血を抜いて肩こり解消?献血にダイエットや肩こり解消効果はあるのか
病気や怪我で手術を受ける際に輸血を行う場合があります。この時輸血される血を完全に人工的に造る技術を私たちはまだ持っていません。
医療現場で欠かすことの出来ない輸血、血液製剤。その原料は献血によって提供された本物の血なのです。この血が近い将来足りなくなると言われています。
献血は私たちが身近で出来る社会貢献です。その献血が美容や健康によいと巷でささやかれています。 それは本当なのでしょうか。
献血で得られるメリットをご紹介します。
献血の意味とは?献血の基礎知識
献血は無償で自分の血液を提供することを言います。 提供された血液は感染の有無の検査がなされ、その後、輸血や血液製剤の製造に使われます。現在の日本では献血事業は日本赤十字社のみが行っています。
献血は常設されている献血ルームと移動式の献血バスで行うことが出来ます。献血ルームの場所、献血バスの場所と時間帯は日本赤十字社のホームページで確認することが出来ます。
病気やけがなどで輸血を必要としている患者さんの尊い生命を救うため、日本赤十字社では、16~69歳まで(※)の健康な方に献血のご協力をお願いしています。献血は、毎日稼働している献血バスと常設の施設で受け付けています。
(注)65歳以上の方の献血については、献血いただく方の健康を考慮し60~64歳の間に献血経験がある方に限ります。
献血で提供できる血液量
200mLと400mLの献血が選択できます。日本赤十字社は400mL献血のご協力をお願いしています。
400mLの血液とはどれくらいの量なのでしょうか。血液の量は体重の約13分の1が目安です。日本人の平均体重は厚生労働省の統計資料によると2013年の40~49歳男性は70.3kg、同じく女性は54.6kgです。
男性の場合は、70.3kg÷13= 5.407692308kg、女性は54.6kg÷13=4.2kgとなります。
血液は1kg=約1リットルです。つまり体重70kgの男性なら5.4リットル、55kgの女性でしたら4.2リットルの血液量となります。
献血の効果とは?ダイエットや肩こり解消の噂は本当なのか
献血の効果が様々噂されている中、ダイエットや肩こりについて効果があるというのをよく耳にするような気がします。
果たして、本当にそのような効果があるのでしょうか。
献血の噂1.献血はダイエットになるのか?
献血で400mLの血を提供すればその分体は軽くなります。 400mL=約0.4kgです。 0.4kg確実に軽くはなりますが、その後、500mLサイズのペットボトル1本飲めば元に戻ります。
献血で痩せるということはありません。もし本当に献血で体重減少が起こってしまうのであればそれは問題視されて献血量の見直しが行われていると思います。
献血の噂2.献血は肩こりに効くのか?
献血が肩こりに効く、という噂もあります。
一方、瀉血という血を抜く医療行為があります。この瀉血が肩こりに非常に効果があります。 そのことから献血が肩こりに効くのでは、と連想されたものであると思われます。
東洋医学には瘀血(おけつ)という概念があります。血の流れが悪くなることによって血の鮮度が落ちている状態を言います。
この鮮度の落ちた悪い血を抜く医療行為を瀉血と言います。血を抜く場所はどこでも良いわけではなく、悪い血が溜まっているところから血を抜きます。
また、悪い血を抜いて他人に提供することは日赤は「出来かねます」とコメントしています。
血を抜くことの効果と献血のメリット
瀉血は日本でも鍼灸師さんや整体師さんが治療として行っていましたが、現在では法律により血を抜く行為は医師にしか出来なくなっています。
瀉血は東洋医学の考えに基づく治療法であり、西洋医学中心の日本の医療現場ではほとんど行われていないのが現状です。
ただ、西洋医学の治療法でも血を抜くことが治療として効果があると認められている疾患があります。
C型肝炎と多血症です。それぞれ血の抜き方にやり方がありますので、このような疾患をお持ちの方は献血に行くのではなく、C型肝炎の方は肝臓内科、多血症の人は
内科を受診なさって下さい。
献血は見ず知らずの人を助ける非常に尊い行為です。とはいえ針を刺して痛い思いをするのですから何かしらのメリットを期待するのも自然なことです。
献血をした際に希望をすれば後日葉書にて生化学検査、血球計数検査の結果のお知らせを受けられます。
| 生化学検査 7項目 |
|
|---|---|
| 血球計数検査 8項目 |
|
血圧も測定してもらえますし、コレステロールや糖尿病の状態も確認することが出来ます。ただ、400mL献血の場合、年間男性は3回以内、女性2回以内、200mL献血でも年間男性は6回以内、女性は4回以内とされています。
加療中の方はコレステロールの値や糖尿病の状況の確認にこれくらいの頻度で充分なのかは医師の判断が必要です。
提供された血液がHIV(エイズ)ウイルスに感染していないかの検査はされますが、結果は本人には通知されません。HIVウイルス検査をご希望の方は保健所にお問い合わせください。匿名で検査を受けることができますよ。
献血ルームで開催されている楽しいイベント
常設の献血施設である献血ルームでは献血をして下さる方がリラックスしていただけるように心地よい空間になっています。
献血で提供される血液はほとんどが水分で構成されています。その為、献血前後に水分補給を行っていただくため無料で飲み物が提供されています。またお菓子がもらえるところもあるのですよ。
献血後の安静時にお読みいただく雑誌やマンガが用意されているところもありますしwifi環境の整っているところもあります。一度献血ルームを見に行ってみるのも面白いと思います。
では各献血ルームの様々なイベントを一部ご紹介いたします。詳細は各献血ルームのホームページでご確認下さい。
東京スカイツリータウン・ソラマチ10階 献血ルームfeel
