最近、自分やお子様の皮膚の赤み・かゆみが気になり「蕁麻疹なのでは?」と悩んでいる方、蕁麻疹の症状を知りたいという方は多いのではないでしょうか。
一般的に知られている蕁麻疹ですが、正しい判断をするためには蕁麻疹の正確な症状・原因を知る必要があります。今回の記事では、蕁麻疹の症状を写真つきで解説するとともに、原因から対策までお話しします。
結果、蕁麻疹だと判断できた場合でも、治療のためにあなたが取るべき行動がすぐに分かる内容になっていますので、ぜひ参考にしてください。
蕁麻疹の代表的な症状
ここでは蕁麻疹の代表的な症状についてお話ししますが、まず蕁麻疹の症状が起こるしくみを簡単にご説明します。
蕁麻疹の症状が起こる仕組み
病原菌などの外敵が体内に侵入した際には、それらを駆除しようとして肥満細胞が活性化します。
肥満細胞が活性化すると、ヒスタミンなどの化学伝達物質を放出し、リンパ球などの兵隊を大量に送りこむために、外敵が侵入した部分の血管を太くし、その血管にドアを形成(血管透過性の亢進※こうしん)します。
血管が太くなるので、血液の赤色が強くなり、ドアから大量の物質が流れこむため膨れ上がります。たとえるなら戦場の焼け野原のようになり、赤く腫れ、熱や、痒みや、痛みといった症状が現れます。
蕁麻疹は刺激を肥満細胞が誤認することで起こる
蕁麻疹とは、食事、運動、物理的刺激、精神的ストレスなどの刺激を肥満細胞が誤って外敵だと認識することが原因で起こります。肥満細胞が、外敵もいないのに、ヒスタミンなどの化学伝達物質を放出し、兵隊が送りこまれて皮膚が「焼け野原」の状態になるわけです。
蕁麻疹の症状と事例
症状としては、人に害を起こす外敵が実際にはいないので、ごく軽度の炎症と同等であり、蚊に刺されて蚊の唾液が体内に侵入したのとほとんど同じ状態となります。
つまり、赤い少し厚みのある、痒みの強い皮疹が出現します。これを医学用語で膨疹といいます。
膨疹の参考写真
※参照:http://blog.goo.ne.jp/hashimoto-clinic
ただし、蚊に刺された場合は刺された部分だけが反応を起こすのに対し、蕁麻疹は体の中からの反応なので、体のあちこちにできたり、蚊に刺さたような皮疹、いわゆる膨疹(ぼうしん)が複数できて、互いに合体している(癒合)ように見えます。
癒合した膨疹の参考写真
※参照:http://www.e-skin.net/dd_ur.htm
※参照:http://www.hiro-derma.com/jinnmasin.html
蕁麻疹は実際に外敵がいるわけではないので、基本的には刺激が除去されれば、数分から数時間以内に膨疹は消失します。大きい膨疹では、中心から腫れがおさまり、まるで円を描いたような赤い皮疹を残すことがありますが、時間経過とともに改善します。
蕁麻疹の治りかけ状態の参考写真
※参照:http://www.n-hifu.com/urticaria.html
蕁麻疹の症状は年齢によって変わるのか
蕁麻疹の症状は、年齢および原因に関係なく、基本的に症状は同じです。一部コリン性蕁麻疹、アドレナリン性蕁麻疹は上記の膨疹に加え、少し特徴的な皮疹がでるのでのちほど画像を含め詳しく説明します。
また蕁麻疹の原因となる刺激は、実はほとんどの場合わからないことが多く、蕁麻疹の約70%が原因不明の蕁麻疹である特発性蕁麻疹にあたります。子供の場合はまだ免疫が成熟していないので、食べ物や、風邪などがきっかけで蕁麻疹を発症することが多くみられます。
一部、肝臓が悪いと蕁麻疹になるとの見方もありますが、肝臓癌の末期で重度の肝不全になっている人が全員蕁麻疹が出るわけではないので否定的な意見が主流となっています。筆者も同じ見解を持っています。
原因別・蕁麻疹の症状を解説
さきほどお伝えしたとおり、蕁麻疹のうち約7割は原因が特定できない特発性蕁麻疹と言われています。
