医薬品情報


添付文書情報


販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分

禁忌

次の患者には投与しないこと

本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者

アタザナビル硫酸塩、リルピビリン塩酸塩を投与中の患者(「相互作用」の項参照)

効能・効果及び用法・用量

効能効果

<ネキシウムカプセル10mg>

胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、逆流性食道炎、非びらん性胃食道逆流症、Zollinger-Ellison症候群、非ステロイド性抗炎症薬投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制、低用量アスピリン投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制

下記におけるヘリコバクター・ピロリの除菌の補助

胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃MALTリンパ腫、特発性血小板減少性紫斑病、早期胃癌に対する内視鏡的治療後胃、ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎

<ネキシウムカプセル20mg>

胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、逆流性食道炎、Zollinger-Ellison症候群、非ステロイド性抗炎症薬投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制、低用量アスピリン投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制

下記におけるヘリコバクター・ピロリの除菌の補助

胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃MALTリンパ腫、特発性血小板減少性紫斑病、早期胃癌に対する内視鏡的治療後胃、ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎

効能効果に関連する使用上の注意

非ステロイド性抗炎症薬投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制の場合

関節リウマチ、変形性関節症等における疼痛管理等のために非ステロイド性抗炎症薬を長期継続投与している患者を投与対象とし、投与開始に際しては、胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の既往を確認すること。

低用量アスピリン投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制の場合

血栓・塞栓の形成抑制のために低用量のアスピリンを継続投与している患者を投与対象とし、投与開始に際しては、胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の既往を確認すること。

ヘリコバクター・ピロリの除菌の補助の場合

進行期胃MALTリンパ腫に対するヘリコバクター・ピロリ除菌治療の有効性は確立していない。

特発性血小板減少性紫斑病に対しては、ガイドライン等を参照し、ヘリコバクター・ピロリ除菌治療が適切と判断される症例にのみ除菌治療を行うこと。

早期胃癌に対する内視鏡的治療後胃以外には、ヘリコバクター・ピロリ除菌治療による胃癌の発症抑制に対する有効性は確立していない。

ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎に用いる際には、ヘリコバクター・ピロリが陽性であること及び内視鏡検査によりヘリコバクター・ピロリ感染胃炎であることを確認すること。

用法用量

<ネキシウムカプセル10mg>

胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、Zollinger-Ellison症候群

通常、成人にはエソメプラゾールとして1回20mgを1日1回経口投与する。なお、通常、胃潰瘍、吻合部潰瘍では8週間まで、十二指腸潰瘍では6週間までの投与とする。

逆流性食道炎

通常、成人にはエソメプラゾールとして1回20mgを1日1回経口投与する。なお、通常、8週間までの投与とする。
さらに再発・再燃を繰り返す逆流性食道炎の維持療法においては、1回10〜20mgを1日1回経口投与する。

非びらん性胃食道逆流症

通常、成人にはエソメプラゾールとして1回10mgを1日1回経口投与する。なお、通常、4週間までの投与とする。

非ステロイド性抗炎症薬投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制

通常、成人にはエソメプラゾールとして1回20mgを1日1回経口投与する。

低用量アスピリン投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制

通常、成人にはエソメプラゾールとして1回20mgを1日1回経口投与する。

ヘリコバクター・ピロリの除菌の補助

通常、成人にはエソメプラゾールとして1回20mg、アモキシシリン水和物として1回750mg(力価)及びクラリスロマイシンとして1回200mg(力価)の3剤を同時に1日2回、7日間経口投与する。なお、クラリスロマイシンは、必要に応じて適宜増量することができる。ただし、1回400mg(力価)1日2回を上限とする。

プロトンポンプインヒビター、アモキシシリン水和物及びクラリスロマイシンの3剤投与によるヘリコバクター・ピロリの除菌治療が不成功の場合は、これに代わる治療として、通常、成人にはエソメプラゾールとして1回20mg、アモキシシリン水和物として1回750mg(力価)及びメトロニダゾールとして1回250mgの3剤を同時に1日2回、7日間経口投与する。

