尿素クリーム、使いたいけど副作用が心配
頑固なガサガサ乾燥肌を改善してくれる尿素入りクリーム。尿素が入っていることで硬くなった角質を柔らかくしつつ保湿してくれるので、ひび割れそうなくらい乾燥した肌の救世主となってくれます。でも、一方で「尿素クリームで肌荒れが悪化した」なんていう副作用の話があるのも事実。効果があるとはいえ、副作用のことを考えるとちょっと心配になりますね。
そもそも尿素ってどんな成分?
角質の柔軟化
尿素にはタンパク質の構造を分解する性質があります。ヒトの角質はタンパク質で出来ているので、乾燥などが原因で古く硬くなった角質のタンパク質が尿素によってもろくなり角質が剥がれやすくなります。乾燥した肌に古い角質がいつまでも残っていると、角質層で生成される水分や皮脂が全体に行き届きにくくなり、ますます乾燥が進みます。尿素が古くなった角質を剥がしてくれる点はメリットなのですが、使い続けると肌にとって必要な角質まで剥がしてしまうことになります。つまり、肌の新陳代謝のサイクルが狂ってしまうのです。新陳代謝によって生成される新しい角質は未熟で水分保持機能も十分ではありません。それが尿素によって次々に剥がされると肌は保湿できずにどんどん乾燥してしまいます。この状態が続くと肌荒れが引き起るのです。
保湿成分
尿素にはもうひとつ、体内の水分を引き寄せる働きがあります。これは尿素が水と結合しやすい性質を持っているから。尿素そのものには乾燥を防いだり、水分を与えるといった作用はありませんが、体の中の水分を引っ張ってくることで乾燥した部分を保湿するということです。保湿能力はそれほど高くない尿素ですが、尿素はもともとヒトの角質層にある天然の保湿因子のひとつとして存在している成分。ヒトの肌に存在している成分なので安心感がありますね。
尿素クリームは「間違った使い方」で副作用あり
肌荒れが悪化
乾燥する手指やかかとに多いひび割れやあかぎれといった肌荒れの症状。症状を改善するために尿素クリームをつけるのは逆効果です。尿素にはタンパク質を分解するという性質があるのはすでに説明した通りですが、ひび割れやあかぎれといったすでに肌にダメージのある部分に尿素は刺激が強すぎます。肌荒れ部分は角質が薄くなっていたりしてバリア機能が未熟。そこへタンパク質を分解する作用のある尿素クリームをつけると、痛みを引き起こすことも。症状を改善させるどころか悪化させてしまいます。尿素クリームは乾燥してひび割れが起きる前までに使用して、あくまで予防として使いましょう。
未熟な肌でバリア機能が低下
肌の水分は角質に存在している皮脂や天然保湿因子、角質細胞間脂質によって保たれます。角質がきちんと潤って、細胞同士が密着している状態であれば肌は外部刺激から守られます。しかし、乾燥などで角質層に隙間ができてしまうとバリア機能も低下してしまいます。尿素には角質のタンパク質を分解してはがれやすくする作用があるので、必要以上に肌に塗ってしまうと本来必要な角質まではがれます。古い角質は次の肌細胞が生まれる準備が整ってから剝がれるのが自然ですが、尿素の作用で準備が整う前に剥がれてしまうと肌表面に未熟な状態の細胞が出てしまうことになります。未熟な細胞では保湿機能も低く、バリア機能が弱まってしまうのです。
乾燥肌や敏感肌に転落
尿素クリームを使いはじめると、肌がとてもしっとりします。これは、尿素の保湿作用のおかげでもありますが、実は尿素が角質をやわらかくしているから。肌が柔らかいのでなおさら肌がしっとりしているように感じるのです。尿素クリームによって保湿されていると感じてそのまま健康な肌に尿素クリームを使い続けると、正常な角質まで早く剥がすことになってしまいます。未熟な角質では保湿機能も未熟な状態。肌の水分を十分に保つことができないので、乾燥肌や敏感肌になってしまいます。
