アイスクリームやあんみつなど、デザートによく使われている黒蜜。黒砂糖を材料として作られる黒蜜は、美容やダイエットに効果がある栄養素を多く含んでいると言われ、気になっている読者の方も多くいらっしゃるでしょう。
そんな方のために、今回は黒蜜の栄養と効果、そしてダイエットにも有効なのか、詳しく調べてみました。
白砂糖と黒蜜の原料、黒砂糖の違いを知りましょう
黒蜜の栄養や効果を知る前に、まず砂糖についての知識を深めましょう。黒蜜の原料となる黒砂糖も白砂糖も、実は同じ「ショ糖」という糖類の仲間で、サトウキビから取られるカンショという糖を主成分としています。
では2つの違いはどこで生まれているのかというと、砂糖の製造工程に秘密があります。
最初にサトウキビから「原料糖」となる絞り汁を取り、不純物が無くなるまでろ過を繰り返します。次に不純物を取り除いたものを煮詰めていくと、徐々に結晶になっていきます。
結晶化したものを「糖蜜」と言うのですが、この時点ではまだ密と結晶が混ざりあった状態のままです。糖蜜を今度は遠心分離器にかけることで密と結晶に分離させ、結晶だけ取り出して乾燥させると白砂糖が出来ます。
一方、黒砂糖は原料糖から不純物を取り除いたら、あとは煮詰めて固めていくだけです。そして黒蜜は黒砂糖を水で溶かし、煮詰めてできるものです。
黒砂糖は密と結晶を分離させないので、白砂糖では出て行ってしまった栄養素が残った状態となります。栄養素の違いが、黒砂糖の独特なコクを生み出しているといえます。
また糖度にも違いがあり、白砂糖で言えば上白糖が約97.8度、甘みを強く感じやすい三温糖は約96度、対して黒砂糖は約85度と、ほかの砂糖よりも黒砂糖の方が糖度が低めです。
ナトリウム・カルシウムなどのミネラルが豊富
次は黒蜜の栄養分と効果について、特筆すべき点を3つあげてみます。まず1つ目は、黒蜜はナトリウムなどのミネラル分を豊富に含んでいるという点です。
黒蜜の原料である黒砂糖に元々含まれており、特にカリウム・カルシウム・鉄・クロム・モリブデンを多く含有しています。
・カリウム
高血圧予防で広く知られているカリウムは、体内のナトリウムとともに血中の濃度のバランスを調整しており、体内の濃度を一定に保つことで、細胞の正常化や維持に役立っています。
ナトリウムの濃度が高くなってしまった場合、カリウムは余分なナトリウムを排出し、血圧を一定に保とうとしてくれます。またナトリウムと一緒に余分な水分も排出してくれるので、むくみを解消する効果も期待できます。
・カルシウム
歯や骨を作るのに欠かせない栄養素で、日本人が不足しやすい栄養素の一つです。カルシウムが不足することで、骨や歯の密度が低下して、骨粗しょう症などを引き起こしてしまいます。
他にも筋肉の収縮や神経伝達、血液の凝固、ホルモン分泌、イライラなどの精神状態安定といった様々な役割を持っています。
・鉄
貧血予防の効果が期待できるミネラルです。鉄分が不足する事で、酸素を運搬する役目を担うヘモグロビンの働きが悪くなり、血中の酸素が不足することで貧血を起こしてしまいます。
ダイエットや生活習慣病にも嬉しい効果がある
前述の黒蜜に含まれるミネラルの中でも、クロムとモリブデンは、ダイエットと生活習慣病に良い効果を持つと考えられています。詳しくご紹介しましょう。
・クロム
「長寿のミネラル」とも言われるクロムは、糖質や脂質、たんぱく質などのエネルギー代謝を、インスリンやホルモンの分泌を促すことで助ける働きを持っています。
インスリンの分泌を促進する作用があるため、血糖値を下げ血液の流れを良くする効果や、脂質の代謝を補助することで、善玉コレステロールを増加させ、中性脂肪とコレステロール値を下げる、といった動脈硬化や高血圧の予防が期待できるなど、身体に嬉しい効能が多くあります。
他には、脂肪を燃焼して筋肉量を増やす効果も望めるので、運動と併用することでダイエットにも効果があるとみられています。
・モリブデン
糖質や脂質、尿酸の代謝や有害物質を分解する酸化酵素(オキシダーゼ)の構成成分として、必要なミネラルです。不足すると貧血や通風、不妊、疲れやすくなるといった症状を引き起こしてしまう可能性があります。
