使っても大丈夫?ヘルペスに『効く薬』と『効かない薬』一覧

幾つかあるヘルペスの症状の中でも

唇やその周囲に水疱がまとまって出来る口唇ヘルペスは

症状のよく似た口角炎や口唇炎と誤認しがちです。

初めて症状が出たときには、特に陥りやすい罠で

ここで治療法や薬を間違えると、効果が正しく発揮されず

何かがおかしいと思いつつも、自覚のないまま

半月近く掛けて自然治癒させる破目になります。

統計によると日本人の10人に1人は口唇ヘルペスに罹患した経験があるそうで

口唇ヘルペス自体の認知率は4割程度と意外と低い割合になります

こういった半数以上がヘルペスの病名すら知らない状況では

ヘルペス用の市販薬や処方薬にスムーズに辿り着くほうが難しく

『殺菌・消毒』の言葉に釣られて、普通の外傷薬や口角炎・口唇炎用の市販薬に

安易に手を出してしまうのも理解できます。

ですが、口唇ヘルペスは口角炎や口唇炎とは違い

ヘルペスウイルスによる自己や他者への二次感染が懸念される病気ですし

ヘルペス専用の抗ウイルス薬を使ったほうが遥かに短期間で完治できます。

今回は薬を使っているのに症状が全く改善しないという方や

不慣れでどの市販薬を選んで良いのかわからないといった方の為に

口唇ヘルペスや性器へルペスに『効果のある薬』と『効果の無い薬』

口唇ヘルペス・口角炎・口唇炎の違い

以前も記事にしたことがありますが

予備知識として、口唇ヘルペス・口角炎・口唇炎の違いについて

治療にはアクチビア軟膏やアラセナSなど

ウイルスの増殖を抑制する抗ウイルス薬を使います。

口角炎はカンジダに代表される菌類が原因で発症し

治療にはクロマイ-N軟膏など、カビを殺菌する抗真菌薬を使います。

口唇炎は出血やひび割れを伴う唇の炎症で、単純には言い切れませんが

治療には殺菌・消毒・保湿を主とする一般的な外傷薬やリップクリームを使い

放置しても自然治癒する事が多いです。

現在、口角炎と口唇炎の市販薬はワンセットになっている場合が多く

一種類の市販薬で両方に効果が見込める製品が簡単に手に入りますが

口唇ヘルペス用の市販薬は第一類医薬品として明確に区別され

これらのヘルペス市販薬以外はどれを選んでも効果が無い

大雑把に捉えても差し支えありません。

ヘルペスに効果のある薬

ヘルペス治療に効果のある抗ウイルス薬には

大きく分けて外用薬と内服薬の2種類があり

日本国内では軟膏やクリームなどの外用薬のみが

第一類医薬品の市販薬として販売されいます。

これらの市販薬は口唇ヘルペスの再発治療に用途が限定されていますが

病院で処方されるバルトレックス・ゾビラックス・ファムビルなどの内服薬は

口唇ヘルペスだけでなく、性器ヘルペス(GH)の治療や予防投与にも効果を発揮します。

処方される内服薬は上限が5日分と決められている上に

保険が適用されても、比較的高価な薬なので

再発が頻繁な方や予防投与を目的としている方には大変不便です。

ですが、簡単に利用出来る専門の海外通販業者があるので

同種の内服薬を海外から並行輸入する事で解決できます。

外用薬

●アクチビア軟膏(グラクソ・スミスクライン社)

恐らく一番有名で安価なヘルペス市販薬です

アシクロビル配合で軟膏を患部に被せる様に塗布しますが

白残りするので、外出や就寝時の利用には不向きです。

●ヘルペエース(奥田製薬)

アクチビア軟膏と同成分の類似品で流通量も少ないです

価格もアクチビア軟膏よりもやや割高なので、選ぶ理由は無いでしょう。

●ヘルペシアクリーム(大正製薬)

アシクロビル配合のヘルペス市販薬で唯一のクリームタイプです

クリームなので伸びが良く、軟膏タイプよりも目立ちません

使い勝手に優れ、外出・就寝時にも便利に使えます。

●アラセナS軟膏・アラセナSクリーム(佐藤製薬)

ビダラビン配合でアシクロビル配合よりも少ない塗布回数で高い効果を発揮し

同社医療用の「アラセナ-A軟膏3%」「アラセナ-Aクリーム3%」と同じ成分を配合。

治療に費やせるまとまった時間があり、効果を重視するならアラセナS軟膏

使い勝手の良さを重視ならアラセナSクリームが良いでしょう。

ヘルペスが再発し、初めてヘルペス市販薬を購入する場合は

効果の個人差を考え、抗ウイルス成分の異なる2種類の薬を選んだほうが良いです

アラセナSクリームとヘルペシアクリームの組合せが無難でしょうか。

●アブレバ Abreva Cold Sore(グラクソ・スミスクライン社)

