①むくみが全身或いは内臓に出る病気の色々:
鬱血性心不全、急性糸球体腎炎、肝硬変、ネフローゼ症候群、腎不全、低タンパク血症、悪性腫瘍、妊娠中毒症、甲状腺機能低下症、肺水腫、胸水貯留
②むくみが足に出る病気の色々:
下肢静脈瘤、リンパ浮腫、鬱血性心不全、急性糸球体腎炎、肝硬変、ネフローゼ症候群、腎不全、タンパク漏出胃腸症、低タンパク血症、エコノミークラス症候群
足のむくみは女性に多い。寝て起きて足のむくみが引いていれば生理的な心配のないむくみと言える。
片足だけが急に浮腫んできたら静脈に血栓ができて詰まる「エコノミークラス症候群」(深部静脈血栓症)の事があり、すぐに病院へ。血栓が肺に飛んで肺塞栓を起こすと息が出来なくなり生命にかかわる。
③顔が浮腫むとき:うつぶせで寝たり、塩分の取り過ぎ、水分の飲み過ぎで寝ると顔が浮腫む事がある。その他、急性腎炎、慢性腎不全、ネフローゼ症候群、心不全の時。
| 心不全 | 心筋梗塞、狭心症、心臓弁膜症、高血圧性心疾患、特発性心筋症などで誘発される。身体全体が必要とする酸素を心臓が十分送れなくなった状態。100万人の慢性心不全患者がいる。重症になると5年生存率は50%以下なので進行をくい止める 必要がある。ここ10年間で治療法が変わった。最初は動いたときに呼吸困難が起きる。特に、重いものを持って歩いた、重いものを持って階段を上る時に呼吸が困難になる、動悸、息切れが起きる。ポンプの力が弱いと心臓に血液が戻りにくくなって、顔や足の浮腫、肺に水がたまる、尿量減少、体重増加。運動負荷試験でどの程度動いて良いか決める。日常の注意は無理しない、塩分制限、水分の取りすぎに注意、頑張らない、きついときは休む。糖尿病、喫煙、高血圧、高脂血症を治療する。慢性心不全は進行性の病気で放置していると重症度が増すので治療が必要。むくみは全身に起きるときと下肢に起きるときがある。 |
| 心筋症 | 血液が十分に全身に行き渡らないので、動悸・息切れ・呼吸困難、咳が出る、全身や足にむくみが出る、唇や足のつま先が紫色になる。 |
| 肺性心 | 慢性閉塞性肺疾患、肺結核後遺症、肺線維症、肺血栓塞栓症、原発性肺高血圧症など原因となって、肺での血液の流れが悪くなり起きる。むくみは夕方に強くなり、呼吸困難の症状が出現する。寝ると咳が頻繁に出るが起き上がると楽になるような場合は医療機関を受診したが良い。 |
| 急性糸球体腎炎 | むくみの症状は特に顔面やまぶたに出る。先に、風邪や扁桃炎にかかって体内にナトリウムがたまって、尿量が減少していることが多い。他に、血圧の上昇、血尿(肉眼的血尿)が認められることがあるが、発病後2週間~1カ月で症状は消える事が多い。 |
| 慢性腎炎 | 腎機能が30%を切ると高血圧、浮腫、たんぱく尿や貧血が強く出てくるようになる。 |
| 腎不全 | 腎不全とは腎臓機能が低下した状態で、慢性腎不全と急性腎不全がある。慢性腎不全はほとんどのケースで慢性腎臓病(CKD)や糖尿病性腎炎から引き起こされる。呼吸困難や心不全などが出現する。尿毒症を防ぐため人工透析が必要となる。 |
| ネフローゼ症候群 | 蛋白尿、顔や足のむくみ、尿が出にくい、血圧の低下など。 |
| 糖尿病性腎症 | 下肢の浮腫、労作時の息切れ、胸苦しい |
| 肝硬変 | 血清の浸透圧が下ってしまい全身のむくみとお腹の張りが出る。肌の色が黒くなる、手のひらが赤みを帯びる。低蛋白血症になるとむくみが起きる。 |
