伝えた。威王は吉兆と喜び、自ら出征を決めた。威后は寵愛を取り戻した向氏の懐妊に意気消沈していた。威王のご機嫌取りに、点心を準備して娘の芈姝と共に大殿に向った。そこで、大王と芈月の仲睦まじい姿を観た。芈姝に気づいた芈月は一緒に遊ぼうと誘った。これを境にふたりは仲良くなった。 向氏は公子を産んだ。威王は"戎"と名付け、向氏を妃に昇格させて褒美を下賜して、その翌日、威王は出征した。向妃に威后から美しい衣が届いた。向妃は袖を通したが、翌朝、衣に仕込まれた漆のせいで身体に発疹が現れた。侍女から報告を受けた威后は伝染病だと騒ぎ立てて寝宮を閉鎖して、向妃を宮外へ出すよう命じた。向妃は貧民街の賤兵魏甲の慰め者にあてがわれた。 -3年後- 芈月は莒姫に面倒を見て貰い成長した。ある日、屈原を師とする公子黄歇が祭品を受け取るために厨房にやって来た。待っていると、作業台の下から手が伸びるのに気づいた。机の下を覗くと小娘が桂花糕の菓子を盗んでいた。黄歇は知らん振りをしていたが、房娘と侍女が気づき芈月を見つけた。芈月は急いで逃げ出して、黄歇は咄嗟に足を出して侍女を転ばせ、芈月を助けた。芈月は林で桂花糕を食べていたが、黄歇がやって来た。芈月は大王の物は自分にも権利があると黄歇に口ごたえしたが、黄歇には、質素な身なりの娘が公主とは到底思えなかった。 芈月は得意の鞭で樹木の果実を落としてみせた。黄歇は見事な腕前に敬意を表した。更に工夫を凝らした鞭に感心もした。黄歇は自分の師である屈原を紹介した。屈原は芈月と聞いて小覇星だと気づいて認めた。芈月と黄歇は投壺で遊ぶ公主たちを見つけた。芈月は一緒に遊ぼうとするが、姉妹たちの目は冷たかった。そこに、芈姝が来て騒ぎを収拾した。 芈月は怒りと悲しみを莒姫にぶつけた 「母に会いたい」。莒姫は知らないと言った。莒姫の侍女、葵姑はこっそり向氏に会わせた。向氏は魏甲の子、魏冉をもうけていた。威王の凱旋の知らせを芈月は知った。威王は向妃の姿がなかったのを気にかけた。威后は疫病で向妃を宮外に出したが治療の甲斐なく亡くなったと報告した。 芈月はかってのように裏口から威王に会いに行き泣きながら母が生きていると話した。 3話 威王は直ちに兵士を派遣して魏甲は殺され、向妃は魏冉を連れて王宮へ戻った。莒姫は葵姑と共に章華台に駆けつけた。向妃は芈月と芈戎を守ってくれた莒姫に心から感謝した。宮中を追い出されてから何度となく死を考えたが、3人の子供たちのために思い止って来たと話した。向妃が戻ったと知った威后は動揺した。玳瑁は、幸いなことに魏甲が死んで証拠も消えたと安心させた。魏甲との暮らしで汚れた向妃に大王もすぐ嫌気が差すに違いないと威后は考えた。 宮に戻った向妃の目的は復讐だった。話を聞いた莒姫は反対したが、向妃は今が王后を倒す唯一の機会だと訴えた。威后が自分をこのまま見逃すはずはない。反撃しなければ我が子の命を"あの女"に差し出すも同然だ。向妃の覚悟を知った莒姫は協力を約束した。大王は日暮れまでにここへやって来る。すでにあまり時間はなかった。その前に威后が章華台にやって来た。心と裏腹に、向妃の復帰を祝って服飾を下賜するが、向妃は思わず失笑した。 「私めがこの品に手を触れるとお思いですか?」その意味を察した威后は、侍女たちに下がるよう命じる。 向妃は威后の前に立ち、自分の胸に聞けばと迫った。威后は嘲笑い、汚れた卑しい女に何が出来るのかと呆れ憤然と向妃寝宮をあとにした。