献血ルームfeelでは一定期間内に献血をした方に「隅田川花火大会観覧会@feel」への募集を行っています。抽選に当選した方は隅田川花火大会観覧に絶好のロケーションの献血ルームfeelから花火大会を鑑賞いただけます。
新宿東口駅前献血ルーム
新宿東口駅前献血ルームでは予約をすると献血前に10分間のハンドリラクゼーションを受けることが出来ます。また日にちが限られていますが手相をみていただいたり、タロット占いをしてもらえます。
新宿東口献血ルーム
新宿東口献血ルームでは日替わりでタロット占い、手相占い、ハンドマッサージ、毛髪チェック、メンタルケア&アートセラピー、メンタルセラピー、人生相談、カラーコーディネート、九星占いをイベントとして行っています。
献血ルーム新宿ギフト
献血ルーム新宿ギフトにはガールズバンドSilent Sirenのステージ衣装が展示されています(期間限定 2016年6月現在)。その他、日にち限定ですがタロット占い、手相占い、カイロプラクティック、ネイルケアなども受けられます。
akiba:F献血ルーム
akiba:F献血ルームはアキバらしく サブカルチャーグッズの展示スペースや蔵書量都内随一を誇るコミックスが用意されています。こちらでもタロット占い、手相占い、心理テストなどが受けられます。
日本赤十字社北海道支部
日本赤十字社北海道支部は小学生のお子さんを対象に赤十字のお仕事が体験できる「赤十字キッズランド」を年1回開催しています。
仙台駅前アエルビル20階 献血ルームAER20
献血ルームAER20では「カイロプラクティック」・「カラーセラピー」・「タロット」・「オラクルカード・タロット」などのイベントが行われています。 テレビを見ることが出来ますよ。
愛知県赤十字血液センター
愛知県赤十字血液センターでは複数回献血クラブの会員方限定イベントですが野菜ソムリエTAEさんの講演会が開催されました。
大阪府赤十字血液センター
大阪府赤十字血液センターの各献血ルームでは成分献血ポイント制&400mL献血プラスワンキャンペーンが実施中です。 ポイント達成時にハンドソープやデンタルリンスなどの日用品がもらえます。
広島県赤十字血液センターの各献血ルーム
広島県赤十字血液センターの各献血ルームでは以下のようなイベントが行われています。
- 「ピース」カラーセラピー、手相占い、カイロプラクティック、ハンドケア・ネイルケア
- 「もみじ」骨髄バンク登録会(つばさの会)似顔絵サービスデンタルフロスの正しい使い方ハンドケア・ネイルケア
- 「ばら」カイロプラクティックハンドマッサージ
北九州市の献血ルーム・くろさきクローバー
献血ルーム・くろさきクローバーでは本格コーヒーがご用意されています。
売血という暗い過去からの脱却!献血ルームをのぞいてみよう
1969年までの日本では自分の血液をお金に換えることが行われていました。(血漿分画製剤用としては1990年まで存続していました)これを売血と言います。売血には沢山の問題があり、現在では売血は行われていません。
2002年に公布・施行された「安全な血液製剤の安定供給の確保等に関する法律」によって現在は図書券やクオカードなどのお金に換えることが出来るものを処遇品として渡すことも出来なくなっています。
そのため、各献血ルームでは献血して下さる方に喜んでいただけるように様々な知恵をしぼっています。快適な環境、各種イベントなど上記でご紹介したものはごく一部です。是非、あなたの街の献血ルームのホームページだけでも覗いてみて下さい。
献血制度はこうしてできた…献血の大切さとは
今の献血制度は「黄色い血追放キャンペーン」という市民運動から始まっています。
売血が行われていた当時には、金銭的に困窮した人が月に何度も献血をするケースがありました。血液の赤さは赤血球の中にあるヘモグロビンが鉄を含んでいるからです。この鉄に酸素を着けたり、離したりすることで赤血球は全身に酸素を送っています。
献血後に元の赤血球数に戻るまでに2~3週間掛ると言われています。月に何度も献血をするということは赤血球が元に戻る前に献血をしているということです。
赤血球の足りない血液は実際に黄色っぽく見えたことから「黄色い血」と呼ばれていました。
提供される血液の質が悪く輸血を受けることでC型肝炎などに感染してしまうケースまで…。
売血を行う人たちの中には覚せい剤常習者もいたと言われています。その人たちが注射針の使い回しをしてC型肝炎の感染が広がっていたと考えられています。
これらの問題を踏まえてマスコミや医学部生が「黄色い血追放キャンペーン」を行いました。
一方、1964年に駐日アメリカ大使がナイフで太ももを刺されて重傷を負うという事件が起こりました。大使は日本で輸血を受け一命は取り留めましたが、この時の輸血が原因で肝炎に感染してしまいました。これをライシャワー事件と言います。
このアメリカ大使ライシャワーはとても日本と縁の深い方でした。祖父は東京女子大学の創設者の一人です。ライシャワー自身、日本で生まれて17歳まで日本で過ごしました。妻は明治の元勲松方正義の孫でした。
ライシャワーは日本で輸血を受けた際に「これで自分の体の中に日本人の血が流れることになった」と発言したとされています。この発言は日本人に対して好意的になされたものです。
当然日本人にこの発言は好意的に受け止められました。しかし、その輸血の結果、大使が肝炎に感染してしまったのです。これをきっかけに売血の問題がさらに注目をされるようになりました。
マスコミや医学部生の献身的な運動、アメリカ大使の肝炎感染等がきっかけとなり日本の売血は終焉を迎え、現在、献血制度によって日本の医療は支えられています。
その献血される血液の量が足りなくなってきています。献血に行く人たちが少なくなっているのです。献血制度を維持し売血の暗い過去に戻らないことこそ献血をすることの最大のメリットなのかもしれません。