プレスリリース
報道関係各位
ノバルティス ファーマ株式会社
この資料は、ノバルティス(スイス・バーゼル)が2016年6月10日(現地時間)に発表したものを日本語に翻訳(要約)したもので、参考資料として提供するものです。資料の内容および解釈については英語が優先されます。英語版は http://www.novartis.com をご参照ください。
EXTEND試験における「レボレード®」の長期安全性データは第III相試験(RAISE試験)の結果と一致
特発性血小板減少性紫斑病(ITP)は稀少かつ重篤化する恐れのある血液疾患で、内出血、出血を特徴とし、症例によっては重篤な出血に至る可能性3
ノバルティスは、血液腫瘍領域における豊富な経験を活かし、ITPなどの重篤な血液疾患に苦しむ患者さんの治療の発展に注力
2016年6月10日、スイス・バーゼル発 -ノバルティスは、慢性特発性血小板減少性紫斑病の成人患者さんに対する「レボレード®」の長期安全性を確認する大規模な試験のデータを発表しました。このデータにおける「レボレード」の曝露期間は最長6年(中央値2.4年)です。また、この試験では「レボレード」が脾臓を摘出していない(脾臓非摘出)成人患者さんだけでなく、脾臓を摘出した(脾臓摘出)成人患者さんの血小板数の増加および維持に有効であることが示されました4。本試験の最終結果およびサブ解析の結果は、デンマーク、コペンハーゲンで開催された第21回欧州血液学会議(European Hematology Association, EHA)で発表されました。
ITPは、血小板数の減少により血液が凝固しなくなるという、稀少かつ重篤化する可能性のある血液疾患です。ITPの患者さんには内出血、出血が認められ、場合によっては命に係わる重篤な出血が認められる場合があります。またこの疾患は、疲労やうつ、出血の恐れなどにより日々の生活を制限されることから、患者さんの生活の質に影響を与える場合もあります3。
ノバルティス オンコロジー事業部グローバル開発およびメディカルアフェアーズ責任者であるアレッサンドロ・リバ(Alessandro Riva)は次のように述べています。「慢性疾患を抱える患者さんは、長年にわたって治療を継続する可能性が高いため、治療薬の長期服用、特に安全性に関するデータが重要です。EXTEND試験は、こうした種類の試験で最大規模のものであり、『レボレード』が慢性ITPの成人患者さんにとって長期間使用できる信頼性の高い治療薬であることを裏付けるものです」
EXTEND試験で見られた「レボレード」の安全性プロファイルは、24週間投与の第III相RAISE試験で確認されたものと一致しました。「レボレード」を長期間使用した場合でも、臨床的に問題となる骨髄レチクリンまたはコラーゲン繊維の増生は認められませんでした。有害事象で最も多かったのは、頭痛(28%)、鼻咽頭炎(25%)、上気道感染(23%)、および疲労(17%)でした。
EXTEND試験の有効性の結果は、「レボレード」投与2週間で血小板数の中央値が50×10g/L 以上に上昇し、その後4年以上50×10g/L超を維持したことを示しています。投与開始以降、全体の出血頻度は減少し、本試験の6年間以上の期間に認められた出血の大部分は、世界保健機関の出血スケールのグレード1でした。さらに、患者さんの91.4%(276/302)が救済治療を受けることなく血小板数が30×10g/L 以上に達し、85.8%(259/302)が救済治療なく血小板数が50×10g/L 以上に達しました。
EXTEND試験について
「レボレード」の4つの試験(ピボタル試験を含む)の継続投与試験であるEXTEND試験(非盲検試験)では、過去にITPの治療を受けたことのある慢性ITPの成人患者さん302名を登録した最大規模の試験です。本試験の目的は、「レボレード」による治療中に血小板数が一定の値以上に達した患者さんの割合、「レボレード」による治療中に血小板数が50×10g/L以上または30×10g/L以上に上昇した期間の最大値、血小板数を50×10g/L以上に維持しながらITP治療の併用薬を減量、あるいは使用を中止した場合の「レボレード」の影響等、「レボレード」の長期投与した場合の安全性および有効性を評価することです 。
