今、漢方薬を活用したダイエットが注目を集めています。テレビやラジオなどで、内臓脂肪を落とす効果などを謳った漢方薬のCMを見たり聞いたりしたことのある方も多いことでしょう。では、なぜダイエットに漢方薬が効果的なのか分かりますか?
そこで、今回はダイエットに漢方薬が効果的な理由や漢方薬を利用してダイエットをする方法をご紹介しましょう。
- ダイエットの基礎知識
- 東洋医学におけるダイエットの考え方
- 自分に合った漢方薬を処方をしてもらう方法
- ダイエットに効果的な漢方薬に関するよくある質問
漢方薬がなぜダイエットに効果的なのかが分かれば、自分の体質にあった漢方薬を利用してダイエットをすることができます。漢方薬を使ったダイエットに興味がある方は、ぜひこの記事を読んでみてくださいね。
1.ダイエットの基礎知識
はじめに、ダイエットの基礎知識をご紹介しましょう。単に体重を落とすだけではダメなのでしょうか?
1-1.肥満とは?
肥満とは、体に余計な脂肪が蓄えられている状態のことを指します。人間は、長い間飢えと戦いながら暮らしてきました。そのため、体を維持するために必要なカロリー以上の栄養分を摂取した場合、それを脂肪として体内に蓄える機能があります。この脂肪が多すぎると肥満となり、健康に色々な悪影響を与えるのです。
多くの方が体重が重いと肥満だと考えがちですが、体重は肥満度をはかる目安の一つでしかありません。同じ重さの筋肉と脂肪を比べた場合、筋肉の方が重量があります。そのため、肥満は体重だけでなく、体脂肪率も併せて判断することが大切です。体脂肪率は体全体に占める脂肪の割合のことで、15歳以上の男女では、男性が20%以上、女性が30%以上から軽度肥満となります。
1-2.肥満の弊害
肥満が進行すると、血管の中にまで脂肪がついて血管が狭くなります。また、血中のコレステロールが高くなって血液の粘度が増して流れにくくなることも多いのです。すると、脳出血や心筋梗塞な、血管が切れたり破れたりして発症する病気になる可能性が高くなります。また、お腹の周りに脂肪がつきすぎると内臓が脂肪で圧迫され、常にお腹の張りを感じたり便秘になりやすくなったりするのです。さらに、増えた体重を膝関節が支えきれなくなって関節炎が発症することもあるでしょう。若い年代の方では、スタイルが崩れるのも大きな問題です。
1-3.肥満の原因とは?
肥満の基本的な原因は摂取カロリーが消費カロリーを上回ることです。現在、私たちの周りにはたくさんの食物があふれています。食べすぎ・飲み過ぎを長い間続けていれば、誰もが肥満になるでしょう。
また、新陳代謝の低下も肥満の原因となります。私たちの体は常に一定の体温に保たれており、心臓や脳をはじめとする内臓は常に動き続けているのです。そのため、じっとしていてもカロリーを消費します。これを基礎代謝というのです。新陳代謝が低下すれば基礎代謝も低下します。新陳代謝が低下する原因は様々ですが、冷え性になっても新陳代謝が下がるのです。そのため、同じ量を食べても太るといういわゆる太りやすい体となってしまいます。
1-4.ダイエットは軽度肥満の内に行うとよい
ダイエットは、肥満が進むにつれて難しくなります。運動をするにしても、体重が重すぎれば体に負担がかかって、痩せるよりも前に体を壊してしまうこともあるでしょう。ですから、ダイエットは軽度肥満のうちに行うのが一番です。
また、ダイエットは単に体重を減らすことではありません。体重を減らしても体脂肪率が減らなければダイエットにはならないのです。ですから、体重だけでなく体脂肪率をチェックし続けながらダイエットをすることが大切になります。
