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問1-6
「飽和脂肪酸」生合成の出発原料は「アセチルCoA」。「グルコース」由来の「アセチルCoA」は「ミトコンドリアマトリクス」で産生される。「脂肪酸」生合成は「サイトソル(細胞質)」で行われるので「アセチルCoA」を「ミトコンドリアマトリクス→サイトソル(細胞質)」への輸送過程が必要。しかし「アセチルCoA」はミトコンドリア「内膜」を通過できないので、「クエン酸回路初発酵素クエン酸シンターゼ」が「アセチルCoA→クエン酸」に変換して「サイトソル(細胞質)」へ輸送。「クエン酸」は「ATP-クエン酸リアーゼ」により「アセチルCoA」と「オキサロ酢酸」に変換され、この「アセチルCoA」が「脂肪酸」生合成に利用される。「オキサロ酢酸」は「リンゴ酸→ピルビン酸」となり「ミトコンドリアマトリクス」へ回収される。


☆「解糖系」における「グルコース→ピルビン酸」→「ミトコンドリア」における「糖orアミノ酸」→「アセチルCoA」→「クエン酸」となって「サイトソル(細胞質)」へ移動→「サイトソル」で「ATP-クエン酸リアーゼ」により「オキサロ酢酸」と「アセチルCoA」に分離→「オキサロ酢酸」は「リンゴ酸→ピルビン酸」となり「ミトコンドリアマトリクス」へ回収される。
問7-10
「アセチルCoA」→「マロニルCoA」に変換。この反応が脂肪酸合成を「調節」する段階であり、触媒酵素「アセチルCoAカルボキシラーゼ」は「脂肪酸」合成における「律速酵素」。この酵素にはビタミンの一つである「ビオチン」が「補酵素」として必要。「ビオチン」は卵白に含まれる「アビジン」というタンパク質と強く結合する。



①「アセチルCoA」→(ACPアシルキャリアプロテイン)→「アセチルACP」
②「アセチルCoA」→(アセチルCoAカルボキシラーゼ+ATP+
ビオチン)→「マロニルCoA」→「マロニルACP」
③ ①②が合わさり、「アセチルACP」と「マロニルACP」から「二酸化炭素」を遊離して「縮合反応」することで「アセトアセチルACP」を生じる。
④「アセトアセチルACP」は「NADPH」を使って「還元脱水還元」×2を繰り返し「脂肪酸」を合成する。

[例]脂肪酸:パルミチン酸(C16)の合成
アセチルCoA 8分子
ATP 7分子
NADPH 14分子
問11-16
「脂肪酸」の炭素鎖の延長は「アセチル」部分と「マロニル」部分の「脱炭酸」反応と「共役」した「縮合」反応が起こり「還元」→「脱水」→「還元」の連続した反応が起こる。さらに新たな「マロニル」部分が「縮合」して同様な「還元」→「脱水」→「還元」の反応により炭素鎖が「2」個伸びる。これらの反応を繰り返し、脂肪鎖が「2」個づつ伸長して「脂肪酸」を合成。これらの反応を触媒するのは「脂肪酸合成酵素(fatty acid synthase)
」と呼ばれる7種の酵素の複合体である。



①「アセチルCoA」→(ACPアシルキャリアプロテイン)→「アセチルACP」
②「アセチルCoA」→(アセチルCoAカルボキシラーゼ+ATP+
ビオチン)→「マロニルCoA」→「マロニルACP」
③ ①②が合わさり、「アセチルACP」と「マロニルACP」から「二酸化炭素」を遊離して「縮合反応」することで「アセトアセチルACP」を生じる。
④「アセトアセチルACP」は「NADPH」を使って「還元脱水還元」×2を繰り返し「脂肪酸」を合成する。

[例]脂肪酸:パルミチン酸(C16)の合成
アセチルCoA 8分子
ATP 7分子
NADPH 14分子
問17-20
