10代の頃の白髪は、もちろん嫌なものではあるけれど、それほど原因を考えませんよね。
でも、20代以降になると「年取ったのかしら…」と急に不安になりませんか?
どんどん増えてしまう前に、原因を知って白髪を予防しましょう。
白髪対策に欠かせない重要な栄養素
日本女性は、髪の手入れにとても熱心です。
ドラッグストアの一面を埋めるシャンプーやコンディショナーの量を見ると、一体何十種類あるのだろう、と圧倒されます。
しかし、その日本女性も憧れるのが韓国女性の髪。
韓国女性の髪質はコシがなく細く、癖も少ないという特徴があるそうですが、それにしてもあのサラサラで健康そうな髪は、日本女性にはなかなか見当たりません。
その違いは、食べ物から出て来るのです。
韓国女性には美しくなるためには食べ物から、という考え方が浸透していて、ダイエットしていても栄養はしっかり摂る方法を好みます。
また、複合的な味を好むので、一つの料理にとてもたくさんの食材が入っています。
白菜のキムチを例に取ると、白菜、大根、なし、ネギ、セリ、生姜、ニンニク、アミ(小エビ)、いかなご(スズキの一種)、唐辛子…。
タンパク質、ミネラル、ビタミンと、栄養満点です。
実は、この3点が髪の毛や頭皮の健康にとても大切で、白髪を防ぐ効果もあるのです。
実際、韓国には白髪の女性が少ないそうですよ。
それぞれの栄養素について、詳しくご説明しましょう。
髪や頭皮を生成する「タンパク質」
タンパク質を多く含む食材
人間の身体は水分が70%、タンパク質がそれに次いで20%を占めています。
臓器、筋肉、皮膚、血液、細胞、毛髪、爪、ホルモン、抗体など、身体のすべての部分がタンパク質で構成されているのです。
人間のタンパク質は20種類のアミノ酸でできており、体内にはその組み合わせで10万種類ものタンパク質が存在しています。
そのため、20種類のアミノ酸のどれが欠けても異常が発生してしまいます。
また、それらのタンパク質は生命の維持に必要な部分から優先的に回されるため、毛髪や爪といった部分は一番後回しにされます。
髪や頭皮に何らかの問題がある時は、タンパク質(アミノ酸)が不足しているということなのです。
アミノ酸は、20種類のうち9種類が必須アミノ酸といわれ、体内で合成することができません。
また残りの11種類も、栄養素が足りなければ体内で十分生成されません。
チロシンは非必須アミノ酸ですが、メラニン色素を生成する働きがあり、チロシンが不足すると白髪ができやすくなります。
ですから、タンパク質をしっかり摂取することが必要なのです。
メラニン生成や活性化に必要な「ミネラル」
ミネラルを多く含む食材
ミネラルの中でも最も髪に大切なのが、亜鉛・ヨウ素・鉄・銅です。
①亜鉛
亜鉛は新陳代謝や細胞分裂に必要な核酸の合成を促進させる働きがあり、毛母細胞の分裂や髪の成長に重要な役割を果たします。
また、亜鉛が不足するとタンパク質の合成ができなくなり、髪の毛の成分であるケラチンが作られなくなります。
②ヨウ素
ヨウ素も育毛に関わっています。
ヨウ素や主に甲状腺に存在し、甲状腺ホルモンの生成に関わっています。
甲状腺ホルモンが不足するとタンパク質、炭水化物(糖質)、脂質などを代謝できず、頭皮や髪に必要な栄養を作れなくなります。
③鉄
鉄分は赤血球の構成成分で、全身の細胞に酸素を運ぶ作用があります。
そのため、不足すると栄養の一部である酸素が頭皮や毛髪に十分送られなくなり、髪の育成が妨げられます。
④銅
銅はメラニン色素を作るチロシナーゼという酵素の合成に関わっています。
そのため、銅が不足すると毛髪の色が抜け落ち、白髪になってしまいます。
血液を作る「ビタミンと葉酸」
ビタミン、葉酸を多く含む食材
ビタミンは髪の健康に大切な成分です。
特にビタミンB12と葉酸は血液を作る働きがあり、健康な髪の維持に不可欠です。
ビタミンB12と葉酸は「造血のビタミン」とも呼ばれ、ヘモグロビンの合成に関わっています。
ヘモグロビンは酸素を運ぶ働きがあり、酸素が不足すると赤血球が正常に育たずに死んでしまうため貧血状態となり、頭皮や髪が栄養不足になるため、白髪や抜け毛を引き起こします。
また、ビタミンB12にはメラノサイト(色素細胞)の機能を活発にし、メラニン色素を増加する働きがあります。
葉酸はタンパク質やDNAを合成する酵素の働きを促す補酵素で、細胞分裂や増殖に関わっています。
葉酸が不足すると細胞が分裂・増殖する際に正確な情報をコピーできなくなるため、毛母細胞やメラノサイトの情報が変化してしまい、黒髪を作れなくなってしまうことがあります。
