α-リポ酸:効果効能について
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ダイエットサポート機能
糖分や脂肪消費の場である筋肉をメンテナンス(既報)
従来,重症の糖尿病患者の治療に使用された経緯のあるα-リポ酸には,インスリンの感受性を改善することで骨格筋へのグルコースの取り込みを促進し,血糖値を下げる作用が報告されています。1)糖代謝の正常なヒト(健常人) においては,筋肉における糖の消費を増進し,余剰糖質が脂肪に変換されて蓄積するリスクを下げる働きが期待されます。さらに,α-リポ酸は,筋肉の構成成分であるクレアチンを補給し,2)運動時にダメージを受けやすい筋肉をメンテナンスし,脂肪燃焼の場を正常に保つ効果が期待されます。
2004年には,著明な科学雑誌Nature Medicineに,α-リポ酸の抗肥満作用(食欲抑制と褐色脂肪組織の活性化)が報告され,3)今後ダイエット分野での利用が加速するものと考えられます。
さらに,α-リポ酸には筋肉細胞のミトコンドリアを脱共役化する作用4)が報告されており,エネルギー消費の増強が期待できます。
1) Saengsirisuwan V., Perez F. R., Sloniger J. A. Maier T., Henriksen E. J. Interaction of exercise training and α-lipoic acid on insulin signaling in skeletal muscle of obese Zucker rats. Am. J. Physiol. Endocrinol. Metab., 287, E529-536 (2004).
2) Burke D. G., Chilibeck P. D., Parise G., Tarnopolsky M. A., Candow D. G. Effect of α-lipoic acid combined with creatine monohydrate on human skeletal muscle creatine and phosphagen concentration. Int. J. Spot. Nutr. Exerc. Metab., 13, 294-302 (2003).
3) Kim M. S., Park J. Y., Namkoong C., Jang P. G., Ryu J. W., Song H. S., Yun J. Y., Namgoong I. S., Ha J., Park I. S., Lee I. K., Viollet B., Youn J. H., Lee H. K., Lee K. U. Anti-obesity effects of α-lipoic acid mediated by suppression of hypothalamic AMP-activated protein kinase. Nat. Med., 10, 727-733 (2004).
4) Dicter N., Madar Z., Tirosh O. α-lipoic acid inhibits glycogen synthesis in rat soleus muscle via its oxidative activity and the uncoupling of mitochondria. J. Nutr., 132, 3001-3006 (2002).
筋肉細胞増殖作用 (in vitro)
筋肉細胞の一種であるL6ラット筋芽細胞の培養系にα-リポ酸を添加し,24時間培養後の細胞増殖率を調べました。その結果,作用は緩和でしたが,筋芽細胞の増殖作用が認められ,α-リポ酸が筋肉量を増やす可能性が示唆されました(図1)。
図1. α-リポ酸の筋芽細胞(L6)増殖作用(平均値±S.E., n=6)
【実験方法】
L6ラット筋芽細胞を96穴プレートに播種した。α-リポ酸を添加して24時間培養後, MTTアッセイにより細胞増殖率を測定した。
筋肉細胞増殖作用(in vivo)
マウスに対してα-リポ酸を配合した飼料を24日間摂取させ,後肢の筋肉であるヒラメ筋の重量を測定しました。測定の結果,筋肉重量の増加が認められ,in vivoにおいても筋肉増殖作用を確認しました。(図2)。
図2. α-リポ酸継続摂取時のマウスヒラメ筋重量に及ぼす作用(平均値±S.E., n=6)
【実験方法】
マウス(ddY,雄,5週齢)に,α-リポ酸(0.05及び0.1%)を混餌した飼料(MF, オリエンタル酵母)を24日間自由摂取させた後,後肢のヒラメ筋重量を測定した。
脂肪蓄積抑制作用 (in vitro)
α-リポ酸は培養脂肪細胞(3T3-L1)において,ホルモン刺激時の分化(形態的・機能的な変化)を抑制することが報告されています。5)弊社においても,同様の分化抑制試験を実施したところ,細胞サイズと内包油滴の縮小が観察されました(図3)。この結果より,α-リポ酸には脂肪蓄積の場である脂肪細胞サイズの拡大を抑制する効果が期待されます。
また,脂肪細胞には,余剰な糖分を脂肪として蓄える働きをするグリセロール3-リン酸デヒドロゲナーゼ(GPDH)という酵素が存在します。上記の3T3-L1脂肪分化細胞における粗GPDH活性は,α-リポ酸の濃度依存的に阻害されました(図4)。このことから,α-リポ酸は過剰な糖分が脂肪として蓄積されるのを抑制することが示唆されました。
5) Cho K. J., Moon H. E., Moini H., Packer L., Yoon D. Y., Chung A. S. α-lipoic acid inhibits adipocyte differentiation by regulating pro-adipogenic transcription factors via mitogen-activated protein kinase pathway. J. Biol. Chem., 278, 34823-34833 (2003).