「飽和脂肪酸」の生合成では、炭素鎖が「2」個づつ伸長する。哺乳動物細胞では、この反応を「7」回繰り返して、炭素数16の「パルミチン酸」を合成する。この反応を触媒する「脂肪酸合成酵素(fatty acid synthase)」は「サイトソル(細胞質)」に存在する。「脂肪酸合成酵素」には「還元」反応が関与するが「水素」の供与体として「NADPH」が必要で、これは「ペントースリン酸経路」で産生されて供給される。


☆「飽和脂肪酸」は動物の細胞で生合成される。多くの場合は「パルミチン酸C16」。「サイトソル(細胞質)」で作られた脂肪酸は「小胞体」や「ミトコンドリア」で炭素数を増やす。パルミチン酸の場合は小胞体の「酵素エロンガーゼ」により「ステアリン酸C18」となる。ステアリン酸は「Δ9デサチュラーゼ・の作用で「不飽和化」され「オレイン酸(18:1,n-9)」となる。
問21-26
「コレステロール」は「アセチルCoA」を出発物質として生合成される。主な合成臓器は「肝臓」である。20以上の段階を経る生合成過程のうちで「HMG-CoA→メバロン酸」を生成する反応が律速で、この反応を触媒する酵素が「HMG-CoA還元酵素(レダクターゼ)」である。細胞内コレステロール量が増加すると、この酵素の「転写」が低下してコレステロール合成も低下する。「脂質異常症」治療薬=「スタチン」類は「HMG-CoA還元酵素」阻害剤である。

☆「イソプレノイド」は「メチル側鎖」を持つ「炭素数5」の化合物「イソプレン(2-メチル-1-3ブタジエン)」を共通の構成単位とする化合物の総称。哺乳動物で最も重要なイソプレノイドは「コレステロール」&「その誘導体」。
☆「コレステロール」は「細胞膜」の構成成分として重要。「胆汁酸」「ステロイドホルモン」「ビタミンD」もコレステロールを原料に合成される。
☆「コレステロール」の「27個」の炭素は全部が「アセチルCoA」の「アセチル部分(C2単位)」に由来。
☆「コレステロール」は「アセチルCoA」の「アセチル」部分が一旦「イソプレン単位(C5)」になった後、これが結合して合成される。
☆「アセチルCoA」→「3-ヒドロキシ-3-メチルグルタリルCoA:HMG-CoA」→(HMG-CoA還元酵素(レダクターゼ))→「メバロン酸」→「イソペンテニル二リン酸」→「スクアレン」→「コレステロール」
☆脂質合成の2経路
①アセチルCoA→マロニルCoA→脂肪酸:トリアシルグリセロール/リン脂質/糖脂質に取り込まれる
②アセチルCoA→メバロン酸→イソペンテニルニリン酸:コレステロール等のイソプレノイド
☆スタチンの作用機序
HMG-CoA還元酵素を阻害する薬剤(スタチン類)はコレステロール合成を阻害する。スタチンにより肝臓のコレステロール生合成が低下すると肝臓細胞は細胞内コレステロールの低下を感知して細胞外からコレステロールエステルの補給を行う。LDLレセプターを介して血液中のLDLを取り込む。その結果、血中LDLが低下する。HMG-CoA還元酵素の阻害剤は脂質異常症(LDL低下薬)として用いられる。
問27-29
体内ではコレステロールよりも「コレステロールエステル」の方が多い。「コレステロールエステル」はコレステロールの「貯蔵型&輸送型」であり「疎水性」 が高い。「血中」で「コレステロールエステル」を産生する酵素は「レシチン:コレステロールアシルトランスフェラーゼ」である。「細胞内」で「コレステロールエステル」を産生する酵素は「アシルCoA:コレステロールアシルトランスフェラーゼ」である。

☆コレステロールエステルは疎水性が高いので、リポタンパク質中では疎水性が高い芯(コア)に存在する。細胞内でもコレステロールは細胞膜に存在するのに対して、コレステロールエステルは「脂肪滴」に存在する。
☆コレステロールエステルは、コレステロールの3位の水酸基に脂肪酸がエステル結合したもの。
