20代の日本男児5人が見せる、凄い世界。
ギリギリを更に超える、力技。
「名古屋」「尾張」から発信される、『ヒステリックパニック』というカルチャー。
“テクニックとセンスとユーモアを使って、
ど阿呆に振り切るバンド程、
驚異的なものは無い!
今の時代の全部乗せ!
俺のイチオシのバンドである。”
~ KenKen
ビクターエンタテインメントのBLACK SHEEP RECORDSレーベルから2016年7月にリリースされたヒステリックパニックの2ndアルバム『ノイジー・マイノリティー』の帯を飾る言葉。
ラウドでミクスチャーでPOPなバンドアンサンブル。
緩急自在な楽曲に乗る、世代を飲み込み凝縮された言葉達。
そして、5人のメンバーの卓越した演奏技術、音楽的センス。
ヒステリックパニック、通称“ヒスパニ”、そのメンバー:
とも (Vo.)
Tack朗 (Gt./Vo. )
$EIGO (Gt./Vo. )
おかっち (Ba.)
やっち (Dr. )
彼らは、自分達の持ちうる情報、センス、テクニック、そのすべてを総動員して、“遊ぶ”(笑)
2012年名古屋で結成後、2013年タワーレコード限定リリースの1st EPが異例の大ヒット。
2014年の1st ミニ・アルバムはオリコン・インディーチャートの1位を獲得。
名古屋を活動拠点としながらも全国進出、インディーズにして、COUNTDOWN JAPAN 14/15に出演。
そして、2015年ビクターエンターテインメント よりメジャーデビュー。
その後に続く全国ツアーでは、Sold Out会場続出。
各地の大型フェスへの出演も果たしつつ、2016年夏、2nd フル・アルバムをリリース。
2ndアルバム『ノイジー・マイノリティー』。
自らの立ち位置を表現したかの様なアルバム・タイトル。
そこで見せつける、更に深まった音楽的進化。
よりスケールを広げた世界感と、現実的な人の営みの機微が絶妙に両立する、更に研ぎ澄まされた描写力。
自分達の「らしさ」をひたすら推し進め、突き進み、カタチを成した“音楽”達。
仕掛けに驚き、音塊に揺さぶられ、響きに没入する、楽曲構成。
“メッセージ”未満、等身大に掘り下げられた“言葉”達。
放つ音に真摯に向き合いつつも、決して“遊び”ゴコロから離れない、そのスタイル。
アルバム発売にあわせた2016年夏から秋にかけての全国ツアー。
その終盤。
2016年10月13日(木)恵比寿 LIQUID ROOM。
東京での初のワンマン・ライブ。
開演当日。
リハーサルで目にする、まったく気負いの無いメンバーの姿(笑)
そして、破竹の勢いでここまでの道のりを駆け上がってきたメンバー達を支えるスタッフ、“ヒスパニ・クルー”の抜群のチームワーク。
それぞれの“得意”、“専門分野”を最大限に活かし、ショーを “ヒスパニ”ムーブメントを生み出して来たチカラ。
メジャー・デビュー後も名古屋を活動拠点としているヒスパニ。
今回の2ndアルバムのレコーディングも、インディー時代から引き続き、地元“J’z Studio”で行われました。
そして、このライブ会場にも、J’z Studioのエンジニア、もっとも“ヒスパニの音を知る”松井さんがPAエンジニアとして会場入り!松井さんは、これまでも多くのヒスパニのライブに帯同、音響、機材の異なる様々な会場で、“ヒスパニの音品質”をキープし続けてきました。
この日も、1000人のキャパを誇る恵比寿リキッドルームの空のホールで“観客を想定した”音作り。
やはり、ローエンドが難しそう!
ローといえば、
「(おかっちさんの)ベースのDI、コレに変えたんですよ!」
と松井さん。
ベース・おかっち氏のアンプのラック裏にスタンバイされたこのDI。
これまでも数種類のあんなDIやこんなDIを試してきたところ、昨今のデジタル化してきたPA環境では、どうしても思い描いた低域が出せなかったと。
そして、この『L.R.Baggs / Stadium Electric Bass DI』に変更したところ・・・
「一発で解決しました!」
絶賛です!
そして、ベース・おかっち氏のシステムは・・・
『tc electronic / BH750 』ヘッドに、キャビネットが『Ampeg / SVT』。
「キャビは大きいのに慣れてますので、どうしてもAmpegに。ウチ、中音大きいですし(笑)」
そして、足元に・・・
見事なペダルボード!
楽曲での随所のソロパートでも大活躍!
そして、愛器、赤いSugiベース。
おかっち氏は、3本のSugiベースを用意!
「(メインとなっている)4弦(『NB4』)の赤は東京の遠征中に衝動買いしました。
4弦の青はサブが欲しくて探してたらネットで中古を見つけて即買いしました。
5弦(『NB5』)はSugiの営業の方を先輩バンドマンに紹介していただきご相談をして入手しました(笑)」
--- 4弦と5弦の使い分けは?