図3. α-リポ酸の脂肪細胞分化に及ぼす作用
図4. α-リポ酸の脂肪細胞由来GPDHに対する作用 (n=2-3)
【実験方法】
3T3-L1脂肪細胞を 2日間培養後,インスリン(1 μg/mL) ,デキサメタゾン(0.25 μM) ,イソブチルメチルキサンチン(0.5 mM)及び各種濃度のα-リポ酸を含む培地に交換して分化を誘導した。2日後に,α-リポ酸及びインスリン(1 μg/mL)を含む培地に交換し,1日おきに培地交換をしながら,計7日間培養した。分化後の3T3-L1細胞を緩衝液中で破砕したライセートを酵素源とし,GPDH活性測定キット [ (株) プライマリーセル]を用いて酵素活性を測定した。
体重増加抑制作用 (in vivo)
α-リポ酸をマウスに13日間自由摂取させ,さらに運動負荷を併用した際の体重増加に及ぼす作用を検討しました。その結果,図5に示すように,α-リポ酸(0.1%)の摂取のみでは,体重増加の抑制は軽微でしたが,運動負荷により体重増加は顕著に抑制されました。
図5. α-リポ酸継続摂取と運動負荷を併用したマウスの体重変化 (n=5)
【実験方法】
マウス(ddY,雄,5週齢)に,α-リポ酸 (0.1%) を混餌した飼料(MF, オリエンタル酵母)を13日間自由摂取させた。運動負荷は,回転ケージ (MK-770M,室町機械) を用いて,10分間の運動(5 rpm)を1日1回行った。
脂質代謝促進作用(in vitro)
ヒト肝癌細胞(HepG2)およびラット筋芽細胞 (L6) を用いて,肝臓及び筋肉における脂質代謝を遺伝子レベルで評価しました。各遺伝子の働きは,表1のとおりです。
まず肝細胞における変化ですが,培地へのα-リポ酸の添加により,CPT,ACOX,AMPKおよびPPARαの各遺伝子に発現の増加が見られました。脂質代謝関連遺伝子が活性化したことで,脂質代謝が促進されることが示唆されました (図6)。
図6. 細胞のエネルギー産生経路
表1. 本試験のターゲット遺伝子
| タンパク質名称 | 遺伝子 | 働き・機能 |
|---|---|---|
| カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ | CPT | 脂肪酸はミトコンドリア内でβ-酸化という代謝経路によってエネルギーに変換されます。CPTは,脂肪酸をミトコンドリア内膜の内側に輸送する酵素で,β-酸化の律速を担っています。すなわち,CPTが活性化すると,β-酸化全体の活性が上がると考えられます。 |
| アシルCoAオキシダーゼ | ACOX | 脂肪酸はまた,ペルオキシソームという細胞内小器官においてもβ-酸化によって代謝されます。ACOXはこの代謝経路の律速を担っています。すなわち,ACOXが活性化すると,β-酸化全体の活性が上がると考えられます。 |
| cAMP依存性タンパクキナーゼ | AMPK | ホルモンなどの外界からの刺激で活性化されるタンパクです。さまざまなタンパク質をリン酸化することで,その機能・活性を調節し,外界からの刺激に対応する働きをしています。AMPKが働くと,エネルギーを蓄える経路が不活性化され,反対にエネルギーを産出する経路が活性化されます。 |
| ペルオキシソーム増殖活性化受容体 | PPAR | 肝においてPPARは脂肪代謝遺伝子を活性化します。筋肉細胞においてPPARは血中脂質の取り込みを促進します。 |
| β-アクチン | β-actin | 細胞の骨格をつくるタンパク質で,α-リポ酸によって変化を受けない分子と考えられます。ここでは内部標準のような位置づけです。 |
次に筋肉細胞における変化ですが,肝細胞と同様に,CPT,ACOXおよびAMPKの各遺伝子に発現の増加が見られました。一方,PPARγの遺伝子発現にはあまり変化が見られませんでした。脂質代謝関連遺伝子が活性化したことで,脂質代謝が促進されることが示唆されました(図7)。