☆「アシルCoA:コレステロールアシルトランスフェラーゼ(ACAT)」の脂肪酸供与体は「アシルCoA」であるのに対して「レシチン:コレステロールアシルトランスフェラーゼ」の脂肪酸供与体は「レシチン(ホスファチジルコリン)」である。
問30-36
ヒトでは「コレステロール」の多くは「肝臓」において「胆汁酸」に「代謝」される。「胆汁酸」は「肝臓」から「小腸」に分泌され、「脂質」の「消化/吸収」に関与する。「小腸」に分泌された「胆汁酸」のほとんどは「再吸収」されて「肝臓」に戻る。これを「腸肝循環」という。「胆汁酸」は「2種類」存在する。「肝臓」で生成され「小腸」へ分泌される「1次胆汁酸」と「腸内細菌」により変化を受けた「2次胆汁酸」である。
問37
①赤血球膜では「ホスファチジルコリン」は「外層」に多い。
②赤血球膜では「スフィンゴミエリン」は「外層」に多い。
③赤血球膜では「ホスファチジルエタノールアミン」は「外層」に多い。
① ◯
② ◯
③ × → 赤血球膜では「ホスファチジルエタノールアミン」は「内層」に多い。

外層→ホスファチジルコリン/スフィンゴミエリン
内層→ホスファチジルエタノールアミン/ホスファチジルセリン/ホスファチジルイノシトール
問38
①リン脂質二重膜において、リン脂質の「水平拡散(側方拡散)」は「容易」である。
②リン脂質の「脂肪酸組成」により、「水平拡散(側方拡散)」の速度に違いが見られる。
③リン脂質二重膜において、リン脂質の「垂直拡散(フリップフロップ)」は起きにくく、通常エネルギーが必要。
① ◯
② ◯
③ ◯
問39
①スフィンゴ脂質の「スフィンゴミエリン」はグリセロ脂質の「ホスファチジルコリン」と対応する。
②スフィンゴ脂質の「スフィンゴシン」は、グリセロ脂質の「ジアシルグリセロール」と対応する。
③スフィンゴ脂質の「セラミド」は、グリセロ脂質の「モノアシルグリセロール」と対応する。
① ◯
② × → スフィンゴ脂質の「スフィンゴシン」は、グリセロ脂質の「モノアシルグリセロール」と対応する。
③ × → スフィンゴ脂質の「セラミド」は、グリセロ脂質の「ジアシルグリセロール」と対応する。

モノアシルグリセロール ↔︎ スフィンゴシン
ジアシルグリセロール ↔︎ セラミド
ホスファチジルコリン ↔︎ スフィンゴミエリン
リゾホスファチジン酸 ↔︎ スフィンゴシンー1ーリン酸
問40
①「GPI」とは「グリコシルホスファチジルイノシトールアンカー」の略である。
②「GPIアンカータンパク質」は脂質ラフトに存在しない。
③ある種の「表面抗原」や「プリオンタンパク質」はGPIと結合している。
① ◯
② × → 「GPIアンカータンパク質」は「脂質ラフト」に存在する。
③ ◯
問41
①「リポタンパク質」は水に溶けない「脂質」を効率よく輸送するための「脂質」と「タンパク質」の複合体粒子である。
②「リポタンパク質」の表面には「トリアシルグリセロール」や「コレステロールエステル」など「疎水性」の高い脂質が存在する。
③「リポタンパク質」の中心(コア)には極性部分を持つ「リン脂質」や「コレステロール」とともに「アポタンパク質」が存在する。
① ◯
② × → 「リポタンパク質」の「中心(コア)」には「トリアシルグリセロール」や「コレステロールエステル」など「疎水性」の高い脂質が存在する。
③ × → 「リポタンパク質」の「表面」には極性部分を持つ「リン脂質」や「コレステロール」とともに「アポタンパク質」が存在する。
問42
①ホスファチジルコリンを「ホスホリパーゼD」で消化すると、ジアシルグリセロールとホスホコリンを生成する。
②ホスファチジルコリンを「ホスホリパーゼA2」で消化すると、1ーアシル型のリゾホスファチジルコリンと脂肪酸(=アラキドン酸)を生成する。
