生命科学関連特許情報
| タイトル: | 特許公報(B2)_皮膚外用剤 |
| 出願番号: | 2005116481 |
| 年次: | 2010 |
| IPC分類: | A61K 31/19,A61K 8/362,A61K 8/365,A61K 31/194,A61P 17/16,A61Q 19/02 |
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高岡 洋五 JP 4454529 特許公報(B2) 20100212 2005116481 20050414 皮膚外用剤 高岡 洋五 592159977 間宮 武雄 100088948 高岡 洋五 JP 2004119726 20040415 20100421 A61K 31/19 20060101AFI20100401BHJP A61K 8/362 20060101ALI20100401BHJP A61K 8/365 20060101ALI20100401BHJP A61K 31/194 20060101ALI20100401BHJP A61P 17/16 20060101ALI20100401BHJP A61Q 19/02 20060101ALI20100401BHJP JPA61K31/19A61K8/362A61K8/365A61K31/194A61P17/16A61Q19/02 A61K 31/19 A61K 8/362 A61K 8/365 A61K 31/194 CA/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN) JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamII) 特開平09−301818(JP,A) 特開平03−236320(JP,A) 特開2001−019873(JP,A) Journal of Cosmetic Science,1998年,49(3),pp.200-202 Journal of Cosmetic Science,1998年,49(6),pp.361-367 Cosmetics & Toiletries,2001年,116(1),pp.53-59 1 2005325105 20051124 7 20060209 清野 千秋 この発明は、皮膚に塗布してメラニンの生成を阻害し表皮での色素沈着を防止する皮膚外用剤に関する。 年齢を重ねるのに伴って、あるいは紫外線などの影響によって皮膚に発生するシミやソバカスなどは、メラニン色素の異常沈着が原因となって起こる。この色素沈着は、表皮の最下層である基底層中のメラノサイトにおいて、紫外線によって細胞中で生合成されるチロシナーゼ(酸化酵素)によりチロシンが酸化してドーパが生成され、活性酸素によりドーパが酸化してドーパキノンに変化し、さらにドーパキノンが酸化して茶褐色のメラニンが生成され、生成されたメラニンが体外へ排出されないで表皮内で増加することによって起こるとされている。したがって、メラニンの色素沈着を防ぐためには、皮膚の表面で紫外線を吸収して色素細胞への影響を抑え、チロシナーゼの酵素活性を阻害し、活性酸素の働きを抑制し、皮膚の新陳代謝を促進して生成メラニンの排泄を増進させ、また、茶褐色のメラニンから無色の還元メラニンへの還元作用を促進させる、といったことを行えばよいことになる。これらの観点から、様々なタイプの色素沈着防止剤が開発され市販されている。また、L−アスコルビン酸(ビタミンC)およびその塩または誘導体、システインおよびその誘導体、ハイドロキノンおよびその誘導体、ヒノキチオールおよびその誘導体、胎盤抽出物、植物や藻類からの各種抽出物など、種々の作用をなす有効成分を適切に配合した皮膚外用剤についても、多くの提案がなされている(例えば、特許文献1参照。)。特開2003−267823号公報(第3−6頁) ところで、この種の皮膚外用剤には、メラニンの生成を阻害したり生成したメラニンを還元しまた体外へ排出したりする効能を有しているほか、有効成分の有効量を皮膚に塗布しても刺激などを全く生じない高い安全性を有していること、有効成分が熱や光等により酸化して不活性化する、といったことが起こらない安定性を有していること、好ましくない臭いや着色のないことなどが求められる。 この発明は、上記したような観点から、優れたメラニン生成阻害能を有し、高い安全性および安定性を保持し、好ましくない臭いや着色もない皮膚外用剤を提供することを目的としてなされたものである。 請求項1に係る発明は、皮膚に塗布してメラニンの生成を阻害する皮膚外用剤において、メラニン生成阻害剤として乳酸とコハク酸を含有し、前記乳酸の含有量が全量に対して4.5重量%未満であり、前記コハク酸の含有量が全量に対して3.0重量%未満であることを特徴とする。 