とびひの症状とは?単なる皮膚炎じゃない!初めてのとびひ
赤ちゃんの肌はとってもデリケート!赤ちゃんは皮膚の厚みが大人の半分ほどしかないため、肌トラブルをよく起こします。そして、夏の肌トラブルから発症する病気に「とびひ」があります。
とびひは一度感染してしまうと治りにくく、気づくのが遅いと全身に広がって、他の子にもうつしてしまう感染力の強い病気です。赤ちゃんや小さな子供が主にかかる病気なので、「とびひ」を知らない、症状を見たことのない方もいるでしょう。
「とびひ」ってなに?
これって「とびひ」?
とびひとは、どのような病気で、どんな症状があらわれるのか紹介します。
とびひってどんな病気?初期症状・病院へ行く目安
「とびひ」というのは、一般的に呼ばれる通称です。火事の飛び火のようにあっという間に全身に広がる症状が名前の由来です。
正式名称は「伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん)」。細菌に感染してできた黄色いかさぶたを膿痂疹と言い、「伝染するかさぶた」という意味です。膿痂疹は細菌が原因で起こる皮膚炎の中で最もよく見られる病気です。
とびひは大人もかかる?家族で正しい知識を共有
とびひは、湿疹や虫刺され、アトピー性皮膚炎によって肌を掻き壊したり、ひっかき傷などに細菌が入り込むことで発症します。赤ちゃんや子供の場合、肌トラブルが増える夏の暑い時期に流行します。
大人は細菌に対する抵抗力が子どもよりは強いので、とびひの原因となる菌が体内に侵入しても簡単に発症をすることはありません。ただし、とても疲れていたり、ストレスが溜まっていたりする時、手術後など体の免疫力が弱っていると発症しやすくなります。
「とびひは子どもがかかるもの」と思っていると、大人は発見が遅れる傾向にあります。赤ちゃんや子供にうつさないために、ママだけでなく、パパや一緒に暮らす家族は正しい知識を持ち、早いタイミングで病院に行くことが大切です。
赤ちゃんや子供が感染する「水疱性膿痂疹」の症状
水疱(水ぶくれ)ができるとびひを水縫性膿痂疹(すいほうせいのうかしん)といいます。
主に0~6歳の赤ちゃんや子供が感染し、最初は目や鼻、口周りから発症し、全身に広がっていくパターンが多く見受けられます。
水疱性膿痂疹の主な原因は、黄色ブドウ球菌という人の皮膚や鼻の中にいる常在菌です。
黄色ブドウ球菌は、小さな傷から皮膚に入り込み、表皮剥脱毒素という毒素が皮膚を侵し、皮膚の浅い部分に膜の薄い水疱を作ります。
水疱には痒みがあるため、我慢できずに掻いてしまうと薄い膜なので簡単に破れ、ジュクジュクとしたただれができてしまいます。
水疱を破った際に、手についた液体が他の皮膚につくと感染が拡大します。
あせもや虫刺されなどを掻いたことから感染してしまうことも多く、夏に発生するとびひの大半は水疱性膿痂疹です。
大人も感染する「痂皮性膿痂疹」の症状
かさぶたができるとびひを痂皮性膿痂疹(かひせいのうかしん)といいます。痂皮とはかさぶたのことであり、大人のとびひの大半はこの痂皮性膿痂疹で、年齢や季節に関係なく発症します。
A群β溶血連鎖球菌(溶連菌)に感染すると、赤い腫れから始まり、膿疱ができます。やがて膿疱が破れ、肌がただれ、厚みのあるかさぶたとなって全身に広がるという症状が見られます。
痂皮性膿痂疹の特徴として、発熱やリンパ節の腫れ、のどの痛みなどがあり、重症化すると全身が赤くなることがあります。
とびひの初期症状とは?