ほかにも、白髪の原因となる過酸化水素(活性酸素)を除去するビタミンCや、毛細血管を拡張し栄養を届きやすくするビタミンEも大切な要素です。
白髪対策に必要なおすすめ食材
すべての栄養素が健康につながり、ひいては髪の健康につながりますが、その中でも特に大切なタンパク質・ミネラル・ビタミンを多く含む食材をまとめました。
タンパク質を多く含む食材
「アミノ酸スコア」という言葉をご存知でしょうか。
必須アミノ酸9種類のうち一番少ないもの(第一制限アミノ酸)の割合を数値化したもので、この数値が100であれば非常にバランスのよいタンパク質だということになります。
アミノ酸スコアの計算方法は何度か変わっていますが、最新のパターン(1985年版)がこちらの表になります。
| 食品 | アミノ酸スコア |
|---|---|
| 精白米 | 65 |
| 食パン | 44 |
| 大豆 | 100 |
| 卵 | 100 |
| 牛乳 | 100 |
| プロセスチーズ | 91 |
| 牛肉・豚肉・鶏肉 | 100 |
| 魚類 | 100 |
| ジャガイモ | 73 |
| キャベツ | 53 |
| トマト | 48 |
| りんご | 56 |
アミノ酸スコアは100が最も良いのですが、100以下のものでも他の食材と併せて食べることでバランスを良くすることができます。
一つ一つの食材の9種類の必須アミノ酸量を覚える必要はありません。
アミノ酸スコア100である肉、魚、卵、大豆製品を3食の食事に取り入れることで、無理なく良質のタンパク質を摂取できます。
ただ、同じアミノ酸スコア100だからといって、カロリーが高い動物性ではなく植物性の大豆ばかり食べる、というのはよくありません。
というのは、動物性と植物性では吸収率や速度がかなり違うからです。
動物性タンパク質の方が吸収率が悪いイメージがありますが、実際は大豆など植物性のほうがずっと悪くなります。
食物繊維が原因の一つだと思われるのですが、大豆は非常に吸収に時間がかかるのです。
生物医学研究所所長の青木皐医学博士によると、炒った大豆は20~30%しか吸収されず、残りは排泄されてしまうということです。
そのため、最低でもタンパク質の40%は動物性から摂ることが良いとされています。
豆腐や納豆などの形で摂ることで吸収率が上がるので、加工したものを食べるようにするとよいでしょう。
絹ごし豆腐は木綿豆腐に比べ、タンパク質の量が約25%少ないので、木綿豆腐をお勧めします。
なお、髪に色をつけるメラニン色素の材料となるチロシンは、チーズや大豆製品に多く含まれています。
チロシンは銅と結合することで活性化するのですが、チーズにも大豆にも銅が含まれています。
特に大豆はミネラルの宝庫で、銅のほか亜鉛や鉄など髪に良いものを非常に多く含有しています。
ミネラルを多く含む食材
日本の土壌はミネラルが少ないため、そこで育つ野菜や穀物、それを餌や肥料にする動植物全般にもミネラルがあまり含まれていません。
そのため、意識して摂取することが必要です。
| ミネラル成分 | 食品・食材 |
|---|---|
| 亜鉛 | 牡蠣、レバー、牛肉、蟹、たらこ、煮干し、するめ、海苔、チーズ、大豆製品、ゴマ、カシューナッツ、アーモンド、抹茶、切り干し大根 |
| ヨウ素 | 昆布、ひじき、海苔、わかめ |
| 鉄 | 煮干し、干しエビ、しじみ、あゆ、あさり、豚肉、鶏肉、卵(卵黄)、海苔、ひじき、岩のり、ゴマ、カシューナッツ、大豆製品、グリンピース、小麦胚芽、パセリ、よもぎ、抹茶、黒砂糖 |
| 銅 | ゴマ、カシューナッツ、落花生、干しエビ、しゃこ、いか、牛肝臓、大豆製品 |
なお、ゴマは亜鉛、鉄、銅を含んだ健康食品ですが、殻が非常に硬いためそのまま食べてもほとんど消化できません。
摂る時はすりゴマか切りゴマにしましょう。
ビタミンと葉酸を多く含む食材
ビタミンB12は微生物から合成されるため、動物性タンパク質と結合しており、胃の中で胃酸などによって分離されます。
ビタミンB12を多く含む食材はあさり、赤貝、牡蠣、すじこ、あゆ、レバーなどです。
貝類、魚類には種類を問わず比較的多く含まれています。
葉酸は含有する動植物が少なく、うに、サクラエビ、すじこ、レバー、緑黄色野菜に含まれています。
毎日の食事で摂取することは難しいので、サプリメントを利用すると良いでしょう。
知っておきたい豆知識
白髪と栄養の関係をご説明してきましたが、ここで髪が生える仕組みと、以外な白髪の原因についてお話しましょう。
栄養不足だと白髪が生えるのはなぜ?髪が生える仕組みを知ろう!