のちほど詳しく説明しますが、蕁麻疹の原因の主なものは、サバや卵を代表とする食品や、薬品、空気中に飛散する花粉・粉塵、ダニ、羽毛、日光、外的刺激、ときにはストレスなどの精神的負荷など多岐に渡ります。これらは単一で起こる場合もあれば、複合的に起こることもあるのでより原因の特定が難しくなっています。
例えば、軽度のさばアレルギーがある人が、普段元気な時にはさばを食べてもなにも起こらないのに、重要な仕事の前で緊張下に置かれているときや、旅行先で疲れているときなどにさばを食べると蕁麻疹が出るケースがあります。ストレスor疲労+さばという特殊な状況下で蕁麻疹が出ているので、原因の特定がかなり困難になります。
少し風邪気味だけど、解熱剤を飲んで仕事に行き、小麦の入ったパンを昼に食べて営業に行ったら蕁麻疹が出たケースだと、風邪の感染(花粉症かも?)+解熱剤+小麦+運動+風邪気味になるようなストレス(+もしかしたら営業先のダニや粉塵かも?)となり、正直なところ原因の正確な特定は不可能に近いといえます。
しかし、中には原因が特定されている蕁麻疹もあり、兆候を理解することで自分の場合の原因も判断できることがあります。
以下に原因不明の特発性蕁麻疹から原因が特定されている蕁麻疹までを網羅的に解説しましたので、どれに当てはまるかの参考にご覧ください。自分が当てはまるものが発見できたら、すべてを読む必要はありません。蕁麻疹と判断できた場合の対策・治療から次章へ進んでください。
また、癌や妊娠と蕁麻疹との関係は少し誤解されている場合が多いので個別にお話ししますね。
原因の判別がむずかしい特発性蕁麻疹
蕁麻疹の症状は特徴的なので、診断自体は難しくないのですが、原因の特定はかなり難しく、約7割程度の蕁麻疹が原因不明の特発性蕁麻疹と診断されます。
多くは膨疹が数十分から数時間以内に消失しますが、まれに2-3日持続する場合もあります。特発性蕁麻疹のうち、膨疹が毎日のように出現し、その期間が1ヶ月でおさまるものを、急性蕁麻疹といい、1ヶ月以上持続するものを慢性蕁麻疹とよびます。
急性蕁麻疹
急性蕁麻疹は、原因が特定できなくても、抗アレルギー薬などで症状を抑えれば1ヶ月程度で治癒します。小さいお子さんの場合、咳、鼻、痰を伴う風邪の感染がきっかけで蕁麻疹を生じることが多くあります。風邪が軽快するのに伴い蕁麻疹の症状も落ち着きます。
慢性蕁麻疹
夕方から夜間にかけて症状が出現、悪化することが多いです。難治な例が多く、数週間から数ヶ月以上にわたって治療をする必要があります。中には10年以上持続する場合も珍しくなく、地道に治療していく必要があります。
刺激誘発型の蕁麻疹
以下が刺激誘発型の蕁麻疹の分類です。
アレルギー性の蕁麻疹
食物、薬品、天然ゴムなどの植物、昆虫の毒素などが原因となって蕁麻疹が起こります。通常はこれらの原因物質との接触後、数分から数時間以内に蕁麻疹の症状がでます。
具体的には、卵、豆、里芋、貝、カニ、エビ、さばなどの青魚、食品添加物、抗生物質、痛み止めの薬、解熱剤、花粉、羽毛、ダニ、粉塵、香料などが原因として挙げられます。対策には原因となる物質の除去が一番重要です。
非アレルギー性の蕁麻疹
アレルギーの機序を介さないが、アレルギー性蕁麻疹同様に、原因物質に暴露されると蕁麻疹が起こります。画像検査の際の造影や、豚肉、さば、タケノコなどが原因として挙げられます。
注意点としては、原因物質がアレルギーの検査で陽性にならない点があります。こちらも原因となる物質の暴露をなくすことが一番重要です。
アスピリン蕁麻疹
解熱剤や痛み止めとしてよく使われるアスピリンやロキソニンをはじめとする非ステロイド消炎鎮痛剤(NSAIDs)の内服や注射によって誘発される蕁麻疹です。
人口食品着色料、防腐剤などの化学物質に対しても過敏症をしめすことが多く、原因物質投与後、数分~数時間後に蕁麻疹が現れ、蕁麻疹の発症時間に少し幅があります。アスピリン喘息を合併することは少ないと報告されています。このケースでは上記の痛み止め(塗り薬も同様)の使用を中止し、なるべく解熱鎮痛剤の使用は控えましょう。