③ホスファチジルコリンを「ホスホリパーゼC 」で消化すると、「ジアシルグリセロール」と脂肪酸を生成する。
① × → ホスファチジルコリンを「ホスホリパーゼD」で消化すると、「ホスファチジン酸」と「コリン」を生成する。
☆ホスホリパーゼD(PLD) → リン酸とコリンの間のエステル結合を切断
② ◯
③ × → ホスファチジルコリンを「ホスホリパーゼC 」で消化すると、「ジアシルグリセロール」と「コリン」を生成する。
☆ホスホリパーゼC(PLC) → sn-3の水酸基とリン酸エステル結合を切断
問43
①VLDLとキロミクロンを比べると、VLDLの方が大きい粒子である。
②HDLとキロミクロンを比べると、HDLの方が大きい粒子である。
③血清LDL/血清HDLの値が低いほど動脈硬化になりやすい傾向にある。
① × → VLDLとキロミクロンを比べると、キロミクロンの方が大きい粒子である。
② × → HDLとキロミクロンを比べると、キロミクロンの方が大きい粒子である。
③ × → 血清LDL/血清HDLの値が「低い」ほど動脈硬化になりにくい傾向にある。
☆1.5以下が良い
☆キロミクロン >>> VLDL >
IDL > LDL > HDL
問44
①脂肪酸のC-C二重結合はシスの場合とトランスの場合があるが、その多くはトランス型である。
②動物の不飽和脂肪酸はシス型が多いが、植物の不飽和脂肪酸はトランス型である。
③C-C二重結合が複数ある脂肪酸は、二重結合は共役している。
① × → 脂肪酸のC-C二重結合はシスの場合とトランスの場合があるが、その多くは「シス型」である。
② × → 動物の不飽和脂肪酸は「シス型」が多いが、植物の不飽和脂肪酸も「シス型」である。
③C-C二重結合が複数ある脂肪酸は、二重結合は「共役していない」。
問45
①「ペントースリン酸経路」の活性は、「脂肪酸」の合成が盛んな組織で「高い」。
②「ペントースリン酸経路」の酸化的段階では、グルコース-6-リン酸1分子から、2分子のNADPHが産生する。
③「ペントースリン酸経路」の活性は、「コレステロール合成」が盛んな組織で低い。
① ◯
② ◯
③ × → 「ペントースリン酸経路」の活性は「コレステロール合成」が盛んな組織で「高い」。
☆ペントースリン酸経路の活性は「脂肪酸」の合成の盛んな」肝臓/乳腺/脂肪組織」などで高い。「NADPH」は「コレステロール」や「ステロイドホルモン」の生合成にも重要なので、ステロイドホルモンの合成の盛んな「副腎皮質」でもペントースリン酸経路の活性が「高い」。
問46
①「エイコサペンタエン酸」は魚油に多く含まれる。
②「エイコサペンタエン酸」から産生される「プロスタグランジン」は、「アラキドン酸」から産生される「プロスタグランジン」よりも作用が強い。
③「ドコサヘキサエン酸」は、様々な細胞に存在するが、「網膜」や「脳」に特に濃縮されて存在する。
① ◯
②「エイコサペンタエン酸」から産生される「プロスタグランジン」は、「アラキドン酸」から産生される「プロスタグランジン」よりも作用が「弱い」。
③ ◯
問47
①「プロスタグランジンE2」は「発熱&痛み」に関与する。
②「プロスタグランジンE2」は「分娩」に関与する。
③構造式は「プロスタグランジンE2」である。
① ◯
② ◯
プロスタグランジンE2→発痛/発熱/炎症促進/子宮収縮/血管透過性亢進
③ ◯
☆アラキドン酸→(シクロオキシゲナーゼ)→プロスタグランジンG2→プロスタグランジンH2→D2/E2/A2等々
☆アラキドン酸→(リポキシゲナーゼ)→ロイコトリエンB4→白血球の遊走と活性化/炎症反応/気管支喘息
問48
