e-jewel 日之内香織
大阪のエステサロン「e-jewel」日之内香織さんへインタビュー
母のひと言で天職へ
――自己紹介をお願いします。
日之内香織です。大阪でエステサロンを経営しています。「e-jewel」という名前のサロンで、eはeternityといって、永遠という意味です。宝石のような輝きを永遠に、という意味をこめています。
独立して4年目です。その前は大手エステサロンに10年いました。母のひと言がきっかけです。
就活をはじめてやりたい事にピンとこなくてちょっとやめていた時に、「エステの仕事いいんじゃない?○○○とか大手で安定しているし受けてみたら?」と言われたんです。受けてみたら受かったんです。
予備知識なしで面接に
――それまでの就活はどういうところに行っていたんですか。
あまりエステには興味なかったんです。
ヴィトンとか自分が好きなブランドに行ったり、皆がここに行ったよと聞いたらじゃあそこに行ってみようとか、漠然としすぎていて面白くなくなったから就活をやめました。
そうしたらお母さんがそれを察して差し出してきたのが、エステ業界だったんです。若い頃に通っていて、やってくれる姿を見て人を綺麗にする仕事でいいなと思ったみたいです。
素直に、じゃあやってみるわと言ったんです。それで合格したんです。
面接では、みんな結構調べている中、私はHPも見なければ何の準備もせずに行って、結構場違いだったはずです。
御社の…とかがちゃんと言えなくて、適当に答えてしまっていたのを覚えています。今まで何に力を入れてましたか?など自分の事に対する質問には、バスケ時代の話、バイトの話などで、自分を表現することはできました。
「パンフレットの中で一番良かったものは何ですか」とか聞かれて、「見てない、やばい」と思いました。大体美容だったら洗顔ぐらいあるだろうというので「洗顔が一番いいと思います」と思い切って言っていました。
帰ったら、高級な美容機器とかいっぱいあるから、完全に見ていないのばれているなと思いました。それでもなぜか合格させてもらえました。
働くことが大好き
――入る気はあったんですよね(笑)
ここがいいというこだわりは特になかったです。でも人と接する仕事は好きだったんです。
もともとファミレスで長い間バイトしてたんですが、私は一度入ったら辞めないタイプなんです。
バイトも1個入ったところをずっと続けちゃうタイプで、掛け持ちで短期バイトしたり、大学に行きながら3つ掛け持ちしていたこともありました。彼氏とも友達とも間に会って、24時間フルに使っていました!
夜中は寝ていましたが、バタバタしているのは昔から好きだったので、遊んでいるかバイトしているかでした。
面接で勤務地の希望を一応聞かれたんですが、自宅から遠い大阪梅田の一番大きいところがいいと言いました。なぜそこにこだわるんですか?と聞かれて、帰りに遊びたい、アフターファイブを楽しみたいと答えていました(笑)
「営業時間が長いので終わるのは21、22時とか遅いですよ」と言われたんですけど、「働くの好きなので全然いいです」と答えました。
大手エステ1年目で優秀社員賞、2年目でカウンセラー、また売り上げ1位に
――仕事はどれぐらいで慣れましたか。
1ヶ月ぐらいでした。最初の1週間は泣いていました。最初はお客様に技術で入らないので、片付けや次のコースの準備でした。「今何していたの?」「なんでそれしていたの?」とか逐一聞かれるのが面倒くさいと思っていました。
そんな事ばかりだったので、最初の5日間は嫌だと思っていました。5日後に、何がきっかけか忘れましたがスッキリして、切り替わって楽しくなっていました。
サロン配属から1ヶ月の頃には、めちゃくちゃ売れてきたんです(笑)3ヶ月後にはサロンで一番売り上げが上がっていたんです。
私の気持ちを大事にしてもらっていたというのは、今すごく分かります。
大体こういう風に言ってきて!と教えられるのが多い中、私の店長は「どうしたい?」と聞いてくれる人でした。「このお客さんをどう綺麗にしたい?」「私はこうしたいです」というと、それに対しての答えを伝えてくれていました。
1年目に全国の中で優秀社員賞をいただきました。当時はその凄さが分かっていなかったですけど、今振り返るとあの時結構すごかったんだなと思っています。
「◯◯さんてあなた? 全国順位に載っているから、もっとガツガツ営業している人かと思ってた」と言われる事が多々ありました(笑)
店長のおかげで楽しく仕事させていただいていました。今でも電話したり会ったりしています。
2年目で、その当時では最短でカウンセラー職務になりました。新規のお客様を接客・営業し、新規契約してくれた人達がコースに来ていただいた時に技術する技術スタッフに引き継ぎます。
新しい出会いからのコミュニケーションは好きでしたが、新規はシステムの話が毎回ついてくるので、私は技術スタッフの方が好きでした。技術をやりながらお客さんと話すのが好きでした。
カウンセラーでも技術スタッフでも売上全国ナンバー1になった時期がありました。ミラクル!