図7. α-リポ酸の脂質代謝関連遺伝子に及ぼす作用(β-actinは対照)
図8. α-リポ酸のトリグリセリド量に及ぼす作用(平均値±S.E., n=6)
以上の結果を受け,実際に細胞に含まれるトリグリセリド量を定量しました(図8)。その結果,肝細胞・筋肉細胞において,α-リポ酸の濃度依存的にトリグリセリド量の減少が見られました。α-リポ酸は,直接的あるいは間接的に脂肪酸のβ-酸化経路を活性化することが明らかになりました。α-リポ酸の脂質代謝促進作用が,分子レベルで示唆されました。
【実験方法】
1. 遺伝子実験
ヒト肝癌細胞(HepG2)を12ウエルプレートに播種し,α-リポ酸のDMSO溶液を細胞に添加し,24時間培養したものの細胞溶解液を調製した。ラット由来筋芽細胞 (L6) を12ウエルプレートに播種し,低血清培地中で8日間培養することで筋肉細胞に分化させた。α-リポ酸のDMSO溶液を細胞に添加し,24時間培養後したものの細胞溶解液を調製した。これらの溶解液からRNA抽出キット(RNeasy microキット,QIAGEN社)にてRNAを抽出した。逆転写酵素(SuperScript III,Invitrogen社)を用いて相補的DNAを合成し,ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により遺伝子の発現量を半定量的に測定した。
2. トリグリセリド測定
ヒト肝癌細胞(HepG2) およびラット由来筋芽細胞(L6)を96穴プレートに播種し,1と同様に細胞溶解液を調製した。これらの溶解液のトリグリセリド量をトリグリセリドテストワコー(和光純薬)により測定した。
健常人男性を対象とした継続摂取試験
α-リポ酸のヒトにおけるダイエット機能を評価するため,弊社男性健常人を対象として, 8名にα-リポ酸100 mg, 10名にα-リポ酸200 mgを4週間摂取させ,摂取前後に肥満指標と血液成分の測定を行いました。
その結果,α-リポ酸(100 mg/日)の4週間摂取により,体脂肪率,インピーダンス,脂肪量,及びヒップサイズに,摂取前と比較して減少傾向がみられました。血液成分においては,血糖値の有意な低下(p<0.01),及びクレアチニンの有意な上昇(p<0.05)が認められました(表2参照)。
α-リポ酸(200 mg/日)摂取群においては,体重,体脂肪率,BMI,インピーダンス,脂肪量,ヒップサイズ,及び腹部皮下脂肪厚において減少が認められました。血液成分については,血糖値及びトリグリセリドの低下傾向とクレアチニンの有意な上昇(p<0.05)が認められました(表3参照)。
以上の結果より,α-リポ酸(100及び200 mg/日)4週間の摂取により,肥満指標や血糖値、及び血中クレアチニンの改善が観察されました。この効果はα-リポ酸の筋肉細胞増進作用及び脂肪蓄積抑制作用によるものと示唆されます。
表2. α-リポ酸(100 mg)摂取前後の肥満指標及び血中成分
| 測定項目 | 摂取前 | 摂取後 | 改善例数 / 全例数 |
|---|---|---|---|
| 体重 (kg) | 65.5±12.2 | 65.5±12.1 | 4 / 7 |
| 体脂肪率(%) | 19.1±5.8 | 18.6±5.9 | 6 / 7 |
| BMI (kg/m2) | 22.2±4.0 | 22.2±4.0 | 3 / 7 |
| インピーダンス (Ω) | 490±66 | 480±55 | 5 / 7 |
| 脂肪量 (%) | 12.7±2.6 | 12.5±3.2 | 6 / 7 |
| 肥満度 (%) | 0.9±18.3 | 0.9±18.2 | 4 / 7 |
| ウェスト (cm) | 77.2±10.9 | 77.6±12.1 | 2 / 7 |
| ヒップ (cm) | 95.5±8.9 | 92.1±7.3 | 7 / 7 |