「レボレード」の開始用量は50 mg/日で、血小板数に基づき25-75 mg/日の範囲で調整しました。ITP治療の併用薬を最小限にし、「レボレード」の投与量を最適化した後、維持用量で投与を継続しました。曝露期間全体の中央値は2.4年(2日~8.8年)、1日当たりの平均投与量は50.2(1~75)mg/日でした。135名の患者さん(45%)が本試験を完了し、75名(25%)の患者さんが4年以上治療を受けました。患者さんの大部分は65歳未満の女性でベースラインの血小板数は15×10g/L超でした。患者さんの約3分の1がベースライン時に併用薬を使用し、53%が過去にITPの前治療を3種類以上受けていました。
グレード3およびグレード4の有害事象の発現率はそれぞれ26%、6%でした。グレード3の白内障が4名(1%)、グレード3の四肢痛が6名(2%)の患者さんに認められました。グレード3の有害事象のうち頭痛、片頭痛、呼吸困難、血小板数減少、月経過多が各3名(1%未満)の患者さんに認められ、肺炎、疲労、背部痛、アラニンアミノトランスフェラーゼ増加、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加、貧血、高血圧が各5名(2%)の患者さんに認められました。グレード4の貧血および血小板減少症がそれぞれ3名(1%未満)および4名(1%)の患者さんに認められ、他のグレード4の有害事象はすべて1名ずつの患者さんに認められました。
脾摘患者および非脾摘患者のサブ解析
EXTEND試験のサブ解析において脾臓を摘出した患者さんおよび脾臓を摘出していない患者さんを対象に、「レボレード」の長期投与の安全性および有効性を比較しました4。
本試験に参加した302名の成人患者さんのうち、脾臓摘出群115名(38%)と脾臓非摘出群187名(62%)のベースライン特性はほぼ類似していましたが、ITP治療薬の投与を受けていた患者さん(47% vs 25%)、臨床的に重大な出血の既往がある患者さん(23% vs 13%)の数は脾臓摘出群の方が多く見られました。いずれの群も半数以上の患者さんが「レボレード」の投与を24カ月以上受けていました。「レボレード」による治療後、有効率(救済治療なく血小板数が50×10g/L 以上に達した患者さんの割合)は、脾臓非摘出群の方が若干高くなりました。全体として、出血イベントの発現率は脾臓摘出群の方が一部高かったものの、大部分の発現率が同程度でした。脾臓摘出群および脾臓非摘出群のそれぞれ4%以上に認められた有害事象は、口腔出血(4% および 1%)、鼻出血(14% および 6%)、点状出血(8% および 2%)、斑状出血(2% および 4%)、挫傷(3% および 4%)、血尿(2% および 4%)でした。
脾臓摘出群および脾臓非摘出群の患者さんのうち、併用薬の中止またはベースラインからの減量が可能であった患者さんの割合は同程度で、いずれも13%が併用薬の減量/中止を試み、11~12%が少なくとも1つの併用薬を中止しました4。
慢性血小板減少症(ITP)について
ITPの患者さんは、皮膚に紫色の内出血、または赤色あるいは紫色の小さい点が認められることが多くあります。また、鼻血、歯科治療時の歯肉からの出血、止血が困難な出血が認められる場合もあります。多くの場合、患者さんの免疫システムが自身の血小板を攻撃して破壊する自己免疫反応がITPの原因であると考えられています3。
ITPは、期間によって新規、持続性(3~12カ月)、慢性(12カ月超)に分類されます。慢性ITPは成人に多く発症し、患者数は女性の方が男性より2~3倍多いです。
慢性ITPの治療の目標は、出血のリスクを低減しうる一定の値以上の血小板数で維持することです。治療は、症状の重症度によって決定します。多くの場合、成人患者さんの出血および内出血を管理するため、血小板に対する免疫システムによる攻撃を抑制する薬剤を処方します。
「レボレード®」(一般名:エルトロンボパグ)について