1-5.正しいダイエットのやり方
定期的に「これをするだけで(食べたり飲んだりするだけで)痩せる」というダイエット方法が流行しますが、楽してダイエットをする方法はありません。ダイエットの基本は、消費カロリーが摂取カロリーを上回ることです。消費カロリーを増やす方法には、運動があります。特に、ジョギングやウォーキング・ダンス・水泳など軽負荷で長時間行う有酸素運動は、体に蓄えられている脂肪を燃やすこともできるのでおすすめです。また、重い負荷をかけて筋肉を鍛える無酸素運動は、筋肉量を増やして基礎代謝をアップする効果があります。ですから、運動をする場合は無酸素運動と有酸素運動を組み合わせて行うのが理想的です。
しかし、運動をするだけで痩せることはできません。脂肪を1キロ燃やすには約7千キロカロリーの熱量が必要になりますが、それを運動だけで行おうとすると、フルマラソンを3回程度走る必要があります。ですから、運動をすると同時に食生活を見直すことも大切です。ただし、低カロリーのものばかり食べていればよいというわけではありません。栄養はしっかりと取りつつカロリーを抑えた食事を取ることが大切です。
1-6.ダイエットは1日にしてならず
短期間で大幅に体重を落とすダイエットは、体のためにもよくありません。また、極端な食事制限をして痩せると体が飢餓状態に陥り、食生活を元に戻した途端にリバウンドすることもあるでしょう。ダイエットをやめたとたんに体重が戻ってしまっては、元も子もありません。ダイエットは筋肉を作りながら脂肪を減らしていく行為です。半年~1年以上かけるつもりで取り組みましょう。
2.東洋医学におけるダイエットの考え方
漢方薬は、東洋医学の考え方に基づいて処方される薬です。この項では、東洋医学は肥満をどのように考えているかということをご紹介しましょう。
2-1.東洋医学における病気の考え方
東洋医学は、中国を中心とした東洋で発展してきた医学です。西洋医学では、健康な体に異常が起きたせいで体調が崩れると考えます。ですから、検査をして異常な状態の部分を発見し、それを治療したり症状を改善したりすることは得意です。しかしその一方で、体に異常はないけれど、体調がすぐれないという場合や生まれもった性質で弱い部分があるという場合の対処はうまくできません。
東洋医学では、体を「気」というエネルギーと血・水(血以外の水分)が巡っており、それが乱れると病気になると考えています。また、体に余分なものがつきやすく、それが原因で病気になる方を「実証」、体に必要なものが不足しやすく、それが原因で病気になる方を「虚証」と分類しているのです。
東洋医学では、漢方薬を用いて気・血・水の乱れを調えて病気を治します。また、実証の方と虚証の方では同じような症状が出ても、処方する薬を分け、体質にあった治療を行うのです。そのため、「特に悪いところはないけれど体が不調である」という場合の治療もできます。その反面、早急に対処しなければならない病気の治療には向いていません。
2-2.東洋医学における肥満のとらえ方
東洋医学では、気・血・水のどれかが不足したり多すぎたりすることにより、肥満が起こると考えています。実証の方は気・血・水のどれかが増えすぎたために肥満になることが多く、虚証の方は3つのうちどれかが足りなくなることによって肥満になると考えているのです。ですから、患者さんの証(しょう)を見極め、漢方を処方することにより増えすぎたものを減らしたり足りないものを補ったりして、肥満を解消していきます。
2-3.なぜ、漢方薬に肥満を解消する効果が期待できるのか?
