私たちは、肌の表面についたホコリや雑菌、余分な皮脂を落として肌を清潔に保つために、毎日「洗顔」を行います。
ところが、敏感肌の人は肌が非常に乾燥している状態です。そのため、使用する洗顔料の洗浄力が強すぎると、肌に必要な水分や皮脂まで洗い流してしまいます。結果、肌の乾燥が加速してしまうのです。
洗顔後のスキンケアにどれだけ力を入れたとしても、毎日洗顔するたびに肌がダメージを負っていては、いっこうに敏感肌から脱することはできません。
また、敏感肌の人は健康な肌の人なら問題にならないようなささいな刺激でも、肌がヒリヒリチクチクと感じてしまいます。そのため、刺激の少ない洗顔料を使うことが、敏感肌改善への近道となるのです。
このように、敏感肌の人が洗顔料を選ぶ際には、洗浄力が強すぎず皮膚への刺激が少ない商品を選ぶことが大切です。
洗浄力と皮膚への刺激の強さは、配合されている成分とph(ペーハー)を確認することでチェックできます。
このページでは、敏感肌の人が使うべき洗浄力と低刺激を備えた洗顔料の選び方について、詳しく解説していきます。
洗顔料の「洗浄力」を確認する
まずは、洗顔料のもつ洗浄力を確認する方法から説明していきます。
洗顔料のもつ洗浄力を把握するためには、「界面活性剤(かいめんかっせいざい)」について知る必要があります。
洗顔料が汚れを落とすことができるのは、界面活性剤の働きによるものです。洗顔料には大きく分けて6タイプありますが、石けんを含めたすべての洗顔料に界面活性剤が配合されています。
界面活性剤とは
界面活性剤には、いろいろな作用があります。今回は、界面活性剤が洗顔料として働く際の2つの作用について説明します。2つの作用とは以下の通りです。
- 泡をつくり、細かいすき間に浸透する
- ミセルを形成し、汚れを落とす
それでは、順に説明していきます。
泡をつくり、細かいすき間に浸透する
界面活性剤とは、その名が示すごとく「界面」を「活性化させる」作用を持つ成分です。「界面」とは、異なる物質との境界を指します。また、「活性化させる」とは、液体のもつ「表面張力(ひょうめんちょうりょく)」を弱めることを意味します。
皆さんは、コップに水をゆっくりと注いでいくと、コップのフチよりも高い位置まで水を注ぐことができるのをご存知だと思います。これは、水に「表面張力(ひょうめんちょうりょく)」があるために起こります。
表面張力とは、液体のもつ「自分自身の表面積をできるだけ小さくしよう」とする性質から生じます。
したがって、水に界面活性剤を加えると表面張力が弱まり、表面積の大きい形状を取ることができるようになります。これが、モコモコの泡の状態です。泡は液体にとって、最も表面積が大きい形状です。
また、モコモコの泡の形状になることで、皮膚の表面にある角層や毛穴といった細かい部分にまで浸透することができるようになるのです。
ミセルを形成し、汚れを落とす
次に、界面活性剤のもつ「汚れを落とす作用」について説明します。
界面活性剤は、下記のイラストのように「親水基(しんすいき)」とよばれる水になじみやすい部分と、「親油基(しんゆき)」とよばれる油となじみやすい部分からできています。
界面活性剤が汚れを浮かせるメカニズムは、以下の通りです。
まずは、上記の1番のイラストをご覧ください。界面活性剤の親油基が肌に付着した汚れに吸着します。次に2番のイラストにあるように、汚れを浮かせていきます。
最終的には、3番のイラストにあるように、界面活性剤は球状に汚れを取りかこんで「ミセル」とよばれる状態をつくります。そして、水で洗い流されるのと一緒に、ミセルは肌から流れ落ちていくのです。
界面活性剤の種類
界面活性剤の働きについてわかったところで、界面活性剤には、どのような種類があるのか見ていきましょう。
