赤ちゃんに出来た水いぼは治療できる?病院での治療とホームケア
保育園や幼稚園に通い始めると、さまざまな感染症にかかってしまうリスクが高まります。その度に免疫力がアップしていくと言われても、我が子が病気になってしまうのは心配なものです。
保育園や幼稚園、小学校などでプールの時間が始まる夏に流行り始めるのが【水いぼ】は、心配するほど深刻な病気ではありませんが、原因ウイルスの力が弱いために身体が免疫獲得するまでに約半年から1、2年かかり、その間身体にポツポツが出たりを繰り返すのでちょっと厄介な病気です。
免疫力がまだ十分でない赤ちゃんや、小さな子供に感染する確率が高い「水いぼ」。どのようにして治療していけばよいのでしょうか?
今回のテーマは、【水いぼの治療法】です。病院ではどのような治療を受けることができるのか、また自宅でのケアはどのようにすれば良いのかを確認していきましょう。
赤ちゃんや乳幼児でも水いぼの治療はできる?
どんなに気を付けていても、水いぼに感染→発症してしまうのは、珍しいことではありません。
水いぼは感染から発症までに、2週間から6ヶ月という比較的長い潜伏期間があるので、自分でも気が付かないうちに発症していることがほとんどです。
痒みや痛みなどの症状もあまり見られないため、知らぬ間に水いぼが出来て、無意識のうちに掻きむしり、体全体に広がっているというケースも少なくないのです。
水いぼができた場合は、ひどくならないうちに医師に診察・治療をしてもらうのが一番です。さて次の項目では、病院で水いぼの治療をしてもらう際に、どのような方法があるのかを確認していきましょう。
通常の水いぼ治療
水いぼで受診をすると様子見の医師は多いですが、中にはもちろん治療をしてくれる医師もいます。
水いぼの数が10個程度と少ない場合は広範囲に広がる前に取り去れば殲滅が可能ですが、水いぼの数があまりに多くなってからでは1つ1つ治療していくのは限界があります。その度に多少の痛みを伴ったり、にじむ程度とは言え出血したりするので、赤ちゃんや乳幼児に取っては苦痛となります。
水いぼは早期に治療すべき深刻な病気でもないですし、時間はかかるとはいえ免疫もつけば自然とかからなくなる病気ですので、嫌がる赤ちゃんへの強制的な治療はしばしば疑問視されています。(※1)
治療法1.ピンセットで除去する
薬を使用せずピンセットでひとつひとつ水いぼのウィルスの塊を摘み取るという方法は一般的な水いぼの治療法です。つまみ出すときに若干の痛みが伴い、処置後に血が滲むい程度の出血が起こることはあります。
ピンセットでの治療法は、水いぼの数が少なく感染拡大を予防できるときに適しているといえるでしょう。
●あとは残る?
水いぼの治療は自分で行うとあとが残ることもあります。
筆者は現在4歳の息子が水いぼにかかったとき、何の躊躇もなくピンセットでの処置を試してしまいました。ピンセットで水いぼを除去した跡が残ってしまう可能性を知ってからは治療を控えましたが、息子に跡が残らず安堵したものです。
絶対に跡が残らないという保障がない以上、病院で処置してもらいたいところです。
治療法2.硝酸銀で除去する
広範囲に広がっていて、比較的水いぼが小さいときには、「硝酸銀」と呼ばれる薬での除去が効果的です。硝酸銀とはタンパク質を変性させてウイルスの活動を抑える薬で、水いぼの先にチョンチョンと少し塗っていくだけで処置は終わりです。
どうやらこの薬を塗ると、染みるというよりは少しずつ痒みが出てくるようで、掻きむしりたくなる気持ちと10分ほど格闘することになるため、小さな子は気分を逸らして上げる必要があります。
しばらくすると薬を塗る前には水いぼの中心にあった白い芯のようなウィルスの塊が黒くなりますが、この黒い芯は2週間から1ヶ月もするとポロッと取れてきます。
ただし、硝酸塩での消毒は水いぼの中でも比較的サイズが小さな水いぼには効果がある方法なのですが、大きな水いぼにはあまり効果が見られないとも言われています。
また、硝酸銀は水いぼ以外についてしまうと肌がただれてしまう可能性があるため、治療中じっとしていることが難しい赤ちゃんにはオススメ出来る治療方法ではありません。治療の間きちんと座っていられる年齢になるまでは、硝酸銀を塗るという治療法は難しいかもしれませんね。
治療法3.液体窒素で除去する
イボ治療のように液体窒素を水いぼにつけて患部を急激に冷やし、低温やけど状態を起こす治療方法もあります。液体窒素で皮膚表面の組織が壊死させていぼを消滅させます。