外套を被った葵姑が金製の酒器を持って現われた。向妃はまだ子供たちに会えていなかったが、そろそろ大王が到着する筈、後戻りできない向妃は覚悟を決めて毒酒を飲むと、激しく吐血して倒れた。莒姫が芈月と芈戎を連れて駆けつけ、その後直ぐに、威王も現れた。 威王は息も絶え絶えの向妃を抱きかかえ、何があったのかと問うた。向妃はすべて王后の仕業だと訴え息絶えた。 威后は大王の信用を失なった。威后は身の潔白を訴えたが、侍女が威后が章華台に行ったと証言し、毒酒の入った金の酒器が威后の物であったと証言した。威王は激しい怒りから古傷が悪化し胸に痛みを覚えた。憤りと悲しみを紛らすため、酒をあおらずにはいられなかった。威后の息子で太子・芈懐が母の罪を許して欲しいと嘆願したが、かえって火に油を注ぐ結果になってしまった。 莒姫はついに待ち望んだ日がやって来たと期待した。芈懐が廃されれば、次の太子は芈戎だと考えた。芈月と芈戎、2人を養育して来た莒姫もようやく安堵できると思った。威后は芈懐だけは守ろうと自害を決めていた。ところがそこに慌てて侍女が駆け込んで来て、楚威王が急逝を告げた。 芈懐が即位し懐王となる。命拾いした威后は目障りな芈月と芈戎を始末しようと企み、懐王の執務室に出向き、殉死者名簿に2人の名前を書き込んだ。懐王も幼い妹と弟を殉死させることに難色を示したが、威后は夢枕に立った先王が寂しがって2人を呼んでいると訴えた。 莒姫は威后の寝宮を訪れて「芈月と芈戎を殉死させると聞いたが、自分が憎いならこの命を取ればいい」と抗議した。息子が即位した今、莒姫など簡単に殺すことができる。しかし、この后宮で生き続けることが死よりも辛いことは百も承知しているではないか。芈月と芈戎の殉死後、莒姫の日々は拷問となるだろうと嘯いた。威后の情け容赦ない言葉に莒姫を打ちのめした。 その夜、死を覚悟した芈月は莒姫を訪ね、育ててくれた感謝を伝えて叩頭した。宝物である鞭を託し帰った。莒姫は鞭を手に取ると、ある決心を固め、大きな甲羅に何かを彫り始めた。 4話 その朝、宮中に、莒姫が先王にお伺いを立てに逝ったと急報が駆け巡った。莒姫殿には威后、懐王、忠臣たちが集まった。こと切れた莒姫の横で葵姑が悲しみに暮れていた。玳瑁が莒姫が首を吊った白絹に文字があることに気づいた。 「私めが先王に問う 芈月と芈戎に会いたいか。否か」その時、音が鳴った。それは火炉の中で焼かれた甲羅だった。懐王や忠臣が覗き観ると殻に“否”という文字が浮かび上がっていた。屈原は莒姫の意図に気づき、先王の返事だと膝まづいた。懐王や忠臣たちも一斉に拝跪すると、威后も軽んずることが出来ないでいた。 莒姫は芈月と芈戎に遺書を残した。芈月と芈戎は九死に一生を得たが、威后は2人に先王の墓守りを命じ、葵姑と共に陵墓へ追いやった。葵姑は王宮を去る前、芈月を連れて莒姫の親族が住む民家を訪ねた。数日前、莒姫が魏冉を預けに来た聞いた。芈月は鄭伯父さんに抱かれた魏冉に、必ず自分が守ると誓った。 芈月を目の敵にしていた芈茵の母が亡くなった。斉妃は楚国に大敗した斉の公主で川に身を投げた。後ろ盾を失くした芈茵だったが威后は華やかな公主を気に入り、自分の側に置いて芈姝の学友にした。陵墓は人里離れた小高い山の上にあって、芈月らの住まいも小さな荒ら屋であった。芈月は医女摯から医術を学び、屈原は定期的に黄歇に書物を届けさせた。