天然界面活性剤と合成界面活性剤
界面活性剤には、大きく分けて「天然界面活性剤(てんねんかいめんかっせいざい)」と「合成界面活性剤(ごうせいかいめんかっせいざい)」の2種類があります。
石けんは「自然のものだから肌にいい」という話を聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。しかし、石けんも天然界面活性剤ではありません。なぜなら、石けんは人の手によって人工的に作られるものだからです。
では、天然界面活性剤にはどのようなものがあるのでしょうか。私たちの身近にある天然界面活性剤には、卵黄に含まれる「レシチン」があります。
レシチンを界面活性剤として使用した例には、マヨネーズがあります。
マヨネーズは、酢と卵黄と油の3つを混ぜ合わせてつくります。酢と油は、本来混ざり合いません。しかし、卵黄が入ることで、レシチンが油性成分と水性成分をつなぎ合わせる働きをするため、分離することなくマヨネーズが完成するのです。
ところが、私たちが洗顔料として使用している界面活性剤は、レシチンとは違い、すべて人工的に作られたものを使用しています。
したがって、「天然だから肌に優しい」とか「合成だから肌に悪い」という発想は的外れな議論だといえるのです。私たちは、人工的に作られた界面活性剤のなかからそれぞれの特徴を理解して、敏感肌にふさわしい界面活性剤を選択する必要があるのです。
界面活性剤を親水基のタイプで4種類に分類する
次に、界面活性剤は親水基のタイプによって4つに分類することができます。前述したように、界面活性剤は親油基と親水基からできています。
下記の表をご覧ください。
界面活性剤には、親水基がプラスの静電気を帯びている「陽(よう)イオン界面活性剤」、マイナスの静電気を帯びている「陰(いん)イオン界面活性剤」、溶液が酸性かアルカリ性かというph(ペーハー)によってプラスかマイナスか変化する「両性界面活性剤」、イオン化しない「非イオン界面活性剤」の4つがあります。
なお、4つのなかで洗浄作用をもっている界面活性剤は、陰イオン界面活性剤、両性イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤の3つです。
洗浄力の強さを決める3つの要素
洗浄力の強さを決める要素には、以下の3つがあります。
- 界面活性剤のイオン化傾向
- 界面活性剤の分子サイズ
- 液体のph (ペーハー)
では、3つの要素についてできる限り単純化して説明していきます。
界面活性剤のイオン化傾向
まずは、1つ目の「イオン化傾向」について説明します。先ほどは親水基のタイプによって界面活性剤を4つに分類しました。なかでも洗浄作用があるのは、以下の3つの界面活性剤でした。
「イオン」とはイラストに記載されている親水基の「プラス」や「マイナス」のことだと考えてください。
プラスやマイナスの静電気を帯びた界面活性剤がたくさん配合されている洗顔料は、プラスやマイナスのイオンが多くなります。このプラスやマイナスのイオンが多い状態をイオン化傾向が大きいと表現します。
反対に、プラスやマイナスの静電気を帯びた界面活性剤の量が少ないと、イオン化傾向が小さいということができます。
したがって、非イオン界面活性剤は静電気を帯びていないため、イオン化傾向が非常に小さいといえます。
なお、両性イオン界面活性剤は、アルカリ性ではマイナスイオンの働きをし、酸性ではプラスイオンの働きをします。
配合される洗顔料のphによって働きが変わるため、両性イオン界面活性剤はメインの洗浄剤ではなく、洗浄力や泡立ちを補強する補助剤として配合されることが多いです。
メインの洗浄成分として配合されることが最も多い界面活性剤は、陰イオン界面活性剤です。