<ネキシウムカプセル20mg>

胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、Zollinger-Ellison症候群

通常、成人にはエソメプラゾールとして1回20mgを1日1回経口投与する。なお、通常、胃潰瘍、吻合部潰瘍では8週間まで、十二指腸潰瘍では6週間までの投与とする。

逆流性食道炎

通常、成人にはエソメプラゾールとして1回20mgを1日1回経口投与する。なお、通常、8週間までの投与とする。
さらに再発・再燃を繰り返す逆流性食道炎の維持療法においては、1回10〜20mgを1日1回経口投与する。

非ステロイド性抗炎症薬投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制

通常、成人にはエソメプラゾールとして1回20mgを1日1回経口投与する。

低用量アスピリン投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制

通常、成人にはエソメプラゾールとして1回20mgを1日1回経口投与する。

ヘリコバクター・ピロリの除菌の補助

通常、成人にはエソメプラゾールとして1回20mg、アモキシシリン水和物として1回750mg(力価)及びクラリスロマイシンとして1回200mg(力価)の3剤を同時に1日2回、7日間経口投与する。なお、クラリスロマイシンは、必要に応じて適宜増量することができる。ただし、1回400mg(力価)1日2回を上限とする。

プロトンポンプインヒビター、アモキシシリン水和物及びクラリスロマイシンの3剤投与によるヘリコバクター・ピロリの除菌治療が不成功の場合は、これに代わる治療として、通常、成人にはエソメプラゾールとして1回20mg、アモキシシリン水和物として1回750mg(力価)及びメトロニダゾールとして1回250mgの3剤を同時に1日2回、7日間経口投与する。

使用上の注意

慎重投与

薬物過敏症の既往歴のある患者

肝障害のある患者[本剤は肝代謝型であり、血中濃度が高くなるおそれがある。](「薬物動態」の項参照)

高齢者(「高齢者への投与」の項参照)

重要な基本的注意

治療にあたっては、経過を十分に観察し、病状に応じ治療上必要最小限の使用にとどめること。また、血液像、肝機能、腎機能等に注意すること。

逆流性食道炎の維持療法については、再発・再燃を繰り返す患者に対し投与することとし、本来維持療法の必要のない患者に投与することのないよう留意すること。また、維持療法中は定期的に内視鏡検査を実施するなど観察を十分に行うことが望ましい。なお、次の事項に十分注意すること。

再発の既往歴、症状の程度等を考慮して維持療法の用量を選択すること。

寛解状態が良好に保たれていると判断された場合は休薬又は減量を考慮すること。

1日10mgの維持療法で再発が認められた場合は1日20mgで再治療を行うこと。ただし、1日20mgの維持療法で再発が認められた場合、あるいは予期せぬ体重減少、吐血、嚥下障害等の症状が認められた場合は、改めて内視鏡検査等を行い、その結果に基づいて他の適切な治療法に切り替えることを考慮すること。

定期的に血液像、肝機能、腎機能等の検査を行うことが望ましい。

非びらん性胃食道逆流症患者の治療を目的として本剤を投与する場合は、次の事項に十分注意すること。

投与に際しては問診により胸やけ、胃液逆流感等の酸逆流症状が繰り返し見られること(1週間あたり2日以上)を確認の上投与すること。なお、本剤の投与が胃癌、食道癌等の悪性腫瘍及び他の消化器疾患による症状を隠蔽することがあるので、内視鏡検査等によりこれらの疾患でないことを確認すること。

非びらん性胃食道逆流症の治療については、投与開始2週後を目安として効果を確認し、症状の改善傾向が認められない場合には、酸逆流以外の原因が考えられるため他の適切な治療への変更を考慮すること。

本剤をヘリコバクター・ピロリの除菌の補助に用いる際には、除菌治療に用いられる他の薬剤の添付文書に記載されている禁忌、慎重投与、重大な副作用等の使用上の注意を必ず確認すること。

相互作用序文

本剤は、主として肝代謝酵素CYP2C19及び一部CYP3A4で代謝される。
また、本剤の胃酸分泌抑制作用により、併用薬剤の吸収を上昇又は低下させることがある。

薬物代謝酵素用語

CYP2C19

薬物代謝酵素用語

CYP3A4

併用禁忌

アタザナビル硫酸塩
(レイアタッツ)
アタザナビル硫酸塩の作用を減弱するおそれがある。本剤の胃酸分泌抑制作用によりアタザナビル硫酸塩の溶解性が低下し、アタザナビルの血中濃度が低下することがある。
リルピビリン塩酸塩
(エジュラント)
リルピビリン塩酸塩の作用を減弱するおそれがある。本剤の胃酸分泌抑制作用によりリルピビリン塩酸塩の吸収が低下し、リルピビリンの血中濃度が低下することがある。