芈月は初潮を迎える年齢となった。 宮中では懐王の妃選びが始まった。懐王は体臭が強く、妃候補たちはあからさまに不快感を示した。そんな中、妃になりたい鄭袖は「大王だけがもつ特別な匂いだ」と誉め称えた。懐王は大層な喜びで威后が懸念するなか、鄭袖を妃に選んで寵愛した。 陵墓で先王の祭祀が行われた。懐王は鄭袖を同行したが、威后から難癖をつけられた。鄭袖は列を離れ、侍女と一緒に近くを散策していた。珍しい葉が目に止り手を差伸べたが、鄭袖は激痛に驚き、手の甲が真っ赤に腫れた。偶然、芈月が通りかかり、薬草を探して介抱した。鄭袖はこの娘が公主だと知って唖然とした。自分を助けてくれたお返しに、芈月を王宮に戻すと約束したが、芈月は断った。 芈姝は儀式を抜け出して芈月を探した。2人は再会を喜び合っていたが、2人を見た芈茵は威后に告げ口をした。威后はやって来て芈姝を叱った。更に、騒ぎを聞きつけて威后に叩頭し謝罪した葵姑に20杖の罰を命じた。 芈月は王宮に戻り数年の間、辛抱すれば芈戎も身分が与えられるだろうと考えた。 鄭袖はその夜、懐王に芈月たちをどうするかと尋ねた。屈原から芈月たちを王宮に戻すよう上奏されていた懐王は母后の反発で実現しなかったと話した。鄭袖は陵墓で芈月に助けられた話をした。懐王が妹弟を冷遇していることが公になれば面目が立たないと拗ねて見せた。懐王は鄭袖に芈月たちを王宮に戻すと約束してしまった。 玳瑁は芈月に用心するよう威后に声を掛けたが居合わせた、芈茵はむしろ歓迎するとせせら笑った。 5話 宮内は祭祀大典挙行の為に公主たちは習舞に専念していた。芈茵も熱心に練習するが、芈姝に称賛の声があがり芈茵は嫉妬した。楚国才子は一年学んだことを懐王面前で披露するので、公主たちは見学した。中でも黄歇はずば抜けて礼があり、文才は風流であった。芈茵は黄歇に惹かれて黄歇に声を掛けて話をしたいと思った。芈茵は香袋を失ったと口実にしたが、侍女が来て芈茵の香袋を見せてしまった。黄歇は礼を尽してその場を離れた。 芈月は陵園の葵姑を訪ねて、葵姑が眼の病を患っていることを発見した。芈月は治療に黄連草が目の病に効くと知って宮中を探した。偶然、黄歇から懐王が南后鄭袖の歓心を買う為に各国から多くの希少草花を収集して南后の寝宮蘭桂台に贈ったことを聞いた。ふたりは夜にこっそりと調べることにした。威后は趙姫の懐妊で懐王に日々、趙姫の処に行かせた。南后は公子蘭が病だと嘘をついて呼び戻そうとしたが威后が来た。威后は南后の嘘を見抜いて、南后と威后と矛盾は一層深くなった。 芈月と黄歇は黄連草が蘭桂台内あるのを見つけたが、南后の犬宝官に見つけられた。芈月は得意の軟鞭で宝官を撃って黄歇と逃走しようとするが、衛兵が駆けつけて、黄歇は捕まえられた。蘭桂台大殿の内で黄歇は独り罪を背負った。芈月も駆けつけて、一切は自分の考えであること自白した。威后は芈月を処罰したいと思っていたが、南后は事は自分の庭で起きた事だと、懐王に芈月に加担することを扇動した。感謝を述べた芈月と黄歇にすべては自分のためにやったことだと話す南后であった。 五国使臣はまもなく楚国郢都へ行って楚国会盟をした。楚国は親しくて、威后はわざと芈姝に強国君主に賜婚を願った。芈月に花嫁に付添う侍女を申し付けた。 |
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