つまり、イオン化傾向だけで洗浄力を比較すると、洗浄力の強さは陰イオン界面活性剤>両性イオン界面活性剤>非イオン界面活性剤の順となります。
界面活性剤の分子サイズ
次に、洗浄力の強さを決める2つ目の要素である「分子のサイズ」について説明します。
物質をどこまでも細かく分解していくとします。すると、「これ以上は分解できない」という最小単位にたどり着きます。この最小単位が「原子」です。原子がいくつか結びついてできるのが、「分子」なのです。
したがって、界面活性剤の分子サイズが小さければ小さいほど、肌の表面にある角層のすき間にまで入り込むことができるようになります。そのため、洗浄力が強くなるのです。
反対に、界面活性剤の分子サイズが大きいと、角層のすき間にまで入りこむことはできません。結果、洗浄力は弱くなるのです。
液体のph (ペーハー)
洗浄力の強さを決める3つ目の要素であるph(ペーハー)とは、酸性、中性、アルカリ性などの液性を指します。
人の肌は弱酸性です。弱酸性の肌とアルカリ性の液体は非常に相性がいいという特徴があります。結果、アルカリ性の界面活性剤を使用すると、必要以上に強い洗浄力が発揮されてしまうのです。
洗浄力は3つの要素を総合した結果で決まる
なお、洗浄力の強さは3つの要素を総合した結果で決まります。
3つの要素と洗浄力の関係について、まとめました。下記の表をご参照ください。
| 洗浄力が強い | 洗浄力が弱い | |
| イオン化傾向 | 大きい | 小さい |
| 分子のサイズ | 小さい | 大きい |
| ph | アルカリ性 | 弱酸性 |
ここで1つ具体例をあげます。いったん洗顔料からは離れてしまうのですが、わかりやすくするために食器洗い用の洗剤を例にとって考えてみましょう。
食器洗い用の洗剤は、中性洗剤が多いです。phだけで判断すると、食器洗い用の洗剤はアルカリ性ではないため、洗浄力は「強くない」ということになります。
しかし、実際には食器洗い用の洗剤は、非常に洗浄力が強いです。なぜなら、食器洗い用の洗剤は調理した後のギトギトの油汚れも、スッキリと落とす必要があるからです。
したがって、食器洗い用の洗剤は、分子のサイズが小さい、あるいはイオン化傾向が大きい界面活性剤を配合しているため「洗浄力が強い」と考えられるのです。
このように、洗浄力は3つの要素を総合して複合的に決まるということを覚えておいてください。
ここからは、3つの要素を加味した結果、管理人の考える洗浄力が強いため使用を控えるべき界面活性剤と使用をおすすめする界面活性剤について解説していきます。
洗浄力が強いため、使用を控えるべき界面活性剤
敏感肌の人には洗浄力が強すぎるため、使用を控えることをおすすめする界面活性剤は、以下の通りです。
硫酸塩型の界面活性剤
オレフィンスルホン酸ナトリウム
石けん
それでは、順に説明していきます。
硫酸塩型の界面活性剤とは
硫酸塩型の界面活性剤は、陰イオン界面活性剤に分類されます。
陰イオン界面活性剤のなかにも、洗浄力は強いものから弱いものまでいろいろあります。しかし、硫酸塩型の界面活性剤は「イオン化傾向が大きく、分子サイズが小さい」という特徴をもつ陰イオン界面活性剤です。
「イオン化傾向が大きく、分子サイズが小さい」ということは、洗浄力が非常に強いことを意味します。
硫酸塩型の界面活性剤には、以下のようなものがあります。
硫酸塩型の界面活性剤
- ラウリル硫酸ナトリウム
- ラウリル硫酸アンモニウム
- ラウレス硫酸ナトリウム
- ラウレス硫酸アンモニウム
また、硫酸塩ではないのですが、上記にあげた界面活性剤と同様の働きをするのがオレフィンスルホン酸ナトリウムです。
硫酸塩型の界面活性剤と同じ働きをする界面活性剤