| ウェスト/ヒップ比 | 0.81±0.06 | 0.84±0.08 | 2 / 7 |
| 腹部皮下脂肪厚 (mm) | 13.3±4.0 | 14.6±4.3 | 1 / 7 |
| 血糖値 (mg/dL) | 87.3±100.7 | 69.3±18.0 p<0.01 | 6 / 7 |
| コレステロール (mg/dL) | 199.4±28.1 | 204.0±36.1 | 2 / 7 |
| HDL-コレステロール (mg/dL) | 54.6±16.3 | 54.1±144.8 | 1 / 7 |
| トリグリセリド (mg/dL) | 155.0±127.5 | 198.3±206.3 | 1 / 7 |
| リン脂質 (mg/dL) | 219.9±33.6 | 228.7±50.4 | 4 / 7 |
| クレアチニン (mg/dL) | 0.82±0.11 | 0.87±0.131p<0.05 | 6 / 7 |
| 総蛋白 (g/dL) | 7.11±0.34 | 7.16±0.29 | 4 / 7 |
各値は7名(1名は,摂取時胃部不快感を訴えたため試験を中止)の平均値と標準偏差で示した。
表3. α-リポ酸(200 mg)摂取前後の肥満指標及び血中成分
| 測定項目 | 摂取前 | 摂取後 | 改善例数 / 全例数 |
|---|---|---|---|
| 体重 (kg) | 71.0±15.3 | 70.4±14.0 | 6 / 10 |
| 体脂肪率 (%) | 22.3±6.6 | 21.9±6.4 | 6 / 10 |
| BMI (kg/m2) | 24.4±5.4 | 24.3±4.9 | 4 / 10 |
| インピーダンス (Ω) | 489±77 | 481±68 | 5 / 10 |
| 脂肪量 (%) | 14.6±5.8 | 14.3±5.2 | 6 / 7 |
| 肥満度 (%) | 4.4±13.4 | 4.4±12.4 | 4 / 10 |
| ウェスト (cm) | 82.1±11.4 | 82.2±9.5 | 3 / 10 |
| ヒップ (cm) | 96.0±8.11 | 95.4±8.8 | 7 / 10 |
| ウェスト/ヒップ比 | 0.85±0.05 | 0.86±0.03 | 1 / 10 |
| 腹部皮下脂肪厚 (mm) | 16.7±7.3 | 16.3±7.6 | 6 / 10 |
| 血糖値 (mg/dL) | 97.0±28.4 | 94.0±29.9 | 5 / 10 |
| コレステロール (mg/dL) | 200.2±26.6 | 203.1±26.5 | 4 / 10 |
| HDL-コレステロール (mg/dL) | 58.4±22.7 | 57.3±20.3 | 3 / 10 |
| トリグリセリド (mg/dL) | 164.4±117.7 | 118.1±65.5 | 4 / 10 |
| リン脂質 (mg/dL) | 238.3±41.4 | 230.6±33.5 | 5 / 10 |
| クレアチニン (mg/dL) | 0.84±0.15 | 0.86±0.16p<0.05 | 8 / 10 |
| 総蛋白 (g/dL) | 7.21±0.2 | 7.32±0.1 | 5 / 10 |
各値は10名の平均値と標準偏差で示した。
図9.α-リポ酸(100 mg)摂取前後の肥満指標および血液成分の変化
美白作用
メラニン生成抑制作用 (in vitro)
α-リポ酸はB16メラノーマ細胞においてメラニン生成を濃度依存的に抑制し,美白作用を有することが明らかになりました(図10)。
図10. α-リポ酸のメラノーマ細胞(B16)増殖に及ぼす作用 (平均値±S.E., n=6)
【実験方法】