①植物は「オレイン酸n-9」から「リノール酸n-6」を合成する酵素を持つ。
②植物は「リノール酸n-6」から「α-リノレン酸n-3」を合成する酵素を持たない。
③ヒトは「リノール酸n-6」から「γ-リノレン酸n-6」を合成する酵素を持つ。
① ◯
② × → 植物は「リノール酸n-6」から「α-リノレン酸n-3」を合成する酵素を持つ。
③ ◯
☆必須脂肪酸:
人の体内では生合成できず食事から摂取しなければならない脂肪酸:
「n-6のリノール酸&n-3のα-リノレン酸」
問49
①「トリアシルグリセロール」は「貯蔵脂肪」であり、「グリセロール」と「脂肪酸×3」が」エステル結合」で結合したものであるが、そのエネルギーの大部分は「脂肪酸」に保存されている。
②「トリアシルグリセロール」は「水に溶けにくい」が、水とよく懸濁すると脂質二重層を形成して溶けるようになる。
③「トリアシルグリセロール」は哺乳動物では合成されないので、食事から摂取しなければならない。
① ◯
② × → 「トリアシルグリセロール」は「水に溶けにくい」が、「膵臓→リパーゼ&肝臓→胆汁酸」により分解される。
☆リパーゼはsn-1,3位の脂肪酸を加水分解
☆胆汁酸は脂質を乳化
③ × → 「トリアシルグリセロール」は哺乳動物では合成される。
☆必須脂肪酸:
人の体内では生合成できず食事から摂取しなければならない脂肪酸:
「n-6のリノール酸&n-3のα-リノレン酸」
問50
①「脂肪酸」の生合成はミトコンドリアで起こる。
②「脂肪酸」の生合成には「アシルキャリアープロテイン(ACP)」が必要である。
③「アシルキャリアープロテイン(ACP)」は「4-ホスホパントテン酸残基」を持ち、この構造はコエンザイムQのそれと似ている。
① × → 「脂肪酸」の生合成は「サイトソル(細胞質)」で起こる。
② ◯
③ × → 「アシルキャリアープロテイン(ACP)」は「4-ホスホパントテン酸残基」を持ち、この構造は「CoA」のそれと似ている。
問51
①「アシルカルニチン」が」ミトコンドリア内膜」を介して輸送される際に「カルニチン輸送担体」が必要である。
②「マロニルCoA」は「カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ1(CTP1)」を阻害する。
③「脂肪酸合成」が「亢進」する状況では「β-酸化」は促進される。
① ◯
② ◯
③ × →「脂肪酸合成」が「亢進」する状況では「β-酸化」は「低下」する。
☆「脂肪酸β酸化」と「脂肪酸生合成」はコーディネートされた調節を受けている。脂肪酸の生合成が「亢進」している状況では「β酸化」は起こらない。☆「マロニルCoA」により「カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ1(CPT1)」が阻害されるからである。
☆「アセチルCoA」→「マロニルCoA」→阻害→「カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ(CPT1)」
問52
①「脂肪細胞」に存在する「ホルモン感受性リパーゼ」は「トリアシルグリセロール」を分解し脂肪酸を遊離する。
②「ホルモン感受性リパーゼ」はcAMPが蓄積すると、抑制される。
③運動すると「アドレナリン」が放出されて「脂肪細胞」に作用し脂肪分解を促進する。
① ◯
② × → 「ホルモン感受性リパーゼ」は」アドレナリン」により「活性化」する。
③ ◯
☆「ホルモン感受性リパーゼ」は「脂肪細胞」などの脂肪を蓄積する細胞の細胞内に存在し、脂肪細胞などこれらの細胞に貯蔵された「トリアシルグリセロール」を分解し脂肪酸を遊離させる。その活性は「アドレナリン」により「活性化」される。「アドレナリン刺激」に応じて「ホルモン感受性リパーゼ」は「活性化」し「トリアシルグリセロール」を分解する。