液体窒素での治療法は患部にピリピリとした痛みを感じますし、赤ちゃんや小さい子の場合は大泣きしてしまう可能性があります。また1回だけでは症状が改善されないときは、数回にわたって治療をおこなう必要もあるため、何度も病院へ連れていかなければいけないのも正直大変ですよね。
こちらの方法も、赤ちゃんには荒治療のようです。
水いぼの治療は赤ちゃんや乳幼児には向かない
ぽつぽつひとつひとつに対処していく水いぼ治療は、いずれも赤ちゃんや乳幼児には我慢ができるものではありません。
水いぼは免疫獲得には時間がかかるとはいえ特別騒ぎ立てるような感染症ではありませんので、赤ちゃんや乳幼児が水いぼになったときには「免疫獲得を待つ」という手段を取ります。
自然治癒を待つ医師は多い
病気には薬を使用しなければ治らないものと、薬を使わなくても人間本来に備わった力で自然治癒するものがあります。水いぼは、どちらかと言えば自然治癒が見込める病気とされています。
平均すると数か月で自然治癒していきますが、中には掻きむしることによって全身に広がって長期的に治らない場合も出てきます。ですが、いつかは必ず自然治癒するのが水いぼです。
医師はむやみに薬を使用して治すのではなく、基本的に自然治癒を見越して、治療方針を考えていく場合がほとんどです。中には時間がかかっても治るものだと、何も治療をしないで様子見の医師も少なくありません。けれども、水いぼの数が少なく今後の感染拡大を予防したい場合や、スイミングスクールに通っているので出来るだけ早く水いぼを完治させたい場合などは、自然に治るのを待つのではなく、何らかの処置を施す場合が多いようです。
母としての筆者の本音
0歳と4歳の現役ママの筆者の本音としては、身体にボツボツが出ている状態だと子供も気にして掻きむしってしまうので、何もしないで様子見なのはちょっとつらいものがあり、何か処置をしてほしいというのが正直なところです。
現状を何とかしてほしいという気持ちで病院を受診して医師を頼るのに、「少し様子を見ましょう」と言われることもしばしば。
「家では何に気をつけてあげたらよいですか?」「痒がるのですがかゆみ止めは必要ありませんか?」などといった親の疑問や心配に対し、ベストな対処法を探ってくれる医師を訪ねることも大切だと思います。
漢方を処方してもらう手もある
「ヨクイニン」という漢方の成分が、いぼ取りに効果があると言われています。漢方薬は身体への負担も少なく毎日飲み続けることができるものなので、ぜひ上手に活用していきたいところですが独特の香りが強いため、赤ちゃんや小さな子供に漢方薬を服用させるのは大変です。
赤ちゃんに漢方を使うときはペースト状にして口の内側に貼りつけ、そのあと母乳や水分補給をしてあげるなどの工夫で内服させられます。ちなみに薬とは言えどさほどの即効性はなく、水いぼ自体も免疫力がつけば自然に治癒するものなので、無理をさせてなくても良いかもしれません。
ちなみに、比較的に安心して使える漢方薬とは言え薬は薬です。赤ちゃんに使う場合は、病院を受診して適量処方してもらうのが良いでしょう。
家庭で出来る水いぼホームケア
ここまでは、病院で受けることができる水いぼの治療法についてお話しましたが、家庭でも水いぼをケアしていくことができます。病院での治療だけではなく家庭での毎日のケアの方法もご紹介してまいります。
ホームケア1.イソジンで消毒する
イソジン消毒液に含まれている「ポビドンヨード」という成分には、ウィルスを死滅させる殺菌効果があるので、水いぼの患部の消毒に適しています。
病院で水いぼの治療を施したあとに、ホームケア用にイソジンが処方されることもあります。
水いぼの中心部分の白い塊が取れた部分は皮膚表面が破けて雑菌が入りやすくなってしまうので、綿棒でさっとイソジンを塗って消毒してあげましょう。
ホームケア2.保湿をしてあげる
水いぼの原因ウイルスは感染力が弱いため、皮膚の健康状態が良好であれば感染し難い病気です。
夏の日焼けや冬の空気の乾燥、肌が何らかのダメージを受けドライスキン気味になっているなどすると、免疫獲得前の赤ちゃんや子供は何度も水いぼを繰り返してしまうこともあります。
水いぼになったということは、肌の状態があまり良好ではなかったと考えられますので消毒のあとやお風呂上りには保湿をしっかりしてあげることも大切です。
ホームケア3.ハトムギ茶を飲ませる
先のセクションでご紹介した漢方「ヨクイニン」は、ハトムギ茶にも含まれています。離乳に入った赤ちゃんや小さな子供には、お茶代わりにハトムギ茶を飲ませるという方法もあります。
漢方薬としてのヨクイニンよりも濃度の薄いお茶ですから、すぐに効果が期待できるわけではありませんが、夏に水いぼが出来てお困りなら試しに飲ませてみても良いのではないでしょうか?