B16細胞を2 mMテオフィリン含有MEM培地(10%ウシ胎児血清,100 units/mLペニシリン,100 μg/mLストレプトマイシン含有)にサスペンド(5×104 個/mL)し,24穴プレートに500 μLずつ播種した。α-リポ酸溶液(55 μL)を添加して3日間培養後,培地を除去し,PBS (300 μL) を加えて,細胞を超音波破砕した。破砕液を96穴プレートに回収し,吸光度(測定波長:415 nm,参照波長:700 nm)を測定した。
色素沈着抑制作用 (in vivo)
褐色モルモットにα-リポ酸を継続摂取させた後,紫外線によるメラニン色素沈着を背部に惹起した際の,色素沈着軽減作用を調べました。図11に示すように,紫外線照射開始から8日目及び10日目におけるコントロール群(α-リポ酸0 mg/kg)の照射部位の明度は,照射前(0日目)と比較して明らかに低下しました。これに対し,α-リポ酸(25および50 mg/kg)投与群の照射部位では,明度の上昇が観察されました(図12の写真も参照)。この結果は,色素の沈着が抑制されていることを表しており,α-リポ酸はin vitroのみならずin vivoにおいても,経口投与で美白作用を示すことが明らかになりました。
図11. 褐色モルモットにおける紫外線誘発色素沈着抑制作用 (平均値±SD, n=3)
- コントロール
- 1 mg/kg
- 25 mg/kg
- 50 mg/kg
図12 紫外線照射開始日から8日目の照射部位
【実験方法】
α-リポ酸を褐色モルモット(4週齡,雄)に,紫外線照射開始(0日目)の2日前(-2日目)から経口投与した後,0日目から3日目まで計4回,紫外線照射機 [ソーラーシュミレーター,ウシオ電機 (株)] を用いて,紫外線(UV-B,2000 mJ/cm2)を剃毛した背部に照射した。α-リポ酸は紫外線照射期間も含めて,-2日目から10日目まで経口投与した。照射前(0日目)と照射後8及び10日目に,紫外線照射部の明度 (L*値) を分光色差計 (日本電色工業株式会社製) を用いて測定した。
美肌作用
線維芽細胞増殖作用 (in vitro)
α-リポ酸の線維芽細胞増殖に及ぼす作用を,ヒト新生児線維芽細胞であるNB1RGBを用いて検討しました。試験の結果,図13に示すようにα-リポ酸は,低濃度で線維芽細胞の増殖を促進し,皮膚細胞の増殖を促進する可能性が示唆されました。
図13. α-リポ酸のNB1RGB線維芽細胞増殖作用 (平均値±S.E., n=6)
【実験方法】
NB1RGB細胞を96穴プレートに播種した。α-リポ酸溶液を添加して2日間培養後,細胞の増殖度をMTTアッセイにより評価した。
ターンオーバー促進作用 (in vitro)
疑似皮膚モデルである皮膚細胞三次元培養キットを用いて,皮膚のターンオーバーにおよぼす作用を評価しました。中央部の表皮層において,Controlの顆粒含有細胞が上下に分散して顆粒層領域が不明瞭であるのに対し,α-リポ酸 (1 μg/mL) 処理細胞では,顆粒含有細胞がほぼ一層で整然と扁平上にならんでおり,表皮層が薄くなっているのが観察されました(図14)。また,α-リポ酸処理細胞において,表皮層の顆粒(青い粒)が角質層に浸潤し,角質層との境界域が不明瞭になってきている像が観察されました。この知見は,表皮層で生まれた細胞が上層へ移行するのが促進され,皮膚の代謝サイクルが亢進している可能性を示唆するものと考えられます。
【実験方法】
ヒト皮膚再構築モデル [TESTSKIN:東洋紡績製(株)] を用いて評価を行った。α-リポ酸を含有する専用培地を真皮層側に添加し,3日ごとに培地交換を行って計6日間培養を行った。その後,メンブレンを採取して中性緩衝ホルマリン液に浸漬し,常法に従って鏡検用標本を作製した。
図14. α-リポ酸処理後の疑似皮膚細胞三次元培養像(×400倍)
抗酸化活性
SOD様活性及びラジカル消去能を測定した結果,弱いながらも,濃度依存的な抗酸化活性が認められました。
図15. α-リポ酸のSOD様活性
図16. α-リポ酸のDPPHラジカル消去能