併用注意

ジアゼパム
フェニトイン
シロスタゾール
これらの薬剤の作用を増強することがある。本剤は主に肝臓のチトクロームP450系薬物代謝酵素CYP2C19で代謝されるため、本剤と同じ代謝酵素で代謝される薬物の代謝、排泄を遅延させるおそれがある。(「薬物動態」の項参照)
ワルファリン抗凝血作用を増強し、出血に至るおそれがある。プロトロンビン時間国際標準比(INR)値等の血液凝固能の変動に十分注意しながら投与すること。本剤は主に肝臓のチトクロームP450系薬物代謝酵素CYP2C19で代謝されるため、本剤と同じ代謝酵素で代謝される薬物の代謝、排泄を遅延させるおそれがある。(「薬物動態」の項参照)
タクロリムス水和物タクロリムスの血中濃度が上昇することがある。相互作用の機序は不明である。
ジゴキシン
メチルジゴキシン
これらの薬剤の作用を増強することがある。本剤の胃酸分泌抑制作用によりジゴキシンの加水分解が抑制され、ジゴキシンの血中濃度が上昇することがある。
イトラコナゾールイトラコナゾールの作用を減弱することがある。本剤の胃酸分泌抑制作用によりイトラコナゾールの溶解性が低下し、イトラコナゾールの血中濃度が低下することがある。
チロシンキナーゼ阻害剤
ゲフィチニブ
ニロチニブ
エルロチニブ
これらの薬剤の血中濃度が低下することがある。本剤の胃酸分泌抑制作用によりこれらの薬剤の溶解性が低下し、吸収が低下することがある。
ボリコナゾール本剤のCmax及びAUCが増加するおそれがある。ボリコナゾールは本剤の代謝酵素(CYP2C19及びCYP3A4)を阻害することが考えられる。
ネルフィナビルメシル酸塩ネルフィナビルの血中濃度が低下するおそれがある。相互作用の機序は不明である。
サキナビルメシル酸塩サキナビルの血中濃度が上昇するおそれがある。相互作用の機序は不明である。
セイヨウオトギリソウ(St.John's Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品本剤の代謝が促進され血中濃度が低下するおそれがある。セイヨウオトギリソウが本剤の代謝酵素(CYP2C19及びCYP3A4)を誘導することが考えられる。
メトトレキサートメトトレキサートの血中濃度が上昇することがある。高用量のメトトレキサートを投与する場合は、一時的に本剤の投与を中止することを考慮すること。相互作用の機序は不明である。

副作用

副作用発現状況の概要

逆流性食道炎、非ステロイド性抗炎症薬投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制

総症例数756例中87例(11.5%)の副作用が報告されている。
主な副作用は、下痢7例(0.93%)、CK(CPK)上昇7例(0.93%)、肝機能異常5例(0.66%)、ALT(GPT)上昇4例(0.53%)等であった。(承認時)

胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、非びらん性胃食道逆流症、Zollinger-Ellison症候群ならびに胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃MALTリンパ腫、特発性血小板減少性紫斑病、早期胃癌に対する内視鏡的治療後胃、ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎におけるヘリコバクター・ピロリの除菌の補助

国内において臨床試験等の副作用発現頻度が明確となる試験を実施していない。(承認時)

低用量アスピリン投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制

アジア共同第III相比較試験(日本人患者を含む)で総症例数214例中31例(14.5%)の副作用が報告されている。主な副作用は、下痢2例(0.9%)、びらん性胃炎2例(0.9%)、腹部膨満2例(0.9%)、胃ポリープ2例(0.9%)、貧血2例(0.9%)等であった。(効能・効果追加承認時)

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用

ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)

ショック、アナフィラキシー(血管浮腫、気管支痙攣等)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

汎血球減少症、無顆粒球症(いずれも頻度不明)、血小板減少(1%未満)