- オレフィン(C14-16)スルホン酸ナトリウム
したがって、硫酸塩型の界面活性剤だけでなく、オレフィンスルホン酸ナトリウムを配合した洗顔料の使用も、控えることをおすすめします。
硫酸塩型の界面活性剤とオレフィンスルホン酸ナトリウムには、「安いコストで大量生産できる洗浄力の強い洗剤である」という共通点があります。
そのため、比較的安い洗顔料にはよく使用されています。現在、あなたが使っている洗顔料に配合されている界面活性剤はどうですか。成分表示を確認し、上記の界面活性剤が配合されていないかチェックしてみましょう。
石けんとは
次に、洗浄力が強すぎるため、使用をおすすめしない洗顔料としてあげた「石けん」について説明していきます。
石けんも硫酸塩型の界面活性剤と同様に、陰イオン界面活性剤に分類されます。さらに、石けんはすべてアルカリ性であるという特徴をもっています。そのため、洗浄力が強くなっています。
敏感肌の人は、乾燥と皮脂不足に悩まされることが多いです。石けんは洗浄力が強いものが多いため、敏感肌の人には基本的にすべての石けんの使用をおすすめしません。
石けんの作り方
石けんを主な洗浄成分とした洗顔料を選ばないためには、石けんがどのように作られているかを知る必要があります。
石けんの作り方は、2通りあります。以下の図をご覧ください。
1つ目の作り方は「中和法」といいます。パルミチン酸、ステアリン酸、ミスチリン酸といった高級脂肪酸とよばれる成分に、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムを加えて作ります。
もう1つの作り方は、「ケン化法」といいます。オリーブ油や牛脂、ヤシ油といった油脂に、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムを加えて作ります。
どちらの場合においても、水酸化ナトリウムを加えてできた石けんは、「石ケン素地」とよばれます。石ケン素地は固形の石けんになります。
一方、水酸化カリウムを加えてできた石けんは、「カリ石ケン素地」とよばれます。カリ石ケン素地は固形ではなく、液体石ケンになります。
また、水酸化ナトリウムと水酸化カリウムの両方を加えてできた石けんは、「カリ含有石ケン素地」とよばれます。
洗浄成分が石けんでないか確認する方法
石けんの作り方については、ご理解いただけたと思います。固形せっけんは、形状ですぐに石けんだと判別できます。
しかし、石けんは固形だけではありません。石けんの使用を控えるためには、液体石けんであるカリ石ケン素地が配合されてないことを確認する必要があるのです。
洗顔料には固形石けん以外に、洗顔フォーム、ジェル、ミルク、泡、パウダーの5つのタイプがあります。ところが、どのタイプの洗顔料であっても主な洗浄成分が「石けん」である可能性があるのです。
ここで、主な洗浄成分が石けんである「洗顔フォームタイプ」の成分表示をご紹介します。
なお、医薬部外品を除くすべての化粧品は、法律により、使用している全成分を表示することが義務化されています。全成分表示の記載方法には決まりがあり、すべての配合成分を記載すること、また配合量は多い順に記載することが定められています。
以上のことを理解した上で、成分表示を確認するようにしてください。
まずは下記の「例1」の表をご覧ください。上位9つの成分表示を、抜粋して表記しました。
パルミチン酸、ステアリン酸、ミスチリン酸という高級脂肪酸と「水酸化K」つまり、水酸化カリウムが配合されていることがわかります。
したがって、これは石けんを主な洗浄成分とした洗顔料であると判別することができます。
続いて、以下の「例2」の表をご覧ください。