30歳で「2年後に独立する」と決意
――某エステサロンで10年間働いて、独立しようと思ったきっかけは?
23歳の時に、今の旦那さんが売上数値や順位を見て「お前一人でやった方がいいんちゃうか」という一言がありました。「◯◯◯というブランドがあるやん」と思っていたので、NOと答えていました。
NOと言いながら、私の中で何か残っていて、そういうことも視野に入れてもいいんじゃないかと思うようになりました。
24歳の時、ある先輩と再会したのですが、その先輩が化粧品メーカーの仕事をしていて、仕入れ価格がある事を知りました。独立した時の準備として自分でまず試してみる事にしました。
自分がいいと思わないと売れないタイプなので、いざ独立する時に使い出すというのはあり得ないことだったから、じゃあこの機会に1回使ってみると言って、そこから4年位使っていました。
独立を決めたのが30歳の時です。「私あと2年後に独立するわ」と言っていたんです。
32歳になったら下の子が4歳になって幼稚園に入る歳だから、ちょっと手が離れて独立できるんじゃないかなというのがありました。既に生後6ヶ月の頃から保育園児でしたが、なぜか4歳という意識でした(笑)
ところがちょうどその頃、主人が不動産業をやっていて、扱い中のマンションの住人が引越しするから独立するなら借りるか?と言われたんです。
「独立予定2年後やで?」と言ったら「2年後に住んだ人が出るとは限らへんで。お前の都合では相手は出えへんで」と言われ、「ちょっと1日考えていい?」と言い、次の日に「来月からやるわ」と言っていました。
これもきっかけなのかなと思い、翌月から独立が始まりました。チャンスは確実につかむタイプですね!(笑)1ヶ月で準備して、翌月から施術ができる状態を作りました。
最初は元の職場と掛け持ち
前職は、産後は契約社員で働かせてもらっていたので週4日勤務でした。残りの週3日を使って自分のサロンを回して行くようにして、しばらく掛け持ちしていました。
それから1年掛け持ちして、自分のサロンだけで前職で稼いでいた分を稼げるようになったので、辞めました。
忙しくなるのは好きだから、すぐに前職を辞めて自分のサロンだけにすると、まだガラガラの状態で自分の毎日を過ごすのは嫌だったので、辞めずに働いていました。
だから途中はメチャクチャ忙しかったです。休みの日に人を入れるので、だんだん私の休みがなくなってきました。
無資格でも開業できてしまうフェイシャルは何となく覚えてるだけになりがち
――今の仕事の内容は?