どうしても使用する必要がある場合は、医療機関を受診し、医師と相談しながら解熱鎮痛剤を選択して下さい。
接触蕁麻疹
皮膚や粘膜が特定の物質と接触した際に、接触した部位に一致して数分から数時間以内に膨疹が出現します。
アレルギー性蕁麻疹や非アレルギー性蕁麻疹が特定の物質を体内に取り込むと起こるのに対して、接触蕁麻疹は直接触れて起こる蕁麻疹のことを言います。対策としては原因物質との接触を避けることが重要です。
食物依存性運動誘発アナフィラキシー
特定の食物を食べて2~3時間後に運動を行うと蕁麻疹が起こります。全年齢に起こりますが、とりわけ10歳代に多く出現します。特定の食物とは、小麦、エビ、イカ、カニなどが多く報告されています。
解熱剤や痛み止めとしてよく使われるロキソニンを代表とする、非ステロイド消炎鎮痛剤(NSAIDs)により悪化しやすいので注意が必要です。食物が特定できている場合はとにかく徹底して摂取しないようにすること、摂取してしまった場合はしばらく安静にしていることが重要です。
物理性蕁麻疹
皮膚表面の刺激によっておこる蕁麻疹を言います。種類が多く、この中でもさらに以下の7つに分類されます。
物理性蕁麻疹(1)機械性蕁麻疹
こすったり、掻いたりした部分に膨疹が出現します。通常2時間以内に消失します。赤色皮膚皮膚描記症が強く陽性になります。ゴムやサイズのきつい衣類を避けるなど、皮膚に刺激を与えないようにするのが重要です。
またこれによって蕁麻疹が出来た場合、掻痒感(むずがゆさ)がありますので、掻くことによってさらに広がります。蕁麻疹を冷やすなどして掻痒感をやわらげ、掻かないようにすることも大切です。
赤色皮膚描記症
正常な皮膚に、人工的にこするなどの刺激を与えると蕁麻疹を生じます。
※参照:http://www.cityhosp-kumamoto.jp
物理性蕁麻疹(2)寒冷蕁麻疹
皮膚が冷却された部分に膨疹が出現する局所型と、全身が冷却された時に、毛穴に一致した数mmの赤いぷつぷつが全身に出る全身型があります。通常2時間以内に消失します。通常蕁麻疹が出たときは、冷やして痒みを抑えることが推奨されますが、寒冷蕁麻疹では逆に誘発してしまうので、冷やさないようにしてください。皮膚を冷やさないようにすることが重要です。
物理性蕁麻疹(3)日光蕁麻疹
日光の光を浴びた部分に、通常15分以内に皮膚に赤みがおびて痒みおよび暑さを感じたり、膨疹が出現します。通常2時間以内に消失します。対策は日光に浴びないように長袖を着たり、日傘をさすことが重要です。
物理性蕁麻疹(4)温熱蕁麻疹
皮膚が温められた部分に一致して、通常数分以内に膨疹が出現します。こちらも通常2時間以内に消失します。皮膚を温めないようにすることが大切です。
物理性蕁麻疹(5)遅延性圧蕁麻疹
下着のゴムが当たる部分や、雑巾を絞った後の手など、皮膚が圧迫された部分に膨疹が出現します。1-12時間後に出現し、痛みを伴うときもあります。一度出現すると数時間から2日程度症状が持続します。
機械性蕁麻疹同様に、ゴムやサイズがきつい衣服を着用するのを避けたり、重い荷物をなるべく持たないようにすることが重要です。物理性蕁麻疹の中で唯一ステロイドの内服が有効です。
物理性蕁麻疹(6)水蕁麻疹
水(海水が多い)に触れた範囲に、2分程度で、毛穴に一致した数mmの赤いぷつぷつが出現します。通常2時間以内に消失します。難しいかもしれませんが、水との接触回数をなるべく減らすことが重要です。
物理性蕁麻疹(7)振動蕁麻疹
振動を加えた部分に膨疹が出現します。通常の蕁麻疹よりもより皮膚の奥が腫れることがあります。(振動血管性浮腫)マッサージ器の使用を控えるなど、なるべく皮膚の振動を避けるのが重要です。
コリン性蕁麻疹
