顔にステロイド塗り薬を使うときに厳守したい5つの注意点

 投稿日    最終更新日 2016/04/17

2-5. 副作用を防ぎ、その兆候を見逃さない

顔にステロイド外用薬を使用した場合に注意すべき副作用には、

  • よく現れることのある一般的なもの
  • 注意すべき重篤なもの

の2種類があります。

まず、一般的な副作用についてです。

2-5-1. ステロイド紅潮・細菌感染・酒さ様皮膚炎に気を付ける

ステロイド外用薬を塗った場合に、顔に現れる副作用のうち主なものは

  • ステロイド紅潮
  • 毛嚢炎(もうほうえん)・細菌感染
  • 酒さ様皮膚炎

の3つです。

2週間以内の外用であれば、このような副作用の心配はまず要りませんが、それ以上の期間連用すると、副作用が現れる場合があります。

ステロイド紅潮は、皮膚が薄くなり血管への血流量が増えることで、顔が赤く見えてしまう症状です。

ステロイド外用薬の使用を中止すれば、症状は無くなっていく可逆的なものです。

また、ステロイド外用薬によって皮膚の免疫が低下するため、細菌・真菌が皮膚で繁殖しやすくなります。

そのため、ニキビのような膿がボツボツと現れることがあります。

黄色ブドウ球菌などの細菌を繁殖させたままにしておくと、アトピー性皮膚炎はステロイドを塗ってもなかなか良くなりませんから、皮膚科での適切な処置が必要となります。

最後に、酒さ様皮膚炎は、数ヶ月以上ステロイド外用薬を連用した場合に起こるとされています。

酒さ様皮膚炎についても別途適切な処置が必要となりますが、アトピー性皮膚炎の悪化症状と判別するのが難しいため、皮膚科医にきちんと診断してもらうことが必要となります。

 

酒さ様皮膚炎は数ヶ月以上の長期間の外用で生じるのが通常ですから、

気を付けるべきはステロイド紅潮と細菌感染です。

皮膚炎は落ち着いてきたけど、なんだか顔が赤くなってきた・・・。

ニキビみたいな膿が顔に出てしまった・・・。

という場合には、ステロイド外用薬の副作用が現れている可能性がありますから、

次回の診察日を待たずに、皮膚科に行って皮膚の状態を診てもらいましょう。

副作用が発生しているのであれば、適切な処置をしてくれます。

例えば、皮膚炎が落ち着いている状態であれば、副作用の少ないタクロリムス軟膏(プロトピック軟膏)に切り替えることで、副作用の症状をなくしていくことができます。

プロトピック軟膏への切替以外にも、ステロイド外用薬を塗る頻度を減らす、などの何かしらの指示が貰えるはずです。

 

顔はステロイド外用薬の副作用が出やすい場所ですから、

日頃から顔の皮膚の状態を良く観察して、副作用の兆候が出ていないかチェックする

ということが大切です。


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2-5-2. 目の周りにはステロイドを塗らないほうが良いかも

顔面へのステロイド外用薬の使用で現れる副作用のうち、
特に注意が必要な重篤なモノとは、緑内障の発症です。

アトピー性皮膚炎の人が緑内障や白内障を発症する確率は、一般に比べて高いことが分かっています。

このうち白内障については、ステロイド外用薬の副作用ではなく、痒みを解消するために目の周りを強く叩いてしまうことが原因とされています。

一方、緑内障については、ステロイド外用薬の副作用であることが多いようです。

ステロイド外用薬をまぶたの皮膚に使うと、ステロイド成分が眼に浸入し、眼圧を上昇させてしまいます。これが緑内障の発症に繋がってしまうのです。

 

目の周りの皮膚炎が酷ければ、痒みも強烈ですから、掻いたり叩いたりしてしまいます。

その場合には、物理的刺激による白内障・緑内障を防ぐ意味でも、短期間に限って目の周辺にステロイドを塗ることも仕方ないと思います。

 

しかし、痒みが我慢できる程度の皮膚炎であれば、まぶたにステロイド外用薬を塗るのは避けるべきだと私は考えます。

顔の他の部位の皮膚炎が落ち着けば、目の周りの痒みも落ち着くと思うからです。

これはあくまでも体感的なものですが、

ああ、痒い。。どこが痒いかピンポイントで分からんから、
ココらへんを大雑把に掻いてしまえ!