とびひの特徴的な初期症状は「水ぶくれ」と「かさぶた」です。初期段階で治療を始めれば症状の拡大や感染を抑えられます。
水ぶくれ
水ぶくれにはヤケドによる皮膚の損傷が原因のもの、ウイルス感染が原因のものの2つがあります。
とびひの症状として現れる水ぶくれはウイルス感染によってできたものです。
水ぶくれから出てきた膿や汁にはウイルスが入っているため、不用意に触れると症状は他の部位にも広がります。
すり傷ができた部分に水ぶくれが薄くできていたら、とびひの可能性があります。
かさぶた
とびひの初期症状として見られるかさぶたには、最初は中に膿がたまっているような水ぶくれですが、すぐに厚みのあるかさぶたに変わります。
腫れや厚みのあるかさぶたができている場合はとびひの可能性があります。
これってとびひ!?病院を受診する目安
小さなすり傷やケガ、虫刺されを掻いてしまってかさぶたになることは赤ちゃんや子供にはよくあります。薄いかさぶたができたくらいであれば、自宅で様子を見ても大丈夫です。
ただし、皮膚の一部が膿んで水ぶくれができていたり、厚みのあるかさぶたになったら注意して観察をしましょう。
2~3日経っても膿んでただれているようであれば皮膚科か小児科へ連れていきましょう。その際は「とびひかもしれない」と伝えて受診しましょう。
保育園には登園可能?
とびひは学校保健安全法によって、第三種として扱われています。第三種は「病状により学校医、その他の医師において伝染の恐れがないと認められるまで出席停止」という扱いになります。
しかし、「とびひに感染をしているから絶対休ませないといけない」ではなく、医師が「登園しても大丈夫」と判断をした場合は欠席する必要はありません。
ただし、医師ではなく、保育園側の判断により「欠席してほしい」と言われるケースもあります。「症状が軽度」「患部をガーゼや包帯で覆う」という条件つきで登園OKとなることもありますので、症状の度合や範囲、年齢を考えて、交渉しましょう。
感染力の強い病気なのは事実ですので「仕事が休めない」「絆創膏貼れば大丈夫」「かゆみも治まってきたからOK」と自己判断はやめましょう。
お風呂はOK!プールはNG!
とびひは接触感染しますので、とびひにかかっている間のお風呂やプールには注意が必要です。
プールは多くの子供が利用するため基本的には完治するまでNGです。
しかし、肌を清潔に保つためにもお風呂には入りましょう。湯船には浸かると身体が温まり、痒みもますので、シャワーで汗や汚れを洗い流す程度にしましょう。
特に注意したいとびひの症状パターン
とびひは気が付くタイミングが遅いと重症化したり、完治まで時間がかかります。また、対応を間違えると症状が悪化することもあるので注意が必要です。
顔にとびひの症状が出た場合は、感染の広がりに注意
顔にとびひの症状が現れた時は完治までに長引くことがあります。これは、他の部位にとびひができた時よりも自分の手で簡単に触ることができるためです。
また、鼻の中にはとびひの原因菌がたくさんいるため、鼻の周辺がとびひになることもよくあります。
赤ちゃんに掻かないように教えても無理ですし、子供も痒いとつい掻いてしまいます。掻いたことで治りが遅くなり、患部を触ったその手で他の場所を触ってしまうので、顔にとびひの症状が出た時は全身に広がらないように特に注意が必要です。
もしかしたら、鼻を無意識に触る癖があるかもしれません。気が付かないと何度もとびひになってしまうこともありますので、鼻を触っていないか注意して見ておきましょう。
自己判断は禁物。薬を間違えると悪化する
「リンデロンVG軟膏」は虫刺されや皮膚炎などの治療で使うことの多いステロイド剤です。そのため、常備薬のようにしている方もいるでしょう。
しかし、例え過去にとびひに感染し、リンデロンVG軟膏を処方されたからと言って自己判断で使用するのはやめましょう。ステロイド剤のもつ免疫抑制作用が細菌を繁殖させてしまい、とびひの原因となる黄色ブドウ球菌が増殖し、とびひが広がってしまう恐れがあります。
リンデロンVG軟膏が処方されるのは、じゅくじゅくとした水疱が症状として出ていない場合に限られます。
ステロイド薬は使い方を間違えると大変なことになりますので、病院で処方された薬を使用するようにしましょう。
とびひに症状が似ている皮膚炎
とびひは専門の医師によっては視診や問診でも判断できる病気でもありますが、厳密には水ぶくれやかさぶたの中の膿に黄色ブドウ球菌などの細菌がいるかを調べることで診断が確定します。