副作用なしで使いこなす7つのポイント
常用しない
尿素クリームは乾燥を感じる時にだけ使用しましょう。習慣的に使い続けると正常な角質まで剥がれやすくしてしまい、肌トラブルの元となります。毎日のように1日に何度も塗るということは避けて、1日に数回程度、乾燥が気になった時だけ使うことがポイントです。
ピンポイントで使用する
ガサガサと乾燥の気になる部分にのみ、ピンポイントで使いましょう。健康な状態の肌にまで塗ると正常な角質まで剥がれやすくなってしまい、かえって肌にダメージを与える場合があるので注意が必要です。
用途に合った濃度を選ぶ
濃度が高いからといって、保湿効果が高くなるわけではありません。尿素の配合濃度が高いものほど角質を分解する働きが強くなります。乾燥が気になる手指には濃度が10%程度のもの、ゴワゴワと古い角質で角質層が厚くなっているような強く乾燥しているかかとには濃度が20%程度のものを選ぶなど、目的に合わせて使い分けましょう。
顔には使わない
尿素入りの化粧水が保湿効果があるとして、話題になったりしました。それなら尿素クリームも顔の保湿に効果がありそうですが、それは間違いなんです。もともと化粧水に配合される尿素とクリームに配合される尿素には濃度の違いがあります。化粧水よりもクリームの方が尿素の配合濃度が高いので、その分角質を剥がす作用が強くなります。顔の角質層はかかとに比べてとても薄いので、顔には尿素の刺激が強いのです。肌にダメージを与えてしまうこともあるので顔への使用は控えましょう。
ヒビ・あかぎれがあるなら控える
ダメージを受けている肌は角質が薄くなっているので、尿素によってさらに角質をはがすと症状を悪化させてしまいます。乾燥によるヒビやあかぎれを防ぐために尿素クリームを使用するのは問題ありませんが、すでにヒビやあかぎれの症状が出てしまっている所には尿素クリームの刺激が強すぎて痛みを感じる場合もあります。ヒビやあかぎれなど、肌にダメージがある場合は使用を控えてください。
若い肌にはNG
年齢を重ねると肌の新陳代謝も低下して、古い角質が蓄積されていきます。古い角質を剥がしつつ体内の水分を引き寄せて保湿する尿素クリームは年齢肌には適していますが、角質の薄い10代の若い肌には不向き。乾燥やかゆみなど、肌トラブルを引き起こすことがあるので使用は避けましょう。
敏感肌なら慎重に
肌の角質が薄くなっている敏感な肌には尿素クリームの刺激が強く感じる場合があります。すでに角質が薄い状態なのに、尿素によって必要な角質まで剥がれてしまうとさらなる肌トラブルを招く心配が。尿素の配合濃度の少ないものから少しずつ試してみましょう。
尿素クリームが有効な場合
乾燥手荒れ
手洗いや水仕事、水に触れる機会の多い手や指は乾燥しやすい部分ですよね。それは水分の蒸発と共に肌の水分も奪われるから。肌は皮脂の作る膜によって乾燥などの外部刺激から守られるのですが、手は皮脂の分泌量が少ないので特に乾燥しがち。尿素クリームは体内の水分を引き寄せる作用があるので、乾燥を感じたときに尿素クリームを塗ると水分を引き寄せて保湿してくれます。
ガサガサのかかとなど
皮脂腺のないかかとは皮脂が分泌されないのでやはり体の中でも乾燥しやすい部位。また、立ったり歩いたりすることで圧迫や摩擦といった物理的な刺激を多く受けます。こうした刺激によって角質層がダメージを受けて乾燥しやすくなります。乾燥を防ごうと肌が角質細胞をどんどん作ろうとするので角質が厚くなってしまうのです。厚い角質にただの保湿クリームを塗っても有効成分は十分に届きません。まずは尿素クリームで厚くなった角質を柔らかくして保湿しましょう。
角化症などの皮膚疾患