肥満は、食べる量を減らしたり運動をしたりすれば解消していきます。しかし、人によっては中々その効果が表れにくい方もいるでしょう。たとえば、むくみやすい方は体内に溜まった水分の排出がうまくいかずに、いわゆる「水を飲んでも太る」状況になりがちです。また、体力がなく冷え性の方は中々新陳代謝が活発にならず、運動をしてもその効果が表れにくいでしょう。
漢方薬はこのような体質を改善してくれる効果があるのです。ですから、漢方薬を飲んで体質を改善しながら運動や食事制限をすれば、ダイエットの効果が現れやすくなります。ただし、漢方薬を飲んだからすぐに痩せるということではありません。
2-4.体質のセルフチェック方法
自分が実証か虚証かは、ある程度セルフチェックができます。虚証の方は
- 体力がなく疲れやすい
- 肌が青白く体温も低い
- どちらかというと下痢をしやすい
といった特徴があります。一方、実証の方は
- 赤ら顔で体力がある
- 便秘気味
- むくみやすい
といった特徴があるのです。また、実証と虚証は一生同じではありません。年齢や生活習慣によっても変わっていくのです。
2-5.ダイエットに効果が期待できる漢方薬
ダイエットに効果が期待できる漢方薬の代表例として、冷えを改善させるトウキやショウガや便秘を解消させるダイオウ、老廃物を排出させる効果があるレンギョウなどがあります。
ドラッグストアで販売されているダイエットの効果がある漢方薬には、これらのどれかが使われていることも多いでしょう。冷えを改善させ、便秘を解消し老廃物が排出されやすくなれば、大抵の方が痩せやすくなります。ただし、効果には個人差があるのでよく効いたという方もいる一方で、今ひとつ効果が出ない方もいるでしょう。
3.自分に合った漢方薬を処方をしてもらう方法
この項では、より自分に合った漢方薬を処方してもらう方法をご紹介します。ぜひ参考にしてくださいね。
3-1.漢方医に相談したり漢方薬局を利用したりする
現在は、美容整形外科などでダイエットのために漢方薬を使用するところが増えてきています。肥満外来などに通っている方は、主治医と相談して漢方を利用してみてもよいでしょう。また、漢方薬局で相談をして自分に合った漢方薬を処方してもらうこともできます。
漢方薬局は普通の薬局と異なり敷居が高そうに思えますが、今は相談窓口を開設しているところも多く、気軽に利用できるところも豊富です。
3-2.漢方薬局を利用する方法
漢方薬局を利用する場合は、相談窓口で相談をします。すると、問診や舌診によって証(しょう)が診断され、それに沿って薬が調合されるのです。漢方薬は高いというイメージがありますが、高価な生薬はごくわずかであり利用者に黙って処方するようなことはありません。一般的な生薬を利用して調合してもらった場合は、病院で処方してもらった薬と同じ位の値段です。1か月数千円が相場なので、まずは1か月分処方してもらうとよいでしょう。
3-3.漢方薬の利用の仕方と注意点
漢方薬は粉薬状になったものをそのまま飲んだり、お茶のように煎じたりして薬湯にして飲みます。苦い場合はオブラートに包んで飲んでもよいでしょう。漢方薬局によってはカプセルで処方してもらえます。
漢方薬の原料は生薬といって、自然の草木の葉や根を利用したものです。科学的に合成した薬にくらべて効き目が穏やかで、長期間にわたって飲み続けることができます。その一方で、飲んだり飲まなかったりすれば、効果は出にくいでしょう。毎日決まった時間に2週間以上服用してください。
なお、漢方薬はそれ自体に体重を落とす効果はないので、飲みながら食事制限や運動を行いましょう。
4.ダイエットに効果的な漢方薬に関するよくある質問
Q.インターネットでも痩せる漢方薬を販売していますが、利用してもよいでしょうか?
A.インターネット通販を利用する場合は、必ず信頼できる業者を利用してください。過去にも漢方薬と称する怪しげな物質が販売され、健康を害する人が出ています。できれば対面販売がおすすめです。
Q.漢方薬に使用期限はありますか?
A.何日分、として出されたらその期間内に飲みきりましょう。古い漢方薬は効果が変わってしまいまうことがあります。
Q.漢方薬は副作用がまったくないのでしょうか?
A.漢方薬も薬ですから、まったく副作用がないとはいえません。薬を飲んでいる方は、必ず漢方薬局の薬剤師に飲んでいる薬のことを伝えてください。
Q.漢方薬局に医師はいますか?
A.漢方薬局に常駐しているのは、漢方薬の知識を持った薬剤師です。
Q.漢方薬を家族で共有できますか?
A.調合してもらった漢方薬はその人にあったものですから、共有はしないでください。
5.おわりに
いかがでしたか? 今回はダイエットに効果的な漢方薬についてご紹介しました。漢方薬はそれ自体に痩せる効果はありませんが、体質を改善して痩せやすくする効果は期待できます。何度色々なダイエット方法を試しても痩せることができなかった方は、漢方薬の力を借りて、体質改善をしながらダイエットに再度チャレンジしてみましょう。
なお、ダイエットに効果的と称する漢方薬はインターネット上でも盛んに販売されていますが、中には怪しげなものもあります。そのため漢方薬局での対面販売がおすすめです。