汎血球減少症、無顆粒球症、血小板減少があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

劇症肝炎、肝機能障害、黄疸、肝不全(いずれも頻度不明)

劇症肝炎、肝機能障害、黄疸、肝不全があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(いずれも頻度不明)

中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

間質性肺炎(頻度不明)

間質性肺炎があらわれることがあるので、咳嗽、呼吸困難、発熱、肺音の異常(捻髪音)等が認められた場合には、速やかに胸部X線、胸部CT等の検査を実施すること。間質性肺炎が疑われた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。

間質性腎炎(頻度不明)

間質性腎炎があらわれることがあるので、腎機能検査値(BUN、クレアチニン等)に注意し、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

横紋筋融解症(頻度不明)

横紋筋融解症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇等があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。

低ナトリウム血症(頻度不明)

低ナトリウム血症があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

錯乱状態(頻度不明)

錯乱、激越、攻撃性、幻覚等があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

重大な副作用 (類薬)

類薬(オメプラゾール)で以下の副作用が報告されている。

溶血性貧血

溶血性貧血があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

視力障害

視力障害があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

急性腎不全

急性腎不全があらわれることがあるので、腎機能検査値(BUN、クレアチニン等)に注意し、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

その他の副作用

 1〜5%未満1%未満頻度不明
過敏症 発疹、皮膚炎、そう痒症、蕁麻疹光線過敏、多形紅斑
消化器 腹痛、下痢、嘔吐、便秘、口内炎、カンジダ症、口渇鼓腸、悪心、顕微鏡的大腸炎(collagenous colitis、lymphocytic colitis)
肝臓肝酵素上昇  
血液 白血球数減少 
精神神経系 頭痛、錯感覚、傾眠、浮動性めまい不眠症、うつ病
その他 CK(CPK)上昇、回転性めまい、女性化乳房、味覚障害脱毛症、関節痛、筋痛、霧視、倦怠感、多汗症、筋力低下、低マグネシウム血症、末梢性浮腫
 5%以上1〜5%未満1%未満
過敏症注1) 発疹 
消化器下痢・軟便(19.9%)、味覚異常(7.8%)口内炎、腹痛、食道炎、腹部膨満感便秘、舌炎、悪心、口渇、十二指腸炎
肝臓注2)  肝機能異常、AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、Al-P上昇、ビリルビン上昇、LDH上昇
血液注2)  好酸球数増多、血小板数減少、貧血、白血球数増多、白血球分画異常
精神神経系  頭痛、しびれ感、めまい、睡眠障害
その他  尿蛋白陽性、尿酸上昇、総コレステロール上昇、QT延長、発熱、倦怠感、カンジダ症、尿糖陽性、動悸、霧視
注1)このような症状があらわれた場合には投与を中止すること。注2)観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

高齢者への投与

本剤は、主として肝臓で代謝されるが、高齢者では肝機能、その他生理機能が低下していることが多いので、低用量から投与を開始するなど慎重に投与すること。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊婦等

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。]

授乳婦

授乳中の婦人への投与は避けることが望ましいが、やむを得ず投与する場合は、授乳を避けさせること。[本剤のラセミ体であるオメプラゾールでの動物実験(ラット経口5mg/kg)で、母乳中へ移行することが報告されている。]

小児等への投与

小児等に対する安全性は確立していない(国内での使用経験がない)。

過量投与

徴候、症状

エソメプラゾールの過量投与(280mg)により、脱力、軟便、悪心等が報告されている。

処置

症状に応じて適切な処置を行うこと。

適用上の注意

薬剤交付時

PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]

その他の注意

ラットに本剤のラセミ体であるオメプラゾール1.7mg/kg以上を2年間経口投与した毒性試験で、胃にカルチノイドの発生がみられたとの報告がある。このカルチノイドの発生にはラットに種特異性が認められている。

本剤の長期投与中に良性の胃ポリープを認めたとの報告がある。

本剤の投与が、胃癌による症状を隠蔽することがあるので、悪性でないことを確認して投与すること。

非びらん性胃食道逆流症の治療において、食道内酸逆流の高リスクであると考えられる中高齢者、裂孔ヘルニアを合併する患者のいずれにも該当しない場合には本剤の治療効果が得られにくい可能性がある。