入浴、運動、精神的緊張(興奮や精神的苦痛、ストレス)などで体温が上昇し、汗をかくような状態になった時、毛穴に一致した3~5mm大の赤いぷつぷつや、数cmの膨疹が出現します。他の蕁麻疹と比べると小さな膨疹がでます。
また、痒みだけでなくピリピリした痛みを伴うこともあるのが特徴です。入浴後や、イライラして冷や汗をかいたときなどによく見られます。リラックスしている時には出現しません。
年齢としては、小児から30代前半までの成人に多くみられます。通常2時間以内に消失します。発汗を避けることが重要ですが、症状が軽く日常生活への支障がないようであれば放置してよいでしょう。発汗低下が原因でコリン性蕁麻疹を発症している場合、逆に発汗を誘発することで症状が軽くなることもあります。
※参照:http://homepage2.nifty.com/fwkx2334/link29a.htm
アドレナリン性蕁麻疹
コリン性蕁麻疹と同じ症状がでますが、体温の上昇や発汗とは関係なく、心因性の蕁麻疹で、精神的緊張(興奮や精神的苦痛、ストレス)に伴い症状が現れ、毛穴に一致した3~5mm大の赤いぷつぷつや、数cmの膨疹が出現します。痒みや、時にピリピリした痛みを伴います。ストレスなど精神的緊張をなるべく避ける生活を心がけましょう。
他に、血管性浮腫を病気の原因が同じであるということで、蕁麻疹のカテゴリに入れる場合がありますが、症状が少し普通の蕁麻疹とは異なるので、ここでは割愛します。
またここからは、蕁麻疹の症状の原因となっている、蕁麻疹と関係があるのでは?という声もきかれる事例について解説します。
蕁麻疹と癌の関係
蕁麻疹と癌は関係あるのでは?と心配な方もいるかもしれませんが、基本的には関係がないと言ってよいでしょう。ただし、以下にお話しするようなピロリ菌や肝炎ウィルスと蕁麻疹が関連している報告もあります。
胃がんの原因となるヘリコバクターピロリ菌
胃炎や胃潰瘍を引き起こし、胃がんの原因にもなるピロリ菌と蕁麻疹が関連しており、ピロリ菌を除菌したら蕁麻疹が改善した報告もありますが、まだ報告数が少数で、どこまでピロリ菌が蕁麻疹の原因として関わっているかは専門家の中でも意見が分かれています。
肝臓がんの原因となる肝炎ウイルス
肝炎を引き起こし、肝臓がんの原因となる肝炎ウイルスの感染と蕁麻疹とが関連していると論じた報告もありますが、関係がなかったデータを示した報告もあり、現時点では関係性は不明と結論づけられています。
筆者の見解としては、蕁麻疹が4人に1人は一生のうちに経験する病気の割に上記の肝臓がんの報告数が少なく、胃痛などの蕁麻疹以外の症状がなければ、蕁麻疹が出たからと言って癌の合併を疑う必要はないでしょう。ただし、「蕁麻疹様血管炎」といって蕁麻疹とよく似た症状をきたし、蕁麻疹とよく間違われる疾患があり、これは肝臓癌の原因となる肝炎、血液の癌、膠原病などを合併するケースがあるので注意が必要です。
蕁麻疹様血管炎の症状
一見皮疹からは蕁麻疹の膨疹ように見えるのですが、皮疹が出現してから消失するまでに24時間以上かかり、消失してもきれいな肌の色に戻らず、少し茶色がかった色素沈着を残します。
診断には、生検といって、皮膚を一部取って調べる検査が必要で、蕁麻疹のような血管炎の名前の通り、皮膚の血管の周りに炎症細胞が集まっているのが観察されます。SLE、シェーグレン症候群などの膠原病や、肝臓癌の原因となるB型肝炎、血液の癌である多発性骨髄腫を合併している場合があります。
蕁麻疹の皮疹がなかなかひかず、ひいた後も茶色く跡が残っている場合は、蕁麻疹様血管炎の可能性がありますので、病院(皮膚科)を受診した方がよいでしょう。
妊娠と蕁麻疹の関係
妊娠時は、ホルモンバランスが崩れたり、胎児という自分とは違うものが体内に存在しているので、免疫系が普段とは大きく異なります。それによって、普段はなんともなかったものに反応して蕁麻疹が起こることがあります。基本的には普通の蕁麻疹と同様に、原因の特定に力を注ぎ、極力除去することが大切です。