「レボレード」は全世界100カ国以上で、その他の治療法に対して十分な効果が得られない、あるいは忍容性に問題のある血小板減少症の成人患者さんにおける血小板減少症の治療を適応として承認されています。エルトロンボパグ(米国では「Promacta®」として販売)は欧州および米国において、他の治療薬に対して効果不十分であった1歳以上の慢性ITP患者さんの治療薬としても承認されています。「レボレード」は45カ国で他の治療に対して効果が得られなかった重症再生不良貧血(SAA)の患者さんの治療薬として、また50カ国以上でインターフェロン療法を開始及び継続できるよう、C型慢性肝炎の患者さんの血小板減少症の治療薬として承認されています。日本では「レボレード」の製品名で、慢性特発性血小板減少性紫斑病の治療薬として、2010年10月27日に製造販売承認を取得しています。なお、「レボレード」は、2015年3月のグラクソ・スミスクライン社のがん領域事業の移管により、ノバルティス ファーマに譲渡されました。
「レボレード®」の重要な安全性情報
「レボレード」は、肝機能障害、血小板数高値および血栓形成のリスクの上昇、投与中止後の出血、および骨髄の障害といった重篤な有害事象を引き起こす可能性があります。
「レボレード」は肝機能障害に伴う重篤あるいは致死的な疾患を引き起こすことがあります。レボレードの投与開始前および投与中は肝機能をチェックするために、血液検査を行う必要があります。C型肝炎ウイルス(HCV)感染による血小板減少症の治療のために「レボレード」を使用する場合、抗ウイルス薬との併用により一部の肝機能障害が悪化するおそれがあります。
医師は血液検査やその他必要な検査の指示を行い、場合によっては「レボレード」による治療を中止する必要があります。患者さんは次のような肝機能障害の徴候や症状が少しでもあれば、すぐに医師に報告してください。皮膚や目の白い部分が黄色くなる(黄疸)、尿の色が異常に濃くなる、異常な疲労感、胃の右上領域の痛みなど。
患者さんは「レボレード」による治療中に血小板数が高くなり過ぎると、血栓を生じる可能性が高くなりますが、血小板数が正常または低値である場合でも血栓は発生することがあります。肝硬変の患者さんにおいては肝臓に血液を供給する血管内での血栓リスクがあります。患者さんは、例えば肺まで移動するまたは心臓麻痺や脳卒中を引き起こすような血栓の形成から重篤な合併症を発現することがあります。医師は患者さんの血小板数をチェックし、血小板数が高くなり過ぎる場合は「レボレード」の用量変更または投与を中止します。患者さんは足に血栓の徴候や症状、例えば片足の腫れや疼痛/圧痛などを生じた場合、すぐに医師に報告してください。
慢性ITP患者さんが「レボレード」の服用を中止する場合、血小板数が低下して「レボレード」の服用開始前に戻ります。このような作用は患者さんによる「レボレード」の服用中止から4週間以内に生じる可能性が最も高く、血小板数の低下は出血リスクを増大することがあります。医師は患者さんによる「レボレード」の服用中止後少なくとも4週間は血小板数をチェックします。患者さんは「レボレード」の服用中止後に何らかの出血斑や出血がある場合、医師または薬剤師に報告してください。
この疾患のために治療を受けている患者さんは骨髄に問題が生じることがあります。「レボレード」のような薬剤はこの問題を悪化させるおそれがあります。骨髄中の変化の徴候は血液検査値異常として表れることがあります。医師は「レボレード」による治療期間中に骨髄を直接チェックする検査も行うことができます。
「レボレード」を慢性ITPの成人患者さんに使用した場合に最も多く認められた副作用は、頭痛、貧血、食欲減退、不眠症、咳、悪心、下痢、脱毛症、そう痒症、筋肉痛、発熱、疲労、インフルエンザ様疾患、無力症、悪寒、末梢性浮腫でした。
「レボレード」を慢性ITP患者の小児患者さんに投与した場合に最も多く認められた副作用は、上気道感染、鼻咽頭炎、咳、下痢、発熱、鼻炎、腹痛、口腔咽頭痛、歯痛、発疹、AST増加および鼻漏でした。
「レボレード」をC型慢性肝炎の患者さんに抗ウイルス薬と併用した場合に最も多く認められた副作用は、頭痛、貧血、食欲減退、不眠症、咳、悪心、下痢、脱毛症、そう痒症、筋肉痛、発熱、疲労、インフルエンザ様疾患、無力症、悪寒および末梢性浮腫でした。
「レボレード」を重症再生不良貧血(SAA)の患者さんに使用した場合に最も多く認められた副作用は、頭痛、浮動性めまい、不眠症、咳、呼吸困難、口腔咽頭痛、鼻漏、悪心、下痢、腹部痛、トランスアミナーゼ上昇、斑状出血、関節痛、筋痙縮、四肢痛、疲労、発熱性好中球減少症、発熱でした。血液検査で示された副作用で多く認められたのは、肝酵素上昇、骨髄細胞の異常な変化を示す可能性のある臨床検査異常でした。