症状の似ている病気もあるので、自己判断だけで対処するのはやめましょう。
アトピー性皮膚炎
かゆみのある湿疹が繰り返し現れる病気です。体質的に皮膚が弱かったり、アレルギーを持っていることが原因で起こります。
アトピー性皮膚炎の子は、普段から肌のバリア機能が弱っているため、とびひの原因菌が侵入しやすいです。今回はひどいアトピーだなと思っていたら、とびひに感染している場合もありますので、アトピー性皮膚炎の赤ちゃんのママは要注意です。
あせも
大量の汗をかくと、汗を皮膚の外に排出しきれなくなり、汗腺が詰まってあせもができます。通常のあせもは白っぽくポツポツとしていて2、3日で治りますが、掻きむしると赤いあせもとなります。
時々間違える方がいますが、この赤い発疹は、とびひとは違います。ただし、なかなか治らず、悪化してとびひに発展する可能性は十分にあり得ます。症状がひどい場合は早めに皮膚科を受診し、薬を塗った方が良いでしょう。
水痘(水ぼうそう)
ウイルスに感染して、水ぶくれのような発疹が全身にできるのが水痘、水ぼうそうという呼び名で一般的には定着しています。水ぼうそうの発疹はとびひによく似ています。
「水ぼうそう」と「とびひ」の違いは広がるスピードです。数日かけて広がっていくとびひに対し、水ぼうそうは接触感染以外にも空気感染もするため、1日で全身に広がります。
水ぼうそうは感染力が強いので、至急病院を受診しましょう。ただし、事前に連絡を入れ、車や病院の感染症専門の待合室を利用しましょう。
接触性皮膚炎
衣類のこすれや洗剤、虫や植物、薬といった特定の物質に触れると赤いぶつぶつや皮膚が盛り上がる湿疹が現れる病気です。数時間以内に症状が現れ、時には強いかゆみを伴います。
原因物質が何か心当たりがない場合、突然の湿疹や腫れにはママたちはビックリ!赤ちゃんの場合、よだれや食品などの汚れが原因で口の周りに症状が現れることもあります。
とびひの治療法
同じとびひでも原因菌が異なれば症状も治療法も異なります。自己判断はしないで病院で処方された治療薬を使用しましょう。治療の期間は平均で1週間前後ですが、早期に適切な治療を始めれば3日程度で治ることもあります。
治療には抗生物質の入った軟膏と内服液を処方されるケースが多く、掻き毟って感染を広げないために通気性の良いガーゼで患部を覆う処置がされます。
かゆみ強い場合は、かゆみを抑える抗ヒスタミン剤を処方されることもありますので、症状を正確に伝えましょう。
ホームケアの方法
とびひの原因菌は肌や鼻の中に普段から存在する常在菌なので、肌に傷がついて菌が入ることはよくあります。
清潔に保つ
赤ちゃんや子供はとっても汗っかき。自分で衣類で調整することも難しく、遊びに夢中になり、気が付けば汗だくになっていることもあります。
入浴は毎日行い、汗をかいたら濡れたおしぼりで拭いてあげましょう。また、入浴時にはしっかりと泡立てた石鹸で優しく洗いましょう。
爪を切る
肌を傷つけないようにこまめに爪を切りましょう。夏場など汗をかくと痒みが発生し、子どもは無意識で肌をひっかいてしまいます。ちょっとしたひっかき傷の場合、ママも見落としがちなので、掻いても傷ができないようにするのが得策です。
タオルは共有しない
とびひに感染してしまった場合は、タオルの共有はNG。病原菌が患部から染み出ていることもあります。潜伏期間もありますので、で、普段から共有は避けた方が無難です。
おむつはこまめに交換を
おむつの中は湿度が高く、夏は特におむつかぶれを起こしやすい季節。
とびひは湿度の高い場所では広がりやすいので、おむつの中はとびひが広がりやすい環境と言えます。こまめに交換をし、時々は交換のついでに、おしりを濡らしたタオルでふいたあげましょう。
とびひの予兆を見逃さない!
夏場はとびひにかかりやすい時期ですが、感染時期は夏だけではありません。汗をかきやすい赤ちゃんや小さな子供は年中とびひになる可能性があると思っておきましょう。
「手を洗おう」「傷はかかないようにね」と言っても、痒みがある場合は実際には難しいものです。特に小さな赤ちゃんの場合、虫刺されを掻き壊したり、鼻を触って感染することが多いです。
膿の溜まった水ぶくれや厚いかさぶたなど「とびひかもしれない」と思う症状を発見したら早期の治療が大切です。早期にとびひの症状を発見し、治療にうつれば全身へ感染を防ぐことができます。