しかし、飲み薬を使う場合には、子供に薬が影響することがあるので、妊娠中、授乳中は必ず医師(かかりつけの産婦人科でも可)に相談してください。
妊娠時の蕁麻疹と説明されるものがある
蕁麻疹ではないのですが、よく妊娠時の蕁麻疹として説明されるものに、妊娠性痒疹と多形妊娠疹(PUPPP)があります。
妊娠性痒疹
多くは2回目以降の妊娠で妊娠3~4ヶ月の初期に痒みを伴う赤プツプツが出現し、出産後に軽快します。一度発症すると妊娠の度に症状を繰り返すのが特徴です。
多形妊娠疹(PUPPP)
多くは初回の妊娠(1/3は経産婦の方です)で妊娠後期に痒みを伴う赤いプツプツや蕁麻疹に似た皮疹が混ざって出現し、時に水ぶくれを形成します。妊娠線にそって症状がでることが多く、全身に広がりますが、一般的にへそは無症状のことが多いです。出産後数日以内に消失します。妊娠性痒疹と違い、再発はないと言われています。
※参照:http://www.regionalderm.com/Regional_Derm/Pfiles/puppp.html
妊娠性痒疹および多形妊娠疹(PUPPP)は蕁麻疹に似た皮疹がみられる場合もありますが、蕁麻疹ではありません。基本的には胎児には影響ありませんので安心してください。出産すれば軽快するので、それまで対症療法として、かゆみ止めのステロイドの塗り薬などを使用して出産を待つかたちになります。よほどの重症例でない限り、胎児への影響を考慮して、飲み薬は使用しないことが多いです。
蕁麻疹と判断できた場合の対策・治療
ここまで読んでいただいて、蕁麻疹の原因が特定できた方、または原因不明だが蕁麻疹であることを確信できた方もいることでしょう。ここからは、蕁麻疹と判断できた場合に行うべき対策と治療を具体的にお話しします。
息苦しさ、喘息、喉のイガイガが伴う場合は超重症です!
蕁麻疹が皮膚だけにでた場合はそこまで急ぐ必要はありません。しかし、口の中、目の中など常時湿った部分(粘膜)に症状がでた場合は一刻も早く病院を受診してください。アナフィラキシーの可能性があります。息の通り道である気道がむくむと、最悪の場合窒息して死に至ることすらあります。
息苦しくなったり、ゼイゼイ喘息の症状が出た場合は、救急車を呼んで即座に病院を受診して下さい。
喉がかゆい、目の充血など湿った部分(粘膜)に症状がある場合は早めに病院の受診を
喉が少しかゆかったり、目が充血しているなどと、湿った部分である粘膜に症状がある場合は、上記でお話ししたような超重症のアナフィラキシーに移行する場合があります。こちらもできるかぎり早く病院を受診してください。
皮膚だけに出た場合は慌てることはありません
対して、皮膚だけに蕁麻疹の症状が出た場合は、そこまで慌てることはありません。落ち着いて、蕁麻疹がでた直前の行動をよく振り返ってみてください。
その際に上記で挙げた蕁麻疹の原因としてあてはまるものがあれば、それを元から除去することが一番重要です。
発症した膨疹はほとんどが数時間以内に消失し、原因となる物質や行動を取り除けば、再度蕁麻疹を発症することはありません。軽症であれば特に薬などを使用する必要もありません。ただし、痒みによって刺激を与えると、悪化する場合もあるので、掻かない努力は必要です。
一般的に冷やせば痒みはおさまりますが、寒冷蕁麻疹などでは冷却によって逆に悪化する場合があるので注意してください。
蕁麻疹の治療薬は飲み薬
蕁麻疹の範囲が広かったり、原因と思われるものを除去しても再度出現する場合は抗アレルギー薬を使用しましょう。
OTC医薬品と言って、病院の処方でもらえる薬の一部が、薬局やドラッグストアでも買えるようになったので、病院に行く時間がない場合は、アレジオン20もしくは、アレグラFXを2~3日内服しましょう。
アレジオン20
アレグラFX
塗り薬はおまじないのようなもの