| 下肢静脈瘤 | 患者数1000万人。50歳以上の半数は静脈瘤があり予備軍と言えるが、通常、直ぐに治療は必要ではなく、進行を防ぐために予防法を実践することが求められる。 原因:長時間の立ち仕事、遺伝、出産等。静脈の逆流防止弁が壊れて血流が逆流して足に溜まってしまうために起きる。 症状:静脈内にこぶ(静脈瘤)ができて静脈血が滞ったために起きる。主にふくらはぎに起きる。症状は足がつる(こむら返りが起きるのが危険信号)、片足だけ太くなる、血管がこぶのように浮き出る、だるさ、痛み、熱感、かゆみ、足が疲れるなどの症状が出現する。膝下内側が一番多く、立った状態で膝下の内側の血管が曲がりくねってくる。最初、血管が浮き出る→皮膚炎(色素沈着が起きる)→鬱血性潰瘍と進行する。 予防法: 1.足首をピョコピョコ運動を1時間に10回程度やる。 2.椅子に座って自転車を逆向きにこぐような、足全体を持ち上げる運動 3.寝転がって手足をぶらぶらさせるゴキブリ体操等が良い。 4.ふくらはぎを両手で包み心臓に向かってなでるように滑らすマッサージ 5.足を高くする 6.ストッキング 7.むくみ解消にはプールで2分半、ビート板を使って足だけで泳げばむくみは解消する。 体を水平にすると血液流れが良くなる。足の水分が血管に戻る。 8.顔がむくむ人は蒸しタオルを推奨。顔にしばらく乗せたあと、顔を手で触って なでてやると流れる。 治療法:50歳以上の50%は何らかの静脈瘤があり予備軍と言えるが、治療がすぐに必要と言うわけではない。2011年から保険適用となり自己負担3割なら片足5万円弱となり、ハードルが格段に下がったので、見た目が悪いだけで無く、かゆみ、浮腫、頻繁なこむら返りなどがある場合は我慢しないで受診するのも良い。 - ストッキングをする
- ストリッピング:足の二箇所にメスを入れ悪くなった静脈そのものを引き抜く。引き抜くときにかなり内出血する。術後の痛みが強く、出血や神経障害などの合併症が起こることがある。このため最近は高周波やレーザー手術が頻用される。
- エンドレーザー手術:手術料5万円程度。太さ1mm程度のレーザーファイバーを静脈の中に入れ、血管を焼いて塞いでしまう手術。体への負担が少ない。焼かれた静脈は血の固まりで塞がり血管としての機能を失う。手術によって血管が一つ無くなっても別の静脈に血液は流れるため問題はない。治療でむくみも解消する。傷は1cm、熟練者がやれば30分~40分程度で終わる。終了後自力で歩ける。この方法は痛みも少なく、傷も吸収されほとんど残らずに治療できる。
※実施医療機関の例:血管内レーザー焼灼術のホームページはこちら お茶の水血管外科クリニック(広川雅之院長) 住所/東京都千代田区神田駿河台2-1-4ヒルクレスト御茶ノ水5階 TEL/0120-36-4184 下肢静脈瘤の検査・手術費用(お茶の水血管外科クリニックの場合) 超音波検査(初診料+検査料)…約2500円 レーザー治療…約4万6000円 共に保険適用で3割負担の場合の料金。 東京血管外科クリニック 新宿血管外科クリニック エルベスレーザー(半導体・持続発光)は保険適用、クールタッチレーザー(Nd-YAG・パルス発光)は自費診療のため費用片足24万8千円+1か月後の診察料等を含め、3万円。それ以外の費用はかからない。 都庁前血管外科 国際医療福祉大学教授&山王メディカルセンター心血管病センター長重松宏氏が理事長&血管外科顧問 足の診療所(形成外科・皮膚科・整形外科)日本初、足の専門病院が表参道に誕生。 問い合わせ:03-6434-1082 下肢静脈瘤情報センタ 銀座七丁目クリニック(東京銀座静脈瘤センター) 慈恵医大血管外科教授大木隆生医師が統括顧問。 国際医療福祉大学三田病院 折口信人外科部長(血管外科)やさいたま市立病院血管外科 朝見淳規科長が著名。 |