フェイシャルとボディマッサージとメイクをやっています。営業は、現在は紹介のみでさせていただいています。
スクールではエステの技術、営業を、私の経験の中で伝えています。出張で自分のサロンを持っている人、これから独立したい人のお手伝いをさせていただきます。
例えばボディマッサージやマツエク、ネイルのサロンにフェイシャルを導入する時などに、その技術と営業、接客を伝えます。
フェイシャルって資格がないのにできちゃうんです。ちょっと習っただけで不安な人がすごく多くて、結局なんとなく覚えているから自信がなくて、集客が上手くいっていない人が結構多いんです。
自信がないと思っていたら何も生まれないから、もっとみんなが自信を持って楽しくしてもらいたいんです。
自分の技術に自信を持てないと手から伝わるので、何となくマニュアルで覚えちゃっている人に、1個1個なんでこれをやるのかという目的をちゃんと伝えて理解してもらうんです。
私達の行動は全て目的があるので技術もあるんです。販売が上手くいかない人も結構いるので、サポートさせていただいています。
私のスクールは教えるというより、その人のお客さんがいる日、普通に来ている中、モデルになってもらいます。
実践型で、私がお客様と接してカウンセリングするのを聞いてもらって、感じてみてもらいます。お客さんをモデルにレッスンをさせてもらうという形を取っているので、すごく関係が深まります。
技術も営業も楽しくなります。楽しくしてたらいいことが起こったりしますよね。だからそういうのを意識して、楽しく仕事をしてもらえたらいいなと思います。
――仕事に関して参考にした書籍やホームページはありますか。
ないです。読んだり勉強したりするのが苦手なんです。
経験型のタイプだから、例えばニキビのある人が来たらその時にニキビについて調べたりとか、扱ってる化粧品が良いのでメーカーさんに聞いて実践したり、それが結果として経験になります。
自分の状態を常に良く!人とのコミュニケーションが喜び
――忙しい時期や時間帯は?
忙しい時期とかあまりないですね。忙しいと感じないタイプです(笑)子供のお迎えが6時半なので、仕事は10時から6時です。
休日は、休みなのか仕事なのか分からないぐらい、あまり別にしていないです。
好きな人に会う。人と会う時間がすごく多いです。大体誰かに会っています。または家族でどこかに出かけたりしています。
――仕事をする上で必要な技術や心構え、気を付けていることは?
目的をちゃんと持つということです。今、何を何の為にしているのか。あとはコミュニケーションです。1番大事だと思っています。
これは最近なんですけど、自分の状態(在り方)を常に良くするということは気を付けています。そのために、自分にとって一緒にいて心地よい人とか、学べる人と一緒にいることを心がけています。
――働いてる中で良かったと思うことは?
私が私らしくいられる事、綺麗の意識ができる事、その場で一緒に喜べることです。
自分が常に楽しくいられる、自分が常に自分らしくいられること、それが仕事になっているというのが誇りです。
言われて嬉しかった言葉は「お願いします」「任せる」「心地よい」「ありがとう」ですね。
最近は、これはエステだけじゃないんですけど、関わる人が無防備になるというか、楽とか自然になれると言っていただく事が増えて、それが嬉しいです。
――イマイチと思うことはありますか?
今はないですが、独立したきっかけになったのが、会社にいるとお客さんとの距離を保ち仲良くなったらダメだったので、そこはイマイチでした。仲良くなっちゃうタイプだったから、こっそり遊びに行ったりとかしていました。
離職率の高いエステ業界
――この仕事が向いている人、向いていない人は?
向いている人は、人が好きな人、自分を綺麗にすることが好きな人です。他の人にもできると思います。向いていない人は、コミュニケーションが苦手な人ですね。
離職率は、拘束時間が長いので多かったです。
ただあまり目標とか数字に対してあまりガミガミ言われる会社じゃなかったので、その辺は楽だったと思います。私は10年いて1回も辞めたいと思ったことがない変わり者です(笑)
学生時代から掛け持ちしていたくらい仕事が好きだから、働いている時間が長ければ長い方がお金を使わないからいいと思ってるタイプだったので、みんなの悩みは私の悩みではなかったです。
相手も自分も自然体で
――このインタビューを見ている人にメッセージをお願いします。
みんながそれぞれ自分らしく常に自然体でいてほしいと思います。最近は私が自然体でいる事で相手が自然体に戻れるので、それが役目なのかなと感じています。
皆さんは自分らしく生きていますか? 自分らしくいられる場所や時間がありますか? 自分らしくいられることは何ですか? それを仕事にできると素敵ですね。幸せですね。楽しいですね。
私は、働く時間は1日で1番長いので、その時間自分らしくいられて楽しく仕事をする選択をしました。
人と接するのが好きなので、エステじゃなくても保険でも飲食でも人に関わる事なら何でもできると感じています。出会いがたまたまエステだった。ただそれだけです。
ここまでお読みいただきありがとうございました。皆さんが自分の人生自分らしくいられる素敵な仕事に出会いますように。