というような経験は、アトピーの方なら誰しもあるはずです(実際には、こんなこと考える前に掻いていますが)。

顔のほかの部分の皮膚炎が治まれば、このような「ついで掻き」も減り、結果として目の周りの皮膚炎も落ち着いていく、という考え方も出来るはずです。

 

まぶたにステロイドを塗るリスクとメリットを比較すると、

私の場合は「塗らない」という判断になりました。

あくまでも1つの意見として、ご参考にしてください。

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3. 顔に皮膚炎を出さないために守りたい日常の注意点

ここまで、ステロイド外用薬を顔に適切に使い皮膚炎を抑える方法について見てきました。

しかし、皮膚炎がいったん落ち着いても、しばらくするとまた皮膚炎が出てきてしまうことが多いです。

それは、アトピーの悪化原因が依然として存在するからです。

 

アトピー悪化原因は複雑多様で、個人個人で大きく異なるため、それを特定して取り除くのは結構大変です。

しかし、顔にアトピー性皮膚炎を出してしまう原因のうち、その影響の度合が大きくて、しかも取り除くのが比較的簡単なものはいくつかあります。

ここから、この点について、「日常で気をつけるべきポイント」としてお話したいと思います。

3-1. 洗顔・保湿(スキンケア)を徹底する

アトピー改善に洗顔・保湿が大切なことは重々承知だとは思いますが、やはり一番大切なので、ここでも取り上げておきます。

洗顔と保湿はなぜ大切なのか? それは主に、

  • 汚れや雑菌はアトピー悪化原因なので、洗顔でそれを取り除く。
  • 保湿を頻繁にすることで、肌のバリア機能を一定以上にキープする。
  • 細菌感染・繁殖を防ぐ(ステロイドによって肌の免疫は低下している)。
  • ステロイドを塗る前に肌を清潔にしておく。

という理由からです。

洗顔と保湿の方法について、ここで簡潔にまとめておきます。

 

まずは洗顔の方法と注意点です。

  • ホコリ・汚れ・雑菌は明らかなアトピー悪化原因だから、軽視しない。
  • 朝・夜は洗顔料を使ってしっかり洗顔する。
  • 昼間も、水だけでもOKなので、定期的に洗顔する(保湿もしっかり)。
  • 洗顔料は刺激の無い、余計なモノが入っていないものを使う(シャボン玉石けんなど)。
  • ゴシゴシ洗わない。きちんと泡立てて、その泡を皮膚の上で移動させるイメージ。
  • 十分に泡を洗い流す。生え際は残りやすいので特に注意。
  • 熱いお湯(シャワー)は使わない。ぬるま湯か冷水を使う。

以上の要領で洗顔を行えば、皮膚炎の悪化防止・予防に繋がります。

皮膚炎がある状態ですと洗顔は「痛い」ですから、嫌なものです。しかし、我慢して行うことで皮膚炎は確実に良くなっていきます。

皮膚炎がよくなれば、「スキンケアの一環」として余裕を持って洗顔を楽しめるようになるはずです。

そこまで、頑張って洗顔しましょう。

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次に、保湿の方法と注意点です。

  • 洗顔直後に必ず保湿剤をたっぷりと塗る。
  • 保湿剤は、洗顔料と同様に、刺激のない余計な成分の入っていないものを使う。
  • 市販であればキュレルシリーズがおすすめ。
  • 病院で処方されるヒルドイドローションやヒルドイドソフトもおすすめ。
  • キュレルやヒルドイドでは保湿力が足りない場合には、高純度のワセリンも併用する。
  • 病院で、ヒルドイドと高純度ワセリンを混ぜてもらえることが多い。
  • 季節や肌の調子によって、使う保湿剤を調整する。

「洗顔直後にたっぷりと」というのがポイントです。

保湿剤については、個人個人で肌に合う・合わないがありますから、「一概にコレを使えば大丈夫!」とは言えません。

 

しかし、少なくとも、

  • 少しでも刺激のあるもの
  • 保湿力が低いもの(油分の無いもの)
  • 食物油が成分に含まれているもの

避けるべきです。

そういう意味では、病院で貰えるヒルドイドシリーズを優先して試すと良いと思います。


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3-2. 爪を短く・丸くキープする

顔のアトピー性皮膚炎を防止するための次のポイントは

定期的に爪を短く切り揃え、丸く研ぐ

ということです。

これも、アトピーの方であれば「当たり前」のことかもしれません。

しかし、私の経験上、爪の攻撃力を低くすることは、アトピー性皮膚炎の改善には欠かせないポイントです。

 