「基本的には4弦のドロップDチューニングがメインです。
5弦は2nd アルバム『ノイジーマイノリティー』より『Holograph』のみです。ザックリとしますが楽曲イメージがドロップDの雰囲気ではなくもっと下の帯域を出したくて5弦で弾きました。」
4弦でも普段から“ドロップD”!ベース本体の“精度”も問われる訳ですね!
続いて、センター後方に鎮座する、ヒスパニの複雑なビートを 正確に明るく叩き出す(笑)やっち氏のセット。
『TAMA / Star Drums』キットに『TAMA / IRON COBRA』ツインペダルをセット。
スネアも同じくTAMAのS.L.Pシリーズ、ブラックニッケルの14×6.5ブラス・シェル、『LBR1465』。
そして、フラットにレイアウトされたシンバル群の一角にパッド型サンプラー『Rolnad / SPD-SX』の姿も見えます。
--- 『SPD-SX』にはどのような音が仕込まれているのでしょう?
「ブレイクダウン時に使う低いドゥーンンン…というサブドロップが2種類。『般若』、『でんでんひすぱっしょん』のシーケンス、あと趣味でアニメの声が入ってます。」
スティック・ケースにはブラシ、マレットの姿も見えます!
実は、やっち氏、吹奏楽でのマーチング・ドラムの経験者でもあるのです!
--- ライブでもブラシやマレットを?
「全く使いません!!昔のなごりでそのまま入れてます(笑)」
続いて、下手(しもて)ギター&ボーカルのバンドリーダーTack朗氏のセット。
愛器レスポール、『Diezel / HERBERT』ヘッド、『GENZ-BENZ / GB412G-FLEX。
漢義あふれるシンプル3点セット!
・・・その『HERBERT』ヘッドをよく見ると、
--- お見受けしたところ、ch2のノブしか上がっていないような・・・。
「おっしゃる通りch2しか使ってません!!エフェクターもチューナーとワイヤレスのみの直アンです。漢らしいですよね!ドンッ!!
本当は高校生の時の学園祭でのトラウマでライブ中にフットスイッチを踏むことができない体になってしまったからなんですけど(笑)
僕は、マキシマムザホルモンの亮君をリスペクトしているのですが、狙ったわけではないですけど、ヘッドからキャビまで全く同じ機材になってしまいました!」
--- そして、レスポールですね!
「レスポール大好き人間です!トラ目がバリバリな個体を見たらご飯三杯は食えます(笑)
こいつはヒスコレの59で世界限定100本のFACTORY BURSTという限定カラーのモデルです。
5年くらい前にギターの弦を買いに行こうとたまたま入った楽器屋で出会ったんですが、気がついたら持ち帰ってました(笑)!もうすぐローンという長い旅路が終わります(笑)」
そして、多くの曲の“キャッチーなサビパート”を担当する、超ハイトーン・ボイスを受け止める『HEiL Sound / PR35』。しかも“銀”!更に、マイクケーブルとして、ステージ上での取り廻しの悪さを逆手に取った(笑)見事なワイヤリング(?)が施された『Oyaide / PA02』が繋がっています!
実は、上手(かみて)にも・・・『HEiL Sound / PR35』、しかも“金”!(笑)
同様に『PA02』が繋がるこちらは、上手ギターの$EIGO氏のボーカル・マイクとしてスタンバイ。
$EIGO氏は、ストレートな“男”声ボーカルで、印象的な多くのフレーズを楽曲に添えます。
そして、$EIGO氏の背後に築かれた、最新ギターシステムは・・・
『Orange / Rockerverb』ヘッドに、そして『Line6 / HELIX Rack』。
キャビネットには『Orange / PPC212』、『GENZ-BENZ / GB212G-FLEX』の2種をスタンバイ!
--- これらの接続は?
「4ケーブルメソッド方式で接続しています。
HELIX内蔵のアンプでの音作りも時間を掛けてやりましたが、アンサンブルの中だとどうしても馴染む感じが弱く、僕等みたいなサウンドのバンドでは、メインのサウンドは【生】の真空管サウンドが至高だと思っています。」
--- 2つのキャビの使い分けは?
「基本アンプから直列で使用しています。
特性としては、
Orange :乾いたサウンドが出力されます。この成分はオレンジのキャビでないと出ません。PPC412とPPC212がある中で212の方がスピーカーがフルアップで鳴るので2発のキャビを使用しています。
GenzBenz :こちらはオレンジの無駄に出てしまうハイミッド成分を位相の関係で上手く消し去ってくれる役割と、ローエンド足しとして使用しています。なのでこの双方のキャビを合わせて自分の音として確立しています。」
--- マイクも複数種類立ってますね。
「マイク関係として、HEiL SOUNDが大好きでオレンジのキャビは必ずHEiLの『PR22』というダイナミックマイクで拾っています。」
--- Line6の『HELIX Rack』は、最近導入された機材ですね!