アクチビア軟膏と同じグラクソ・スミスクライン社製で、アメリカの厚生省にあたる

FDA(米国食品医薬品局)に唯一承認された非処方箋調剤薬です。

ドコサノール配合のクリームタイプで平均2.5日のスピード完治が売りですが

効果はアラセナSと同程度の印象でしょうか。

国内で正規販売されていないため、非常に高額で取扱いも一部に限られていますが

アクチビア軟膏やヘルペシアクリームのアシクロビル

アラセナSのビダラビンで効果の無かった方が

最後に試す第3のヘルペス外用薬といった位置付けでしょうか。

内服薬

●ゾビラックス Zovirax(グラクソ・スミスクライン社)

アシクロビル配合でアクチビア軟膏の内服薬版に相当します

一日5回の用法に難があり、後述するバルトレックス錠やファムビル錠と比べて

やや時代遅れの感があります。

●バルトレックス Valtrex(グラクソ・スミスクライン社)

一日2回の用法で使い勝手がよく、現在主流の第2世代抗ウイルス薬です

主成分はバラシクロビルで1000mg版は1箱21錠入り

口唇ヘルペスは勿論、性器ヘルペス(GH)の治療や予防投与にも活用できます。

特に性器ヘルペスは初感染から1年以内に8割の方が再発すると言われているので

あやしいと思ったら直ぐに服用出来るように

常備薬として手元に置いておく事を推奨します。

●バルシビル Valcivir(シプラ社)

バルシビルはバルトレックスのジェネリック版で主成分も同じバラシクロビル

ジェネリックなので本家よりも低価格と思いきや、こちらの方が高い場合もあり

1箱に3錠とバルトレックスよりも極端に少ないので、まとめ買いが必須です。

●ファムビル Famvir(ノバルティス社) 

主成分はファムシクロビルで1箱21錠入り

用法は一日3回とゾビラックスとバルトレックスの中間くらいです

バルトレックスで効果がない方向けと言った印象で価格も割高。

●ファムシクロビル Famciclovir (Macleods Pharmaceuticals社)

ファムビルのジェネリックでファムシクロビルを同量の250mg含有しています

バルトレックスジェネリックのバルシビルとは異なり

こちらは価格が本家の1/3なのでゾビラックスや

バルトレックスが効かない方は迷わずこちらを選びましょう。

その他

●コンピード コールド ソー パッチ Compeed Cold Sore Patch(コンピード社)

国内では正規販売されず、一部でしか取扱いがありませんが

傷口の治療と保護が同時に出来るパッチタイプのヘルペス治療薬です。

抗ウイルス成分を含んでいないにも関わらず

治癒速度はアクチビア軟膏やヘルペシアクリームに匹敵し

パッチの上からでも、お化粧やUVケアが出来る優れモノですが

ヒゲが濃く伸びるのが速い男性にはやや不向きな製品かも知れません。

ヘルペスに効果のない薬

殺菌・消毒・保湿を謳った外用薬や口角炎や口唇炎の治療薬の殆どは

口唇へルペスや性器ヘルペスに効果が無く、口内炎用の薬も同様です。

種類が多いので、代表的な製品に絞って採り上げますが

外用・内服を問わず、抗ウイルス成分の含まれていない薬と

ウイルスを殺菌・消毒できる高水準消毒薬・中水準消毒薬以外は

こちらに含まれることになります。

外用薬

●オロナイン(大塚製薬)

安全性を重視しているオロナインには低水準消毒薬の

クロルヘキシジングルコン酸塩液が使われています

低水準消毒薬の大半は一般細菌にしか効果が無く

ヘルペスウイルスを殺菌・消毒する事が出来ません。

●マキロン(第一三共ヘルスケア)

主成分の塩化ベンゼトニウムはヘルペスウイルスに対して

僅かに効果を発揮しますが、気休め程度です

患部の殺菌・消毒には、後述するポビドンヨード(イソジン)を使いましょう。

●オキシドール

効果はゼロではありませんが、患部への適用では

ヘルペスウイルスに対しての殺菌・消毒効果は薄く

マキロンと同様に気休め程度と考えたほうが良いです。

眼科や歯科では希釈していない原液で、器材に付着した

ヘルペスウイルスを消毒していますが、10分程度浸す必要があります。

●メンソレータム(ロート製薬)

オロナインと同様の理由で効果がありませんが

殺菌成分は天然植物由来のユーカリ油でより安全性が重視されています。

因みに、薬効はありませんが保湿効果に優れるワセリンが7割近く含まれているので

症状が一段落した後に、患部を覆うように絶えず塗り続けると

僅かに湿潤治療の効果が得られるかも知れません。

●メンターム(近江兄弟社)