蕁麻疹では基本的には塗り薬は効果がないと言われています。ただし、ムヒなどのスーッとした刺激で痒みがごまかせたり、痒みが強くかきむしって乾燥している場合などは、保湿剤や弱いステロイドの外用を使用するなど、状況に応じて塗り薬を使用することがあります。
筆者の見解としては、アスピリン蕁麻疹など、炎症を抑える成分の入った塗り薬に逆に反応して蕁麻疹を起こすことがあるので、塗り薬は基本的に使用せず、肌のあれが気になる場合は、白色ワセリンなどの添加物の入っていない保湿剤を塗っておくにとどめておくことをお勧めします。
抗アレルギー薬を数日内服しても治まらない場合
この場合は病院を受診しましょう。診療科は皮膚科かアレルギー科になります。
先ほど述べた蕁麻疹様血管炎を疑う場合には、最終的な診断は、皮膚を一部取って検査する生検での病理検査になります。基本的に皮膚科でないとこの検査が行えないため、まずは皮膚科に受診するのがベストです。
蕁麻疹の名医の探し方
正直なところ、受診する前にどの医者が蕁麻疹の名医か判定するのはかなり難しいと思われます。
蕁麻疹の初期治療は原因の除去と、抗アレルギー薬の飲み薬と治療方針が決まっているので、まずは手軽に通院できるというメリットがある近くの皮膚科を受診すればよいでしょう。
皮膚科と言っても、「内科・皮膚科・アレルギー科」など複数看板を挙げて、内科の先生がついでに皮膚科を診ている病院よりは、皮膚科単独の看板を掲げている病院を受診し、皮膚科の専門医に診てもらいましょう。
とはいえ複数の科を看板に掲げている病院でも、先生が複数いて皮膚科の専門医がいる場合もありますので、ホームページなどを確認して下さい。
注意点:実際に受診してみて薬を出されるだけの病院は少し危険
急性蕁麻疹は抗アレルギー薬を1~2週間程度内服すれば症状は落ち着くので、どこの病院でも蕁麻疹の診断ができれば問題ありません。
ただし症状が続く慢性蕁麻疹の場合は、通院が長期化し、飲み薬もいろいろと増えてくるので、医者の腕によって差が出てきます。受診をした際に、蕁麻疹の診断・薬を出されておしまいの病院は少し危険だと考えています。
症状への見解、この先の注意点や対策まで細かく話してくれる病院であれば安心です。加えて、以下のような名医を見分けるポイントを知っておきましょう。
蕁麻疹の詳細の問診のある医者がおすすめ
蕁麻疹が発症したときの状況、時間、蕁麻疹の頻度、薬を飲んでみての効果、眠気の副作用などの問診がある医者は、あなたの蕁麻疹の性質から、あなたに合った薬を処方してくれる可能性が高いので、名医の可能性が高いといってよいでしょう。
どうしても受診前に少しでもいい医者を探したい方へ
急性蕁麻疹の場合、医者を選ぶというよりは、手軽に通院できることを優先すべきです。名医を探して遠くの病院を受診するメリットはあまりないと筆者は考えます。
とは言うものの、やはりはじめからいい医者に診てもらいたい方もいるでしょう。その方法の一つとして、「アレルギー学会専門医の資格を持っているかどうか」を判断基準にすることが挙げられます。
下記サイトで、自分の都道府県、専門を皮膚科と入力しましょう。自分の近くの皮膚科でどの医者がアレルギー学会専門医の資格を取得しているかをみることができます。
ただし、この資格自体、呼吸器内科や小児科や皮膚科などの専門科の専門医を取得した後に、上乗せで取得する資格であり、資格があると使える薬が増えるとか、診療の幅が増えるなどのメリットがある訳ではありません。
腕はあるが、わざわざお金をかけてこの資格を取得するメリットを感じない医者も多くいます。皮膚科専門医の資格とは違い、アレルギー学会専門医の資格がないからと言って蕁麻疹の名医ではないとは言いきれないので注意が必要です。
実際筆者の周りにも、アレルギー学会専門医の資格を持っていなくても、蕁麻疹の診療に優れている医者は何人もいます。しかし、試験・臨床経験もある程度満たさないと取得できない資格なので、この資格を取得している医者はある程度の診療能力は担保されていると考えてよいでしょう。