請求項1に係る発明の皮膚外用剤は、乳酸とコハク酸が含有されていることにより、優れたメラニン生成阻害能を有し、さらに、乳酸とコハク酸との相乗効果により、乳酸単独またはコハク酸単独で含有される場合に比べて、より高いメラニン生成阻害能を示し、この皮膚外用剤を使用すると、表皮での色素沈着を防止することができる。そして、乳酸およびコハク酸の含有量が適当であれば、この皮膚外用剤を皮膚に塗布しても、刺激などを全く生じることがなく、安全であり、また、皮膚外用剤中の乳酸成分およびコハク酸成分は、熱や光等に対して安定している。また、乳酸は、無色(ないしは僅かに黄色を帯び)、無臭(ないしは不快でない酸臭)であり、コハク酸も、無色(ないしは白色)、無臭であるので、皮膚外用剤には、好ましくない臭いや着色もない。 以下、この発明の最良の実施形態について説明する。 この発明に係る皮膚外用剤は、メラニン生成阻害剤として乳酸とコハク酸を含有し、乳酸およびコハク酸を親水軟膏、含水軟膏、精製水、各種溶液などの基剤中に混合して調製され、軟膏、ローション、美容液、クリーム、ゲルなどの形態とされる。この皮膚外用剤は、乳酸とコハク酸が含有されていることにより、優れたメラニン生成阻害能を有し、さらに、乳酸とコハク酸との相乗効果により、乳酸単独またはコハク酸単独で含有される場合に比べて、より高いメラニン生成阻害能を示し、この皮膚外用剤を使用すると、表皮での色素沈着を有効に防止することができる。そして、上記したように、乳酸を単独で4.5重量%だけ配合しても、チロシナーゼ阻害率はほぼ100%となり、また、コハク酸を単独で3.0重量%だけ配合しても、チロシナーゼ阻害率はほぼ100%となるので、例えば、乳酸の含有量は、外用剤全量に対して4.5重量%未満とし、コハク酸の含有量は、外用剤全量に対して3.0重量%未満とすればよい。乳酸およびコハク酸のそれぞれの濃度をこのような濃度とすれば、皮膚外用剤を皮膚に塗布しても、刺激などを全く生じることがなく安全である。また、上記したように、皮膚外用剤中の乳酸成分およびコハク酸成分はいずれも、熱や光等に対して安定しているので、この皮膚外用剤は安定性を有し、好ましくない臭いや着色もない。 乳酸およびコハク酸のそれぞれについて、その含有割合を種々に変化させてチロシナーゼ阻害効果を調べた。[溶液の調製] 試料溶液の調製は、次のようにして行った。5gの乳酸(ナカライテスク社製、試薬特級)をマッキルベイン(McIlvaine)緩衝液(0.1mol/lクエン酸溶液と0.2mol/lリン酸二ナトリウム溶液とを混合してpH6.8に調整した溶液。0.1mol/lクエン酸溶液は、クエン酸(1水和物)(和光純薬工業株式会社製、試薬特級)を精製水に溶解させて調製し、2mol/lリン酸二ナトリウム溶液は、リン酸二ナトリウム(12水和物)(和光純薬工業株式会社製、試薬特級)を精製水に溶解させて調製した。比重≒1.0)に溶解して50mlの溶液とし、10w/v%の乳酸溶液(A液)を調製し、A液をマッキルベイン緩衝液(pH6.8)により段階的に希釈して、試料溶液I〜VIIを調製した。また、10gのコハク酸(ナカライテスク社製、試薬特級)をマッキルベイン緩衝液(pH6.8)に加温溶解して100mlの溶液とし、10w/v%のコハク酸溶液(B液)を調製し、B液をマッキルベイン緩衝液(pH6.8)により段階的に希釈して、試料溶液VIII〜XIIを調製した。さらに、A液およびB液を種々の割合に混合しマッキルベイン緩衝液(pH6.8)により適宜希釈して、試料溶液XIII〜XVIを調製した。 試料溶液I:乳酸1.0w/v%溶解液 試料溶液II:乳酸2.0w/v%溶解液 試料溶液III:乳酸3.0w/v%溶解液 試料溶液IV:乳酸3.5w/v%溶解液 試料溶液V:乳酸4.0w/v%溶解液 試料溶液VI:乳酸4.5w/v%溶解液 試料溶液VII:乳酸5.0w/v%溶解液 試料溶液VIII:コハク酸1.0w/v%溶解液 試料溶液IX:コハク酸2.0w/v%溶解液 試料溶液X:コハク酸3.0w/v%溶解液 試料溶液XI:コハク酸4.0w/v%溶解液 試料溶液XII:コハク酸5.0w/v%溶解液 試料溶液XIII:乳酸3.0w/v%・コハク酸1.0w/v%溶解液 試料溶液XIV:乳酸3.0w/v%・コハク酸2.0w/v%溶解液 試料溶液XV:乳酸3.0w/v%・コハク酸3.0w/v%溶解液 試料溶液XVI:乳酸3.0w/v%・コハク酸4.0w/v%溶解液 また、0.1gのL−チロシン(和光純薬工業株式会社製)をマッキルベイン緩衝液(pH6.8)250mlに溶解させて、0.04w/v%チロシン溶液を調製した。さらに、チロシナーゼ(シグマ(Sigma)社製)25,000unitsを0.9%塩化ナトリウム溶液5.5mlに溶解させて、チロシナーゼ溶液を調製した。[チロシナーゼ阻害作用試験] 0.04%チロシン溶液、マッキルベイン緩衝液(pH6.8)および試料溶液をそれぞれ1mlずつ分取して混合し、混合溶液を3ml容吸収セルに注入して、35℃の温度で数分間放置した後、吸収セルに0.02mlのチロシナーゼ溶液を添加して溶液を混合し、波長475nmにおける吸光度の増加を10分間、経時的に測定した。