鉄分の利用を促進して血液を生成する作用を持つため、貧血予防の効果が期待でき、別名「血のミネラル」とも言われています。その他体内に存在する銅が過剰にならないよう、銅の排出を促すデトックス効果も望めます。
黒蜜は美肌や美髪にも良いビタミンを含んでいる
2つ目に、黒蜜に含まれるビタミンをご紹介しましょう。ビタミンには脂溶性と水溶性がありますが、黒蜜は水溶性ビタミンを含有しており、特に黒蜜の中でも含有量の多いビタミンB6、パントテン酸、ビオチンの3つについて記載します。
・ビタミンB6
たんぱく質を分解して、エネルギーを産出する酵素を助ける働きをします。水に溶けやすい性質を持ち、すぐ排出されてしまうため、毎日摂取する必要があります。
効能としては、皮膚や粘膜の保護、動脈硬化や脂肪肝予防、アレルギー症状の緩和、月経前症候群やつわりの軽減、身体の発育を促すなど、ビタミンの中でも幅広い活躍をしてくれます。
・パントテン酸
多くの代謝に関わっており、酵素の働きを助けエネルギーを作り出しています。代謝以外にも、副腎皮質ホルモンの分泌を促進して、ストレスへの抵抗力を高めたり、ビタミンCの働きを助けて、コラーゲンの生成を促したりと、健康な肌を作る効果があります。
・ビオチン
エネルギー活動に必要なブドウ糖を作る酵素をサポートします。皮膚や粘膜を保護する働きを持つほか、新陳代謝の活発化、デトックス作用、コラーゲンの生成を助けるなど、ダイエットと美肌に嬉しい作用が期待できます。また新陳代謝の活性化により、抜け毛予防や白髪になりにくい効果も望めます。
整腸作用や血糖値の上昇を抑える成分を含む
黒蜜には、ミネラルやビタミン以外にも、身体に有効に働く成分が含まれています。3つ目は、腸内環境を改善するラフィノース、血糖値の上昇を抑えるフェニルグルコシド、運動機能をアップさせるオクタコサノールについて、どんな効果があるかみていきましょう。
・ラフィノース
オリゴ糖の一種で、黒蜜の他にはブロッコリーやキャベツ、アスパラガスにも含まれています。ビフィズス菌を増やす働きがあり、便秘の改善といった腸内環境の改善に効果が期待できます。
さらに胃や小腸に消化されにくい難化性という性質を持っているので、大腸まできちんと届いてくれます。
さらに腸内環境が良くなることで、影響の吸収効率が上がって痩せやすい体になる、アトピー性皮膚炎などのアレルギー症状を抑える、という副次的効果も望めます。
その他にも肌の水分が逃げるのを防ぎ、外部からの刺激を受け流すバリア機能の維持をサポートする作用あると言われています。
・フェニルグルコンド
黒砂糖の黒の色素成分のことを言い、もちろん黒蜜にも含まれています。効果としては血糖値の上昇を緩やかにする、コレステロールの上昇や余分なブドウ糖の吸収を抑えるなどがあります。
血糖値の上昇が抑えられることで、食後の満腹感も持続されるため、ダイエット効果も見込めます。
運動能力・持久力を高めてくれるオクタコサノール
オクタコサノールは、果物の皮から発見されたアルコールの一種です。運動能力や持久力の向上、環境や精神的なものによるストレスへの抵抗性を高める、筋肉痛などの軽減や疲労回復、コレステロール値の上昇抑制、神経疾患の予防などがあります。
特にアスリートやスポーツマンの方から注目されているのが、運動能力と持久力を高める効果が期待できる点です。
持久力を向上させる理由として、体内のエネルギーが不足した時に、グリコーゲンという物質が使われるのですが、オクタコサノールはグリコーゲンを素早くエネルギーに変換してくれるので、エネルギー不足によるスタミナ切れが起こりにくくなるためです。
持久力が上がることで、必然的に体力や活力も増強されます。さらには反射能力や感覚が研ぎ澄まされる効果も持ち合わせていると考えられています。ダイエット中の方や、体力や感覚が落ちてきたと思われている方、育ち盛りの子供にもおすすめできる成分ですね。
ダイエット中でも黒蜜は食べていいの?