問53
①「ケトン体」は「血液-脳関門」を通過できない。
②「ケトン体」はエネルギー源とならない。
③「ケトン体」は「糖尿病&飢餓」のときの様に、解糖系が亢進したときに作られる。
① × → 「ケトン体」は「血液-脳関門」を通過できる。
② × →「ケトン体」はエネルギー源となる。
③ × → 「ケトン体」は「糖尿病&飢餓」のときの様に、解糖系が「低下」したときに作られる。
問54
①「PIターンオーバー」において「ホスファチジルイノシトールニリン酸(PIP2)」の分解にホスホリパーゼDが関与している。
②このときに生じる「ジアシルグリセロール」は「プロテインキナーゼC」を活性化する。
③「イノシトール三リン酸(IP3)」は細胞内「カルシウム濃度」を「上昇」させる。
① × →「PIターンオーバー」において「ホスファチジルイノシトールニリン酸(PIP2)」の分解に「ホスホリパーゼC」が関与している。
② ◯
③ ◯
☆「ホスファチジルイノシトールニリン酸(PIP2)」はPI特異的ホスホリパーゼC(PLC)
により分解されて、ジアシルグリセロールとイノシトール三輪酸ができる。ジアシルグリセロールは、プロテインキナーゼCを活性化し、イノシトール三輪酸は細胞内カルシウム濃度を上昇させて、細胞内における様々な酵素活動を変動させる。つまり、ホスファチジル
問55
①「トリアシルグリセロール」の合成の際、「グリセロール」と「脂肪酸」の「エステル結合」を作るときには「脂肪酸」を「アシルCoA」に「活性化」しなければならない。
②「脂肪酸」を「アシルCoA」に「変換」するには「ATP」の「加水分解エネルギー」を必要とする。
③「脂肪酸」を「アシルCoA」に「変換」するときに「ATP」はADPに「加水分解」される。
① ◯
② ◯
③ × → 「脂肪酸」を「アシルCoA」に「変換」するときに「ATP」は「AMP」に「加水分解」される。
☆「アシルCoA」は「脂肪酸」と「CoA」が「チオエステル結合」を介して結合したもの。「脂肪酸」の「活性化体」であり、「脂肪酸」と「CoA」を「縮合」するために「ATP」は「AMP」まで分解される。脂肪酸のβ酸化、鎖延長、不飽和化など、様々な脂肪酸代謝や、脂肪酸のリン脂質や中性脂肪への導入は「アシルCoA(脂肪酸の活性化体)」の形で行われる。
☆脂肪酸のβ酸化はミトコンドリアで行われる。遊離の脂肪酸はミトコンドリア内膜を通過しないのでミトコンドリア内膜を介した輸送機構が必要である。脂肪酸はβ酸化を受ける前にアシルCoAに変換される。その際、ATPのエネルギーを消費する(アシルCoAシンターゼの反応)。アシルCoAもミトコンドリア内膜を通過しないのでカルニチンアシルトランスフェラーゼ1(カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ1=CPT1)により「アシルカルニチン」に変換されてから輸送される。アシルカルニチンはミトコンドリア内膜に存在するカルニチン輸送担体によりミトコンドリア内に輸送される。ミトコンドリア内のアシルカルニチンは、カルニチンアシルトランスフェラーゼ(カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ2=CPT2)によりアシルCoAに変換され、これがβ酸化に使われる。
☆アシルCoAのミトコンドリアへの輸送は脂肪酸の合成が活発になると阻害される。アセチルCoAが余剰になった場合、アシルCoAのミトコンドリアへの輸送が抑えられ、β酸化が起こらなくなる。そのメカニズムは、脂肪酸合成の中間体である「マロニルCoA」が