角質が硬くなったり厚くなったりする症状を角化症といいます。角化症の肌では角質層内の保湿因子が不足して乾燥して荒れた状態になっています。乾燥が進むとひび割れなどの症状が起きてしまうので早めに保湿ケアすることが大切。ひどくなるとひび割れが真皮にまで到達して血がにじむ…なんていう場合も。まずは尿素クリームで硬くなった角質を柔らかくし、古い角質を剥がしながら保湿していきましょう。
二の腕のブツブツ
毛穴がブツブツと盛り上がってザラザラするのは「毛孔性苔癬(もうこうせいたいせん)」または「毛孔角化症(もうこうかくかしょう)」という皮膚の疾患です。毛穴に角質が詰まっている状態なので、ブツブツとしています。色素沈着を起こすこともあるので無理につぶしたりこすったりするのはNG。尿素クリームで肥厚した角質を落としながら保湿ケアして対処しましょう。
ターンオーバーの乱れ
肌は一定のリズムで新陳代謝(ターンオーバー)をくりかえすことで古い角質がはがれ、新しい角質が生成されます。しかし、このターンオーバーのサイクルというのは加齢とともに乱れが生じてきます。ターンオーバーが乱れると本来であれば剥がれるはずの角質がとどまってしまったりして、角質が厚くなります。これが肌のくすみなどを引き起こすのです。この場合も、尿素の角質を剥がしやすくする作用が有効です。
市販のハンドクリームのおすすめは?
尿素入りのハンドクリームにもいろいろありますが、有名なところでは「資生堂 尿素10%クリーム」と「ケラチナミンコーワ20%尿素配合クリーム」のふたつがあります。今回はこのふたつの特徴をそれぞれチェックしたいと思います。
資生堂 尿素10%クリーム
尿素が10%配合されている以外にヒアルロン酸、スクワランなどの保湿成分も入っているので尿素だけでは物足りない保湿作用に期待できます。ジャータイプとチューブタイプ、形状にバリエーションがあるので、たっぷり使いたい時ジャータイプ、手軽に持ち運びたい人にはチューブタイプといった使い分けができて便利。
容量・価格……60g・500円/100g・810円
ケラチナミンコーワ20%尿素配合クリーム
1991年発売のロングセラー商品。他の保湿成分は配合されていませんが、尿素の濃度が20%とやや高めに配合されています。
容量・価格……60g・1500円/150g・2,000円
| 資生堂 尿素10%クリーム | ケラチナミンコーワ20%尿素配合クリーム | |
|---|---|---|
| 配合されている尿素の濃度 | 10% | 20% |
| 尿素以外の保湿成分 | ヒアルロン酸・スクワラン | なし |
| テクスチャー | 白いやわらかめのクリーム | 白いやわらかめのクリーム(ややべたつき感あり?) |
| におい | 特になし | 特になし |
| 対象年齢 | 制限なし | 15歳以上 |
一方、「ケラチナミンコーワ20%尿素配合クリーム」は尿素濃度が高いので乾燥の進んだお肌で即効性を感じたい方におすすめです。
どちらも使用感は近いものがあるようですが、まずはの配合濃度の低くお手頃価格な「資生堂 尿素10%クリーム」から試してみては?
副作用はあるけど、場合によっては使うのが◎
ご紹介したように、尿素クリームには誤った使い方をした場合に副作用が起こるというリスクはあります。ただし、逆を言えばそれだけ成分がよく働くということ。どんな効果的な薬でも使用する場合に全く副作用がない、ということはありません。これは尿素についても同じことが言えるのです。
尿素クリームは正しい使い方で、使うべき場所を間違えなければガサガサの乾燥肌を改善してくれます。肌の状態を見極めて、場合によっては尿素クリームを積極的に使用して肌荒れの改善を目指しましょう。