海外における複数の観察研究で、プロトンポンプインヒビターによる治療において骨粗鬆症に伴う股関節骨折、手関節骨折、脊椎骨折のリスク増加が報告されている。特に、高用量及び長期間(1年以上)の治療を受けた患者で、骨折のリスクが増加した。

海外における主に入院患者を対象とした複数の観察研究で、プロトンポンプインヒビターを投与した患者においてクロストリジウム・ディフィシルによる胃腸感染のリスク増加が報告されている。

ヘリコバクター・ピロリの除菌判定上の注意

エソメプラゾール等のプロトンポンプインヒビターやアモキシシリン水和物、クラリスロマイシン等の抗生物質及びメトロニダゾールの服用中や投与終了直後では、13C-尿素呼気試験の判定が偽陰性になる可能性があるため、13C-尿素呼気試験による除菌判定を行う場合には、これらの薬剤の投与終了後4週以降の時点で実施することが望ましい。

ラットに類薬であるランソプラゾール(50mg/kg/日)、アモキシシリン水和物(500mg/kg/日)及びクラリスロマイシン(160mg/kg/日)を併用投与した試験で、母動物での毒性の増強とともに胎児の発育抑制の増強が認められている。

薬物動態

血漿中濃度

単回投与

健康成人男性被験者(n=24、CYP2C19のhomo EM、hetero EM及びPMが同数)にエソメプラゾール10mg及び20mgを空腹時に単回経口投与したときの未変化体の薬物動態パラメータは以下のとおりである[1]

投与量Cmax(ng/mL)Tmax(hr)AUC(ng・hr/mL)T1/2(hr)
10mg245.2
(186.5-328.1)
2.50
(1.00-5.00)
552.6a)
(369.6-822.1)
1.05a)
(0.85-1.31)
20mg490.5
(369.6-645.9)
2.75
(0.75-6.00)
1115.6
(801.3-1557.8)
1.08
(0.91-1.26)
Tmaxは中央値(最小値−最大値)、それ以外は幾何平均(95%信頼区間)、a) n=23

反復投与

健康成人男性被験者(n=24、CYP2C19のhomo EM、hetero EM及びPMが同数)にエソメプラゾール10mg及び20mgを1日1回5日間反復経口投与したときの第5日目(空腹時投与)の未変化体の薬物動態パラメータは以下のとおりである[1]

投与量Cmax(ng/mL)Tmax(hr)AUC(ng・hr/mL)T1/2(hr)
10mg376.5
(283.2-497.4)
1.75
(1.00-5.00)
822.1a)
(556.1-1219.3)
1.16a)
(0.94-1.43)
20mg884.2
(670.1-1167.5)
2.25
(1.00-4.00)
2068.9
(1485.2-2880.6)
1.25
(1.06-1.46)
Tmaxは中央値(最小値−最大値)、それ以外は幾何平均(95%信頼区間)、a) n=23

投与3日目及び5日目のCmaxは同程度であったことから、反復投与開始後3日には血漿中エソメプラゾール濃度は定常状態に到達したと考えられた。投与5日目の投与後12時間における血漿中エソメプラゾール濃度はほぼ検出限界以下に低下し、1日1回反復投与しても累積は認められなかった[1]

代謝

in vitro肝代謝試験の結果から、ヒドロキシ体、5-O-脱メチル体の生成にはCYP2C19、スルホン体の生成にはCYP3A4が関与し、これら3種の代謝物への代謝クリアランスは同程度であると報告されている[2]。エソメプラゾールのin vitro肝代謝において、ヒドロキシ体及び5-O-脱メチル体の生成に関与するCYP2C19の寄与率(代謝固有クリアランス:CLint)は73%であった[2]。外国人のデータでは、健康成人に14C標識エソメプラゾールを単回経口投与したとき、血漿中の主代謝物はスルホン体及びヒドロキシ体であった[3]

排泄

外国人のデータでは、14C標識エソメプラゾールを単回経口投与したとき、投与放射能の約95%が48時間までに尿中及び糞中に排泄され、尿中排泄量と糞便中排泄量の比は約4対1であった[3]