「まずそもそも、HELIXは音の再現率がとても高いアンプシュミレーター兼サウンドコントロールの中核、というのが、大まかですが本来のHELIXのメリットだと思います。もちろん内蔵のエフェクトの精度もよく種類も豊富さらにはアップデートにより増えていく。この時点で最高なんですが、僕はギターコーラスという立場上少し特殊な使用方法なんです。
オブリガードにディレイ系を掛ける、メインテーマにはハーモナイザーを掛けて別物の空間系を掛ける、・・・というサウンドにプラスαする立ち位置としてやっている事はよくある形なんですが・・・
コーラスの量、つまり歌っているパートがとても多いため、足元をほぼほぼ見る事が出来ないんです。つまりスイッチを細々と踏むタイミングがとても難しいスタイルなんです。
そんな中HELIXはフットペダルに様々な値をアサイン出来るんです。しかもそれが3台!!!
フットペダルはあらかじめ足を置いておく事が出来る+踏み間違え等が殆どありません。
その分ギタープレイに集中出来るのが一番のメリットです。」
「フラクタルでもこの機能は簡単に出来ると思いますが、HELIXは(加えて)大型ディスプレイを搭載していて、その操作性が抜群にいいです。
(あと、)ライブハウスのサイズ感により空間系のミックス具合やブースト系の調整などがあまりにも簡単に出来るので、その操作性も選んだ理由です。」
「僕は“フットコントロール”と“フットペダル3つ”というとても少ない足元ですが、そのフットペダルに何十もの値が調整されて(スタンバイされて)いるのでまさに魔法のペダルだと思っています。」
実際、$EIGO氏のフットボード内には、『HELIX』のコントローラー類のみがスタンバイ!
『HELIX』、大活躍ですね!
「ここまでライブも3〜40本やっていますがトラブル等も一切ありません!
なによりデジタルとアナログの融合が狙い通り出来たので凄く満足しています!
サウンドやエフェクトはまだまだ無限の可能性があるので本当最高に興奮する機材です!」
「最後に、エフェクトをセパレート方式にする方式があるんですが空間系の分離がとても良く、それが1秒で切り替えれるという点には涙が出るほど感動しました!」
そんな$EIGO氏の愛用ギターは、GRETCH(グレッチ)!
--- 2本のグレッチの種類は?
「緑 が、『G6134CG FSR Penguin』
赤 が、『6131 Firebird』です!」
--- ところで、なぜグレッチなのでしょう?
「基本、扱いが難しいと言われているギターですが、グレッチでないと出ないHi成分のキリキリ感があり、そのサウンドがとても好きだからグレッチを使っています!」
--- グレッチを手にしたきっかけは?
「父親が持っていたシルバージェットというギターを中学生の時に弾いた際、ネックの吸い付き感やチョーキングのし易さに驚愕して、それ以来グレッチが自分の中で最高峰という価値観が出来上がりました!」
--- いい出会いです!
「(グレッチのギターは、)ギブソンやフェンダーの丁度中間なニュアンスというのが分かりやすい例えかと思います。」
ありがとうございます!
そして、ステージのセンター後方にもう1本のボーカルマイク。
強烈な“赤い”マイクケーブルが接続された、『SENNHEISER / e935 』。
--- ワイヤレスではなく?
少し前にメンバーと話した際、
「ワイヤードの美学、ってあるでしょ?」
との言。
そして、このワイヤードの『e935 』こそ、ヒスパニをヒスパニたらしめる“リアル・スクリーモ”ボイス担当:とも氏の愛器。
そう、ヒスパニには、“ボーカリスト”が3名いるのです!
“コーラス”、ではなく、3種3様のスタイルを持つ“ボーカル”が3名!
超高域の軋み声から存在感抜群の超低域デスボイスを操る、とも氏。
抜けのいい“超”ハイトーンボイスであまりにメロディアスなフレーズを連発する、Tack朗氏。
ストレートなミディアムトーンで男前フレーズを歌い上げる、$EIGO氏。楽曲の複雑な構成を更にカラフルに彩色するこの3種の声による、変幻自在なボーカル・ワーク。
このスタイルこそが、ヒスパニの“独創”。そして、彼らが“Rock”であり、“POP”である重要なファクター。
そして、2016年10月13日 19時。
ほぼ定刻でスタートされた、ワンマンツアー『秋の竹城』、東京リキッドルーム編。
のっけから繰り出される、ハイテンションなビート、リフ、飛び交うボーカル・ワーク。
自信に満ちたメンバーの顔。
観客の熱を受け、そして喜びへと変わるその表情。
各人の確実な、かつハイレベルな演奏技術。しかしながら、それはあくまでも“ベース”であり、このライブにおいては、“観客を楽しませる”為のひとつのツールでしかない。それ程に、メンバーが放つ「遊ぼうぜ!」の言葉が、リアルに響く、そのライブ。
ヒステリックパニック。
彼らは、これからも、柔軟な発想力を持ったまま、“大人”のツールで、全力で“遊ぶ”。