カルニチンアシルトランスフェラーゼ1(カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ1)を阻害することによる。
問56
①「β-3アドレナリン受容体遺伝子」に「変異(Trp64Arg)」がある人は太りにくい。
②「アンカップリングプロテイン(UCP-1)遺伝子」は「熱産生タンパク質遺伝子」で発現が高いと肥満になる。
③「アンカップリングプロテイン(UCP-1)」は「熱産生」にNa-K-ATPアーゼによるイオンの濃度勾配のエネルギーを利用する。
① × →「β-3アドレナリン受容体遺伝子」に「変異(Trp64Arg)」がある人は「太りやすい」。
☆「Trp64Arg」=「倹約型遺伝子」=脂肪分解の効率が悪く、基礎代謝量が200kcal少ない。日本人の3人に1人。
② × → 「アンカップリングプロテイン(UCP-1)遺伝子」は「熱産生タンパク質遺伝子」であり、これが「変異」した「倹約型」は基礎代謝量が100kcal少なく、日本人の4人に1人が倹約型。
③ × →「脱共役タンパク質(=アンカップリングプロテイン)1」は「脂肪酸」を基質として「熱」を「産生」するタンパク質。
問57
①「ホルモン感受性リパーゼ」は「アドレナリン」により「活性化」される。
②「ホルモン感受性リパーゼ」は膵臓から分泌され「トリアシルグリセロール」を「分解」する。
③「ホルモン感受性リパーゼ」は「cAMP依存性プロテインキナーゼ」により抑制される。
① ◯
② × → 「ホルモン感受性リパーゼ」は「脂肪細胞」などから分泌され「トリアシルグリセロール」を「分解」する。
③ × →「ホルモン感受性リパーゼ」は「cAMP依存性プロテインキナーゼ」により「リン酸化」される。
☆「ホルモン感受性リパーゼ」は「脂肪細胞」などの脂肪を蓄積する細胞の細胞内に存在して「トリアシルグリセロール」を「分解」し、「脂肪酸」を遊離させる。その活性は「アドレナリン」に依存している。
☆脂肪細胞にアドレナリンが作用すると、アドレナリンβレセプターの活性化、Gsの活性化、アデニレートサイクラーゼの活性化を経て、細胞内にcAMPが蓄積する。「cAMP」は「cAMP依存性プロテインキナーゼ」を活性化して「ホルモン感受性リパーゼ」を「リン酸化」する。その結果、ホルモン感受性リパーゼが活性化してトリアシルグリセロールから脂肪酸を切り出し、脂肪酸を細胞外に遊離する。
問58
①ヒトはグルコースを原料に脂肪酸を合成できない。
②ヒトは「トリアシルグリセロール」の「グリセロール」部分から「グルコース」を合成できる。
③ヒトは「トリアシルグリセロール」の」脂肪酸」部分から「グルコース」を合成できる。
① × → ヒトは「グルコース」を原料に「脂肪酸」を合成できる。
② ◯
③ × → ヒトは「トリアシルグリセロール」の「脂肪酸」部分から「グルコース」を合成できない。
☆「糖→脂質」の代謝は容易に起こるが「脂質→糖」の代謝は「ほとんど」起こらない。
☆「トリアシルグリセロール」に「ホルモン感受性リパーゼ」が作用すると「脂肪酸」が遊離する。「脂肪酸」は「β酸化」に利用されて「アセチルCoA」を生じる。しかし「アセチルCoA」は「糖新生」の基質にならないために糖には変換されない。
☆「脂肪」が分解されると「グリセロール」も遊離するが、これは「肝臓」に運ばれた後で「グリセロール-3-リン酸」→「ジヒドロキシアセトンリン酸」を経て「糖新生」により「グルコース」に変換される。
問59
①VLDLは小腸で作られる。
②VLDLは「トリアシルグリセロール」を多く含み、「末梢組織」に「脂肪酸」を多く供給する。
③VLDLとLDLを比べると、LDLの方が比重が低い。