「レボレード」(エルトロンボパグ)の製品概要(SPC)のEU向けサマリー全文、EU Summary of Product Characteristicをご参照ください。
免責事項
本リリースには、現時点における将来の予想と期待が含まれています。したがって、その内容に関して、また、将来の結果については、不確実な要素や予見できないリスクなどにより、現在の予想と異なる場合があることをご了解ください。なお、詳細につきましては、ノバルティスが米国証券取引委員会に届けておりますForm20-Fをご参照ください。
ノバルティスについて
ノバルティスは、ヘルスケアにおける世界的リーダーです。革新的な新薬、アイケア(眼科用医療機器、コンタクトレンズなど)、高品質かつ安価なジェネリック医薬品など、幅広い分野の製品を提供しています。ノバルティス グループ全体の2015年の売上高は494億米ドル、研究開発費は89億米ドル(減損・償却費用を除くと87億米ドル)でした。スイス・バーゼル市に本拠を置くノバルティスは約118,000人の社員を擁しており、世界180カ国以上で製品が使われています。詳細はホームページをご覧ください。http://www.novartis.com
参考文献
- Bussel, et al. Final Safety and Efficacy Results from the EXTEND Study: Treatment with Eltrombopag (EPAG) in Adults with Chronic Immune Thrombocytopenia (cITP). 2016 Congress of the European Hematology Association (EHA). Copenhagen, Denmark.
- Novartis Data on File.
- Wong, et al. Safety and Efficacy of Eltrombopag in Splenectomized and Nonsplenectomized Patients with Immune Thrombocytopenia: Results from the EXTEND Study. 2016 Congress of the European Hematology Association (EHA). Copenhagen, Denmark.
- Brynes RK, Orazi A, Theodore D, Burgess P, Bailey CK, Thein MM, Bakshi KK. Evaluation of bone marrow reticulin in patients with chronic immunethrombocytopenia treated with eltrombopag: Data from the EXTEND study. Am J Hematol. 2015 Jul;90(7):598-601. doi: 10.1002/ajh.24011. PubMed PMID: 25801698.
- Rodeghiero F, Stasi R, Gernsheimer T, et al. Standardization of terminology, definitions and outcome criteria in immune thrombocytopenic purpura of adults and children: report from an international working group. Blood. 2009;113(11):2386-2393.
- Provan D, Stasi R, Newland AC, et al. International consensus report on the investigation and management of primary immune thrombocytopenia. Blood. 2010;115(2):168-186.
- Cines DB, Blanchette VS. Immune thrombocytopenic purpura. N Engl J Med. 2002;346(13):995-1008.
以上