測定結果において、吸光度の増加が直線的となる部分における単位時間(1分間)当たりの吸光度の増加をaとした。また、対照として、試料溶液の代わりに精製水を用いて同様に操作し、そのときの単位時間当たりの吸光度の増加をbとした。そして、チロシナーゼ阻害率を、チロシナーゼ阻害率(%)=〔(b−a)/b〕×100の式より算出した(ポメランツ(Pomerantz)の方法)。 試料溶液I〜VIIについてのチロシナーゼ阻害率の算出結果を図1に示し、試料溶液VIII〜XIIについてのチロシナーゼ阻害率の算出結果を図2に示し、試料溶液XIII〜XVIについてのチロシナーゼ阻害率の算出結果を図3に示す。なお、図3に示したグラフ中には、試料溶液VIII〜XIについてのチロシナーゼ阻害率を二点鎖線で併せて示している。 図1に示した結果から、乳酸の含有量が4.5w/v%以上であれば、溶液は十分なチロシナーゼ阻害作用を示すことが分かる。また、コハク酸の含有量が3.0w/v%以上であれば、溶液は十分なチロシナーゼ阻害作用を示すことが分かる。 また、乳酸が3.0w/v%含有されているときは、コハク酸の含有量が1.0w/v%であっても、溶液は十分なチロシナーゼ阻害作用を示すことが分かる。そして、乳酸だけが3.0w/v%含有されているときのチロシナーゼ阻害率が45%であり、コハク酸だけが1.0w/v%含有されているときのチロシナーゼ阻害率が26%であることからみると、乳酸とコハク酸の両方が含有されているときには相乗効果が認められる。[皮膚外用剤の調製およびメラニン生成抑制効果の確認試験(1)] 3.0gの乳酸と1.0gのコハク酸とを親水軟膏(丸石製薬株式会社製)に添加して全量を100gとして、皮膚外用剤を調製した。親水軟膏の組成は、100gの軟膏中に白色ワセリン:25g、ステアリルアルコール:20g、プロピレングリコール:12g、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60:4g、モノステアリン酸グリセリン:1g、パラオキシ安息香酸メチル:0.1g、パラオキシ安息香酸プロピル:0.1gがそれぞれ含有され、残余分が精製水である。 上記のようにして調製された皮膚外用剤を、色素沈着の見られる人の沈着部位に塗布したところ、2ヶ月後にはくすみが消失した。この結果より、この皮膚外用剤には、チロシナーゼ活性を阻害してメラニン生成を抑制する効果のあることが確認された。[皮膚外用剤の調製およびメラニン生成抑制効果の確認試験(2)] 表皮基底細胞膜上にDOPA(+)メラノサイトを平均400個/mm2有する有色モルモット(雌、8週齢、体重500g前後)を3匹用意し、それぞれ背部被毛を除毛した後、2.5cm×2.5cmエリアの紫外線照射部位を左右に2個所設定した。設定された紫外線照射部位にUVB領域の紫外線(東芝製FC20SEランプを使用、λmax=305nm)を、瞬間照射強度1.0mW、照射時間120秒(照射エネルギ量:0.12J/cm2)の条件で、1日に1回、合計10回照射した。これにより、均一な痂皮形成を示さない色素沈着を得た。試験は、最終の紫外線照射時から7日間経過した後に行った。 上記と同様の方法により、3.0gの乳酸と1.0gのコハク酸とを親水軟膏(丸石製薬株式会社製)に添加して全量を100gとして、皮膚外用剤を調製した。 最終の紫外線照射時から8日目より、上記のようにして調製された皮膚外用剤を右側の色素沈着部位に1日に1回、約100mgずつ塗布し、この塗布操作を18日間継続して行った。なお、左側の色素沈着部位には皮膚外用剤を塗布しないで、これを対照部位とした。そして、塗布操作を18日間継続して行った後に、色彩色度計(ミノルタ製CR−330)を使用して、左・右両部における皮膚色明度を測定した。 肉眼による所見では、試験に供した3匹のモルモットの全てにおいて、皮膚外用剤を塗布した部位で色素沈着の回復効果が認められた。この回復効果は、市販されている美白化粧品や1.0%アスコルビン酸含有親水軟膏による回復効果と同等であった。また、対照部位と比較した皮膚外用剤の塗布部位における皮膚色の明度(L値)の上昇値を調べたところ、塗布部位は対照部位に対して0.85〜2.85の上昇(皮膚の明るさが増すことを意味する)が認められた。乳酸を含有する試料溶液のチロシナーゼ阻害率を示すグラフ図である。コハク酸を含有する試料溶液のチロシナーゼ阻害率を示すグラフ図である。乳酸およびコハク酸を含有する試料溶液のチロシナーゼ阻害率を示すグラフ図である。メラニン生成阻害剤として乳酸とコハク酸を含有し、前記乳酸の含有量が全量に対して4.5重量%未満であり、前記コハク酸の含有量が全量に対して3.0重量%未満であることを特徴とする皮膚外用剤。