① × → VLDLは「肝臓」で作られる。
② ◯
③ × → VLDLとLDLを比べると、LDLの方が比重が「高い」。
☆キロミクロン→トリアシルグリセロール(軽)が多い。
☆小腸(キロミクロン)→リンパ管→リポプロテインリパーゼ(リポタンパク質リパーゼ)→キロミクロンレムナント
☆肝臓(VLDL)→血管→リポプロテインリパーゼ(リポタンパク質リパーゼ)→IDL→LDL→抹消組織
☆リポプロテインリパーゼ(リポタンパク質リパーゼ)=血管内皮細胞の表面に存在
問60
①「カルジオリピン」は「ジホスファチジルグリセロール」とも呼ばれる。
②「カルジオリピン」は「ミトコンドリア脂質」である。
③図は「カルジオリピン」である。
① ◯
② ◯
③ ×
☆「カルジオリピン」は「ホスファチジル基」を「2個」持つ「リン脂質」で「ミトコンドリア内膜」に存在する。
☆「ホスファチジル基」=「グリセロール」+「sn-1位の脂肪酸」+「sn-2位の脂肪酸」+「sn-3位のリン酸」
☆「カルジオリピン」は「ホスファチジルグリセロール」が2つ結合した形をとるので「ジホスファチジルグリセロール」とも呼ばれる。
水に溶けない脂質を各組織に運ぶためにリポタンパク質がある。リポタンパク質の一種のVLDL(超低密度リポタンパク質)は肝臓で合成される。血管に分泌され、血流を循環する間に、血管内皮細胞の表面に存在するリポタンパク質リパーゼが作用して、VLDL中のトリアシルグリセロールを分解してIDL→LDLと代謝される。
水に溶けない脂質を各組織に運ぶためにリポタンパク質がある。リポタンパク質の一種のVLDL(超低密度リポタンパク質)は肝臓で合成される。血管に分泌され、血流を循環する間に、血管内皮細胞の表面に存在するリポタンパク質リパーゼが作用して、VLDL中のトリアシルグリセロールを分解してIDL→LDLと代謝される。

LDLが酸化変性した酸化LDL(悪玉コレステロール)はスカベンジャーレセプターを介してマクロファージや血管内皮細胞に無制限に取り込まれる(通常のLDLは、LDLレセプターを介してエンドサイトーシスにより様々な細胞に取り込まれるが、この場合、厳密な調節がされており、コレステロールが過剰になると、それ以上は取り込まれない)。取り込まれた酸化LDLはコレステロールエステルの脂肪滴を多数持つ悪性に分化した泡沫細胞になる。

泡沫細胞は、細胞増殖因子や細胞遊走因子を合成して、まわりの細胞を増殖させる。それらが血管壁に蓄積することにより、血管壁が肥厚して動脈硬化となる。

一方、善玉コレステロールと呼ばれるコレステロールもある。HDLは、末梢組織から過剰コレステロールを引き抜き、肝臓に逆転送する。
LDLが酸化変性した酸化LDL(悪玉コレステロール)はスカベンジャーレセプターを介してマクロファージや血管内皮細胞に無制限に取り込まれる(通常のLDLは、LDLレセプターを介してエンドサイトーシスにより様々な細胞に取り込まれるが、この場合、厳密な調節がされており、コレステロールが過剰になると、それ以上は取り込まれない)。取り込まれた酸化LDLはコレステロールエステルの脂肪滴を多数持つ悪性に分化した泡沫細胞になる。
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泡沫細胞は、細胞増殖因子や細胞遊走因子を合成して、まわりの細胞を増殖させる。それらが血管壁に蓄積することにより、血管壁が肥厚して動脈硬化となる。
一方、善玉コレステロールと呼ばれるコレステロールもある。HDLは、末梢組織から過剰コレステロールを引き抜き、肝臓に逆転送する。
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