パルミチン酸、ステアリン酸、ミスチリン酸と水酸化カリウムが反応した結果できる「パルミチン酸K(カリウム)」「ステアリン酸K(カリウム)」「ミスチリン酸K(カリウム)」が記載されています。
実は、成分表示を行う際、中和などの反応を前提とした化粧品は、反応前の成分名を表記しても、反応後の成分名を表記してもどちらでも構わないという決まりがあります。
したがって、例2に示した洗顔料も石けんを主な洗浄成分とした洗顔料であると判別することができるのです。
続いて、以下の「例3」の表をご覧ください。
例3では、「カリ石ケン素地」と記載があります。例2のなかで説明したように、反応後の成分名を記載しているパターンです。
したがって、例3の洗顔料も主な洗浄成分が石けんである洗顔料だと判別できます。
このように、石けんの成分表記の仕方は、3パターンあることをご理解いただけたと思います。実は、例1、2、3は同じ洗顔フォームを表していました。
今回覚えた確認方法を使って、ご自身がお使いの洗顔料の主な洗浄成分は何か、ぜひチェックしてみてください。そして、主な洗浄成分が石けんである洗顔料を使用している敏感肌の人は、洗浄力が優しい洗顔料に変更することをおすすめします。
おすすめの洗浄力が優しい界面活性剤
ここからは、敏感肌の人におすすめする洗浄力が優しい界面活性剤について説明します。おすすめする洗浄力が優しい界面活性剤は、以下の通りです。
おすすめの洗浄力が優しい界面活性剤
- アミノ酸塩型の界面活性剤
- カルボン酸塩型の界面活性剤
あくまで補助剤ではなく、メインの洗浄成分として配合されている商品を選ぶことが大切です。全成分表示を確認した際に、上記の界面活性剤が上位に記載されている洗顔料を選びましょう。
それでは、界面活性剤について順に説明していきます。
アミノ酸塩型の界面活性剤とは
アミノ酸塩型の界面活性剤も、石けんと同じ陰イオン界面活性剤に分類されます。ところが、陰イオン界面活性剤のなかでもアミノ酸塩型の界面活性剤は、洗浄力が穏やかであるものが多いです。
アミノ酸塩型の界面活性剤には、以下のようなものがあります。
アミノ酸塩型の界面活性剤
- ラウロイルグルタミン酸ナトリウム
- ラウロイルメチルアラニンナトリウム
- ラウロイルアスパラギン酸ナトリウム
- ラウロイルメチルアラニンナトリウム
- ココイルグルタミン酸TEA
- ココイルアスパラギン酸TEA
- ココイルメチルアラニンTEA
- ココイルグリシンカリウム
界面活性剤には、非常にたくさんの種類があります。また、界面活性剤はどんどん新しいものが開発されています。そのため、化学の専門家でもない限り、成分名だけでアミノ酸塩型の界面活性剤を判別することは、実際のところ難しいです。
全成分表示を確認した時、上記に記載した成分名がそのまま見つかれば何の問題もありません。しかし、そう簡単にいかない場合も多いです。
成分表示を確認してもアミノ酸塩型の界面活性剤を使用した洗顔料かどうかわからなかった場合は、メーカー自身が「アミノ酸系洗顔料である」と商品説明のなかでうたっているかどうかを確認するとよいです。
ただし、1点注意があります。
「アミノ酸 洗顔料」という言葉が商品名に入っていても、アミノ酸塩型の界面活性剤を使用した洗顔料とは限りません。
なぜなら、「アミノ酸塩型の界面活性剤」ではなく「アミノ酸」を配合した洗顔料である場合があるからです。この場合、配合されているメインの洗浄成分が何であるかによって、商品のもつ洗浄力が変わってきます。
したがって、アミノ酸塩型の界面活性剤を使用した洗顔料かどうかを、商品名だけで判断するのはやめましょう。
カルボン酸塩型の界面活性剤とは
2つ目におすすめする洗浄力が優しい界面活性剤は、カルボン酸塩型の界面活性剤です。