髪の毛は、毛乳頭細胞が元となっています。
毛細血管から栄養を受け、毛乳頭の周りにある毛母細胞に栄養や酸素を送っています。
すると毛母細胞はそれらによって細胞分裂を繰り返し、一つ一つが髪の毛になって成長します。
髪が抜けても毛母細胞がある限り、また髪は生えてきます。
しかし、栄養不足で血行が悪ければ毛細血管に栄養や酸素が十分届かないため、毛母細胞が十分な細胞分裂をできず、正常な髪の成長に悪影響を与えてしまいます。
毛母細胞と隣り合って存在するのがメラノサイト(色素形成細胞)です。
髪は元々は白いのですが、毛母細胞が細胞分裂する時、メラノサイトがメラニン色素を与えることで髪に色がつきます。
メラノサイトも毛乳頭から栄養をもらっているため、栄養不足になると働きが低下し、メラニン色素をうまく作れなくなるため、白髪になりやすくなると考えられています。
また、メラニン色素にはユーメラニアン(黒~茶褐色系色素)とフェオメラニン(赤褐色~黄色系色素)の2種類があり、それぞれの量によって色が決まります。
ユーメラニアンが多いと黒髪に、フェオメラニンが多ければ赤毛になります。
この2色の配合はメラノサイトの細胞内に記憶されているため、細胞が正常であれば1本1本が同じ色になります。
ところがメラノサイト細胞の栄養が不足するとその情報がうまく伝わらなくなり、2色の配合が変化して髪が白っぽくなる可能性があります。
真っ白ではなくても、本来の髪の色より薄い色味の髪が生えてきた場合は、危険信号かもしれません。
さて、栄養不足による白髪でもう一つ知っておいていただきたいのが、白髪の原因には女性ホルモンのエストロゲンが大きく関わっているということです。
出産後に抜け毛が増えるというのを聞いたことがあると思いますが、最近は特に授乳中に白髪が増える女性が大変増えています。
これは出産後エストロゲンの分泌量が一気に減ることによってホルモンバランスが崩れ、メラノサイトがその影響を受けることによるものだと考えられています。
女性ホルモンを増やすには、エストロゲンと似た働きをする大豆イソフラボンを摂取すると良いといわれています。
ところが、欧米化した食事が増えたため日常的に大豆製品を摂る機会が減っており、多くの女性は摂取量が不足しています。
納豆1パック、豆腐2分の1丁で良いので、毎日必ず食べるようにしましょう。
また、ビタミンB6には女性ホルモンの代謝を助ける働きがあります。
レバーや魚類、大豆製品に多く含まれているほか、腸内細菌からも作られます。
大豆製品と同様、レバーや魚類を食べる機会は減っていますし、女性といえば便秘というくらい、腸内環境が悪い女性が増えています。
するとビタミンB6を合成する働きが衰えてしまいます。
好き嫌いをなくし、できるだけ多くの食品から栄養を摂ることが、白髪の予防や改善になるのです。
不足しがちな栄養素はサプリメントを利用するなどして、過不足が起こらないようにコントロールしましょう。
美白に要注意。L-システインはメラニンの生成を抑制してしまう
L-システインはアミノ酸の一つで、皮膚の代謝に関わる成分です。
L-システインにはチロシンがメラニン色素に変換されるのを抑制する働きがあることから、シミやソバカスを予防する美白サプリによく配合されています。
ところが、メラニンの生成を抑制することで、髪の色まで白くなってしまうのです。
L-システインを美白サプリから摂取すると、血液を通して全身に回りますから、当然毛母細胞にまで届いてしまいます。
L-システインの推奨摂取量は日本では決められていないのですが、1日1500mg摂った場合副作用が発生する場合があるとされています。
サプリメントはその数分の一の配合量なのですが、長期間摂ることで白髪になりやすくなるようです。
また、メラニンには皮膚を紫外線から守るという働きがありますが、L-システインによってその働きが弱まると、一年中紫外線を浴びている髪、特に分け目の部分が白っぽくなる可能性があります。
日焼けで茶色っぽくなっていると思ったら実は…ということがあり得るのです。
この対策として知られているのが「ビオチン」です。
ビオチンはビタミンB群の一種で、皮膚や髪の健康維持に大切な成分です。
髪のケラチンタンパク質合成の際に補酵素として働き、ビオチンが欠乏すると白髪や抜け毛が増えることがわかっています。
このビオチンが、L-システインによる白髪をある程度防いでくれるといわれています。
なぜそのような効果があるのか、はわかっていませんが、実際に効果を感じている人は多いようです。
栄養が不足しているかどうかというのは、なかなか気づかないものです。
肌が荒れる、毎日のように便秘や下痢になる、という症状が出て来た時には、栄養不足が進んでいると思ってください。
白髪が増える前に、食生活を見直しましょう。
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