これまで黒蜜がミネラル・ビタミンなど、身体に良いと言われる成分を、3つご紹介してきました。腸内環境改善や生活習慣病の予防になって、さらにダイエットや美肌・美髪にも効果が期待できると良い事ずくめならば、ぜひ使ってみたくなりますよね。
ただし、注意しなければいけないのが、黒蜜は黒砂糖が原料の「砂糖」であるということです。
まずカロリーを成分表でみると、黒砂糖は100gにつき354kcalなのに対し、上白糖は384kcal、グラニュー糖なら387kcalと、若干黒砂糖が低いとはいえ、カロリーはほとんど変わりません。
大さじ一杯の量でみるなら、黒砂糖は35kcal、白砂糖は32kcalとほぼ一緒です。残念ながら、健康やダイエットに効果があるからといって、たくさん量を取って良い食べ物ではないのです。
ですが、黒蜜はカロリー以上に、健康やダイエットに良い様々な効果を期待できる成分を含んでいます。
黒蜜のカロリーが白砂糖と変わらないなら、「ダイエット中に食べるのは、やめたい方が良いかも…。」と思ってしまうかも知れませんが、大量に食べることさえしなければ、健康的な生活を送る上でも、ダイエットをしている時にも強い味方になってくれます。
レンジでもできる!黒蜜の簡単な作り方
黒蜜を毎日の生活に取り入れるなら、市販のものを購入するのも良い手ですが、せっかくなら家で手作りしてみてはどうでしょうか。ご紹介する黒蜜レシピは、時間も手間もほとんどかからない上、量を調整すれば使いたい分量だけ作ることができます。
お鍋で作る黒蜜
[材料]
黒砂糖 100g
水100ml
ビン200ml
[作り方]
1. お鍋に黒砂糖と水を入れて、中弱火にかけながら黒糖を溶かしていきます。
2. 沸騰したら、沸騰状態を保てる程度の弱火で煮詰めてください。
3. 出てくるアクを取り除きながら、とろみがついてきたら火を止めましょう。
4. 粗熱を取った後、ビンに入れて冷蔵庫で保存します。約一週間は保存可能です。
※先にビンを煮沸消毒しておきましょう。
※煮詰めすぎると苦くなるので、気を付けてください。
※お鍋が小さいと溢れることがあるので、火傷に注意しましょう。
レンジで作る黒蜜
[材料]
黒砂糖(粉末) 大さじ2
水 小さじ2
[作り方]
1. 材料を耐熱容器に入れ、電子レンジ600Wで1分加熱します。
2. 加熱したら材料を混ぜます。
3. 混ぜながら冷まし、徐々にとろみがついてきたら完成です。
※耐熱容器が小さいとお鍋と同じように溢れるので、大きい器を使用してください。
※量が少なめなので、そのまますぐに使用しても、保存容器に入れても良いでしょう
おすすめ黒蜜レシピその1 ~寒天編~
黒蜜を手作りしたら、今度は低カロリーデザートも一緒に作ってみましょう。寒天のカロリーは100gあたり3.1kcalと、カロリーゼロにほぼ近い値です。
さらに寒天は水溶性と不溶性の食物繊維の2種類を含み、糖質の吸収を穏やかにする効果と、水分を吸収して膨らむことで満足感が増す効果をダブルで期待できます。
ご紹介しているレシピは、ダイエット中でも食べられるように黒蜜以外の砂糖は使っていません。きなこも加えれば、栄養素に抗酸化作用のあるイソフラボンも加わるので、相乗効果も望めます。
黒蜜きなこ寒天
[材料]
粉末寒天4g
水500cc
黒蜜 適量
きなこ 適量
[作り方]
1. 鍋に水を入れ、粉末寒天を加えて火にかけ、かき混ぜながら煮溶かします。
2. 沸騰させて、2分ほどかき混ぜて火を止めます。
3. 好みの容器に流し込んで、祖熱を取って冷蔵庫で冷やして固めます。
4. 固まったら食べやすい大きさに切り、きなこと黒蜜をかけて完成です。
※粉末寒天を加えてから火を止めるまでは、かき混ぜ続けてください。
※出来上がりの固さは水量で調整できます。
おすすめ黒蜜レシピその2 ~ところてん編~
最後にところてんを使ったレシピをご紹介しておきます。ところてんのカロリーは1.9kcalと、寒天よりも低いのでダイエットにおすすめの食べ物です。
寒天と同じように糖質の吸収を抑える以外に、コレステロール値を抑える、腸内環境の改善にも役立つと考えられています。ただし、カロリーゼロに近いといっても、食べ過ぎには気を付けましょう。
ところてんの黒蜜がけ
[材料]
ところてん100g
黒蜜 お好み
きなこ お好み
[作り方]
1. ところてんは水洗いし、水気を切っておきます。
2. 後は黒蜜、きなこをかけて出来上がりです。
レシピではきなこを使っていますが、抹茶でも美味しくいただけます。
抹茶にはダイエットや美肌、アンチエイジングやデトックスなど、女性に嬉しい多くの効能があるので、黒蜜と合わせれば、健康と美容・ダイエットにも効果的なデザートが出来上がります。先ほど紹介した寒天と合わせても良いかも知れません。
他にもシナモンを使ったり、フルーツを加えたりと自由にアレンジできるので、カロリーと栄養効果を考えて、オリジナルの黒蜜レシピを作ってみてくださいね。
まとめ
カロリーは白砂糖とほぼ変わりませんが、黒蜜には健康を保つためや、ダイエット中に不足しがちな栄養素を補う効果があります。食べ過ぎには注意して上手に使うことで、日々の生活をサポートしてくれることでしょう。