ハトムギ茶はカフェインを含んでいないので、その点は赤ちゃんでも安心。
漢方よりもお金がかからないですし、麦茶のように子供たちもゴクゴク飲むことができるので水分補給をしながら水いぼをケアしていけますね。
保育園に通う赤ちゃんにも移る!水いぼは予防も大切
「水いぼ」と聞くと、幼児や小学校低学年児がかかってしまうイメージがありますが、例え赤ちゃんであっても、保育園に通っているのであれば感染する可能性はあります。
赤ちゃん自身は保育園に通っていなくても、園に通う兄弟がいれば感染する確率は高まります。
水いぼの感染経路を知る
水いぼに感染する確率を低くする、つまり水いぼを予防するためには、水いぼの感染経路を知っておく必要があります。さて、水いぼはどのようにして感染していくのでしょうか?
水いぼの原因はどこにでもいるウイルス
水いぼの原因は「伝染性軟属腫ウイルス(ポックスウイルス)」でどこにでもいるありふれたウイルスです。感染力は弱く、また感染してもさして深刻な影響をもたらさないために免疫システムが「こいつ悪い奴だな!」と認識し免疫を獲得するまでに時間がかかります。
免疫が確立されるとかかりにくくはなりますが、水いぼの免疫力を持たない赤ちゃんや乳幼児の多い保育園や幼稚園などでは感染が広がってしまう傾向にあります。
- 水いぼの原因・赤ちゃんにもうつる?効果的な対策は?
水いぼの原因はどこにでもいるウイルスで保育園に通う赤ちゃんやお兄ちゃんお姉ちゃんがいる場合は気になる感染症の一つ。水いぼはどうしてうつるのか、原因や感染経路、感染してしまったときの予防対策を探ります。
接触感染で拡大していく
水いぼは、基本的に肌と肌とが接触することによってウィルスに感染する・・・つまり、「接触感染」で感染拡大していきます。
赤ちゃんや小さな子供は、お友達同士で肌を寄せ合って遊ぶことに何の抵抗もなく、肌の露出が多い夏には、子供同士肌をくっつけて遊ぶことが多いために感染が拡大しやすいようです。
また、直接人から人ではなく物を介してウイルスに感染してしまうこともあります。脱落した水いぼは遊具等についていたなら、瞬く間に広がってしまうでしょう。
保育園でも園内や遊具の消毒はしていても、水いぼの原因ウイルス(ポックスウイルス科伝染性軟属腫ウイルス)は、どこにでもいるありふれたウイルスであるために、消毒での対応には限界はあります。
ただし、肌が健康なら水いぼは感染できない!
どこにでもいる水いぼのウイルスですが、ポックスウイルス科の伝染性軟属腫ウイルスは感染者と肌の接触をしたならば必ず感染に至るほどの感染力は持ちません。
ウィルスに接触した肌の状態がすこぶる良好であれば、ウィルスは感染にこぎつけられず水いぼは発症しません。
夏に水いぼが多いのは、肌と肌の接触が多いことに加え、プールの塩素や紫外線によって皮膚がダメージを受け肌のバリア機能が弱っていることも大きな原因なのです。
水いぼにかからないためには、常に健康な皮膚の状態をキープすることが大切です。特に日焼けや肌の感想が気になる季節には毎日のスキンケアを怠らずに、水いぼのウィルスに感染しても発症しないようにしておくことも大切です。(※2)
水いぼ治癒は基本的には治癒を待つスタイル
水いぼは防ぎきれない病気ですが脅威になるようなものではなく、免疫力が付いたなら発症もしなくなります。感染しても初期の段階であれば水いぼ治療で原因ウイルスを駆逐することも可能ですが、数が増えてしまえば、基本的には日々ケアをしながら治癒を待つスタイルとなるでしょう。
ですが、水いぼ感染者と接触しても全員が水いぼを発症するわけではありません。ウィルスを跳ね返してしまうような免疫力の強い肌を目指していきたいものですね。