妊婦の方が蕁麻疹を発症した場合の対策・治療
定期受診している産婦人科医にまずは相談しましょう。皮膚科医は皮膚の病気が専門ではありますが、こと妊婦になると使用可能な薬が妊娠週数など妊娠の状況によって異なってきます。周産期の皮膚トラブルは、産婦人科の定期受診時に相談されるケースが多く、
その大半が産婦人科で解決しています。
- 現在の妊娠の状況を熟知している点
- 周産期の皮膚トラブルの経験数が多い点
の2点からかかりつけの産婦人科医する方が有利な点が多いと考えます。治療が難しい場合は皮膚科を紹介してもらうという順序で対応するのがよいでしょう。
日常で実践できる蕁麻疹の対策
なによりも一番重要なのは、蕁麻疹の原因の除去です。蕁麻疹が起きた直前の出来事を上記を参考にしながらよく思い出して、疑わしいものがあれば極力除去してください。想定できる刺激物も避けた方が無難でしょう。
風邪気味であったりとか、疲れている時に免疫系は異常を起こしやすいので、規則正しい生活をして、ストレスをためない生活をこころがけましょう。
飲酒においては意見が分かれるところではありますが、お酒の成分や、防腐剤、保存料などが誘因で蕁麻疹がおきるのであれば禁酒が必須となりますが、そうでなければ、禁酒によって逆にストレスがたまり、心因性の蕁麻疹の原因にもなりかねません。飲酒が原因と特定できていない場合は、適度な飲酒は特に問題ないと筆者は考えます。
入浴も同様に、それが原因で痒みが増して蕁麻疹が発症したり、コリン性蕁麻疹など発汗が原因の蕁麻疹は避けた方がよいですが、リラックス効果でストレスが解消されるなどの効果もあるので特に制限する必要はないというのが筆者の見解です。
蕁麻疹の予防のために知っておくべきこと
蕁麻疹はアレルギー疾患なので、花粉症と同じように突然発症するものです。また、原因は上記で述べた通り多岐に渡り、ストレスからも発症する病気です。
蕁麻疹の予防のために、食事を制限したり、あれやこれやすることによって逆にストレスがたまり、心因性の蕁麻疹を引き起こす本末転倒なケースも実際にあります。現在症状がないのであれば、蕁麻疹は体調が悪い時に出やすい傾向があるため、規則正しい生活を送り、ストレスをためないようにすることをこころがけることが一番です。
蕁麻疹を発症してしまったときには、今回ご紹介した内容に従い、すばやい対応をすることが早期完治のコツです。
まとめ
いかがでしたか。今回の記事では、原因別の蕁麻疹の症状と、蕁麻疹にかかった場合の対策をお伝えしました。
蕁麻疹は肥満細胞が種々の刺激を外敵と誤認することから症状が発症します。皮疹が特徴的で、膨疹が体の皮膚であればどこにでもできます。ここでポイントをもう一度おさらいしておきます。
蕁麻疹症状の緊急度
- 超緊急のサインである、息苦しさ・喘息症状・喉のイガイガはすぐ救急車を呼ぶ
- 喉がかゆい、目の充血など湿った部分(粘膜)に症状がある場合は早めに病院の受診を
- 皮膚の症状だけであれば焦る必要はない
蕁麻疹の原因から対策まで
- なによりもまず原因の特定が一番重要
- 軽症であれば原因を除去するのみで治癒可能
- 蕁麻疹の範囲が広い場合や繰り返す場合は飲み薬が必要
- 塗り薬は痒みに対して効果があれば使用してもよい程度のおまけの治療
- 慢性蕁麻疹は長期戦になるので、信頼できる医師と根気よく治療を
- 予防に関しては、規則正しく、ストレスのない生活を送るのが一番
蕁麻疹と混同される病気
- 癌を合併する蕁麻疹様血管炎に注意
- 妊娠時は妊娠性痒疹や多形妊娠疹(PUPPP)を妊娠の蕁麻疹と間違われることがある
蕁麻疹が発症してしまったという方は、ぜひ本記事を参考にして対策に役立ててください。
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