| 深部静脈血栓症 | 深部静脈に血栓ができて、血栓で血管がふさがれると血流が滞り、血液中の水分が血管外に染み出すことになる。血栓がその後剥がれて飛ぶと肺に引っかかると動悸、呼吸困難が起きるので救急車で医療機関へ行かないと生死に関わることも。片足だけ急に浮腫んだような場合はこの病気を疑ったが良い。長時間同じ姿勢で動かないような人は特に注意したがよい。ラーメン屋さんとかお寿司屋さんは注意したが良い。 |
| 血栓静脈炎 | 片足に赤紫の腫れや痛みがあるとき |
| リンパ浮腫 | 子どもを産んだあとなどになりやすい。リンパ管の働きが悪くなったもの。他に、乳がん、子宮がんや卵巣がんでリンパ節を切除した後遺症で起きる。先天性、原因不明などもある。10万人の患者がいるとされる。超音波検査で確認。普通は圧迫療法が行われる。弾性ストッキングにより足を圧迫し水分等の吸収を促す。リンパドレナージ法で大幅にむくみが改善する事がある。(後藤学園付属リンパ浮腫研究所 加藤佳代子所長が良績) |
| T細胞リンパ腫 | セザリー症候群では皮膚のむくみ(浮腫)が起きることがある。 |
| 多発性骨髄腫 | M蛋白が腎臓に詰まって障害を起こすと、むくみなどの症状が現れる。 |
| 生活様式によるもの(立ちっぱなし、歩きすぎ) | 病気ではなくても、冷え、立ちっぱなし、座りっぱなしの姿勢を続けたり、歩きすぎたり、塩分、アルコールや水分を取りすぎると 生じやすい。 |
| 服用中の薬剤の副作用 | 血圧の薬の中で、ARBやβ遮断薬、ACE阻害薬などを服用した場合、頻度は少ないが浮腫が出ることがある。 |
| 妊娠中毒症 | 体重が増え、血圧が上がってむくみが出たらこの病気を疑う。 |
| 月経前緊張症 | 生理10日前に起きる。月経が始まると軽快する。頭痛、肩こり、吐き気などが起きる事もある。 |
| 更年期浮腫 | 更年期障害に伴ったむくみ |
| 特発性浮腫 | 中年女性に多い。検査で格別異常が出ない。ストレスは一因。 |
| 甲状腺機能低下症 | 言語や動作が緩慢となり、肌の乾燥がみられることがある。浮腫は手の他、眼のまわりや顔に出ることがある。指で押しても凹まないむくみが起きる。汗をかかない、寒がり。 |
| クインケ浮腫 | まぶたや口唇、舌などに見られるむくみ |
| 咽頭浮腫 | 声のかすれや息苦しさがある時。 |
| クッシング症候群 | 手足が細くなっても、お腹は太り、顔が浮腫んで赤ら顔になる。血液中や尿中のコルチゾールやACTHなどを測定して調べる。 |
| ビタミンB1欠乏症 | 脚気とウェルニッケ・コルサコフ症候群。全身倦怠感、動悸や手足の浮腫み。 |
| 薬剤の副作用 | 服用中の薬剤の副作用。血圧の薬などで起きることがある。 |
| 生活習慣によるもの | 正常の臓器機能を有するにもかかわらず生活の状況によって下腿浮腫が生じることがある。例えば、デスクワーク主体の仕事で、歩き回ることが少ない場合や長時間同じ姿勢で立ったり座ったりしている場合等に起きる。 |
| 加齢 | 静脈の加齢による変化があるとき浮腫が起きる。 |
| 低栄養(栄養不良) | 栄養状態が悪くなったり、肝機能の悪化等で血清アルブミンが極度に下がると浮腫が起きる。アルブミンは4.3g/dl以上が望ましく、3.8g/dl以下は「低栄養予備軍」で3.5g/dl以下は「低栄養」である。 |
| 塩分・水分の摂りすぎ | 塩分を摂りすぎると結果的に水を多く飲むことになる。血液の量が増えて、腎臓の処理能力を超えると、体内の水分を排出できなくなるためにむくみとなる。 |