カルボン酸塩型の界面活性剤も、陰イオン界面活性剤に分類されます。カルボン酸塩型の界面活性剤は別名「酸性石ケン」とよばれています。
もちろん、前述した「石けん」とは、別のものです。酸性石けんには以下のようなものがあります。
カルボン酸塩型の界面活性剤
- ラウレス-5-酢酸ナトリウム
- ラウレス-4-カルボン酸ナトリウム
カルボン酸塩型の界面活性剤は酸性石けんとよばれるとおり、弱酸性をしています。洗浄力が優しいため、おすすめの界面活性剤です。
洗顔料の「皮膚刺激」を確認する
次に、洗顔料の膚刺激を確認する方法について、説明していきます。敏感肌に優しい低刺激な洗顔料を選ぶためには、以下の3点をチェックするようにしましょう。
- 洗顔料のph(ペーハー)が弱酸性であること
- 使用後にツッパリ感がないこと
- 酵素配合の洗顔料でないこと
洗顔料のph(ペーハー)が弱酸性であること
phとは、酸性や中性、アルカリ性といった液性を表すということは、すでに説明した通りです。また、これまでに述べたように、人の肌は弱酸性をしています。そのため、アルカリ性の洗浄剤は肌に刺激を与えてしまいます。
健康な肌の人は、アルカリ性の洗浄剤を使用しても、何ら問題ありません。なぜなら、健康な人の肌にはアルカリ性の物質を中和する能力があるからです。そのため、時間がたつと肌のphは自然に弱酸性に戻ります。しかし、敏感肌の人はアルカリ性の物質を中和する力が弱くなっています。
結果、洗顔後本来あるべき弱酸性の状態に戻るまで、非常に時間がかかってしまうのです。したがって、敏感肌の人は弱酸性の洗顔料を使用して、肌への負担を極力抑えることをおすすめします。
敏感肌とphの関係がわかりやすい例として、温泉があります。
「温泉につかると肌の調子が悪くなる」という敏感肌の人は多いです。管理人も温泉の泉質によって、入浴後に肌の調子が悪くなることがあります。
一般的に、温泉は「肌に良い」とか「美人の湯」などといわれることが多いです。しかし、健康な肌の人には美肌効果があっても、敏感肌には刺激となるのです。敏感肌に刺激を与える理由は、温泉の泉質が酸性やアルカリ性をしていることが原因です。
肌と同じ弱酸性よりも酸性に傾いている温泉水には、「ピーリング効果」があります。ピーリング効果とは、古くなった肌の角質をはがす効果のことです。
角層とは、肌のもっとも外側にあり、外部からの異物や刺激から肌の内部を守る働きをしている部分です。
敏感肌の人は、角層が薄くてもろくなっている傾向があります。そのため、酸性の温泉につかると必要以上に角層がはがされてしまい、肌がダメージを受けるのです。結果、入浴後の肌は乾燥して、肌あれやチクチク感、かゆみを引き起こしてしまうのです。
一方、アルカリ性の温泉水には、皮脂を溶かして角層をやわらかくする効果があります。敏感肌の人は角層がもろいだけでなく、皮脂の分泌量も少なくなっている人が多いです。
そのため、敏感肌の人がアルカリ性の温泉につかると、角層はよりもろくなり、皮脂が奪われてカサカサの状態におちいってしまいます。結果、肌あれやチクチク感、かゆみを引き起こしてしまうのです。
温泉の事例からわかるように、敏感肌の人にとってphを確認することは非常に重要です。洗顔料は、肌への刺激が少ない弱酸性の商品を選ぶようにしましょう。
なお、すべての石けんはアルカリ性です。そのため、健康な肌の人にとって石けんの使用は全く問題ありませんが、敏感肌の人には、石けんの使用はおすすめしません。石けんの見分け方についてはこちらをご確認ください。
使用後にツッパリ感がないこと
洗顔した後、肌にツッパリ感を感じる場合は、使用している洗顔料の刺激が強すぎると判断できます。