高齢者

外国人のデータでは、エソメプラゾールを健康高齢被験者に1日1回5日間反復経口投与したとき、投与5日目のAUC及びCmaxは非高齢の症候性胃食道逆流症患者よりも高い傾向を示し、幾何平均の比(健康高齢/非高齢患者)は各々1.25(95%信頼区間:0.94-1.67)、1.18(同:0.91-1.52)であった[4]

肝機能障害患者

外国人のデータでは、エソメプラゾールを肝機能障害患者に1日1回5日間反復経口投与したとき、AUCτは、肝機能低下のない症候性胃食道逆流症患者に比べ、重度の肝機能障害患者では約2.3倍高く、軽度〜中程度の肝機能障害患者でもその比は1.4〜1.8であった[5]

相互作用

発現系CYP2C19及びヒト肝ミクロソームを用いるin vitro試験において本薬はCYP2C19の活性を阻害した(Ki値:7.9及び8.6μM)が、CYP2A6、CYP1A2、CYP2D6、CYP2E1、CYP2C9及びCYP3A4の活性については阻害しないかわずかな阻害作用を示した[6][7]
外国人のデータでは、ジアゼパム、フェニトイン又はワルファリン(R-ワルファリン)(以上、CYP2C19の基質)と本剤の併用により、ジアゼパム、フェニトインのAUCはそれぞれ81%、13%増大し、R-ワルファリンの血漿中トラフ濃度は13%上昇した[8]。エソメプラゾールとクラリスロマイシン及びアモキシシリン水和物の併用により、クラリスロマイシン及びアモキシシリン水和物の血漿中濃度に影響しなかったが、クラリスロマイシンの14位水酸化代謝物のAUCτは増大した。また、エソメプラゾールのAUCτは非併用時の約2倍に増大した[8]。キニジン[8]、ナプロキセン[9]、ロキソプロフェンナトリウム[10]、アスピリン[11]と本剤の併用では相互作用は認められなかった。

血漿蛋白結合

エソメプラゾール(添加濃度:2又は20μmol/L)のヒト血漿蛋白結合率(in vitro)は97%であった[3]

臨床成績

逆流性食道炎

逆流性食道炎を対象とした二重盲検比較試験では、オメプラゾール20mg、エソメプラゾール20mg又は40mgが1日1回最大8週間投与され、投与8週時のそれぞれの治癒率[95%信頼区間]は87.4%(166/190例)[81.9%、91.4%]、87.3%(165/189例)[81.8%、91.3%]及び90.0%(171/190例)[84.9%、93.5%]であり、オメプラゾール20mgに対する本剤20mg及び40mgの非劣性が認められている[12]
また、逆流性食道炎の治癒患者を対象とした二重盲検比較試験において、オメプラゾール10mgと比較したエソメプラゾール10mg及び20mgの1日1回24週間投与時における逆流性食道炎の再発抑制効果が認められている[13]

 エソメプラゾール20mg(188例)エソメプラゾール10mg(188例)オメプラゾール10mg(187例)
再発例数14例22例31例
投与24週後の非再発率a)
[95%信頼区間]
92.0%
[88.0〜96.0%]
87.5%
[82.7〜92.4%]
82.7%
[77.2〜88.3%]
ハザード比
[95%信頼区間]
0.62[0.32〜1.21]
(エソメプラゾール20mg群vsエソメプラゾール10mg群)
0.43[0.23〜0.80]
(エソメプラゾール20mg群vsオメプラゾール10mg群)
p値b)p=0.158
(エソメプラゾール20mg群vsエソメプラゾール10mg群)
p=0.007
(エソメプラゾール20mg群vsオメプラゾール10mg群)
a)Kaplan-Meier法による推定b)Log-rank検定、有意水準 両側5%、Hochbergの方法による検定の多重性の調整

Kaplan-Meier法による逆流性食道炎の非再発率

非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制

消化性潰瘍の既往を有するNSAID継続服用患者を対象とした二重盲検比較試験においてエソメプラゾール20mgの1日1回24週間投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制効果が認められている[14]

 エソメプラゾール20mg(173例)プラセボ(168例)
発症例数6例56例
投与24週間後の非発症率a)
[95%信頼区間]
96.0%
[92.8〜99.1%]
64.4%
[56.8〜71.9%]
ハザード比
[95%信頼区間]
0.09[0.04〜0.20]
p値b)p<0.001
a)Kaplan-Meier法による推定b)Log-rank検定、有意水準 両側5%