メンソレータムとほぼ同じ製品なので、ヘルペスへの効果も同様です。

●クロマイ-N軟膏 (第一三共ヘルスケア)

クロマイはカンジダ菌などの真菌類が原因となる

口角炎の治療に効果を発揮しますが

ヘルペスウイルスには効果がありません。

●コーフル軟膏(協和新薬)

主成分のアクリノールはレンサ球菌・ブドウ球菌・ウェルシュ菌などの化膿菌を

殺菌・消毒する効果がありますが、ヘルペスウイルスには効果がありません。

●メディケア デンタルピルクリーム(森下仁丹)

口角炎・口唇炎・唇ケア用の市販薬なので

口唇へルペスによる水疱の治療には効果がありませんが

完治後のアフターケアには役立つかもしれません。

●ユースキン メディリップ(ユースキン製薬)

口角炎・口唇炎・唇ケア用の市販薬なので

口唇へルペスによる水疱の治療には効果がありませんが

完治後のアフターケアには役立つかもしれません。

●メンソレータムメディカルリップ(ロート製薬)

口角炎・口唇炎・唇ケア用の市販薬なので

口唇へルペスによる水疱の治療には効果がありませんが

完治後のアフターケアには役立つかもしれません。

内服薬

●SPトローチ(明治)

主成分のデカリニウムは細菌や真菌類の殺菌・消毒に効果を発揮しますが

低水準消毒液に分類され、ヘルペスウイルスには効果がありません。

その他

●リステリン(LISTERINE社)

口内洗浄薬液として大変有名なリステリンですが

口内細菌を殺菌・消毒できても、ヘルペスウイルスには無力です

また、風邪の予防にも当然効果はありません。

ヘルペスに条件付で効果のある薬

ヘルペス専用の薬ではありませんが

ヘルペスウイルスにある程度の効果を発揮したり

条件付で効果が見込める薬もあります。

外用薬

●イソジンきず薬・イソジン軟膏(塩野義製薬)

主成分のポビドンヨードは中水準消毒薬に分類され

ヘルペスウイルスを含むウイルスを殺菌・消毒できます。

うがい薬だけでなく、外用薬として使える液体・軟膏タイプが販売され

ヘルペスによる水疱が破れてしまった時などに大変重宝し

へルペスウイルスを殺菌・消毒する事で二次感染リスクを低減できます。

薬は茶褐色で塗布後は時間経過によって次第に薄くなっていますが

衣類や寝具に触れると色移りしやすいので注意しましょう。

●明治きず薬・明治きず軟膏(明治)

ポビドンヨードを主成分とする塩野義製薬の『イソジン』と同様の製品です

現在は商標が塩野義製薬に移っていますが、以前は明治が販売していました。

●ヨードチンキ

一昔前に消毒薬として一般的だったヨードチンキにも

ヘルペスウイルスを殺菌・消毒する効果があります。

ヨウ素を利用している点はポビドンヨード(イソジン)と同じですが

皮膚刺激作用が強く患部にしみるので

あえて、こちらを選ぶ理由は無いかも知れません。

●エタノール

中水準消毒薬に分類されるエタノールはポビドンヨードと同じく

ヘルペスウイルスを殺菌・消毒することが出来ます。

無色なので使い勝手が良いですが、患部に使用する場合は

必ず医療用エタノールを選びましょう。

その他

●キズパワーパッド(ジョンソン・エンド・ジョンソン)

構成が前述のコンピード コールド ソー パッチ(Compeed Cold Sore Patch)に

似ているので、同様の効果が期待できるかも知れません。

明確なデータが個人の経験くらいしかない為、推奨はしませんが

コンピードとは異なり、発症初期からの使用ではなく

完治直前での利用に限定した方が安全でしょう。

本来は瘡蓋が出来る前のウエットな状態で使用しなければなりませんが

私の経験からすると、水疱が沈静化し最初に出来た薄い瘡蓋が

入浴や洗顔で剥がれたタイミングで使うのがベストです

こうなると普通の傷と大差がなくなるので

個人差はありますが、3~5日程度で傷口が綺麗に治癒します

治療よりも傷あとを残さないテクニックといった感じでしょうか。

まとめ

効果の有無に関わらず、様々な薬を紹介してきましたが

口唇ヘルペスや性器ヘルぺスの治療には

抗ウイルス成分を含む外用薬や内服薬を使うか

へルペスウイルスを殺菌・消毒できる中水準以上の消毒薬を使うかの

2通りの方法しかありません。

症状の似た口角炎や口唇炎用の薬はもちろん

細菌や真菌に効果のある外用薬や口内炎の薬も

ヘルペスには全く効果が無いことを覚えておきましょう

これらの薬でも効果があったという場合は

ヘルペス由来の症状では無かったか、自然治癒したと考えられます。

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