では、爪切り・爪磨きのポイントについて、箇条書きでまとめてみます。

  • 出来るだけ切れ味のよい爪切りを使う。
  • 一般の人から見れば「深爪?」と思われるくらいに短く切る。
  • 別途用意したきめ細かい爪やすりを使って、丁寧に爪を研ぐ。

爪を切る際には、古くなった切れ味の悪い爪切りを使うのは良くないです。

爪の断面が不揃いになり、ところどころ尖ってしまい、爪の攻撃力が増すからです。

また、爪切りに付属のヤスリを使うのもおすすめしません。

丸く、なめらかな仕上がりにならないからです。

キメの細かい専用の爪やすりを用意して、それで丁寧に断面を研ぎます。

その際には、できれば一本の指ごとに、前腕部を軽くひっかくなどして、爪の攻撃力(丸さ・断面の滑らかさ)を確かめていきます。

このように、1本1本丁寧に爪を丸く研いでいきます。

時間にして、5分から10分はかかると思います。

この作業を、3,4日に1回は欠かさずに行います。

 

このように書くと、

正直、めっちゃ面倒くさいんですけど。。。

と思うのが普通だと思います。

しかし、爪の攻撃力を削ぐことは、アトピー改善に最も有効な対策の1つです。

しかも、アトピーでは珍しく、どなたにも有効な対策です。

 

なぜ有効かと言えば、アトピー悪化原因の1つである掻爬(「そうは」:掻き壊し)を防ぐからです。

掻爬をしてしまうと、皮膚のバリア機能が大幅に低下し、さらなるアレルギー反応や炎症が起こってしまい、アトピーの悪循環に繋がります。

また、掻き傷は治るのに時間がかかる上、見た目にも明らかで精神的苦痛を伴ってしまいます。この点もアトピー改善によくありません。

 

顔面のアトピーに限ったことではありませんが、爪の長さ・丸さを一定の水準にキープしておくことは、とても重要なポイントです。

3-3. 顔を手で触らない

顔のアトピー性皮膚炎の悪化防止・予防のための次のポイントは、

顔を触らない意識を持つ

という点です。

アトピーに限らず、顔に炎症や湿疹がある人は、顔に手をのばす回数が多いそうです。

例えば、顔のニキビにしきりに触れる青年は多いですよね。

あれは、ニキビが気になるから触る、触るから雑菌が増え、ニキビが治らない・・・という悪循環に陥っているのです。

 

アトピー性皮膚炎についても同様で、皮膚炎の状態が気になるから、痒くないときでも無意識に手で顔を触れてしまいがちになります。

その結果、ホコリや雑菌が顔の皮膚につき、それがアトピー悪化原因になってしまうのです。

かく言う私も、他人から指摘されるまでは、顔を手で触る癖に気づかずにいました。

その後、「出来る限り顔を触らない」という意識を持ったところ、皮膚炎は起きにくくなり、痒みも減りました。

 

昔のことを思い出してみると、新入社員のときのビジネスマナー研修で

首より上は、手で触ってはいけません。不潔な印象を相手に与えてしまいます!

とJALの元CAの女性が言っていました。

その時は、

ホント細かいな~。早く終わんないかな。。。

くらいの感想しか持っていなかったのですが、

顔を触らないという習慣は、アトピーを悪化させない・防ぐ意味でも、マナー的な意味でも、かなり重要であると言えそうです。

急に習慣や癖を変えるのは無理ですが、少しずつでもよいので、

「手で顔を触らない」ことを実践していくことをおすすめします。

4. まとめ

顔のアトピー性皮膚炎を改善し予防するためには、

  • まずはステロイド外用薬を適切に使って炎症を鎮める
  • その上で、皮膚炎が起こらないように日常生活で対策する

という手順が必要です。

この記事でお話した注意点をしっかりと守ってステロイドを使えば、副作用が出る前に皮膚炎はだいぶ落ち着くと思います。

同時並行で洗顔・スキンケア・爪のケアなども行えば、皮膚炎も起こりにくくなるはずです。

アトピー悪化原因には他にも色々とありますが、顔のアトピー性皮膚炎に関しては、まずはここでご紹介したような対策をしてみることをおすすめします。

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