Kaplan-Meier法による胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の非発症率

また、消化性潰瘍の既往を有するNSAID継続服用患者を対象としたエソメプラゾール20mgの1日1回52週間投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の非発症率は以下のとおりである[15]

投与群52週後非発症率(Kaplan-Meier法)
エソメプラゾール20mg群(130例)95.9%

低用量アスピリン投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制

消化性潰瘍の既往を有する低用量アスピリン(81〜324mg)継続服用患者を対象としたアジア共同第III相比較試験(日本人患者含む)の中間解析における結果において、エソメプラゾール20mgの1日1回48週間投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制効果が認められている。さらに、中間解析以降、本薬群の被験者のみ投与が継続され、エソメプラゾール20mgを1日1回最長72週間投与時において、投与72週後の非発症率は96.4%であった。なお、本試験においては本薬群、プラセボ群ともに全例ゲファルナートを併用していた[16]

 エソメプラゾール20mg(182例)プラセボ(182例)
発症例数2例22例
投与48週間後の非発症率a)
[96.65%信頼区間]
98.3%
[95.7〜100%]
81.2%
[72.7〜89.7%]
ハザード比
[96.65%信頼区間]
0.09[0.02〜0.41]
p値b)p<0.001
a)Kaplan-Meier法による推定b)Log-rank検定、有意水準 両側3.35%

Kaplan-Meier法による胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の非発症率(中間解析における結果)

薬効薬理

ヒトでの作用

胃内pHに及ぼす影響

健康成人において、エソメプラゾール10mg、20mg及び40mg投与により24時間中に胃内pHが4以上を示す時間の割合は、それぞれ48±23%、62±14%及び68±8%であった[17]

非臨床試験

プロトンポンプ阻害作用

ウサギ胃粘膜由来のプロトンポンプ(H+,K+-ATPase)に対して阻害作用を示した[18]

胃酸分泌抑制作用

単離ウサギ胃底腺における胃酸産生に対して抑制作用を示した[19]

胃瘻ラット及びHeidenhain Pouchイヌにおいて、刺激薬に惹起された胃酸分泌に対して抑制作用を示した[20][21]

本剤の有効成分であるエソメプラゾールは、ラセミ体であるオメプラゾールの一方の光学異性体(S体)である。

作用機序

胃壁細胞の細胞膜上に存在する受容体へ各種酸分泌刺激物質が結合することにより、胃壁細胞内において一連の胃酸分泌反応がおきる。この反応の最終過程では、胃壁細胞内からH+を放出し、代わりにK+を取り込むプロトンポンプと呼ばれる酵素が働いている。エソメプラゾールは、このプロトンポンプの働きを阻害することによって、胃酸分泌を抑制する。

有効成分に関する理化学的知見

一般名エソメプラゾールマグネシウム水和物
一般名(欧名)Esomeprazole Magnesium Hydrate
化学名Bis{5-methoxy-2-[(S)-(4-methoxy-3,5-dimethylpyridin-2-yl)methanesulfinyl]-1H-benzimidazol-1-yl}monomagnesium trihydrate
分子式C34H36N6O6S2Mg・3H2O
分子量767.17
融点約170℃
性状エソメプラゾールマグネシウム水和物は白色〜ごくうすい灰色又はごくうすい黄色の粉末である。
KEGG DRUG

包装

ネキシウムカプセル10mg

[PTP]

100カプセル(10カプセル×10)

140カプセル(14カプセル×10)

500カプセル(10カプセル×50)

700カプセル(14カプセル×50)

[バラ]

500カプセル

ネキシウムカプセル20mg

[PTP]

100カプセル(10カプセル×10)

140カプセル(14カプセル×10)

500カプセル(10カプセル×50)

700カプセル(14カプセル×50)

[バラ]

500カプセル


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社内資料(単離ウサギ胃底腺における作用),  (1997)
社内資料(胃瘻ラットにおける作用),  (2002)
社内資料(Heidenhain Pouchイヌにおける作用),  (2002)

作業情報


改訂履歴

2015年1月 改訂
2016年2月 第9版 改訂

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大阪市北区大深町3番1号

販売元
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