ツッパリ感を感じる要因には、以下の3つが考えられます。
ツッパリ感を感じる要因
- 肌に必要な皮脂や角質が洗い流されている
- 洗顔料の肌への吸着性が高い
- 「パラベン」や「香料」が肌に刺激を与えている
まず1つ目に、洗浄力が強すぎる場合やアルカリ性の洗顔料を使用した場合、肌に必要な皮脂や角質まで洗い流されてしまいます。したがって、洗浄力が強すぎるものやアルカリ性の洗顔料の使用は控えましょう。
また、2つ目にあげたように、洗顔料の肌への吸着性が高いと肌はツッパリ感を感じます。これまでにも述べたように、弱酸性の肌は、アルカリ性の成分と相性がいいという特徴があります。そのため、アルカリ性の洗浄剤を使用すると、肌への吸着性が増してしまいます。肌と同じ弱酸性の洗顔料を使うことで、肌のツッパリ感をなくすことができます。
3つ目に、洗顔料に配合されている「パラベン」や「香料」が肌に合わない場合、ツッパリ感を感じます。
パラベンは、化粧品の品質を守る防腐剤として配合されます。代表的なパラベンとしては、以下のようなものがあります。
代表的なパラベン
- メチルパラベン
- プロピルパラベン
- エチルパラベン
- ブチルパラベン
- イソブチルパラベン
- メチルパラベンナトリウム
化粧品の品質を維持するために、防腐剤は欠かせない存在です。しかし、敏感肌の人のなかには、配合されているパラベンが肌に合わない場合があるのです。
同様に、洗顔料に配合されている「香料」にも、刺激を感じる場合があります。香料とは、化粧品によい香りをつけるために微量に配合される物質のことです。
香料には、エッセンシャルオイルを使ったものや合成香料を使ったものなどがあります。肌に合うか合わないかには、個人差があります。
弱酸性の洗浄力が優しい洗顔料を使用しているのに肌がツッパるという人は、配合されている「パラベン」や「香料」が肌に合っていない可能性があります。ツッパリ感を感じる洗顔料の使用は、中止しましょう。
酵素配合の洗顔料でないこと
酵素が配合されている洗顔料は、敏感肌の人にはおすすめしません。なぜなら、酵素洗顔料は、タンパク質や皮脂を分解する効果がすぐれているためです。
人の皮膚は、タンパク質でできています。そのため、酵素洗顔料を使用すると、古くなった角質や角質と皮脂が混じり合ってできた毛穴の角栓などを分解することができます。
健康な肌の人にとっては、非常にうれしい効果といえます。しかし、敏感肌の人には、酵素洗顔料は肌への刺激が強すぎるのです。
前述したように、敏感肌の人の角層は薄くてもろい傾向があります。タンパク質を分解する効果がある酵素洗顔料を使用すると、角層がさらにもろくなり、肌の新陳代謝であるターンオーバーが乱れてしまいます。
そのため、少なくとも敏感肌が改善するまでは、酵素を配合した洗顔料の使用は控えることが賢明です。どうしても、毛穴詰まりが気になるという方は、最低1週間は期間を空けて使用するようにしましょう。
まとめ
このページでは、敏感肌の人が使うべき洗浄力と低刺激を備えた洗顔料の選び方について、詳しく解説しました。
洗浄力から判断した、使用を控えるべき界面活性剤とおすすめの界面活性剤は、以下の通りでした。
使用を控えるべき界面活性剤
- 硫酸塩型の界面活性剤
- オレフィンスルホン酸ナトリウム
- 石けん
おすすめの界面活性剤
- アミノ酸塩型の界面活性剤
- カルボン酸塩型の界面活性剤
また、皮膚への刺激の観点から、低刺激の洗顔料を選び出すポイントには、以下の3つがありました。
- 洗顔料のph(ペーハー)が弱酸性であること
- 使用後にツッパリ感がないこと
- 酵素配合の洗顔料でないこと
これらのポイント押さえた洗浄力が優しく低刺激な洗顔を使って、敏感肌から肌美人を目指していきましょう。